[本ブログトップページ]→ http://blog.livedoor.jp/kawailawjapan/

* * * *

1.
 さて、お知らせするのが1日遅れてしまいましたが、いわゆるフェア・ディスクロージャー・ルールを新設すること等を改正内容とする「金融商品取引法の一部を改正する法律案」が、17日の参議院本会議で可決、成立しました。
 この法案は、今年の3月3日に閣議決定、国会提出されましたので、ほぼ順調に国会成立まで至った、と言ってよいでしょうね。

↓ 法律案は、金融庁のウェブサイトのこちらのページにございます。
http://www.fsa.go.jp/common/diet/index.html

2.
 フェア・ディスクロージャー・ルールは、改正後の金商法の第27条の36から第27条の38に規定されておりまして、そのうち最も中核的な規定は、実体要件を定めた第27条の36になろうかと思います。

 フェア・ディスクロージャー・ルールというのは、非常にざっくりと言えば、

①「上場会社等」またはその「役員等」(役員、代理人もしくは使用者その他の従業者)が、
②「取引関係者」(アナリストなど)に対し、
③未公表の「重要情報」を伝達する際には、
④原則として、当該伝達と「同時」に、当該重要情報を「公表」しなければならない。
(⑤例外として、取引関係者が、法令・契約上の守秘義務を負い、かつ、当該上場会社の有価証券等を売買等してはならない義務を負う場合には、上記④の規制の対象にはならない)

というものですね。

 このルールの趣旨は、「企業による、投資家に対する公平(かつ適時)な情報開示を確保すること」にある、とされています(「フェア(公平)・ディスクロージャー(開示)」ルール、ということですね。逆に言えば、企業が一部の投資家等に対してのみ情報開示することは、他の投資家に対して不公平なので、それを防止するためのルール、とも言えます)。

 上場会社等が報道機関・マスコミに情報を伝達する行為は、上記②の要件を欠くため、本ルールの適用対象外となる、という整理がなされています。

(なお、上記はあくまで「非常にざっくり」したまとめですので、ご注意下さい。具体的な要件は法文上非常に細かく規定されておりますので、正確な内容は法文そのものや専門家の解説にあたることをお薦め致します(この点は、法務の御担当者の皆様にとっては当たり前のことではありますが、本ブログをご覧の皆様の中には、法務御担当者以外の方々も少なからずいらっしゃいますので、念のため・・・)。)

3.
 今回のフェア・ディスクロージャー・ルールは、詳細な要件のうち結構な分量を内閣府令の規定に委ねていますので、ルールの全貌は、内閣府令が公表されていない現時点では、まだわからない、ということになりそうです。

 なお、報道によりますと、今回の法改正の施行は、来年(2018年)春を予定しているとのことです。

4.
 今回の金商法改正については、近いうちに金融庁の立案担当者が旬刊商事法務に解説記事を書かれるものと思いますが、現時点での解説記事としては、辰巳郁先生の「フェア・ディスクロージャー・ルールの導入に関する金融商品取引法改正法案」(資料版商事法務397号(2017年4月号)6頁)があり、大変参考になります。

* * * *

 それでは、本日はこんなところで・・・。
 (個人情報保護法改正の連載記事の続きが、なかなか書けません・・・。通常の法務系ニュースが発生した場合には、どうしてもそちらを優先しますので。施行日までに連載を終えることが難しくなってきたかもしれません(笑)。)

(追記 2017年5月29日)
 成立した「金融商品取引法の一部を改正する法律」ですが、5月24日、公布されました(法律第37号)。
 施行期日については、「公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」、とされています(附則第1条)(一部例外あり)。

* * * *

(当事務所専用ウェブサイトのご紹介)
  ↓  
[ビジネスエグゼクティブ(会社役員(取締役・監査役・監査等委員)・執行役員)のための法律相談]
http://biz-executive.jimdo.com/