さて、会社法改正のいくつかのテーマについて、理由があって、今考えをまとめている最中なのですが(すみません・・・(謎)) 、その過程で思ったことを、簡単に箇条書きしておきます。専ら備忘用です(笑)。

○社外取締役の義務化という論点って、現状は、上場企業のほとんどの会社では既に社外取締役を設置済みである以上、「もうここまで社外取締役が普及した以上、義務化しなくてもいいのではないのか」という主張と、「もうここまで社外取締役が普及した以上、1人を義務化することは問題ないのではないか」という主張との対立になってきている気がします。まあ、この議論って、正解はなくて、完全にポリシーの問題のような気がしますね(まあ、社外取締役義務化という話は、そもそもポリシーの話なのですが)。正直、どちらの主張でもいいような気がしております・・・。

○ただ、社外取締役の1人義務化というのは単なる「初めの一歩」に過ぎず、今後は、社外取締役の数名義務化とか、過半数義務化とか、そういうところまで目指すというのであれば、この論点は「どちらでもいい」とは言えず、今回の会社法改正において、何とか1名は義務化、という方向に進めたい、ということになるのでしょうね。

○社外取締役義務化に関する実証研究は、以前より随分注目されていますが、正直、私自身は懐疑的です。社外取締役義務化と会社の業績向上の因果関係を立証することなんてそもそも不可能だと思っていますので。実務家の多くは、そういう認識なのではないかなあ・・・。この点は、学者の先生方と実務家との間で、認識に大きな齟齬があるテーマではないかなあ、と思っております。

○CGコードが上場企業にかなりの効果をもたらしたことは否定できません。ただしかし、コード万能論といいますか、ガバナンスに関する規律はコードの方が(ハードローより)常に有効である、との主張には、私は直ちには賛成できない気持ちでいます。

○なお、会社法327条の2(社外取締役を置くことが相当でない理由の説明を義務づける規定)という条文は、内容から見ても明らかに異例なもので、恒久的に会社法の条文として残しておくのは不適切な条文だと思っています。
 社外取締役の義務化が今回再び見送られると、この条文は依然として残ることになると思いますが、正直、それはどうなのかなあ、と思いますね・・・。

○中間試案のたたき台(部会資料14の第2部、第2の2(同資料17頁))に記載されている、「業務執行の社外取締役への委託」という提案は、非常に興味深い内容になっております。この提案内容の原型は、部会資料6の第2で初めて登場したもののようですね。
 この提案内容は、おそらく、この論点に関する田中亘先生のご主張に依拠して作られたものと理解しております。

 この論点については、うーん・・・賛否を決めかねますね・・・。
 この提案はもともとは、MBOの場合の特別委員会の委員に社外取締役が就いた場合に、その委員である社外取締役が行う各種行動が業務執行にあたるのではとの疑念を回避するための提案だと思うのですが、「たたき台」での提案を見る限り、もっと広範な場合に適用がありうる規律になっていますので、そこまで射程範囲を広げることで問題はないのかどうか・・・が気になっています。

○ちなみに、部会資料6の3頁の冒頭10行くらいに書かれている「業務執行」性に関する解釈ですが、引用文献はないものの、これも田中亘先生のご見解ですよね。「金融・商事判例」に以前、MBOの特別委員会をテーマに書かれた論稿でご主張されたご見解だったと理解しております。このあたりは、森・濱田松本法律事務所編著の「M&A法大系」(有斐閣)にもわかりやすくまとめられていた記憶があります。(このあたり、あとできちんと引用いたします・・・)。

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 それでは、本日はこんなところで・・・。


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