2006年06月

2006年06月26日

朝日新聞に掲載されました

朝日新聞


写真をクリックすると拡大します。

6月23日(金)

本日の朝日新聞の夕刊に、私のインタビュー記事が掲載されましたのでご紹介します。

内容は、6月17日より公開されている、高杉良原作の映画「不撓不屈」について、税理士であり、かつ税理士受験生を指導する川野塾塾長としての立場から、お話ししたものです。

以下、掲載された記事です。

税理士を目指す人にはぜひ見てほしいですね。

映画「不撓不屈」を見て

リード文
昭和30年代。どんな困難にも揺らぐことのない信念を掲げ、国税局という巨大組織に「不撓(とう)不屈」の精神で挑んだ税理士・飯塚毅。のちに「飯塚事件」と呼ばれる約7年間の男の戦いを克明に描いた、映画「不撓不屈」が現在公開中です。この作品から感じた思いや税理士という仕事について、川野税理士事務所所長で、税理士試験受験生をサポートする「川野塾」の塾長を務める、税理士の川野秀明さんにお話をうかがいました。


仕事への誇りと自分の中にある正義感を実感しました

映画を観終わって、私は税理士という仕事に改めて誇りを持ちました。家族とともに窮地に追い込まれても納税者を守る。この信念を貫いた飯塚先生には、税理士が持つべき正義感が現れています。そう思うと自分の中にもある正義感にも気づかされ激しく感動しましたね。税理士の仕事は、納税者を守る精神なくしては務まりません。私が、税理士として誇りを感じた作品ですから、自分の妻や子供はもとより、両親やたくさんの友人にも観てほしいと思いました。

事実に基づくリアルな描写 税理士として感じたこと

この映画は、昭和30年代に実際にあった「飯塚事件」という実話です。当時行なわれていた税務調査と現在のそれとでは、かなり様子が違うと思います。それでも、国家権力は抗うものにはこれほどまでに残酷なのかと、恐怖を覚えるほどリアル感あふれる描写でした。特に、税務署員からの恫喝により、顧問先であるそば屋のお婆ちゃんが、震えながら嘘の調書に署名するシーンは、悔しくて涙が出てしまいました。

税理士になりたい方はもちろん多くの人に見てほしい作品です。

税理士試験という国家試験は、毎年1回、今年は8月初旬に実施され、私が塾長を務める川野塾でも多くの塾生が、この日のために日々努力を重ねています。当塾では、受験勉強の内容を教えるのではなく、受験生本人の心の中にある強いモチベーション(絶対に税理士になってやるという気持ち)をいかにして引き出すかということを指導しています。合格率が約10%の競争試験である以上、大切なのは知識だけではなく、精神力も必要なのです。この映画を見ることにより、間違いなく心の炎に火がつくはずです。ですから、塾生には必ず本試験前に映画を見に行くようにチケットをプレゼントしました。
「不撓不屈」は税理士になりたい方はもちろん、税理士になろうかどうか迷っている方、自分の子供や孫に税理士になってほしいと思っている方には、是非見てほしい作品です。また、税理士・納税者という弱者と税務署・国税局という強者との駆け引きもリアルに描写されていますので、普段税理士や税務署というものに縁がない方も、十分に楽しめます。この作品をきっかけに多くの方が、税金というものを再認識してもらい、今後議論されるであろう消費税アップや増税にもっと興味を持ってほしいと、一介の税理士として願っています。(談)

2006年06月20日

今、そこにある危機

6月20日(火)

先週末の土曜日、映画「不撓不屈」を見てきました。

これは、高杉良原作で、30年以上前に実際にあった、1人の税理士と国税庁という国家権力との7年間の闘いの実話です。

この映画については、また近いうちに書きます。

映画を見た直後に思ったことは、「税理士になって、本当によかった」です。

税理士という自分の職業を、客観的な第三者の立場から見ることができ、改めてこの気持ちを実感しました。

是非、税理士を目指している方は、今年の試験前に映画を見に行って直前のモチベーションを上げてください。

必ず、本気で税理士になりたい!と、感じるはすですから。

税理士試験の科目には入っていませんので、ほとんどの受験生が知らない又は見たことがない税理士法の第1条には税理士の使命が規定されています。

「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」

税金を計算することだけが税理士の仕事ではありません。今の世の中、法人税法を知らない人でも、少し慣れれば、パソコンソフトで法人税の申告書を作ることが出来ます。

また、貸借対照表と損益計算書を作って税務署に行けば、法人税の申告書の作り方は税務署で優しく(?)指導してくれます。

つまり、パソコンに市販の会計ソフトをインストールして、家計簿のような感覚で、売上や経費を入力していけば、簿記を全く知らない人でも、それなりの決算書が作成できる現在においては、税金計算はそれほど特別なことではないのです。

今、税理士業界は、他の資格者から、その職域を侵害されつつあります。

しかし、それはこの業界が、今までクライアントに甘えてきたつけでもあります。

もし、あなたがベンチャー企業を設立して、税理士さんに顧問契約をお願いするとしたら、いくらで顧問契約をしますか?

実際に資格を持った税理士が毎月1回訪問してくれて、自分の夢や悩みを聞いてくれる。さらに、直近の試算表を見ながら、経営分析や事業計画の相談にものってくれる。このような税理士であれば、毎月3万円の顧問料は安いでしょう。

しかし、ほとんどの税理士事務所では、監査担当者という職員(もちろん無資格者)が来る。それも、思い出したようにしか来ないことも多い。その上、やっと慣れてきたと思ったら2年くらいで変わっていく(ほとんどが担当者の退職により)。そして新しく担当になった人は、名刺の出し方も挨拶の仕方もよく知らないピカピカの1年生。経営指導どころか、こちらが社会人教育をしてやらないといけないような始末。

これは決して大げさなことではないということは、税理士事務所職員の方であれば分かりますよね。

ところが顧問先も、安い顧問料(実際には、安くないのだが)でやってくれてるし、長い付き合いで、今さら税理士事務所を変えるのも何かと面倒くさいから、このままでいいか。と、あまり税理士事務所に期待していない。

これを、一般的に「腐れ縁」というのです。

このような関係で税理士事務所が10年後も存続していると思いますか?

私は、「NO」だと思っています。

司法試験制度改革が実施され、公認会計士試験も大きく変わりました。

現在、税理士6万6千人で、弁護士1万人。これを10年後には、弁護士を6万人にしようというのが、司法試験改革なのです。
同様に公認会計士も増加していく方針です。

知らない人もいるかもしれませんが、弁護士は税理士業務ができます。公認会計士も無試験で税理士登録できます。

確実に税理士の職域が、他の資格者から侵食されつつあるのです。

それでも、税理士である限り、税務の専門家としての立場は確保することが出来るでしょう。税理士はそれだけの勉強(税理士試験合格)と実務(最低でも実務経験2年以上)を体得しているのですから。

問題は、税理士資格を持っていない、税理士事務所の職員なのです。

税理士事務所で働いている方は、自分の名刺を見てみてください。

自分の名前の横、又は上に、「税理士」と入っていないでしょう。

これは余談ですが、私は、修行時代に、自分の名刺の上に、ボールペンで「税理士」と書いて、いつか必ず本物の肩書きをつけるんだと、自分自身に自己宣言したことがあります。

近い将来、肩書きを持っているが仕事はまだまだの若い有資格者に、肩書きをもっていないベテランの事務所職員が、使われる時代が来るでしょう。

事実、福岡市内の大手の税理士法人では、そのような傾向が出ているとも数年前から聞いています。(仕事ができるベテラン職員より、仕事が出来ない勤務税理士の方が、給料が高い等)

この流れに逆らうことは、不可能です。

このまま、事務所で与えられた仕事だけをまじめにやって、所長の信頼を得て、クライアントの評価も高くなれば、5年後も10年後も人並みの生活が出来る。

こう思っていることが、まさに「今、そこにある危機」なのです。

2006年06月16日

ワールドカップと税理士試験

6月16日(金)

今日も、ワールドカップと税理士試験の共通点について書きます。

みなさん知ってのとおり、日本は大事な初戦を、1−3で逆転負けしました。

2日後に迫った、第2戦は絶対に負けられない試合となったのです。

最初の計画では、日本は予選リーグを「1勝2分」か、「1勝1敗1分」で突破する予定でした。もちろん、この1勝はオーストラリアで稼ぐものであり、最初からクロアチアに勝つという予定はしていませんでした。

ところが、まさに「予定は未定」「獲らぬ狸の皮算用」になりました。

これは、税理士試験の受験生にも、そのまま当てはまります。

「現在、簿記論と財務諸表論に合格。今年は、相続税と消費税に合格してリーチ、来年は法人税法1科目で官報合格」というような感じの予定は、ほとんどの受験生が持っているはずです。

もちろんこれは合格するために大切なことですが、大事なのは、合格率13%の競争試験である税理士試験は、自分と同じように全ての受験生が合格をするつもりでいるということです。

話しをサッカーに戻しますと、対戦するクロアチアも第1戦に負けていますので、絶対に負けるわけにはいきません。

つまり、2つのチームが1つの勝利を奪いあうのですから、これを試験に例えるなら合格率50%ということになります。

税理士試験の受験生から見れば、もの凄い合格率だと感じませんか。

例えば、簿記論の合格率が50%になれば、全ての受験生は合格できると楽観するでしょう。

しかし、今の日本チームにそのような楽観的な雰囲気は感じられないですよね。

それどころか、絶対に負けるわけにはいかないという、悲壮感というか緊張感を感じませんか。(サッカーを見ていない人は、申し訳ありません)

あなたが、受験しようとしている科目の合格率は何%ですか?

税理士試験は、普通の気持ちでは合格することは出来ません。

少し強引かもしれませんが、あなたが今年の試験に合格することは、日本が日曜日の試合で、クロアチアに勝利することより大変なことなのです。

それほど困難な闘いをしている自分をもう一度自覚してみてください。

それでは、どうすれば税理士試験に合格することができるのでしょうか。

その答えは、あなたの心の中にあります。

自分のことを第三者的な立場で客観的に見たときに、「この人は、上位13%に入ることができる人だ」と確信することが出来たら、それだけの努力をすることが出来たら、大丈夫です。あなたは、必ず合格します。


2006年06月12日

恐怖心

6月12日(月)

税理士試験本番まで、あと50日。

今日は、サッカーワールドカップドイツ大会で、日本がオーストラリアとの大事な大事な初戦を迎えます。

本試験モードになっている受験生の方の中には、「ワールドカップは見ない!」と決めている人がいますし、私もこの時期に、普通の人と同じような気持ちでワールドカップを見る人に対しては、コメントのしようがありません。

では、なぜワールドカップの話しをするのか?

それは、「恐怖心」という感覚を、今日の試合で感じてほしいのです。

日本時間で今夜10時のキックオフ。あと1時間40分です。

おそらく、もの凄い数の人達が今日の試合を観戦するでしょう。

それも、ピッチに立っている、たった11人の選手達を。

自分がその選手の立場なら、試合開始直前の今頃どのような気持ちでいると思いますか?

気楽な外野から見れば、「いいよなぁ、かっこいいよなぁ、俺も中田みたいに、なりてぇよなぁ」と考えるでしょう。

しかし、本当に選手の立場で考えたら、今の気持ちは、「怖い」だと私は思います。

日本が入っているF組は、オーストラリア、クロアチア、ブラジルという強豪国が揃ってしまい、例えばここに日本ではなく、韓国が入っていれば、「韓国も運が悪いな」と同情してしまうような、グループなのです。

客観的に分析しても、三連敗して帰国する可能性もあります。

しかし、日本ではたくさんの国民が、日本の1次リーグ突破を信じて、応援しています。

同じ1次リーグ敗退でも、今日のオーストラリアに勝つと負けるとでは、天と地ほどの差があるのです。

日本人の特徴に、「手のひらを簡単に返す」というところがあります。

つまり、ちょっとしたことで、全く正反対の行動をとるところがあるのです。それも集団で。

もう覚えている人は少ないかもしれませんが、日本が始めてワールドカップに出場した8年前のフランス大会のアジア予選のとき、国立競技場で勝っていた試合を終了直前に同点にされてしまい、ファンが暴動を起こしたことがありました。

私はあの姿を見て、本気で人の期待を裏切りことの怖さを感じました。

今日の試合は、絶対に負けるわけにはいきません。それは、誰よりもピッチに立つ選手自身が一番思っているはずです。

もう一度、自分自身を宮本や川口になったと思って、今の気持ちを考えてみてください。

怖いですよね。

それが、本気になるということなのです。

税理士試験の本試験当日、試験開始1時間30分前の気持ちも、まさに今の日本代表の選手と同じ気持ちのはずです。

その恐怖心に勝って、自分の実力を120%出すために、この直前期に本気で勉強して準備しているのです。

私は、本当に今日の試合、日本代表に勝ってほしい。

そして、それ以上に、今年の本試験、あなたに合格してほしいのです。