さて、既に多数の報道がなされていますが、成人の年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする「民法の一部を改正する法律案」が、本日(13日)の参議院本会議で可決、成立しました。

 法務省のウェブサイトには、もうこの法律に関するページが出来ていますね。(さすがの法務省さんも、こういう重要な改正法についてはアップが早い・・・(またいらんこと書いてしまった・・・)。)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218.html


1.
 この改正民法のポイントは、大きく言えば、以下の①~③の3つになりますでしょうか。特に①・②が重要ですね。

① 成人の年齢を20歳から18歳に引き下げる。

(現行民法4条)
 年齢二十歳をもって、成年とする。

(改正後民法4条)
 年齢十八歳をもって、成年とする。


② 婚姻適齢について、男女とも18歳とする。

(現行民法731条)
 男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。

(改正後民法731条)
 婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。


(②に関連して)
・未成年者の婚姻についての父母の同意に関する規定(現行民法737条)の削除

・婚姻による成年擬制の規定(現行民法753条)の削除
~(川井コメント)成人年齢が18歳となり、かつ、婚姻適齢が男女とも18歳となると、現行法の成年擬制の存在意義は論理的になくなるため、削除されたということでしょうね。


③ 養親となる者の年齢は、現行法と変わらず、20歳以上のまま。

(現行民法792条)
 成年に達した者は、養子をすることができる。

(改正後民法792条)
 二十歳に達した者は、養子をすることができる。


2.
 本改正法の施行期日は、2022年4月1日です(改正法の附則第1条)。

 民法改正のうち、債権法改正の施行期日は2020年4月1日ですから、そこから更に2年後ということになりますね。

 ずいぶん先だな、と思いましたが、成人年齢の引き下げに伴い、法改正が必要かどうかの検討がまだ完了していない法律が残っているため、施行期日をかなり先の時期においている、ということなのでしょうね。

3.
 本改正は、いうまでもなく世の中への影響は非常に大きいものと思われます。

 企業法務の観点からしますと、未成年者取消し(民法5条)を行使することができる者の範囲が狭まった(現行法上、18歳以上20歳未満の者は、現行法上は未成年者取消しは可能ですが、改正後は、それが不可能になる、という違いが生じることになります)、という点が、最も大きな変更点、ということになるでしょうか。
 BtoCの企業では、影響が少なからずありそうな改正でしょう。

4.
 なお、念のためですが、改正法の附則の第2条(「成年に関する経過措置」)2項には、

「この法律の施行の際に十八歳以上二十歳未満の者(次項に規定する者を除く。)は、施行日において成年に達するものとする。」

との規定があります。

 つまり、施行日である2022年4月1日に、2002年4月1日から2004年4月1日までの間に誕生日を迎える人全員が、いっぺんに成年に達する、ということになりますね。

5.
 最後に、超小ネタですが、会社法に「未成年者」という言葉が登場する条文は1つだけあります。

 会社法第584条に「持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。」とあります。

 まあ、めったに使わない条文でしょうけれども・・・(笑)。

 ちなみに、未成年者であることは、株式会社における取締役の欠格事由ではありません。

* * * *

 それでは、本日はこんなところで・・・。

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