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1.
 さて、数日前から話題になっている、自由民主党・日本経済再生本部の公表した「日本再生ビジョン」(平成26年5月23日付)ですが、本日送られてきた商事法務メルマガにリンク先と共に紹介されていましたので、遅ればせながら(?)、コーポレート・ガバナンスに関する部分だけ目を通してみました。

2.
 「日本再生ビジョン」は、自民党の塩崎恭久議員のウェブサイトのこちらのページにございます。
 
https://www.y-shiozaki.or.jp/contribution/

(1)
 「日本再生ビジョン」は7つの柱からなる提言ですが、その1番目に「強い健全企業による日本再生」という項目があり、同文書の概要説明部分で、コーポレートガバナンス改革に関し、まず以下のように概括的な説明がなされています。(以下、引用部分の太字・下線は川井による)

 「昨年の自民党『中間提言』では、日本の企業が国際競争に敗退しつつある原因のひとつとして、コーポレートガバナンス機能の不十分さと、その結果としての国際的にみた低収益力を指摘し、(中略)、コーポレートガバナンス改革が不可欠であることを明らかにした。その『中間提言』の発展版としての本提言では、より具体的な改革策を提言する。
具体的には、コーポレート・ガバナンス・コードを導入するとともに、企業間の株式持ち合いの解消・抑制を促進し、同時にそれによる株価への影響への対応を行うほか、独立社外取締役の導入促進、さらには企業再生に関する法制度や運用実務の見直しなどについて、従来よりも一歩も二歩も踏み込んだ提言を行う。
(同文書4ページ)

(上記に記載されている「中間提言」という文書も、上でリンクを貼った塩崎議員のサイトのページにアップされています。)

(2)
 今回の提言内容は、去年の「中間提言」が基本的には抽象的な内容であったのに対し、上記で引用した記載にあるとおり、確かに、一歩も二歩も(もしかすると、三歩以上も?)踏み込んだ内容になっていますね。
 同文書の13ページ以下に、コーポレート・ガバナンスに関する具体的な提言がなされておりますが、とりわけ目を引くのが、「コーポレートガバナンス・コードの制定」というタイトルの下に記載された、以下のくだり(同文書17ページ)です。

「・・・英、仏、独などの欧州国では、まず独立取締役設置など、企業統治におけるベストプラクティスの採用とその開示の統一化等に関し、『遵守せよ、さもなくば、従わない理由を説明せよ(comply or explain)』ルールの下で企業に促すための、企業統治の具体的姿を示すコーポレートガバナンス・コード』において定められている。

 わが国においても同様に、(中略)、日本の上場企業のあるべき企業統治の具体的姿を示し、それを企業がcomply or explainルールの下で尊重する、コーポレートガバナンス・コードの制定を提言する。

 具体的には、まずは多様な関係者による有識者会議が東京証券取引所と金融庁による共同事務局としてのサポートを受け、ベストプラクティスの内容やOECD原則を踏まえたコーポレートガバナンス・コードの基本的考え方を今秋までにまとめ、それを受けて東京証券取引所が具体的コーポレートガバナンス・コード(ママ)を来年の株主総会のシーズンに間に合うように制定するとともに、当該コードに対するcomply or explainルールを東証上場規則に明記するよう、東証に対し金融庁より要請する。

 その際、現行の会社法上に規定のない執行役員の地位、及びその忠実義務を明確化するとともに、取締役には経験や独立性、知識といった各観点からのバランスを求め、それぞれの企業統治に係る取り組みの開示と経営陣による説明を求めることで、企業統治の実効性を高める。また、社外取締役と監査役による合議体を内部通報窓口にするなど、内部通報制度の充実やその活用に向けた制度の構築が合わせて必要である。

 上記コーポレートガバナンス・コードに、例えば下記のような記載をすることが考えられる。」
 (以下の具体例の記載もなかなか興味深いのですが、長くなるので割愛させて頂きます)

 う~ん、これは凄いなあ・・・。

 内容についてのコメントは控えさせて頂きますが、スケジュールとして「来年の株主総会のシーズンに間に合うように」コードを制定する、との方針には少々驚きました。これはかなりのスピードですね・・・(改正会社法の施行のタイミングとさほど変わらないような気が・・・)。
 今回の提言に基づく今後の動きに、俄然目が離せなくなってきたように思われます。
 (上記の自民党の提言は、法改正を伴わない以上、自民党の意向がそのまま反映されて東証の制度が変更され、コーポレートガバナンス・コードが導入される、ということになるのでしょうか・・・。)

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 それでは、自民党の提言内容のご紹介がほとんどになってしまいましたが、本日はこんなところで・・・。

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