2004年11月30日

オーストラリアも記録的な経常赤字

昨日、オーストラリアの7−9月期の経常収支が発表されました。137億豪ドルの赤字でした。137億豪ドルとは、日本円換算で約1兆1千億円にもなります。事前のエコノミストの予想値を上回り、過去最高を更新しました。
発表後、AUD(豪ドル)は他の通貨に対して売られました。対円では昨朝の発表時から約1円下落しています。

“経常赤字”と言えば、何かピーんときますね! そうです。今、米国の経常赤字が問題視されていて、米ドル安の元凶と言われています。
でも・・・・・・。
米国と豪州はともに経常赤字が過去最高を更新しています。米ドルは下落している一方、豪ドルはここ数年、対主要通貨で上昇基調にありました。
「米国は経常赤字だから米ドル安になる!」と偉そうに言っている評論家たちは、同じく経常赤字を抱えながら上昇し続けてきた豪ドルについてコメントしなくて良いのでしょうか?

私の見解は・・・・?
かねてから主張している通り、経常赤字自体は問題ではないと考えます。それ自体は通貨変動要因とは見ていません。
家計と同じで、ローンがあるから駄目なのではなく、ローンを支払えるかどうか、赤字を埋め合わせできるかどうかが焦点です。
豪州は、世界経済停滞期を早い段階で抜け出し、商品市況高騰などの追い風を受けて、好景気・高金利の状態にあります。そのため世界的な投資資金の受け皿となり易く、赤字をファイナンスするに充分な資金流入がありました。

ただ、今回の件でも明らかになったように、豪ドルは主要通貨の中では変動率の激しい部類に属します。過去数年のリターンは主要通貨の中では群を抜いての好成績でしたが、裏を返せばハイ・リスクな投資対象であると言えます。したがって、以前にも主張しました通り、あまり豪ドル債ばかり買うようなことは避け、全金融資産に占める豪ドル投資比率はなるべく抑制したいです。加えて、短期的には上昇し過ぎの状態にあることは否定できず、豪ドルにたくさん投資し過ぎているかなあと思われる方は、これを機に、少し売却されることをお薦めします。
  

Posted by kawase_oh at 16:52TrackBack(7)

今日のポジション(11/30)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

昨夜また、ドル売りが進む局面がありましたが、さすがにこの水準からさらに一方的なドル安にはなり難いようで、前日とあまり変わらない水準まで戻しました。
その中で変動が大きかった通貨を挙げると、AUD(豪ドル)が対円でも対ドルでも下落しました。昨日の豪州経常赤字が過去最悪とのニュースに反応したものと思われます。この点は、記事として取り上げる予定です。

為替市場全体にはあまり影響はないので気にしなくてもいいのですが、昨日、韓国の中央銀行はウォン売り介入を実施したもようです。
  
Posted by kawase_oh at 08:43TrackBack(2)
2004年11月29日

天下のNHKもプリンストン債事件の脇役だった!?

「番組の一部を使ってセールス活動をしていたとことはまったく聞いておらず、仮に事実とすれば著作権の重大な侵害にあたり、極めて遺憾です」

クレスベール証券のプリンストン債事件の被害拡大を助長したNHKの「クローズアップ現代」。冒頭の文章は、週刊ポストがNHKに当時の番組内容について質問したところ、それに対するNHKからの回答です。

NHKは番組中で、民間企業であるクレスベール証券の名前を出し、さらにプリンストン債について「為替リスクがまったくない商品も売り出されています」と、はっきり言っちゃいました。このことが、プリンストン債による金融詐欺被害を拡大させたのは事実です。

プリンストン債事件に心ならずも荷担したことを詫びるのかと思いきや・・・。自分たちの金融商品に対する認識の甘さを反省するのかと思いきや・・・。
反省や謝罪の気持ちはまったく見られませんでした。その上、あろうことか、NHK自身も著作権を侵害された被害者だとのたまっていらっしゃいます。開き直るにもほどがありますね。

NHKはその後、「甘い誘いにのった企業側の責任も問われる」という報道スタンスを取っています。その点は、プリンストン債物語の牛山さんにも当てはまりますし、おっしゃる通りです。
しかし・・・・。
甘い誘いを、さらに、こってり甘口にしたのは、NHKさん、あなたですよ!


<閑話休息>
NHKは最近不祥事が連発していて、私も読者の方も頭に血が上るといけませんので、本文と全然関係ありませんが、最後にちょっと話題を変えます。

経済大国我がニッポンの財布を預かる谷垣財務大臣。今日は主要通貨模様をあしらったネクタイを着用されていました。
為替市場を注視しているとの無言のアピールなのか、為替介入についての質問ばかりする記者たちに疲れたのか・・・・・。
理由はともかく、ウイットに富んでいると思いました。ご本人のアイデアなのかどうかはわかりませんが、私はそんな発想大好きです。
  
Posted by kawase_oh at 17:22TrackBack(4)

今日のポジション(11/29)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

USD/JPY、EUR/USDを含めて、為替市場全般のドル弱気戦略を継続します。
先週末の、「中国米ドル資産圧縮報道」(=中国人民銀行の余永定委員が、中国は米長期債保有額を削減したと述べたと伝えられた)について。先週末の為替市場はこの報道と、後に余氏が否定したとの報道を受けて、米ドルが乱高下しました。噂ベースで慌てふためいている投資家のことは放って置いて、レベルの高い「為替王」読者の方に私の見解を申し上げますと・・・。
中国の米国債購入額が減少しているのは事実です。しかし、中国が米国債の売り方に回ったことは今までありません。したがって、中国の投資行動も二次的には気になりますが、川上に存在する米国赤字の問題を引き続き冷静に分析する必要がある。と考えています。
  
Posted by kawase_oh at 09:04TrackBack(2)
2004年11月28日

為替王の推薦図書 「ギャンの相場理論」

私の推薦図書の第一弾「ラリー・ウイリアムズの相場で儲ける法」第二弾「はじめてのテクニカル分析」 に続き、今日は第三弾です。

ご紹介するのは「ギャンの相場理論」林康史編著、日本経済新聞社 です。

ギャンは、1878年生まれの米国人相場師です。没後数十年が経っており、彼の著書やレポートなどはかなり古くなっています。それらを林康史氏が翻訳して体系立てて編集した本です。
私がギャンを好きな理由は、ラリー・ウイリアムズと同様に、実際に相場で儲けたという実績があるからです。単なる評論家や学者の論は、知的好奇心は満たされるかも知れませんが、資産形成に直接役立つかどうかは疑問です。相場は必ずしも理論通りではなく、そのため実践において、精神的に苦しい局面を経験したであろう人間の言葉には重みがあります。

私はこの本を読んで、相場を真摯に分析することの大切さを学びました。1996年に初版が発行されたときに、この本を購入しました。それ以来、手書きでチャートをつけるようになりました。今でも、投資対象とする相場はすべて手書きでチャートをつけています。ギャンも指摘している通りファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方が重要ですが、特に過去の相場の推移を分析することの重要性を私に認識させてくれた一冊です。
  
Posted by kawase_oh at 08:36TrackBack(3)
2004年11月27日

玲子さんの戦績(11月22日〜26日)

11037月22日100万円で為替投資を始めた玲子さん。為替王の「今日のポジション」を見ながらUSD/JPYとEUR/USDの売買をしています。
前週末で170万円だった資産は、今週末時点で、186万円に増大しました。


玲子さんの現在のポジション
<USD/JPY> ドル売り・円買いポジション5万ドル。11/16に1ドル=105円40銭で構築したポジションを継続保有。
<EUR/USD> ユーロ買い・ドル売りポジション5万ユーロ。9/9に1ユーロ=1.2190で構築したポジションを、約2ヵ月半以上ずっと継続保有。

今週は、「今日のポジション」を見てお分かりの通り、USD/JPYもEUR/USDもまったく売買せず、ともにドル売りポジションを継続保有しました。運良くドル安が加速したため、含み益が増加しました。
私は、「今日のポジション」(玲子さんの戦略)のスタンスについて、人から聞かれると、短期順張り戦略です。と、答えています。EUR/USDについては、2ヵ月半以上同じポジションを維持していて、「ぜんぜん短期ではないじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、おっしゃる通りで、これほど長期間売買しないのも異例です。つまり、短期売買スタイルでも戦略転換には至らないほど、急速でしっかりしたドル安トレンドが形成されていたのだと理解しています。

ちなみにそれを事前に予測できたかというと、正直申し上げて、ここまで短期間のドル下落はまったく予想できませんでした。ドル売りによって玲子さんの資産は急増していますが、これも出来過ぎです。しかし、このようにトレンドに乗って大きく得た収益が、相場が膠着して苦しい局面が来た時に、それを乗り切る余力になると考えます。


玲子さんの過去の戦績については、こちらを参照
玲子さんが見ている「今日のポジション」は、こちらを参照
  
Posted by kawase_oh at 10:03TrackBack(2)
2004年11月26日

天下のNHKもプリンストン債事件の脇役だった!?

昨日の記事の続きは延期にして、今日はプリンストン債物語のもうひとつの側面をご紹介します。

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プリンストン債はNHKやいろんなメディアで、ものすごい商品だと紹介されていたんですよね?
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さずがはレベルの高い「為替王」読者様です。過去のプリンストン債事件に絡むアンタッチャブルな案件をよく覚えておいででした。最近、いくつかの不祥事が明るみに出ているNHKですから、この際、「プリンストン債物語 NHKの巻」 と題して、その全貌を明らかにしちゃいましょう。

問題があったのは、おそらく読者の皆様もご存知のNHKの「クローズアップ現代」。これは、おじさまたちに大人気の美人キャスター、国谷裕子氏が司会を務めるNHKの長寿人気番組です。

1997年に放映された番組内容は、まるでクレスベール証券の営業を支援するような報道がなされました。そのときのテーマは、“ビッグバン時代の投資家と金融機関との向かい合い方”、だそうで、「外国債券が売られている」というタイトルの下、外資系証券会社が国内企業に対して外国債券を販売している実情が報道されました。

通常、NHKは民間企業の営利に関わることのないように社名を伏せます。放送法という法律でも、他人の営業に関する広告をしてはならないと定められています。しかし、その放送回では、クレスベール証券という会社名を明らかにしてしまいました。さらに、営業マンの「為替差損の心配がない」とか「円ベースで元本保証です」とか言っている姿まで放映されたではありませんか!
駄目押しで、美人キャスターの国谷裕子さんに「為替リスクがまったくない商品も売り出されていますね」なんて言われたら・・・・・。
おじさんたちは、「じゃあ僕、買っちゃいます!」と、テレビの前で身を乗り出して叫んでいたことでしょう。

NHKで元本保証と言って販売されている様子が放映されたプリンストン債ですから、国内企業が騙されて購入したのも肯けます。プリンストン債を購入した企業担当者の一人はこう言っています。「NHKでも報道されましたなんて言われたら、信じてしまいますよね」

「クローズアップ現代」は、放送文化基金賞や菊池寛賞など名誉ある賞を受賞しており、数々の素晴らしい報道も行ってきました。長い歴史のある番組ですから、時には間違いを犯すこともあるでしょう。そんなときは、謝ればいいのに。と、私は思いますが、その後のNHKの対応が実にあきれたものです。

NHKのあきれた対応とは!? 続く!!!
(今日の記事は、当時の週刊ポストさんの記事を参考にさせて頂きました)  
Posted by kawase_oh at 16:58TrackBack(4)

今日のポジション(11/26)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

USD/JPYは昨日も若干円高が進みました。当面のドル弱気・円強気見通しに変更はありません。
EUR/USDなどを含めて、為替市場全般におけるドル弱気見通しを維持します。

今朝(11/26)の日経新聞で、日本生命さんが外債投資を2000億円積み増すとの記事が掲載されていました。ポイントは、運用面で一定のリスクがとれる余力が生じているため、この積み増し分には為替ヘッジをつけないという点です。
これまで、生保や銀行などの国内金融機関はリスクを取れない弱い財務体質であったため、外債投資はほとんど為替ヘッジを付けていました。私は、国内金融機関の体質が変わらない限りにおいては、国内資産から海外資産へのシフトやそれに起因する大幅な円安は生じ得ないことを主張してきました。
日本生命と言えば、国内最大手の生保ですが、他の会社も体力回復に伴い外貨リスクを積極的に取れるようになれば、為替市場への影響を考慮する必要が出てきます。今日の日経新聞の記事はちょっと気になるニュースでした。
  
Posted by kawase_oh at 08:57TrackBack(5)
2004年11月25日

プリンストン債事件で得をしたのは誰?

プリンストン債物語が終わり寂しい気持ちで一杯ですが、解り難かったお金の流れをもう一度整理してみたいと思います。一体誰が損をして、誰が得をしたのでしょうか?
お金の流れを順を追って見ていきましょう。

当時の国内企業はクレスベール証券を通じてプリンストン債を買いました。このとき、クレスベール証券には販売手数料ががっぽり入ります。プリンストン債の国内企業への販売総額が約1200億円ですから、単純に5%の手数料と仮定すると、販売手数料収入は60億円。社員約50人の会社で余分なコストをかけていないことを考えるとかなりの金額ですね。
販売手数料だけでなく顧客維持に関する報酬も本国からある程度入っていたものと思われます。それを仮に1%とすると、本国から送られてくる偽造運用報告書を顧客に届けて、一緒にお茶でも飲んでるだけで、毎年億単位の収入が自動的にクレスベール証券に転がり込むシステムだった訳です。

クレスベール証券にとっては、その後、プリンストン債がどうなろうがあまり関係のないことでした。投資家に投資信託や株を買わせて、手数料さえ手に入れば、その後は投資家が損しても知らんぷりの金融機関が他にも存在しているようです。そんな金融機関の体質を考えると、特にクレスベール証券が異質であったとは言えませんね。

クレスベール証券は当時の金融監督庁や証券取引等監視委員会から、「重大な誤解を与える勧誘」、「利益提供を約して勧誘する行為」、「虚偽の記載をした取引報告書の交付」などを指摘され、業務停止を命じられています。
わかりやすく言い換えると、お客に嘘をついて販売して、その後も嘘をつき続けた。あまりにひどかったのでお上に怒られた。となります。
いずれにしろ、どれも真新しい悪事ではなく、クレスベール証券としては、プリンストン債を販売することがすべてで、たくさん買わせて巨額の手数料を手に出来れば良かった訳です。

次に、クレスベール証券を通じてプリンストン債に投じられた資金が、一体どこへ流れたか追いかけましょう。


明日に続く!
  
Posted by kawase_oh at 17:04TrackBack(3)

今日のポジション(11/25)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

USD/JPYは再び102円台に突入していますが、当面のドル弱気・円強気見通しに変更はありません。
EUR/USDは連日のユーロ高値(ドル安値)更新で、短期的には急騰し過ぎの印象もあります。しかし今のところ、反転するとの判断を持つには至らないため、ユーロ強気・ドル弱気の戦略を維持します。
為替市場全般でドル弱気の見通しを維持せざるを得ません。
  
Posted by kawase_oh at 08:52TrackBack(2)
2004年11月24日

レンジ内という言葉は信じない

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レンジってどういう意味ですか?
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読者の方から頂戴したご質問です。最近、調子に乗って専門用語をそのまま使ってしまうことも多いと思いますので、その都度ご質問下されば幸いです。私が今日この用語を取り上げた理由は、特に気をつける必要がある言葉だと思っているからです。

レンジとは、相場がある期間、ある一定の価格帯の中で推移しているとき、「相場がレンジ内にある」と言ったりします。“ボックス圏”とか“保ち合い”というのも同じ意味で使われます。
具体的にUSD/JPY相場で言うと、今年8月から10月上旬までは、109円から112円のレンジ内で推移していたという表現ができます。日経平均もここ4ヶ月くらいは10600円から11400円のボックス圏相場と言って良いと思います。
ただこれらは、過去や現在の相場状況を言い表す用語であって、将来の相場予測には安易に用いるべきではないと私は思っています。計測期間や価格帯を変更すればいくらでも当てはめることができる、使う側にとっては便利な用語です。

アナリストや評論家など市場関係者による、「私はドル円相場はレンジ内で推移すると予想しています」なんていう予想コメントを頻繁に見かけます。そのほとんどは「私にはドル円相場がどうなるのかなんてさっぱりわかりません」と言っているのと同じ意味です。円高・円安を予想するよりも、今のレートを基準に上下数円程度のレンジ内で推移する、とでも言っておいた方が、彼らにとってのリスクが少ないからです。

たとえ、為替ディーラーであっても、自分で相場観を持ってポジションを取っている人間はごく少数です。読者の方も「為替ディーラー」と聞くと、為替相場を予想できる人だと勘違いしている方も多いと思います。彼らの多くは、予想よりも顧客の注文をたくさん取ることの方がはるかに大事です。証券会社の営業マンの多くは株の予想が当らないこととまったく同じ構図ですね。


*昨日の記事で、物語が一段落したプリンストン債事件ですが、なお解り難かったと感じてらっしゃる読者の方も多いと思いますので、明日あたりにそのまとめの記事を掲載したいと思ってます。
  
Posted by kawase_oh at 17:59TrackBack(2)

今日のポジション(11/24)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

USD/JPYは昨日やや乱高下する場面もありましたが、特に見通しに変更はありません。
EUR/USDは上値目処(1.31)まで到達しました。9月9日からずっとユーロ買い・ドル売りを継続していますが、ポジションの一部を利益確定してやや中立のスタンスに戻すのも良いと思います。しかし、私の「今日のポジション」では、常に買いか売りかどちらかはっきり示すことにしていますので、まだポジションを継続保有します。
  
Posted by kawase_oh at 09:20TrackBack(1)
2004年11月23日

プリンストン債物語А 禅躬海気鵝▲┘蝓璽肇汽薀蝓璽泪鵑ら真人間に戻る〜

プリンストン債物語の続き

元本保証の安全運用という説明を信じた牛山さんは、会社の資金をプリンストン債に託しました。プリンストン債は、バブル崩壊で痛んだ資産を安全確実に回復してくれるはずでした。
しかし・・・。
プリンストン債購入に投じた資金は、丸ごとふっとんでしまいました。元本保証かどうかという次元の問題ではなく、運用すら行われていなかった。預けた資金はすべて運用担当者やその共犯者の私腹を肥やすことに流用されていたらしい・・・。

牛山さんの会社は、アメリカにあるプリンストン債の運用会社や資産管理会社、加えて関連会社などを相手に訴訟を起こしました。結果として、何とか和解成立にこぎ着けました。親会社であったリパブリック社(現HSBC)から被害額のおよそ8割程度を補償してもらうことなどを条件に和解が成立したのです。
プリンストン債事件の経済的ダメージが大きく、和解までもたずに破綻した会社もありました。一方、牛山さんの会社は、最悪の事態を免れ、何とかやり直せそうです。

しかし、左遷された牛山さんはサラリーマンとしてやり直せそうにありません。

牛山さん「ああ。今年は全然お歳暮が贈られてこないなあ。私が財務部長だった頃は、お酒にハムに缶詰・・・、ジュースや果物もあったなあ・・・、とても食べきれないくらいの大量のお歳暮が送られてきたのに・・・。」「結局、私に対してではなく、私の肩書きに対して皆は敬意を払っていたんだなあ・・・。否っ、敬意を払っていたのではなくて、シッポを振って擦り寄っていただけかも知れん。私自身が人柄や実力ではなく、肩書きを見て付き合う相手を選んでいたように・・・。」

財務部長から資料室に左遷された牛山さんですが、彼の心は見事に“治療”されたようです。
  
Posted by kawase_oh at 17:58TrackBack(2)

今日のポジション(11/23)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

USD/JPYは103円台でサポートされて一時的に反発する可能性はあるものの、ドル弱気・円強気見通しを維持します。
EUR/USDも1.31あたりを上値目処として考えていますが、まだ、戦略変更には至りません。引き続き1.2950前後をサポートライン&重要ポイントとして見ています。
  
Posted by kawase_oh at 09:06TrackBack(1)
2004年11月22日

プリンストン債物語Α 禅躬海気鵝会社に白状する〜

プリンストン債物語の続き

もうどうにも隠し通すことができないことを悟った牛山さん。社長にすべてを話しました。社長から増やすように命じられた会社の資金100億円を80億円に減らしてしまったこと。損失を隠すためにプリンストン債を購入したこと。そのプリンストン債が全額償還不能に陥っていること。すべてを話しました。

社長「牛山君。君の話はよくわかった。会社としては裁判を起こして、相手から少しでも資金を回収したい。」
牛山さん「はい・・・。」
社長「これまでも幾多の苦難を乗り越えてきたんだ。こんなことでは絶対にへこたれんぞ。」
牛山さん「はいっ。私も全力で資金回収に努めます。」
社長「君はもういい。」
牛山さん「はっ?」
社長「財務をすべて君に任せて、チェック体制を敷いていなかったのは私の責任だ。しかし、君は大変なことをやってくれた。明日からもう財務の仕事はしてもらわなくてもいい。近いうちに会社の資料室に異動してもらうよ。」
牛山さん「資料室って・・・。一日中何もすることがないじゃないですか。問題を抱えた社員ばかりが集まっていて・・・。女子社員の間では“治療室”って呼ばれているんですよ。」
社長「うるさいっ。クビにならなかっただけでもありがたいと思えっ。もちろん今回の件は私にも責任がある。しかし、こんな大チョンボをしでかした君にはもう我が社の重要なポストを任せられんのだ。理解してくれたまえ。」

サラリーマンとして20年以上も上司に媚びへつらってきた牛山さん。実力はないが、実力者に擦り寄るのだけは誰よりも上手かった牛山さん。
ここで左遷されるなんて・・・! 
同僚のささいな失敗をわざわざ誇張して報告したことも、優秀な部下の手柄を横取りしたことも、自分のミスを他人がやったことにして都合良く報告したことも、何もかも、彼のサラリーマンとしての偉業のすべてが水の泡です!

続く!
  
Posted by kawase_oh at 16:32TrackBack(2)

今日のポジション(11/22)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

先週末、大きく円高にふれたUSD/JPYですが、短期的な反発はあり得るものの、当面のドル安・円高見通しは維持します。
EUR/USDは引き続き、ユーロ高・ドル安見通しですが、先週の安値である、1ユーロ=1.2950あたりを重要ポイントとして位置づけます。そこまで下落するような局面があれば利益確定・戦略変更等を検討します。
G20共同声明等を受けての見通し変更は特にありません。
  
Posted by kawase_oh at 08:48TrackBack(2)
2004年11月21日

週末発表予定の決算は悪い!?

9月末締めの企業決算の発表ピークは過ぎてしまったようですが、ここで企業決算に関する話題をひとつ。
株式投資をされている方なら、なんとなく感じていることかも知れませんが、良いニュースは週初(月曜日)に、悪いニュースは週末(金曜日)に出やすいという法則は本当なのか?

日本ではありませんが、米国の過去の企業決算発表についての調査結果があります。

「月曜日に発表された企業決算のうち、30%は良い、43%は悪い、残りはどちらとも言えない。」
「金曜日の発表された企業決算のうち、22%は良い、54%は悪い、残りはどちらとも言えない。」

なんと! 10ポイント程度の差が実際にありました。月曜日の好決算には投資家が反応しやすく、一時的であれ、株価上昇につながる。悪い決算は金曜日に発表すれば、市場が閉まるので、投資家は株を売却できない、そして楽しい週末の間に忘れてしまう、という企業側の発想なのでしょうか? だとすれば、なんか投資家をバカにしている様で、実にセコい戦略ですね。

今年10月以降の米企業決算の発表された曜日とその内容の記憶を辿ると、この法則がピタリと当てはまっていたという印象は受けませんでしたが、皆様はどうお感じになったでしょうか?

*本文中の調査結果は2人の米エコノミストStefano Della Vigna さん(University of California Berkeley)と Joshua Polletさん(University of Illinois )によって発表されたものです。
  
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2004年11月20日

玲子さんの戦績(11月15〜19日)

0411027月22日100万円で為替投資を始めた玲子さん。為替王の「今日のポジション」を見ながらUSD/JPYとEUR/USDの売買をしています。
前週末で159万円だった資産は、今週末時点で、170万円に増大しました。


玲子さんの現在のポジション
<USD/JPY> ドル売り・円買いポジション5万ドル。11/16に1ドル=105円40銭で構築したポジションを継続保有。
<EUR/USD> ユーロ買い・ドル売りポジション5万ユーロ。9/9に1ユーロ=1.2190で構築したポジションを、約2ヵ月半もの間ずっと継続保有。

今週は、「今日のポジション」を見てお分かりの通り、EUR/USDはまったく売買せず、ポジションを継続保有しました。前週末と比較して含み益は若干増加しました。
一方のUSD/JPYは先週106円80銭でドル買い・円売り取引をしましたが、11月16日に105円40銭で、わずか数日であきらめて損切りしました。同時にドル売り・円買い戦略に転換しました。損切りによる損失額よりも、戦略転換後に得た含み益の方が大きく、損切りが功を奏した典型的なケースと言えるでしょう。
野球などスポーツ競技では勝率が大事で、たまには大差で負けても問題ありません。しかし、私のUSD/JPY戦略は、引き続き勝率は5割を下回っているものの、損切りをすることで、大損することだけは避けています。


玲子さんの過去の戦績については、こちらを参照
玲子さんが見ている「今日のポジション」は、こちらを参照
  
Posted by kawase_oh at 09:33TrackBack(2)
2004年11月19日

プリンストン債物語ァ 禅躬海気鹽傾颪ら地獄へ〜

プリンストン債物語の続編

会社の資金運用に失敗し、100億円を80億円に減らしてしまった牛山さん。しかし、プリンストン債を購入することで、とりあえず損失の表面化を避けることができました。証券会社から送られてくる運用報告書を見ると、資産は着実に回復しており、営業マンの言うとおり、100億円に戻るのも時間の問題だと安心していました。
ところが・・・・・。

「プリンストン債が償還不能に陥っているらしい」
そんな噂を聞きつけた牛山さんは、すぐさま担当の営業マンに連絡しました。

牛山さん「もしもし、変な噂を聞いたのですが、プリンストン債の現状はどうなんでしょうか?」
営業マン「すいません・・・。償還は無理のようです。」
牛山さん「はっ? 運用報告書では当初の80億円を、もう85億円に増やして頂いていたので満足していたんですが。」
営業マン「はい。しかし、運用報告書も嘘だったようです。」
牛山さん「嘘だったようですって、お前は何も知らないのか!」

牛山さんは、かつて1億円のリベートをもらって「うっしっしぃー」と高笑いをした仲の営業マンをもう「お前」呼ばわりしています。

営業マン「はい。運用も資金管理もすべてアメリカの方でやってまして、私どもも騙された被害者です。」
牛山さん「寝ぼけたことを言うなっ! 仮に、運用が失敗したとしても、資金がゼロになるわけないじゃないかっ!」
営業マン「それが・・・。運用担当者や資産管理会社がつるんで、預かった資金を私的に流用していたようです・・・。」
牛山さん「何だとぉ! 詐欺だっ! まったく詐欺じゃないかっ!」
営業マン「私ども販売会社も完全に騙されました。詐欺ですね。」
牛山さん「お前らは手数料を何億円も徴収しておいて、その後は知らぬふりか! もういいっ! 訴えてやる!」
営業マン「訴えても構いませんが・・・。それと同時にこれまでの経緯はすべて明らかになり、あなたのサラリーマン人生は終わりますよ。」
牛山さん「ああっ、何ということだっ! うううっ・・・・・。」

続く
(本文は私の想像によるものです)
  
Posted by kawase_oh at 17:06TrackBack(3)

今日のポジション(11/19)

<USD/JPY>
「ドル売り・円買い」のポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ買い・ドル売り」のポジションを継続保有します。

USD/JPYのドル安・円高見通しは当面維持します。
EUR/USDは昨夜、ドルが買い戻される動きがあり、1.30台を割れました。1.28台後半から1.29あたりを重要ポイントとして位置づけ、そこまで下落するような動きがあれば、戦略転換を検討します。
本日の日経新聞では、「投機マネーが為替に流入」と書いてありました。私や私の言うとおりにドル売り・円買いをしている人のポジションは投機マネーに含まれているのかしら???
  
Posted by kawase_oh at 09:10TrackBack(2)