さて、少し前ですが、資料版商事法務2017年6月号の特集「会社とAI(人工知能)-会社法への示唆-」(同号14頁以下)を、興味のあるところだけですが、ザッと読ませて頂きました。

 同特集は、AIの仕組みについての概説の後、「AIの発展・活用に伴って重要となるであろう会社法の実務上・解釈上の視点」「取締役の経営判断と善管注意義務に及ぼす影響」 「株主対応及び株主総会運営に及ぼす影響」「会計監査・業務監査に及ぼす影響」「その他のICTの発達による影響」に分けて論述がなされています。

 それぞれのテーマについて、想定しうるテーマをかなり広範・網羅的に取り上げており、またそれらについても丁寧で概ね納得感のある(過激過ぎることは決してない、常識的な)見解が示されている印象を受けました。「見解」の内容については、特段の違和感は感じませんでしたね。

 ただ、できる限り広範・網羅的に、想定しうるテーマを全て取り上げよう、という意図で書かれたせいか、取り上げられたテーマの中には、そのテーマ・論点自体に、「うーん、それってテーマ・論点としてそもそも取り上げます?」と、違和感を感じざるを得ないものが一定程度含まれているように感じたことは、否定できませんでした。

 例えば、
・「AIを利用しないことによって『意思決定の過程』が不合理であったのではないか、という問題が議論されるようになることも想定される。」(経営判断の過程において、AIを利用しなかったことが善管注意義務に違反しないか、という論点)(32~33頁)

・「普及したAIのアドバイスを利用しているが、取締役がAIのアドバイスと異なる判断をした場合に、それが善管注意義務違反となるか、という問題」(33頁)

・「内部統制システムの一環としてAIを導入しないことが善管注意義務違反になるのだろうか。」(35頁)

・「AIを用いて内部統制システムの構築を行う場合には、AIについても信頼の原則を適用しても良いかという問題も生じ得るのではなかろうか。」(35頁)

・「AIが議事進行を行うことができるようになった場合は、AIが直接株主からの質問に回答するという場面も将来的には考えられるのではなかろうか。」(45頁)
 「AIに直接回答させた場合でも、取締役等は説明義務を果たしたことになるのであろうか。」(46頁)

 以上については、論点として取り上げていること自体に、違和感を感じてしまいました。
 いくら将来、これらが論点として生じうることがありえなくはないとは言っても・・・。

 その違和感の原因を、まだ上手く自分の中で言語化できないのですが。

 うーん、私の感覚の方がおかしいのかなあ・・・。

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 それでは、本日はこんなところで・・・。