2005年05月31日

EU憲法否決後の本当の懸念材料

つい1ヶ月くらい前までは、まったくどう転ぶかわからなかったEU憲法に対するフランス国民投票。 為替王倶楽部の予想アンケートでも大激戦の末、賛成多数を予想する人が僅差ではありますが過半数を占めていました。
ところが今月に入ってからの仏世論調査では、じりじり反対派が優勢となり、結局29日の投票では55%のフランス国民がEU憲法に「ノン」を示しました。大差と言っても良いくらい賛成票と反対票の差がついたのに加えて、70%という投票率の高さも印象的でした。

今回の反対派を主導したのは、もともとは政治的左派が中心でした。EUの自由経済主義的な経済発展とは反対の立場で、ある程度の統制経済を望む左派の中に、EU憲法批准を阻止しようと考える人がいました。さらに、イスラム圏であるトルコのEU加盟問題をめぐって極右勢力までもがEU憲法反対に回りました。さらに加えて、失業率10%に象徴されるような経済政策で現政権に不満を持つ層による、本来なら「シラク政権にノン」という意思表示が「EU憲法にノン」という形に摩り替わった部分も否めないと考えます。

現政権とEU憲法とは冷静に考えれば別物のはずですが、それを混同させてしまったところに、フランス国民は“良識”よりも“感情”が上回ってしまった。あるいは、ユーロ圏内第2位の経済大国であるフランスが、そういう結果を招いても仕方ないくらいの状況にある。ということが伺えます。

私は実は、今回のEU憲法が否決されたこと事自体は特に懸念材料とは考えていません。なぜならば、これまでEUが取り組んできた改革や成立させた条約と比較すると、EU憲法が持つ実務的な影響力は限定的であるからです。EU憲法がなくてもEUの権限強化の方法は他にもあり、EUが機能不全になることはありません。
しかし問題なのは、左派が調子に乗って、将来のEUの経済自由化改革にことごとく反旗を翻す可能性。それが最悪のシナリオだと私は考えます。

フランスは2007年に国民議会および大統領選挙を控えています。今回の国民投票結果が、短期的な意思表示に留まらず、長期的かつ構造的に自由経済発展を阻害するような変化をフランスおよびEUにもたらすとすれば・・・、その変化を見過ごすことはできません。現時点でユーロ圏を投資対象と見なしている私たちとしては、フランス世論の動向を注視する必要がありそうです。

  

Posted by kawase_oh at 09:51TrackBack(14)

今日のポジション(5/31)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


戦略・見通しに変更はありません。
日曜日にEU憲法フランス国民投票が否決となったことを受けて、EURが下落しました。同時に、東欧などのユーロ圏の周辺諸国の通貨も下落しました。これまで、ポーランド、ハンガリー、チェコなどの新興国は将来のEUR通貨採用と経済発展を見込まれて資金が流入していました。しかし、フランス国民投票の結果が統合プロセスに障害となることを懸念した投資家により早速一部資金を引上げる動きがあったものと考えられます。
ちなみに、ポーランドはズロチ、チェコはコルナ、ハンガリーはフォリントという通貨が現在使われています。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント107円台半ば
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26前後
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。

  
Posted by kawase_oh at 09:35TrackBack(0)
2005年05月30日

年収1千億円

高額納税者No.1が100億円も稼いだファンドマネージャーである、とのニュースが今月は大いに話題となりました。しかし世界に目を向けると、もっと稼いでいる人がいます。

専門誌によれば、昨年最も高額な報酬を手にしたファンドマネージャーは・・・・?

米ヘッジファンド運用担当者で、手にした額はなんとなんと・・・・・、日本円換算で1,000億円!
日本では1,000万円稼いでいるだけでもすごいですが、そんな1,000万円プレーヤーの1万人分の給料をたった1人で稼いだことになります。

どんな人なのか? 読者の皆様も興味のあるところだと思いますので、ご紹介します。
お名前は、エドワード・ランパートさん。年齢はまだ42歳。エール大学を卒業したエリートで、卒業後はゴールドマンサックスという米国の大手金融機関で働き始めました。しかし、わずか数年でその会社を辞めて、1988年にESLインベストメントという会社を設立します。現在もその会社で会社経営およびファンド運用の指揮をとっています。高学歴・高収入の上に、細面でかなりハンサムです。

で、どのようにして稼いだかと言うと・・・?
ファンドマネージャーと言っても、私たちがイメージするように、頻繁に株を買ったり売ったりして稼ぐと言うよりは、ある会社の株を買い占めて経営権を握り、そして、経営に携わることでその会社の価値を高めたり、さらに他の会社を買収したりして資産価値を増大させるような戦略を取ります。エドワードさんは有名な米ディスカウント小売店Kマートの経営権を握っており、昨年はKマートによる他店買収戦略などが功を奏し、莫大な報酬を得たようです。

蛇足ですが、正確に日本円換算すると、1,000億円ではなく1,100億円になります。100億円という金額ですら、エドワードさんの報酬においては端数と見なすことができてしまいます・・・・・。

  
Posted by kawase_oh at 12:58TrackBack(7)

今日のポジション(5/30)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


戦略・見通しに変更はありません。
先日、英国50年債について記事にしましたが、ドイツでも50年物の国債発行は、可能性としてはあるとの見解をドイツ財務副大臣が明らかにしました。現在、世界的に長期金利が低位で安定、すなわち、長期債券に対する需要が強いのですが、これらの長期債券需給動向はグローバルな資金フローとも大いに関係があるので、注視していきたいです。
本日、ロンドンは休日です。5月2日がメーデーでお休みだったのでこれで、英国市場が休みなのは5月に入ってから2日目です。しかし1年トータルで見ると、英国の祝祭日の数は日本の約半分の10日程度しかありません。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント107円台半ば
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26前後
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。

  
Posted by kawase_oh at 06:23TrackBack(2)
2005年05月29日

流行るブログ消えるブログ

「流行るブログ 消えるブログ」(発行所:桃園書房、企画編集:片岡企画)


衝撃的なタイトルの本ですが、事前にこの本の企画を担当されている方から、「為替王」を掲載する旨のご連絡を頂戴しており、私も「どうぞ」と気軽にお答えしていたものの、ひょっとして、“消えるブログ”に指定されていたらどうしよう・・・。と、ドキドキしながら本を開きましたが、“ジャンル別必見ブログ厳選カタログ”のファイナンス部門で「為替王」を取り上げて頂いているではありませんか! ありがたい気持ちを通り越して恐縮です。桃園書房さん最高! 片岡企画さん素敵!
これは言うまでもなく、このブログに目を通して下さっている皆様と、皆様からのたくさんの建設的なコメント・トラックバック、それらを通しての活発な議論・ご質問などが有機的に昇華した結果だと思います。皆様方に厚く御礼申し上げます。

それにしても、世の中には面白いブログがたくさんあるんだなあということがわかりました。私は特に、ある分野の専門の方が、一般の人が知る機会が少ない事を、ブログを通して情報発信をされたりしているのが面白いと思っています。「流行るブログ・・・」では、医療の専門の方が質問や相談に答えながら情報発信するブログが紹介されていました。病院に行くといつもお医者さんの言うことに頷くだけの私にとっては、まさに必見です。

またこの本は、どんなブログサービス提供会社があるのか?どんな違いがあるのか?どんな使い方があるのか?などなど、ブログそのものに関する最新の情報が詰まっています。ブログについて知りたい方、これからブログを始めてみようという方にも最適だと思います。

  
Posted by kawase_oh at 01:38TrackBack(4)
2005年05月28日

イスラム教徒向けのヘッジファンド

ヘッジファンドはいまや何千ものファンドが乱立していて、その投資手法や投資対象も様々です。新規のヘッジファンド立ち上げのニュースは毎日のようにありますが、先日、ちょっと珍しいヘッジファンド設立のニュースがありました。

イスラム教徒向けのヘッジファンド・・・!!!
お酒の会社には投資しない。タバコの会社にも投資しない。金利の付いた証券には投資しない。などなど・・・。
イスラム教徒も自分の資産を運用して欲しい。しかし、イスラム教の戒律を破ってはいけない。そんなニーズを満たすヘッジファンドにするそうです。

SRIの考え方に似ていますね。SRI(Socially Responsible Investment)を訳すと、“社会的責任投資”となります。これは単に、儲かるか損するかというような投資基準だけでなく、企業の法令遵守や地域社会・環境へ与える影響など、様々な側面から社会的貢献度を評価して、投資判断をする発想です。この発想を基に、ギャンブルや武器関連の企業には投資しないというファンドも存在します。SRIは欧米で発達した考え方なので、もともとキリスト教などの宗教的な倫理観が多分に入っていたという見方もできます。

話を戻しまして、イスラム教徒向けファンドが酒やタバコの会社に投資しないのはわかりますが、金利の付いた証券に投資しないとは・・・?

ご存知の方も多いでしょうが、イスラム教では金利を徴収することを悪いことだと考える習慣があります。おカネを借りる側の貧しい人が金利を払うとますます貧しくなり、おカネを貸す側の裕福な人が金利を受け取るとますます裕福になる。アラーの神の下で平等であるべきイスラム社会では金利の徴収は禁じられていたのです。

資本主義社会に生きる私たちにとって、金利がつくことは当たり前のことですが、富める者がさらに富み、貧しい者がさらに貧しくなる循環をストップさせるこのイスラム教の発想には、なるほどと頷いてしまいます。いやっ、そう言えば、今の日本もまるでイスラム教の戒律を守っているかのように、金利がぜんぜんつきませんね。

しかし・・・、
金利を受け取らないのは私たち預金者だけで、銀行は私たちからただ同然で借りたおカネでぼろ儲けをするという構造が何年間も続いています。アラーの神が見たら、さぞ驚かれることでしょう。

  
Posted by kawase_oh at 12:06TrackBack(14)

玲子さんの戦績(5月23日〜5月27日)

0505042004年7月22日100万円で為替投資を始めた玲子さん。為替王の「今日のポジション」を見ながらUSD/JPYとEUR/USDの売買をしています。前週末で201万円だった資産は、今週末時点で199万円に減少しました。



USD/JPYは、まったく売買しませんでした。5月9日に105円30銭で構築したドル買い・円売りポジション5万ドルを継続保有しています。
EUR/USDは、まったく売買しませんでした。5月6日に1ユーロ=1.2850で構築したユーロ売り・ドル買いポジション5万ユーロを継続保有しています。

長期的なドル高見通しおよび、短期的にもドル高であるとの判断の下、今週も引き続き、USD/JPY、EUR/USDともにドル強気戦略を取っていました。前週末と比較して為替市場全般でドルがやや軟化したため、含み益が若干減少し、運用成績がやや下落しました。


玲子さんの過去の戦績については、こちらを参照
玲子さんが見ている「今日のポジション」は、こちらを参照
  
Posted by kawase_oh at 08:24TrackBack(2)
2005年05月27日

日産自動車の社債

先日のGMショック(4/30)の記事で日産自動車についても少し言及しましたが、その日産が巨額の社債を発行することが市場で話題となっています。総額2280億円! これは、2002年に松下電器産業が総額3000億円の社債発行を実施したことがありますが、それに次ぐ規模です。これだけ巨額の社債を発行する理由は、日産の企業年金財政を健全化することが目的のようですが、それにしても、ゴーン氏による日産の再生がまさに完了したことを印象付けるかのようです。

私がこのことを今日取り上げたのは、実はこの日産の社債は個人投資家も購入可能です。約8割は機関投資家が購入しますが、残りの2割の500億円は個人投資家向けのものです。日産が再生したのはわかりましたが、日産の社債は投資対象としてはどうでしょうか?

期間は4年4ヶ月で、利回りはおよそ0.6%です。同じ期間の国債利回りが0.4%くらいの水準ですので、国債よりも日産社債の方がおよそ0.2%程度お得!ということになります。見た目の数値がお得だからと言ってすぐ、鼻息荒く投資してはいけません。社債投資で最も重要なポイントは?

債券に投資するとき、最低限、それが紙くずになってしまわないことが条件です。それはすなわち、日産自動車という会社が潰れないかどうかを判断することです。今後4年4ヶ月以内に、日産が潰れてその社債が紙くずになることは常識的には考えられませんが、少しでも可能性があると思えば、それに応じて予定投資額を減らしたり、あるいは投資を見送るという決断が必要になります。

最後に、個人投資家にとって債券投資はまだあまり身近とは言えません。原因は、高い手数料を取られたり、利率と利回りを混同させるような表記をしたりする金融機関側に責任があると私は思っています。
債券投資をする際には、どれくらいの取引コストがかかるのか? そして取引コスト控除後の最終的な利回りはどれくらいになるのか? 上述の点を含めてすべてを誠実かつ正確に答えられる金融機関のセールスマンから債券購入をしたいです。

  
Posted by kawase_oh at 08:55TrackBack(11)

今日のポジション(5/27)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


このブログでもずっと注目している今週末にあるEU憲法フランス国民投票ですが、反対派が54%に増加していることやフランス与党が否決する可能性を認めたとの報道があったことなどから、昨日はEURが急落する場面がありました。基本的にはEUR売りを継続すべき局面だと考えます。が、反対派すべてが投票に行く訳ではなく、読者の方のコメントにもあったように、ひょっとしたら賛成多数となるかも知れません。極端にEURが売り込まれている場面だからこそ、その後の短期的な反発を狙って果敢にEUR買い戦略を取るのも、ロスカットさえきちんとできれば良いと思います。私は経済ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を重視した戦略を取っていますが、このようなイベント結果を見通してそれに基づいた戦略を取るのも面白いと思います。
昨日ドル高が進行しましたので、利益確定ポイントをUSD/JPYもEUR/USDも少し引き上げたいです。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント107円台半ば
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26前後
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。


  
Posted by kawase_oh at 08:51TrackBack(0)
2005年05月26日

日本とマレーシアは仲良しグループ

中国の呉儀副首相が、小泉首相との会談をドタキャンして帰ってしまうという珍事がありました。この件について海外メディアでは、先月の反日デモほどではないですが、ある程度は取り上げているようです。各国の報道で、いくつか気になった報道内容・記者コメントを取り上げます。

中国:「副首相訪日に込められた中国側のメッセージが分からない小泉外交は愚かだ」
マレーシア:「マレーシアでは日本の戦後補償は済んだ話と見なされており問題視されない。呉副首相は小泉首相に会うために訪問したのだから会うべきだった」
韓国:「日中は軍事・経済の覇権をめぐる競争が激しく、主導権を争う問題は簡単には解消されない。しばらくこの状況が続くだろう」

マレーシアのメディアからのメッセージは印象的です。そのマレーシアと日本はこのほど、自由貿易協定(FTA)を軸とする経済連携をすることで基本合意しました。このことは、韓国メディアの言う通り、アジア経済の覇権をめぐる競争においては、日本が中国との格の違いを見せつけるには将来においても重要なことだと思います。

FTA締結により日本国内ではダメージを受ける産業があることは確かです。しかしながら、将来的な観点からは、日本とマレーシアの両国の経済関係が緊密になり、戦略的なパートナーシップを結ぶことでお互いにプラスの効果があります。マレーシアは日本にとって、その他大勢の貿易相手国のひとつですが、マレーシアにとって日本は輸出相手国トップ3に入っています。


今回、日本がマレーシアとの合意に達しましたが、それって、何カ国目でしょうか?

実はまだ4カ国目です。シンガポール、メキシコ、フィリピンに続いて今回のマレーシア。
私としては、まだたった4カ国か、という印象です。これは、日本国内では総論賛成でも、各論部分では反対意見があったりします。保護主義的な発想が特に農作物の分野では根強く残る日本においては、すでに4カ国とFTA合意に達しただけでも良かったという考え方もあるかも知れません。

しかしながら。
アジア経済、ひいては世界経済における日本の圧倒的優位な立場を将来も持続しようと考えるならば、日中の経済力格差が縮小する前の現段階において、わが国はアジア各国との密接な経済関係を軸にした戦略的パートナーシップの構築を急がなくてはならないと私は考えます。
昨日の日経新聞ではFTAを締結する国同士のことを“仲良しグループ”と表現していましたが、まさにその通りだと思います。落ちこぼれやいじめられっ子になってしまう前に、日本は仲良しグループのリーダーとして、グループ拡大を急ぐべきです。FTAは自由な貿易協定なのですから、リーダー自らが“日本のコメだけは守りたい”などとホザいている場合ではありません。

  
Posted by kawase_oh at 14:18TrackBack(10)

今日のポジション(5/26)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


戦略・見通しに変更はありません。
昨日、カナダは政策金利を2.5%のまま据え置きました。金利は“いずれ”上昇する必要があるとの声明も加えて発表されました。今回の金利据置は予想通りですが、今後、“いずれ”ではなく、“近々に”利上げすることを期待していた人にとってはやや予想外の声明だったので、若干ですが、カナダドル売り圧力となりました。
ドイツの景況感指数が今月も低下しました。4ヶ月連続の低下です。依然として、ユーロ圏最大の経済大国ドイツの景気回復への道のりは遠そうです。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント106円台後半〜107円
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26台後半〜1.27
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。

  
Posted by kawase_oh at 09:12TrackBack(0)
2005年05月25日

デフレ脱却のカギは信用乗数

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こんにちは。日銀が量的緩和を解除する可能性を示唆したと仮定すると、それでは、デフレを止めるための手段は他にどのようなことがあるのでしょうか?為替王さんは、どこを治癒すればインフレになると思いますか?ぜひお考えをお聞かせください。
********************


これまで日本は歴史的に例を見ないような金融緩和を実施してきました。これは理論的には物価上昇、あるいは円安に作用するはずですが、国内物価の下落は止まらず、円安になるどころか逆にここ数年は円高でした。

この問題の根底にあるのは、私は信用乗数(貨幣乗数)だと考えます。1970年代から80年代にかけて信用乗数は10を超えていました。バブル崩壊後の90年代前半から徐々に信用収縮が始まりました。97年の国内金融危機、さらには98年以降の世界的な金融危機などを受けて、信用乗数は急速に低下しました。2000年以降はまさに信用創造機能の崩壊と言っても良いくらい、信用乗数は劇的に下落しました。

ここまで金融機能が麻痺した状態において、日銀はデフレ阻止のために量的緩和を打ち出すなどよくやってきたと私は思います。そして今後も、彼らが約束したとおり、コアCPIがプラス領域に転じるまでは、あるいは少なくとも、その兆候が限りなく確かな状況になるまでは、量的緩和策を継続すべきと考えます。さらに、国内にはインフレターゲットを設定すべきなどの日銀への要求は多く見られますが、そのような議論は必要としながら、私はそれよりも政府もできることがあるとの考えです。

銀行が巨額の不良債権を抱えたままでは信用乗数が上がるはずがありません。そのため政府は大手銀行の不良債権処理・整理統廃合をほぼ強制的に推し進めました。まだ、地域金融機関および地方経済に対する懸念は残っていますが、マクロで見たときメガバンクの不良債権処理に一応の目処がついたことでひとまずは、これ以上の信用乗数の悪化は避けられると考えます。

そして今後、政府・世論がデフレ脱却の対策を日銀だけに求めるのではなく、私は引き続き政府が自ら取れる選択肢を考えて頂きたいと思います。信用乗数の操作は金融政策だけで解決できるものではなく、民間の経済創造活動を支援する政策・税制があってこそ可能だと考えます。具体策は一長一短で難しいと思いますが、信用乗数に焦点を当てた政策議論がもっと活発になることを期待したいです。

  
Posted by kawase_oh at 11:08TrackBack(0)

今日のポジション(5/25)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


戦略・見通しに変更はありません。
EU憲法に対する国民投票が5月29日にフランスで行われます。前週は反対派が51%だったのが、今週は53%に増加しているとの調査結果が出てきました。他の調査結果を見ても、現時点では反対派が僅差でリードしていると見るのが妥当のようです。さらに6月に入ってからはオランダで国民投票が予定されていますが、これも反対派が優勢のようです。これらは純粋にユーロ圏にとってはネガティブであると捉えて良いと考えます。少なくともフランス国民投票前の今週いっぱいはEURは相対的に売り圧力がかかりやすいと見ています。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント106円台後半〜107円
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26台後半〜1.27
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。

  
Posted by kawase_oh at 09:37TrackBack(0)
2005年05月24日

量的緩和の解除?

私はこれまで、国内金融政策は日本にとって極めて重要であり、それをマスコミがあまり取り上げないことを嘆いてきました(ご参照:4/12記事4/13記事)。ところが、先週末の日銀金融政策会合は、普通のニュースでも取り上げられていたので、気になった方も多かったのではと思います。「ようやくマスコミも私の主張を取り入れてくれて、世界第2位の経済大国のマスコミとしての自覚が出てきたのかしら」と、私は自分勝手な解釈をして満足して寝ました。が、今回の日銀の決定事項がわかりにくかった人も多いと思いますので、これまでの経緯を含めて解説します。


景気が悪いときは金利を引き下げます。日本はゼロ%まで金利を引き下げても不景気が止まりませんでした。まさか金利をマイナスにする訳にもいかないので、日銀は“量的緩和”という政策を打ち出しました。不景気&デフレから脱け出すために、たくさんの“量”のおカネを供給するから「みんなおカネを使って経済活動をして景気回復しようねー」といった目的の政策です。具体的には日銀当座預金残高というところに30〜35兆円程度もの膨大な金額のおカネを積むという政策でした。

ところが・・・。
最近では、「そんなにたくさんのおカネがあっても無駄で意味がないよー」という状況になりつつあるため、日銀は「30〜35兆円という目標値は場合によっては下振れすることもありまーす」ということを先週末の会議で決定しました。

いずれ日本が景気回復する過程においては、この“量的緩和”という政策を解除して、ゼロ金利状態から、普通の金利水準に戻さなければなりません。ということは・・・? 今回の目標残高の下振れを容認する決定が、日本の景気回復・金利正常化への第一歩か! との理解ができなくもないため話題となった訳です。

いつどのように量的緩和をやめて金利正常化させるかは、日本が本当に景気回復できるか、それともまた後戻りしてしまうかの大きな分岐点であり、金融市場だけでなく私たちの生活に対しても大きな影響が及びます。
谷垣財務大臣は「もし量的緩和解除に向けた第一歩という趣旨ならば容認するわけにはいかない」と発言しました。景気の後戻りを絶対に避けたい政治家としては当然の意見表明と受け取れます。私は、今回の日銀決定事項が特に大きな影響を市場に与えることはないと考えますが、後になって見れば、将来に向けての布石だったと振り返ることになるかも知れません。

今後も、慎重の上にも慎重さが求められる金融政策ですので、日銀が明確なメッセージを発せずに玉虫色で徐々に軸足を移行させるようなスタンスを取るかも知れませんが、私たちはその意図を注意深く読み取って、投資比率などの戦略決定判断に生かしたいです。

  
Posted by kawase_oh at 13:16TrackBack(0)

今日のポジション(5/24)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


戦略・見通しに変更はありません。
今日は満月です。 「満月の夜は相場が荒れる」と言った人もいました。が、実際に私が検証したところそう結論づけるのはちょっと無理があるかなあという印象です。もちろん、無視する必要はまったくなく、ひとつの情報として月の満ち欠けについては一応認識しておいて、それを自分の相場シナリオに生かしたりすることは面白いと思います。また、過去に天文学・占星術を重視した相場師も実際に存在しました。あまりに奥が深くて私は挫折しましたが、得意な方は相場戦略に取り入れることをチャレンジされてみてはいかがでしょうか。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント106円台後半〜107円
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26台後半〜1.27
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。
  
Posted by kawase_oh at 09:15TrackBack(1)
2005年05月23日

50年物の英国債券

今年に入ってから、フランスで50年物の国債が発行されたり、米国で30年物の国債の復活が検討されたり・・・。償還までとってもながーい期間の債券発行に関するニュースが世界の金融市場で話題となっています。
今月ついに、英国でも50年物の国債が発行されることが決定されました。

このことを、国債を発行する政府の側から見てみると。
国・政府は長期的なビジョンに基づいた政策を実施しますが、それに必要な資金は税金で賄い切れない場合があります。そんなとき、必要な資金を用立てするために、長い期間の債券を発行します。

一方で、そんな長い期間の債券を一体誰が買うのでしょうか?
日本国債にも10年物だけでなく、20年物や30年物といった長期の債券が存在します。そんな長い債券の多くを買う投資家は、主に生命保険会社や年金基金などです。彼らは、短期の経済・市場変動にはあまり惑わされずに、長期間で安定した収益を確保する必要があります。
ちなみに、米国では現在は発行が停止されている30年物の債券を、個人投資家として購入する人も少なくありませんでした。「娘のバースデープレゼントとして米国債を買ってあげる」というお金持ちも実際にいたくらいです。金融市場が発達している米国ならではですね。と言うか、私もプレゼントして欲しい・・・。

さて、今回の英国50年債。個人投資家として購入したとしても、償還されるまでにはあの世に逝ってしまっている可能性もありますが。おそらく、年金基金を中心とした投資家層が購入するものと思われます。この英国50年債のクーポンは4.25%です。単純に、4.25%に50年をかけると、212%。つまり、仮に日本円換算でこの英国債を元本100万円分買ったとしたら、クーポン収入だけで1年に4万2,500円、50年で212万円に相当する金額をポンドで受け取ることになります。そして50年後には元本が還ってきます。
50年という長い投資期間を想定したくないと考える投資家もいれば、この投資を魅力的だと感じる投資家もきっといるでしょう。


  
Posted by kawase_oh at 10:10TrackBack(5)

今日のポジション(5/23)

<USD/JPY>
「ドル買い・円売り」ポジションを継続保有します。

<EUR/USD>
「ユーロ売り・ドル買い」ポジションを継続保有します。


為替市場全般でのドル高見通しを維持します。短期的にはすでに過去2週間にわたりドル上昇基調が継続しておりますが、もう少し上昇余地があると考え、短期的なドル強気戦略も維持したいです。USD/JPYの目標値は引き続き109円台です。
ドル高で他通貨が下落していることにより、ユーロやポンドなども対円で下落、すなわち円高が進んでいました。私は今後のドル高局面ではUSD/JPY市場がドル高・円安になることにより、他の外貨の対円での下落は限定的だと考えます。過去に生じたように極端な円高は現時点では想定していません。


玲子さんの現在の戦略
USD買いJPY売り5万ドル 取引レート105.30 重要ポイント106円台後半〜107円
EUR売りUSD買い5万ユーロ 取引レート1.2850 重要ポイント1.26台後半〜1.27
*取引レートは玲子さんが売買執行したレート。重要ポイントは現在のポジションを利益確定または損切りなど戦略変更する上で重要であると考えるポイント。
  
Posted by kawase_oh at 09:32TrackBack(1)
2005年05月22日

資産ポートフォリオに与えるFX取引の効用

昨日はFX取引についての2つのご質問にお答えしましたが、今日もひとつ。

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十分な余裕資金を持っていて目先の為替相場の変動に動じない人でも、なおFXに手を出すメリットはあるでしょうか。
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充分な資産がある人でもそうでない人でも、目標とする収益が低いのであれば、預貯金や債券などの安全資産だけで資産運用すべきだと考えます。現在、国内の安全資産から得られる利回りはわずかですが、それで満足・納得しているのであれば、リスクのある資産とその取引に手を出す必要はまったくないと考えます。
しかし、もし現在の安全資産収益率に不満がある場合は、どうしても株式や外国資産などのリスクの高い金融商品を自分の資産ポートフォリオに取り入れる必要があります。収益目標が高くなればなるほど高いリスクを取ることが必要だからです。

外国資産と言っても、目標とする収益や投資スタイルによって外国株を買ったり、外国債券を買ったり、外貨預金をしたりすることになりますが、FX取引というは、その中でも外貨預金や外国債券などの代替となり得る金融商品だと私は考えます。現在の取引環境においてFX取引は、外貨預金などと比較して、取引コストなど複数の点でメリットがあります。外貨預金はぼったくりではないかと思うような手数料を取られたり、やくざではないかと思うほど実勢金利よりもはるかに低い預金金利しかつけてくれなかったりする銀行が多いです。それらは私たちが本来、外貨投資から得られるはずの収益性を大きく損なうものです。その場合は、FX取引においてレバレッジをかけずに、すなわち高いリスクをとらず、外貨預金と同様の為替リスクで、多少の為替変動には動じない投資スタイルで取引することも可能なので、その方が有利な面も大きいです。ただ、FX取引業者に対する信用の問題などデメリットもあるので、そのようなデメリットを重要視する人には、外貨預金の代替としてFX取引での外貨買いだけを利用するのは魅力に乏しいかも知れません。

FX取引の特徴のひとつに、「外貨売り・円買い」や「外貨買い・外貨売り」の取引が可能な点があります。これにより、資産ポートフォリオにおける通貨リスクのバランスを投資家にとって最適なものに形成しやすくなります。「外貨売り・円買い」ができれば、円高局面での外貨資産に対する為替リスクヘッジなど戦略に多様性が生まれます。また、「外貨買い・外貨売り」の戦略を取り入れると、外貨対円の配分比率調整だけでは収益が上がり難い相場局面でも、外貨同士の収益性の差により期待収益を向上させることが可能になります。この場合はポートフォリオのトータルのリスク量を増やすことなく、期待リターンを劇的に向上させることができます。

<結論>
外貨預金の代替としてFXで外貨買いだけを利用する場合、経済的メリットは大きいが、資産ポートフォリオ全体に与える影響は限定的。デメリットもあるため、投資家によってはその効用が必ずしもプラスに働くとは言えない。
FXで外貨売りや外貨同士の売買なども利用する場合、それは、資産ポートフォリオの収益目標を高く設定している投資家にとってはかなり有効な取引手法であり、資産形成のツールとして取り入れることが望ましい。
言うまでもなく、高い収益を求めない投資家や、取引手法とそのリスクがしっかり理解できていない投資家は安易に手を出すことは避けたい。と考えます。
  
Posted by kawase_oh at 09:35TrackBack(3)
2005年05月21日

相場で破産する理由

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(1)FX取引は株の信用取引きのように期限があったりするのですか?(株は無期限信用も最近はありますが・・・)
(2)商品先物で家庭崩壊に至った人を複数知っています。経験的には外貨預金なら損してもせいぜい元本の10%程度ですが、FXは商品先物のようにリスクの高い取引なんでしょうか。
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「円資金だけでドル売り・円買いできる理由」(5/14記事)のところでいくつかご質問を頂戴しましたので、今日と明日にかけてお答えしたいと思います。


(1)について
株の信用取引には3ヶ月や6ヶ月といった期日がありますが、FX取引にはありません。株の無期限信用取引をイメージして頂いて良いと思います。ただ、FX取引にはスワップポイント(=スワップあるいはスワップ金利とも言う)というものが発生します。取引通貨ペアによって、スワップポイントを受け取ることができるケースもあれば支払わなければならないケースもあります。この点は、取引する前に、どの程度のスワップポイントが発生するのかをチェックしておきたいです。

(2)について
為替市場は基本的に、株式市場や商品先物市場と比較して価格変動率が小さいです。すなわち損したり儲かったりする程度の度合いが低いです。もっとも、株式市場や商品先物市場も市場価格の変動性そのものは、特別恐れるような高いものではありません。ではなぜ家庭崩壊に至る人がいるのか? セールスマンの対応や本人の意志にも問題はあるのでしょうが、主な原因のひとつは“レバレッジ”にあります。

FXをレバレッジをかけずに取引すれば、その為替変動リスクは外貨預金をしているのと同じです。しかし、レバレッジを何倍にしても取引すれば、商品先物取引よりもリスクの高い取引となります。レバレッジを過度にかけて取引すれば、やくざに囲まれて博打をやっているよりもはるかに怖い取引にもなります。

レバレッジをかけることは本来まったく悪いことではありません。ある株Aの価格変動率が40%で、ある通貨Bの価格変動率が10%であることがわかっているとき。通貨Bを4倍のレバレッジをかけて取引して初めて、株Aを普通に取引するのと同じリスクになります。3倍以下であれば、レバレッジをかけているにもかかわらず、株Aよりも低い価格変動リスクしか抱えていない計算になります。

このように、FX取引にしても商品先物取引にしても、「リスクが高い」、「怖い取引だ」と感じるのはなぜなのか?その理由を探り理解すると、どのように対応すべきかがわかってきます。その上で、自分の投資スタイルに合うかどうかを判断したいです。しっかり仕組みを理解することで、「危険」と思っている取引から身を守るだけでなく、場合によってはその仕組みを自分の資産形成の味方にすることもできます。

*レバレッジをかける=手持ちの資金以上の取引を行うこと。 「鈴やんとドラちゃん その3」(3/31) をご参照。
  
Posted by kawase_oh at 13:33TrackBack(18)

玲子さんの戦績(5月16日〜5月20日)

0505032004年7月22日100万円で為替投資を始めた玲子さん。為替王の「今日のポジション」を見ながらUSD/JPYとEUR/USDの売買をしています。前週末で192万円だった資産は、今週末時点で201万円に増大しました。



USD/JPYは、まったく売買しませんでした。5月9日に105円30銭で構築したドル買い・円売りポジション5万ドルを継続保有しています。
EUR/USDは、まったく売買しませんでした。5月6日に1ユーロ=1.2850で構築したユーロ売り・ドル買いポジション5万ユーロを継続保有しています。

長期的なドル高見通しおよび、短期的にもドル高であるとの判断の下、今週も引き続き、USD/JPY、EUR/USDともにドル強気戦略を取っていました。為替市場全般でドル高の流れが継続しているため、含み益の拡大、運用成績の向上につながりました。


玲子さんの過去の戦績については、こちらを参照
玲子さんが見ている「今日のポジション」は、こちらを参照
  
Posted by kawase_oh at 08:47TrackBack(1)