2017年10月11日

受け継がれてきた願いにふれていく

昨日、境内の清掃を終えて庫裏に戻りましたら、
珍客が付いてきました。

僕の服の後ろ側に、若いカマキリがへばりついている
ではありませんか。
体を揺らして僕に威嚇をするのですが、
動きがぎこちないので、ぜんぜん怖くありません。(笑)
これも ありがたいご縁だと思うと少し
興奮しました。

さて、重要行事の報恩講が近づきましたので、毎日
本堂の須弥壇や仏具の清掃にコツコツと励んでいます。

さまざまな古い仏具には細かい装飾部分が多くあり、
「誰にも気づかれない作業なので手を抜くか。」
 または「人の見ない日陰でこそ地道な精進をすべき
なり。」を実践するのか、いつも自分が問われます。

静かに現代の時代を見渡してみますと、
明治、大正、昭和、平成と時代は移り変わり、
現代の世の中では、「昔から代々に受け継がれ、
これからも受け継いでいくこと」が急速に減ってきて
いる気がします。
有名無名も全て含めた全国の古い仏教文化財は
物としての価値観でもって判断されがちです。

そのため無意識のうちに、古い物に込められた
歴史背景や、作り手、たずさわった人々を察して思う
感覚がおのずと乏しくなってしまい、
「古美術としての価値観や、金銭に換算することへの
価値観」でもって古い物を見るようになってしまいます。
もちろん、それは間違った事ではありません。

しかし僕は毎日、古く色あせて緊迫の剥げ落ちた仏具
にふれているおかげで、物である仏具を通して、
「質素な生活の中にも地道に仏法興隆に力を注いだと
聞いて来た百年前、数十年前の寺族、門徒さま
のご苦労、願い」に、時代を越えて触れて感じ入る
ことができるようになってきました。

私達は、「物と言う枠を超えて、人の願いに出遇える」
 そんな時間を過ごさせていただくことが必要では
ないでしょうか。

それゆえに仏法とは、「失いつつある感覚の回復」
に欠かせないのだと受け止めています。

西蓮寺~報恩講お知らせ

お参り・ 法 話・ 
その後、会食と親睦会 および座談


10月月15日(第三日曜。)
時間   午後1時30分

法話 藤谷 知道 師
     (大分県宇佐市)

弁当の注文をしますので、参加が
ご希望のお方は、10月14日の
午後4時30分までに下記までお電話
ください。

北九州市門司区東門司二丁目
7一21 (バス停東門司二丁目)
門司港駅からバスで8分位
田ノ浦行【※海岸通り

電話 093-321-3592 











kawamurajuhou at 22:39コメント(0) 

2017年09月04日

真の友とは?

昼はまだ暑さが残りますが、夕方からは涼しい
くらいの今日この頃です。

昨日は妹と、映画「関ヶ原」を鑑賞しました。
今日は、僕の、「関ヶ原」の感想を、ブログに記
するつもりでした。
ところが素早い妹が、自身のブログにいち早く、僕の
映画の感想を載せています。
おかげで感想を書く機会を失いました。~笑

さて話は変わりますが、「最後の妙好人」のような存在の
田口 弘さんが浄土に帰られてから、田口 弘さんの存在が
僕の中に強く残り続けたまま離れません。
【「妙好人」とは、真宗の教えを身で深く習得して、人々
の心を引きつけてきた歴史に残る真宗門徒】

妹とは深いつながりのある法友でした。

盲目の御身で日本各地で真宗の教えを
伝えて回る、「肩書きにとらわれない善き伝道者」
と受け止めています。
それ以前に、「善き聞法の人」という印象があります。

僕とは不可思議な因縁のあるお方でして、説明すると
長くなり、また妹から「長い」と言われるので省略しま
す。 でも、ほんの少しだけ触れます。
僕が18歳の時、京都の大谷専修学院に入学しました。
しかし、即座に九州の西蓮寺に戻りました。

その時以降、僕が戻るまでの間という前提で、僕の全ての
教科書を使って学んでくださったのが田口 弘さんでした。

「川村君は、いつ帰ってくるのか。」と、ずっと気になって
おられたとのこと。

その田口さんの事を、大谷専修学院の院長の
弧野先生は、ご遺族の皆さまに対し、
「とにかく友の多い人でした。これたけ
は覚えていてほしい。」と言われたとの事です。

この「友」とは、「御同朋(おんどうぼう)」の事を指す
のでしょう。
つまり、「真宗の教えと願いを通じての友、法を
通しての友」すなわち「法友」なのでしょう。

昨日、映画「関ヶ原」を見ていると、人々の長くつづく
壮絶な争いと、憎悪の激しさに悲しくなりました。

私達は、つい他人事のように歴史を語ってしまいます。
しかし、決して他人事ではなてのでしょう。
現代でも形は違えども、さまざまな人間関係の確執と、
互いの利害利害、行き違いにより怒りを抱える場
合や、苦悩を抱える場合が多いのではないでしょうか。

このような虚しい俗世こそ、一生涯をかけてでも
仏法を通しての真の友、「御同朋」に出遇って
いきたいものです。


西蓮寺~彼岸法要お知らせ

お参り・ 法話・ 茶菓子をいただき
 ながら座談


九月十七日日(第三日曜。)
時間   午後1時30分

お勤
法話   妙慶

※住職は、会奉行(行事の準備役)・
および鐘打ち担当
安静のため、妙慶の横にいます。

北九州市門司区東門司二丁目
7一21 (バス停東門司二丁目)
門司港駅からバスで8分位
田ノ浦行【※海岸通り

電話 093-321-3592 



















kawamurajuhou at 18:51コメント(0) 

2017年07月22日

相手の、そのまんまを受け入れる

いよいよ本格的な暑さとなってきました。


昨日、以前から僕の講演や法話を何回か聞いた
五十代のご夫婦が訪ねて来られました。

ご夫婦は、自宅の周辺にはマンションが立ち並んで
おり、この十年間の間に新たに引っ越して来られた方
も多いとのことを説明してくださります。

ご夫婦が少し寂しそうな表情を浮かべて、代わる
代わる心情を伝えてこられます。
「ご近所同士なのに、会話を交わした事のない
方も多く、さまざまな事件があり、殺伐とした世の中で
は、どうしても互いに相手の事を、どんな人だろうかと
警戒した気持ちで見てしまう部分があるのが寂しい
ですね。」

確かに、現在の世の中をよく観察しますと、表面上では
和やかでも、昔に比べて人間関係が希薄な面があるの
ではと感じる事が多くあります。

生活を通しての真宗の学びでは、「浅い先入観にとらわれ
ずに、互いに、相手の、そのまんまを受け入れる」という
のが理想です。

僕は、ご夫婦に、先月まで入院していた病院での
珍しくも可笑しく、貴重な体験談を話しました。
【妹は爆笑でしょうが】

手術の前日、僕の病室がある七階病棟の談話室
で、妹の、いつものように賑やかで明るい声が響いて
います。

どうやら妹は、僕の手術の翌日に手術を受ける七十代
の男性の奥さま(仮名 岡本さん)と、友人のごとく打ち解けて
会話をしています。
【妹は、知らない人と一分間で打ち解けると言う妙な
特技があります。(それゆえに妙慶)】

手術当日、僕は、岡本さん(ご主人)から激励を受けました。
「どうか、がんばってください。成功をお祈りします
「ありがとうございます。お互い、無事に乗り越えたい
ですね。」

手術の六日後、集中治療室から一般病棟に移りまして、
リハビリセンタ一に向かって歩いていますと、僕の手前に、
同じくリハビリセンタ一に向かっている車いすに乗った岡本
さんらしき人がいます。

僕は感情が高まり、声をかけました。
「ああ岡本さんだ、無事にお会いできてよかった
とっさにこちらを振り返ったお方を見て、大きく気持ちが
揺れました。
確かに岡本さんのようではあると思う気持ちが半分、
もしかしたら違う人かもしれない、という直感が半分
でした。

お名前を確認しようとした、その瞬間の出来事です。
岡本さんらしき人が、感極まった様子で涙を浮かべて
僕に、しゃがれた声をふりしぼって大声で話しかけて
くださるではありませんか。
「あぁ一、ありがとうございます
私もあなたを応援しますよ。あなたは、まだお若い
から大丈夫。お互い、がんばりましょう。

ここまで誠心誠意になって熱意を込めて話しかけて
くれるお方に、今さら、「岡本さんですか」と聞く事に
何の意味もなくなっていくような気がしました。

僕も、誠心誠意、お答えしました。
「ぜひとも、リハビリを乗り越えて、お互い、がんばり
ましょう
岡本さんらしき?お方は、声を震わせて、「ありがとう
と言ってくださりました。

それから僕は、毎日毎日、その方を、「岡本さん半分、違う
人半分」と言う不十分な認識のままで、
まるで二十年前からの親しい旧知のごとく、親類のことく熱意
のこもった会話を交わし続けました。
「お互い、精一杯、がんばりましょう
「ぜひとも、乗り越えましょう」

そして、真実を知る日が来ました。
ある日、トイレから出て来た、もう一人の岡本さんを確認
しました。
その人こそ、間違いなく本物の岡本さんでした。

その後、別の岡本さん(仮名 吉崎さん)の部屋を横切りました。
そのときの出来事です。
別の岡本さん(仮名 吉崎さん)のベットの横には、三十代位の
息子さんらしき人が見舞いに来ていました。

その時です。僕の姿に気づいた別の岡本さん(仮名 吉崎さん)
が、必死になって僕に激しく手をふり、精一杯に声を
絞り出して話しかけてくださりました。
「あっ、あ一」 まるで家族へ呼びかけているような
熱心さです。
息子さんは、「この人は、とにかく父にとって大事な人」と
直感なされたのでしょう。
急いで駆け足で僕の方に来てくださりました。

僕は、口が裂けても、「人間違いから続いた関係」とは
言い出せなくなりました。
僕は、ただ黙って、息子さんに深々と頭を下げました。

その後も、ずっと、僕は、別の岡本さん(仮名を吉崎さん)
と、互いの病状を思いやり、熱心な励ましの言葉をかけ
合う毎日がつづきました。

もはや今まで以上に、どっちが本物の岡本さんなのか、
どうでもよくなってきたのです。
人違いのまんまで良いのです。
やはり、大切なご縁なのです。

僕は、「これこそが、本来の真宗の御同朋の関係、念仏を
通しての仲間との関係である。」と、痛切に思いました。

そこには、相手への警戒心や不信感もなければ、偏ったも
のの見方もない、何の分別もなく互いに相手に飛び込み、
互いの事を、そのまんま受け入れていける関係に発展して
いけます。

そして、慈悲の愛により、まったくの無条件で私達一人ひとり
を受け入れてくださるのが阿弥陀さまでしょう。

西蓮寺~定例法話会お知らせ
 ※お盆のお勤めを兼ねます。

お参り・ 法話・ 茶菓子をいただき
 ながら座談


八月二十日(第三日曜。)
時間   午後1時30分

お勤
法話   妙慶

※住職は、会奉行(行事の準備役)・
および鐘打ち担当
安静のため、妙慶の横にいます。

北九州市門司区東門司二丁目
7一21 (バス停東門司二丁目)
門司港駅からバスで8分位
田ノ浦行【※海岸通り

電話 093-321-3592 

※財前 五郎さま、遅くなりましたが、返信を
書き込みました。

講演・ 朗読演劇のご依頼

 【市町・寺院・学校・その他】

  現代劇時代劇

電話 093-321-3592


































kawamurajuhou at 00:08コメント(5) 
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