大阪市会議員 川嶋広稔(政策)

「平成30年度 大阪市予算編成に関する要望書」です。
この考えに基づいて、今回の予算審議を行っています。
ここに私たちの考え方が書かれていますので、是非ご覧ください。 

 日本経済は、自民党政権の明確な国政運営方針のもと、雇用の増加や賃金の上昇など、様々なかたちで好循環が生まれ始め、長引くデフレ不況からの脱却の兆しもようやく見え始めているが、大阪においてはなお景気低迷、地域社会・経済の沈滞をはじめとする重苦しさに覆われている。

 そのような中、大阪市においては、府市再編や各種事業の経営形態変更に関する議論を、市民の理解を得ないまま急速に進めてきたことや、市政改革とは名ばかりの思いつきの施策によって、市政の沈滞が深刻な状況となっており、市民生活に与える影響が懸念されるところである。

 吉村市長におかれては、このような状況を直視し、市民や企業が行政に寄せる批判と期待に対して真摯な態度で向き合うとともに、まずは大阪市に山積する諸課題の解決に、政治家ではなく行政機関の長として最優先で当たっていくべきであると申し上げたい。

 もとより行財政改革が重要であることは申し上げるまでもない。

しかしながら、市立幼稚園の廃園、小学校や病院など様々な統合案件における失敗に見られるような、地域住民や利用者の声に耳を傾けない、スケジュールありきの一方的な見直し議論については、全く与することはできないと言わざるを得ない。

 急激な改革は必ず大きなひずみを生むものであり、そのしわ寄せを受けるのは市民である。我が会派としては、これまでも市民生活の安心・安全を最優先に考え、様々な課題に対して真摯な態度で真面目に正々堂々と議論を行っており、この姿勢はこれからも一貫していく覚悟である。

 平成30年度予算編成に向けては、厳しい財政状況を踏まえ、財政規律を堅持しながらも、市政の沈滞をこれ以上深刻なものとしないよう努めるべきであり、以下の諸項目について強く要望するものである。

Ⅰ.都市力強化のための経済再生・税財政改革

1.経済再生と税財政改革の両立·

2.科学技術の振興

3.都市力強化のためのハード・ソフトのインフラ整備

(1)社会基盤

(2)文化力

(3)観光力

4.責任あるエネルギー戦略

 Ⅱ.地域力の強化・女性活躍推進

1.個性豊かで魅力ある地域

2.中小企業・小規模事業者の支援

3.すべての女性が輝く社会の実現

 Ⅲ.暮らしの安全・安心、教育再生

1.持続可能な福祉制度と健康づくり

(1)総合的な福祉施策の推進

(2)障害者福祉

(3)高齢者福祉

(4)生活保護

(5)ホームレス・あいりん対策

(6)国民健康保険

(7)保健・医療施策

2.出産・子育てを応援する社会

3.生命・財産を守るためのインフラ整備の推進

4.教育再生の実行とスポーツの振興

(1)小中学校

(2)高等学校・専修学校

(3)大学

(4)生涯学習

(5)スポーツ

5.将来を見据えた社会資本整備

(1)道路・交通

(2)駐車場・駐輪場

(3)公園・緑化等

(4)住宅

(5)水環境・上下水道

6. 暮らしの安全を

(1)食の安全

(2)消費者問題

(3)官公需における適正な賃金・労働条件の確保

(4)雇用対策について

(5)個人番号カードの普及に際する安全確保

7.地球環境への貢献

(1)環境対策

(2)廃棄物対策

(3)その他

 Ⅳ.市民のための政治・行政改革

1.継続すべき市政・区政改革

2.真のあるべき改革へ(行き過ぎた改革への警鐘)

Ⅰ.都市力強化のための経済再生・税財政改革

1.経済再生と税財政改革の両立

① 地方分権の確立に向け、住民に最も身近な基礎自治体である本市が、圏域の牽引役として機能し、複雑で多様な大都市固有の行財政需要に対応し、自立的な行政運営を推進できるよう、現在の政令指定都市制度の枠組みをさらに強化・拡充することを国に求められたい。

② 地方税財政改革の推進については、今後大きくなる地方の役割を踏まえ、必要な地方財源総額の確保に努められたい。ついては、消費税、法人税を含めた複数の基幹税からの税源移譲により、国・地方の役割分担に応じた租税配分を実現し、歳入構造を地方税中心とすることに努められたい。

③ 都市の役割分担にふさわしい大都市特例税制の創設や消費流通課税の配分割合の加算など大都市税財源の充実強化に向けた要望活動にも積極的に取り組まれたい。

 軽自動車税・自動車取得税・自動車重量税の見直しが進められているが、これらが都市基盤整備などの貴重な安定財源となっていることから、市町村に対する確実な代替税財源を確保することを強く国に求められたい。

⑤ 法人住民税の一部を国税化し、地方交付税として地方間で再配分する地方法人税は、単なる地方間の税収の再配分となる制度であり、受益と負担の関係に反しているため、速やかに撤廃し、法人住民税へ復元することを強く国に求められたい。

⑥ 償却資産に対する固定資産税については、国の経済対策などの観点からの見直しを行うべきではなく、現行制度を堅持すること、また、平成28年度税制改正において時限的に創設された「新規取得した一定の機械及び装置の固定資産税の特例措置」については、延長、拡大を行わないことを強く国に求められたい。

⑦ 消費税の軽減税率制度を導入するに当たっては、地方財政に影響を及ぼさないよう配慮することを国に対し強く求められたい。

⑧ 地方消費税の清算基準については、税収の最終的な帰属地と最終消費地を一致させることをめざして指標の見直しや充実を図ることとし、税収格差の是正を目的に、安易に消費代替指標として「人口」の比率を高めないようにすることを国に対し強く求められたい。

⑨ 地方交付税の改革については、臨時財政対策債による対応は速やかに廃止し、地方の歳出削減努力によってもなお生じる財源不足額の解消は、地方交付税の法定率の引上げによって対応するよう国に求められたい。

  なお、地方の保有する基金の増加や現在高を理由とした地方財源の削減は決して行わないようあわせて国に求められたい。

⑩ 国庫補助負担金の改革については、国と地方の役割分担を明確にしたうえで、地方が担うべき分野については、国庫補助負担金を廃止し、所要額を全額税源移譲されるよう求められたい

 都市経営の観点に立ち、大阪経済圏の成長を図り、関西全体の持続的な成長・発展に貢献する都市としてあり続けるため、将来の税源の涵養が望める具体的な施策・事業について、「大阪の成長戦略」に基づき選択と集中による積極的な展開を図られたい。

⑫ 都市の再生を図るため、「都市再生緊急整備地域」での民間による都市開発を促進する「大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺地区」及び「夢洲・咲洲地区」における「国際戦略総合特区」、「特定都市再生緊急整備地域」の制度を活用した事業の推進に取り組まれたい。

⑬ 特区制度の活用により、戦略拠点の形成に向けた取り組みを進めるとともに、本市として効果的な施策・事業に一体的に取り組むことが必要であり、産学官連携による知的創造活動の強化や成果の事業化・新ビジネスの創出を促進するなど、大阪経済の活性化に努められたい。

また、「環境・エネルギー」や「健康・医療」をはじめ、大阪の強みを活かすことで今後市場の成長が期待される産業分野への中小企業の参入を促進されたい。

⑭ 特区制度の活用により、新たな産業育成で医療・介護サービスの提供とともに、市場拡大が見込まれるロボット関連産業を活性化させ、この分野における慢性的な人材不足の解消と医療・介護現場の環境改善に向けて重点投資されたい。

⑮ 魅力ある都市環境の創出に向け、官民連携によるエリアマネジメントとして大阪版BID制度の運用が開始されているが、さらなる推進に取り組まれたい。また、法的な権限のもとで財源を確保できるBID制度の実現を目指し、都市再生推進法人への税制支援制度等の整備が図られるよう国に求められたい。

⑯ 創造的人材の育成・交流機能の強化を図るため、大学等との連携強化と立地の促進に取り組むとともに、雇用創出につながる内外からの企業誘致、投資の呼び込みを進めるため、大阪府や経済団体等と連携し、積極的なプロモーション活動を展開されたい。

⑰ 大阪の成長に資するよう、MICE機能のさらなる充実を図り、大阪観光局と連携するなど、戦略的なMICE誘致に取り組まれたい。

⑱ 成長産業分野の事業所や工場などの立地・定着を促進するため、「国際戦略総合特区」の制度を最大限活用するとともに、立地支援の充実に努められたい。

⑲ 統合型リゾート施設(IR)は、地域経済の活性化や雇用創出といった経済波及効果や税収の増加などの効果が一定は期待できるが、一方でギャンブル依存症、公共の秩序維持や治安の悪化に対する懸念など慎重な意見もあり、開業までに対策が講じられることが必要不可欠である。国におけるIRのメリットを最大限発揮できる仕組み作りや、デメリットに対する不安や懸念を払拭するための対策についての検討状況を注視し、市民の理解を得られるかについて慎重に検討を行われたい。

⑳ 大阪・関西の発展につながる2025年国際博覧会の誘致に関して、国・府・経済界と一体となった活動によって誘致実現に努められたい。万博の誘致、開催にあたり、経費・関連事業費・インフラ整備費などが多額に及ぶと見込まれる中であるので、適正な経費負担の下、本市として過度の経費支出を行わないよう、慎重に検討・協議を行われたい。

  また、万博終了後の跡地利用については、埋立事業会計に悪影響を与えないよう、誘致の段階から慎重に検討されたい。

 


2.科学技術の振興

① 都市の再生には経済の活性化が不可欠であることから、新しい価値を生み出す科学技術の振興を図るとともに、産学官連携を強化し、関西の優位性を生かしながら、今後の成長が期待される「環境・エネルギー」「健康・医療」「ICT」関連の3つの産業分野の育成・振興に努められたい。

② 市立大学において、人工光合成研究センターを拠点とした産学連携による人工光合成研究や、「うめきた」における抗疲労研究などの健康科学研究、都市防災研究等の一層の進展に向け、総合大学の利点を生かして学部の枠にとらわれない研究活動を促進されたい。また、共同研究の充実・強化や市立大学が有する先端技術等を活用した新産業の創出など産学官連携の推進とともに、本市の研究機関との連携を強化し、市政のシンクタンクとしての機能を発揮されたい。

③ 健康・医療関連産業分野において、事業化を支援する仕組みをさらに充実し、新商品・サービスの開発や産学官と連携を進めることにより、健康・医療産業の先進地域を目指して取り組まれたい。

 


3.都市力強化のためのハード・ソフトのインフラ整備

(1)社会基盤

① うめきた2期区域については、比類なき魅力を備えた緑の空間とイノベーションを生み出す中核機能の融合拠点の形成とそれを支える基盤整備(JR東海道線支線の地下化・新駅設置、土地区画整理、公園整備)の着実な推進に取り組まれたい。また、中之島西部地区では、水と緑に恵まれたステータス性のある都心のビジネス環境や歴史性を生かした民間開発促進の条件整備を進め、国際文化交流ゾーンの形成に努められたい。

   うめきた先行開発区域の知的創造拠点「ナレッジキャピタル」の中核施設として世界から人材・資金・情報を引き込むグローバルイノベーション創出支援事業を推進されたい。

② 国際化・情報化が急速に進展し都市間競争が本格化する21世紀において、本市が将来にわたって持続的な発展を確保していくためには、時代に即した都市機能を備えたまちづくりを着実に進めていく必要がある。とりわけ、臨海部は大阪市に残された貴重な都市空間であり、一層活用していくことが喫緊の課題である。

   こうした観点から、社会経済情勢の変化を的確にとらえ、新臨海部の活用推進や在来臨海部の活性化など、時代のニーズに対応した新しいまちづくりに積極的に取り組まれたい。

③ これまで構築してきた姉妹都市をはじめとする国際的な都市ネットワークに加え、新たに伸張著しく交流が期待できる都市や地域との協力関係を深めながら、幅広い分野での国際交流、国際協力を一層推進するとともに、これらを通じて世界に向けて大阪の都市魅力を積極的に発信するほか、市内諸施設の有効活用により総合的な国際化施策に取り組まれたい。

④ 咲洲コスモスクエア地区については、大型車の渋滞緩和やペデストリアンデッキの整備など地区の環境改善を進めるとともに特区地域における産業集積の促進及び産業の国際競争力の強化を目的としたインセンティブ制度を活用し、魅力あるまちづくりを早期に図られたい。また、用地の売却にあたっては、計画的なまちづくりを進めながら事業の資金収支を見極めた上、適正に処分を進められたい。

⑤ 市民に親しまれる港づくりを進めるとともに、地域の活性化や魅力あるウォーターフロントの実現のため、民間活力を導入し、此花西部臨海地区、築港地区、弁天埠頭地区、鶴浜地区など在来臨海部の再開発を推進されたい。 

⑥ 水道事業の海外展開については、事業の持続性の確保と国際貢献の観点から官民連携により積極的に図られたい。

⑦ 鶴橋地区等の再開発事業、並びに淡路駅周辺地区、三国東地区等の土地区画整理事業を推進するにあたっては、新しい発想・手法で事業を推進するとともに、市内各地域の拠点となるその他のプロジェクトの推進を図られたい。

⑧ 関西国際空港については、国際拠点空港としての機能を十分に発揮できるよう、国に働きかけられたい。

⑨ 将来の日本の発展に必要な社会基盤であるリニア中央新幹線の早期全線開業(東京都・大阪市間)及び北陸新幹線の大阪までの早期全線整備に向け、国やJRなどの関係先に強く働きかけられたい。

⑩ 来年度末の開業に向けて整備が進む大阪外環状線に加えて、「なにわ筋線」の新規事業化に伴う「なにわ筋連絡線(北梅田-十三)」、及び「中之島新線延伸」などの大阪の成長に資する路線について、鉄道事業者とも協議を進めて、整備を図られたい。

⑪ 都市基盤として必要な地下鉄の計画路線の整備について、引き続き取り組まれたい。

特に、現在の近畿地方交通審議会の答申路線となっている地下鉄8号線今里~湯里六丁目間の整備については、次期答申にも位置づけられるよう国に対して働きかけるとともに、大阪市として早期に完成されたい。

また、地下鉄7号線大正~鶴町間など他の路線の整備についても引き続き取り組まれたい。

⑫ BRTによる社会実験は早期に開始すれば、その分需要の喚起・創出といった効果も発生することから、様々な課題の解決を図りながら、可能な限り年度当初に社会実験を開始されたい。また、利用者の利便性を考慮して、毎時、等間隔で決まった時間に運行するパターンダイヤの導入も検討されたい。

 産業を支える物流インフラである港湾の国際競争力の強化を図り、産業の国際競争力の強化を目指す「国際コンテナ戦略港湾」について、国や神戸市、さらには阪神港の港湾運営会社である阪神国際港湾株式会社との連携を図りながら、東南アジアの各港との交流を含む様々な施策を展開し、早期に成果を挙げられたい。

 大阪港の既存ストックの有効活用を図るため、港湾施設の機能向上と、予防保全による計画的・効率的な維持管理を行えるよう、維持補修の充実と定期点検等に必要な財源の確保に努められたい。

 国際海上運送システムの信頼性の向上を図るため、港湾施設の保安対策を推進されたい。

⑯ 地域の実情に即した用途地域、容積率等の指定及び港湾活動の低下した臨港地区の見直しを適時図られたい。また、土地売却に加え、実情に応じて定期借地の導入を図るなど多様な土地提供手法により、土地の流動化を促進するよう努められたい。

 


(2)文化力

 大阪城公園から四天王寺に至るエリアを、市民に親しまれ大阪を代表する歴史ロマンあふれるエリアとして、大阪城公園のPMO事業や難波宮跡公園の整備など魅力向上に努めるとともに、世界遺産の登録に向けた取り組みを積極的に図られたい。また、豊臣石垣の公開など大阪城が本物の歴史文化の観光拠点となるよう、大阪城エリアの魅力向上に取り組まれたい。

② 史跡指定区域である法円坂住宅跡地等の未利用地について、隣接する難波宮跡公園と歴史公園として一体的に整備することについて調査・研究されたい。

 市民が生活の中で芸術・文化を楽しめるまちづくりを進めるため、芸術作品を鑑賞する機会の提供や公演等への支援など「芸術文化振興条例」に則った芸術・文化の振興を図られたい。

 新しい感性に満ちたオリジナルな文化の創造や情報発信力を高めるため、文化施設間の連携や既存施設の有効活用を図るなど効率的な文化事業の展開を図られたい。

また、公園や公共スペースを青少年の音楽活動などの練習場や発表の場として開放するなど、青少年の活動を支援されたい。

 芸術文化活動に対する支援を充実し、大阪が誇る芸術文化ブランドをさらに大きく育むよう努められたい。また、伝統芸能の普及・振興を図るとともに、それらを活用した観光メニューの創出など、市民・ビジターの鑑賞の機会創出に努められたい。

また、Osaka Shion Wind Orchestra(旧 大阪市音楽団)に対しては、一般社団法人に移行した後も、当該法人の自主的な経営基盤の確立に向け、必要な期間において、助成その他の支援を講じられたい。あわせて、大阪フィルハーモニー交響楽団や文楽協会など大阪の誇る文化団体の取り組みを支えるため、ふるさと納税制度を利用した「なにわの芸術応援募金」の認知度向上に努めるなど、積極的かつ継続的な支援についても検討されたい。

 本市の多様な博物館の、長年の活動実績を念頭に、取り巻く環境変化へ対応しつつ、今後目指すべき姿を提示した『大阪市ミュージアムビジョン』をもとに、大阪の知を拓き発信することで、人々が集い賑わう都市を実現し、大阪を担う市民とあゆむ、「都市のコアとしてのミュージアム」の実現に努められたい。また、その実現に向け地方独立行政法人化の検討を、社会教育施設としての役割や市民財産の確実な継承など附帯決議に基づき、設立団体となる本市の役割と責任を十分に踏まえ進められたい。

 新美術館の整備にあたっては、市民が築き上げてきた所蔵品の蓄積を確実に継承するとともに、新たな交通インフラ整備による中之島4丁目の知と美の集積する中核拠点として、魅力的なまちづくりにつながるように、民間資金やノウハウの活用をしながら、具体的な方策を進められたい。

 

(3)観光力

 大阪の活性化とさらなる集客力の向上につなげるため、これまで整備してきたハードや歴史的・文化的資産、例えば大阪のシンボルであり、世界的ブランド・ストリートとしての御堂筋や、道頓堀川をはじめとする「水の回廊」、水の都大阪の中心地域である中之島、日本三大祭りの一つである「天神祭」など、大阪ならではの魅力を活用したにぎわいの創出、集客機能の向上につながるソフト施策の充実を図られたい。とりわけ観光庁における「観光立国」の実現に向けた施策と連携するとともに、や関西広域連合並びに他の自治体との広域連携により、「大阪都市魅力創造戦略2020」に基づき、国際競争力の高い魅力ある観光地を形成し、国内外からビジターの獲得に努め、観光消費の拡大を図るとともに、花と緑・光と水あふれるまちづくりや地域の特色を生かした魅力開発に努めるなど観光施策の推進を図られたい。

 新しい景観計画に基づき住む人や大阪を訪れる人々が大阪に美しさや魅力を感じて、快適に暮らし、活動できるように、民間の活力を生かしながら、集客の拠点となるエリアや都心のにぎわい空間などの景観の向上とともに、歴史・文化資源など地域の特性を生かした美しく風格のある都市景観の一層の創出を図られたい。

 観光産業の振興を推進するにあたっては、大阪城・USJ等の観光施設の集客効果を生かして、国内外における観光プロモーションを一層強化するとともに、大阪の知名度向上と集客力の強化に資するために、大阪フィルムカウンシルと連携し、国内外の映画・テレビドラマ等の撮影の誘致に努力されたい。また、これまで整備をしてきた施設などを活用したソフト施策に力を注ぎ、集客魅力の創出、安価で便利な周遊券の利用促進、観光案内機能の向上や観光バスの乗降場等の確保など外国人旅行者を含むビジターの利便性と周遊性を高め、宿泊・滞在型の観光を一層推進されたい。

さらに、水都大阪の「再生」から「成長」に向け、公民の力により、都心の水辺を生かした恒常的なプログラムの充実など、まちの魅力づくりに積極的に取り組まれたい。

  観光プロモーションを担う大阪観光局については、「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、「大阪版DMO」を目指して機能強化を図り、引き続き戦略的に観光集客を促進し、大阪・関西の経済活性化に寄与すること。

 中央公会堂や再整備した中之島公園など中之島ゾーンの豊富な自然資源、歴史・文化資源をはじめ、世界からも高い評価を受けている文楽などの伝統芸能についての情報発信を一層強化するとともに、エコの観点にも配慮した効果的なライトアップや「OSAKA光のルネサンス」等の集客イベントの充実などにより、集客面からの魅力向上を図られたい。

また、市民が主体となって魅力あるまちづくりに取り組む気運を高め、大阪ならではの観光資源を発掘するため、来訪者との交流を進める市民主導型「まち歩き」等の「コミュニティ・ツーリズム」事業の推進に取り組まれたい。

⑥ 訪日外国人旅行者を受け入れる環境の充実に向けて、案内所の増設及び案内員の増員、外国人向け府域Wi-Fiの環境整備、QRコードやICTを活用した多言語情報提供案内の普及促進を図られたい。また、増加する外国人観光客の宿泊需要への対応や観光バス駐車場の整備など、大阪府や経済団体と連携を密にし「国際都市大阪」に向けた施策を拡充すること。併せて外国人旅行者に日本の習慣などを広く周知し、マナー向上のための啓発活動を一層強化されたい。

⑦ 大部分が本市内の事業者から徴収されるにもかかわらず府の財源となっている宿泊税について、本市の裁量で観光施策の財源として自由に使えるよう、府へ強く働きかけたい。

⑧ 民泊新法の施行に伴い、違法民泊の取り締まりとあわせて、旅館業法に基づく簡易宿所の取り締まりを厳しくするよう体制を整えられたい。観光客の宿泊ニーズに対応しつつ、市民の安全・安心な生活がともに成り立ち、観光客と市民と民泊事業者の交流を促進する仕組みなど適法な民泊への誘導を進め、観光地域まちづくりを推進されたい。


4.責任あるエネルギー戦略

 エネルギーの安定供給と新たなエネルギーシステムの確立を目指して積極的に取り組みを進められたい。

エネルギーの安定供給のために必要となる太陽光発電や風力発電などあらゆる再生可能エネルギーや、コージェネレーションなどの分散型電源、蓄電池などの導入拡大に向け補助制度を再開するとともに、新たなエネルギー源の研究・開発を積極的に推進し、それらの事業を通じて、地域分散型エネルギーシステムの確立を図られたい。

また、臨海部を環境・エネルギー産業集積のモデルエリアとするため、民間施設などへの再生可能エネルギーなどの導入促進やスマートコミュニティの推進等に取り組まれたい。

さらに、中小事業者の省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備の導入を支援する施策に取り組まれたい。

 


Ⅱ.地域力の強化・女性活躍推進

1.個性豊かで魅力ある地域

① 大阪経済を担う新産業の創出が求められており、高度な技術力を産業振興に活かすため、特許など知的財産の活用を促進する支援策の強化をはじめ、大学や大阪産業技術研究所など研究機関が有する研究成果と地域の企業ニーズとをより効果的に結びつけ、事業化を目指すプロジェクトの創出を図るなど、関係部局が一体となった産学官の連携強化の取り組みに努められたい。また、ものづくりの活性化に向けて、区役所等と連携し、地域の産業ネットワークづくりや市内の工業集積の維持・発展を図るための施策を充実されたい。

② 地域商業の活性化に向けて、商店街や小売市場などが地域団体等と連携しながら新たな魅力づくりに取り組む活動を支援するなど、地域の実情に応じた支援の充実を図るとともに、商店街の経営環境が厳しくなる中で、アーケードの維持管理や撤去に向けた支援を引き続き行われたい。

  また、大規模小売店舗の出店にあたっては、地域社会と共存が図られるよう、十分な対策を講じられたい。

③ 大阪経済の活性化に向けて、その担い手となる若い世代や女性が能力を十分に発揮し働くことができるよう、就労支援の充実を図られたい。また、就業ニーズの高い介護・福祉分野の定着支援施策として処遇改善助成金等を検討されたい。

④ 大阪の地域資源を活かし地域社会の力を高めるために、社会課題をビジネス手法で解決するソーシャルビジネスへの理解を拡げるとともに、NPO(民間非営利活動団体)・企業等の社会起業家への創業支援及びネットワーク化の促進を行うなど、ソーシャルイノベーション創出への支援に取り組むこと。

⑤ 大阪市市民活動推進条例に基づき、NPO・企業等の社会起業家の主体性を尊重しつつ、その活動が推進されるよう施策を講ずるとともに、効果的・効率的な行政運営に向け、これら市民公益活動との連携、協働の一層の促進を図られたい。

 地域コミュニティの活性化を図り多様化する市民生活の課題に対応していくために、住民自治の基礎的単位である町会組織を束ねる地域振興会や地域で活動する各種の地域団体が、長年にわたって地域社会の様々な課題について対応してきた大阪市の特性を踏まえ、区役所が中心となって、それら活動の担い手や人材育成などの支援を行い、自律的、持続的に地域運営が図られるようにされたい。

⑦ 地域活動協議会については、拙速を避け、画一的に仕組みを押し付けることなく、地域の実情にあったものとなるよう進められたい。

またあわせて、様々な活動団体が協働して取り組めるように環境を整えるとともに、まちづくりに関わる中間支援組織等と区役所との連携によるきめの細かい支援を図られたい。

⑧ コミュニティづくりを推進するため、地域集会施設等への固定資産税の減免を継続されたい。また、現在の利用形態のままで、真に必要な地域集会施設の整備拡充に努められたい。

⑨ 区民センターについて、未設置の東住吉区、東淀川区、住之江区について可能な限り早期に計画的に整備されたい。

 ⑩ 既存の区民施設については機能向上を図り、その老朽化の現状や地域住民の長年の要望の声等に鑑み、必要な建替えに向けた調査や計画策定に着手されたい。

⑪ 文化施設をはじめとする市民利用施設の利用時間を延長されたい。

⑫ 区長が局長をはじめとする局組織を指揮監督し、区の実情や特性に応じた施策を総合的に展開するために導入された区CM制度について検証されたい。

⑬ 西成特区構想プロジェクトのまちづくり・再開発整備施策の推進に向けては、国・府・市など関係機関で連携しながら、あいりん総合センターの諸施設の建替工事の進捗状況も見据え、駅前の活性化を含む将来のまちづくりなどについて、地域住民や関係者の方々の声をしっかり汲み上げながら、地域の活性化につながるよう取り組まれたい。

⑭ 少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の集中を是正していくため、大阪市まち・ひと・しごと創生総合戦略を着実に推進されたい。

⑮ 平成2812月に施行された「部落差別の解消の推進に関する法律」に基づいて、部落差別撤廃にむけた取り組みを検討されたい。


2.中小企業・小規模事業者の支援

 中小企業の海外で「売れる」製品の開発や販路拡大ができるよう、海外見本市等への出展をサポートするとともに、海外企業との商談会を企画・開催するなど、上海事務所やビジネスパートナー都市などのネットワークを最大限活用しながら、アジアを中心とした国際ビジネス活動の支援を促進されたい。

② 中小企業が地域経済において果たす役割の重要性を十分に認識し、「大阪市中小企業振興基本条例」に基づいて、国や他都市、経済団体、中小企業支援機関等と緊密に連携を図りながら、中小企業の健全な発展や市内経済の活性化に向けた施策を総合的に推進されたい。

そのため、中小企業総合支援拠点である「大阪産業創造館」や技術支援拠点である「大阪産業技術研究所」などの支援機関について、蓄積してきた企業ネットワークや支援ノウハウを生かし、さらなる機能の充実に取り組まれたい。

また、ものづくりは、他の産業への波及効果も大きく、大阪経済の持続的な発展のために大きな役割を果たしており、その育成・支援は極めて重要である。

大阪市内においては、こうした基幹的な産業であるものづくりについて、西部臨海部や東部地域に代表される地場での集積があるが、それぞれ得意とする技術や製造する品目が異なり、集積する各企業間であっても、そのニーズは更に多岐に渡るものになっている。

こうした企業のニーズを的確にとらえ、区役所とも連携して、本市支援施策の浸透を図るとともに、企業の実態やニーズに応じたきめこまやかな支援を行うことが必要であり、地場の基幹産業の集積の力を大阪市経済の活性化に波及させていくことも重要である。

さらに、ものづくりの国内外での販路を開拓するため、「売れる」商品づくりに向けて市場動向・ニーズを捉えた製品開発や技術課題の解決を支援するとともに、より効果的な商談機会を創出するための展示会の誘致や、受注機会を拡大するためのテーマ別商談会の開催や海外バイヤーとの商談支援、海外見本市等への共同出展の支援を行うなど、産業創造館や大阪産業技術研究所などの支援機関も一体となって大阪のものづくり企業の実力を広くアピールするような取り組みを積極的に行われたい。

③ 成長が見込まれるIoT・ロボットテクノロジー関連ビジネスをはじめ産業の発展には、情報の収集や人材育成は不可欠である。そのため、中小企業や教育訓練機関に対して、若年技能者への実技指導や講師派遣を幅広く行い、効果的な技能の継承と後継者育成を行われたい。加えて、大学をはじめとする研究機関や支援機関を誘致に努められたい。

④ TPPにおける「完全累積制度」など、中小企業を取り巻くグローバルな経済情勢の変化に対し市内ものづくり企業が適切に対応できるよう、常にニーズの把握に努めながら地域経済産業局や関係団体等と連携し、きめ細やかな支援を実施されたい。

⑤ 中小・地場企業の経営基盤の強化や開業支援に向けて、為替やエネルギー問題などの社会経済情勢、中小企業等の資金需要などを鑑み、大阪産業創造館などの中小企業支援機関と連携し、中小企業の資金調達の円滑化に努められたい。

⑥ 雇用戦略対話で合意された「早期全国800円の確保と全国平均1,000円の実現」を目指し、Aランクの大阪がけん引役を果たせるよう中小企業へ与える影響を十分に考慮し、必要に応じて中小企業への支援に努めながら、大阪労働局や大阪府と連携した取り組みを進められたい。

⑦ 大阪経済の活性化を図、雇用の確保・創出につなげるため、競争力のある強い中小企業の育成や創業の促進に努められたい。このため、経済情勢や企業実態の把握と施策の立案機能を強化するとともに、中小企業総合支援拠点である「大阪産業創造館」の機能を充実し、創業・新事業創出・経営革新支援事業等に取り組まれたい。

 中小企業の拠り所となる下請けかけこみ寺の相談件数が依然高い状況にある。中小企業労働者の労働条件改善は、公正な取引関係の実現が不可欠であり、下請二法や下請ガイドライン等を周知・徹底し、下請取引適正化推進の啓発等、監督行政と連絡を図り、適切に指導されたい。

 大阪市発注工事において市内本店優遇措置を講じ、一定の成果をあげているとのことであるが、引き続きその効果を検証しながら優遇措置を継続されたい。

⑩ 大阪に多く集積するデザイン、コンテンツ、広告などのクリエイティブ企業のネットワークを拡大し、デザイン性や企画・販売力のある製品・サービスの開発に向けてものづくり企業との協働を促進するなど、クリエイティブ関連産業の振興に取り組まれたい。

⑪ 中小企業や業界団体、商店街などの受発注や販路拡大など経営力強化のための支援とともに、中小企業の人材育成や確保に努められたい。

 

3.すべての女性が輝く社会の実現

 男女共同参画社会の実現を目指した大阪市男女共同参画推進条例に基づき策定された基本計画に沿って、総合的な施策の充実を図り、市民・事業者・行政が一体となって男女共同参画を推進されたい。また、本市がこれまで長年にわたり、ともに歩んできた女性団体の果たしてきた役割を尊重し、支援をしつつ、「すべての女性が輝く社会」の実現を目指した女性の活躍促進施策の全庁横断的な推進についても積極的に取り組まれたい。

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する取り組みの効果・検証を行うとともに、被害者の視点だけではなく、加害者への対策についても検討を行い、ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者を支援するシステムの充実を図られたい。


Ⅲ.暮らしの安全・安心、教育再生

1.持続可能な福祉制度と健康づくり

(1)総合的な福祉施策の推進

① 社会福祉の基礎構造改革、介護保険制度、障害者総合支援法など福祉にかかわる諸制度は、近年めまぐるしく変革を続けている。真にサービスを必要とする市民に必要なサービスを提供できるよう、受益と負担との関連に配慮しつつ、複雑多様化する市民の福祉ニーズに的確に対応するとともに、サービス利用者を支援する諸制度の拡充を図られたい。

また、「大阪市地域福祉基本計画」、「大阪市次世代育成支援行動計画」及び「大阪市障がい者支援計画・障がい福祉計画」並びに「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、各施策を着実に推進されるなど、総合的な福祉の推進を図られたい。

さらに、障者や高齢者をはじめとするすべての市民が安心して快適に行動できるよう「ひとにやさしいまちづくり」の整備を積極的に推進されたい。

 「大阪市地域福祉基本計画」に基づき、各区の実情に応じた取組を推進するとともに、市民が自ら福祉サービスを適切に利用できるよう、情報提供、権利擁護、苦情解決などのシステムの充実を図り、総合的な地域福祉を推進されたい。

複合課題を抱えた要援護者等に対し的確に対応するため、区役所が調整機能を発揮し、各相談支援機関と地域が一体となった総合的な相談支援体制の充実を図られたい。

 増大する福祉ニーズに対応するため福祉人材確保施策とともに、ボランティア活動の育成支援策を講じられたい。また、併せて、大阪市社会福祉協議会並びに、各区社会福祉協議会や地域社会福祉協議会との役割分担のもと、事業のあり方と実施体制などが地域福祉・活動の停滞を招かないような施策展開に努められたい。

 地域医療構想の実現に向けて、地域医療構想調整会議の協議や取り組み状況を定期的に把握し、進捗に応じて施策を改善されたい。併せて、地域医療構想調整会議において保険者の意見を聴くだけでなく、被用者保険加入者をはじめとする住民など広範囲な意見を反映されたい。

 


(2)障害者福祉

① 平成25年4月より施行された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」に基づく障害福祉サービスの利用促進に努めるとともに、サービス提供基盤の確保に努められたい。

② 放課後等デイサービス事業などの障害児支援事業者の質の向上に努められたい。

 地域における自立生活の推進のため、グループホームの整備など在宅福祉施策の充実を図られたい。

 市の実情を踏まえ、利用者が安心して適切なサービスが受けられるよう、サービス報酬体系などにかかる必要な改善について、国に対して要望されたい。

⑤ 「障害者優先調達推進法」の趣旨を踏まえ、障害者就労支援事業所等に対する発注に積極的に取り組まれるともに、障害者の就業支援策の充実を図られたい。

⑥ 「発達障がい者支援室」による関係局の連携強化や、ライフステージに応じた乳幼児期から成人期までの一貫した支援の充実に努められたい。

⑦ 「大阪市こころを結ぶ手話言語条例」の制定を踏まえた支援の充実を図られたい。

⑧ 障害者差別解消法を実効性あるものとするための障がい者差別解消支援地域協議部会が設置されたが、相談事例の収集や分析、情報交換などを行い、事案に対して適切な対応ができるよう関係機関と連携した取り組みを進めるなど、地域協議部会の機能を十分に発揮されたい。

⑨ 平成24101日の障害者虐待防止法施行以降、大阪府の相談・通報・届け出件数が全国の中でも多く、中でも養護者による虐待が非常に多い。障害者の緊急避難の場所の確保や虐待を行った家族等への心のケアを行う体制を整備するとともに、福祉サービスのあり方や支援体制を整備すること。また、障がい者福祉施設におけるすべての役職員に対し、虐待防止にむけた研修を徹底するよう指導を強化されたい。


(3)高齢者福祉

① 団塊の世代が2025年にはすべて75歳以上となり、介護が必要な高齢者が急速に増加していくことや、本市はひとり暮らし高齢者数が全国で最も多いことなどから、第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に沿って、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護拠点の建設を促進するとともに、介護療養型医療施設の円滑な転換や、特別養護老人ホームにおける多床室のプライバシー確保のための改修に取り組むなど介護基盤の充実を図られたい。

② リハビリテーションの利用者が、医療から介護に移行しても、ニーズに沿ったサービスを一貫して受けることができるよう、制度の充実について国に対して要望されたい。

 介護が必要な状態になることを予防する観点から、要介護認定で「自立」と認定された高齢者に対する一般介護予防事業の充実を図られたい。また、より身近なところで介護予防のマネジメント及び総合相談等を行えるよう地域包括支援センターの充実を図られたい。

④ 介護予防・日常生活支援総合事業においては、全ての要支援者等が個々の状態に応じて必要なサービス提供を受けられ、安心して在宅生活を送ることができるよう取り組みを進められたい。

 「介護保険事業」については、効率的・効果的な運営ができるよう、所要の措置を講じられたい。また、「おおさか介護サービス相談センター」が利用者・事業者から中立的な立場で苦情解決を図れるよう努めるとともに、市民への広報・啓発の充実を図られたい。

⑥ 増え続ける認知症高齢者等の権利擁護を図るため、成年後見制度のより一層の利用促進に向けて、専門職団体等とも連携しながら取り組みを進められたい。

⑦ 平成28年度の認知症行方不明者が前年を上回り、4年連続で1万人を超えている。中でも、府内市町村において高齢者を見守るSOSネットワークが構築されているにもかかわらず、大阪が最も多い状況にある。認知症患者の身元特定につながる情報を登録したQRコードを配布するなど、誰もが迅速に対応できるようなシステムを検討すること。併せて、身元不明人台帳閲覧制度が有効活用されるよう見直しを図ること。

⑧ 介護人材の専門性の向上及び人材の定着を図るとともに、復職や新たな担い手を目指す人への支援制度を検討されたい。また、労働条件の不満による離職を防ぐために、介護労働者の処遇改善を確実に実現するよう国へ要望されたい。

 敬老優待乗車証交付制度(敬老パス)については、乗車ごとの50円負担は求めないこと。

 


(4)生活保護

生活保護については、保護費が平成28年度決算において前年比38億円の減と、5年連続で前年度決算額を下回ったものの、未だに不正受給が後を絶たない事や貧困ビジネス及び医療扶助の問題が残っており、市民の制度への信頼が揺らいでいる。

このような中、現行の生活保護法の下においても実施可能な適正化策に引き続き取り組まれたい。

 生活保護法に則して適切に保護を実施するとともに、新たに生じる課題や改善点については、具体的事例を示しながら国に改善を要望されたい。

② 生活保護の実施にあたっては、ケースワーカーをはじめとする人件費・事務費を含め、全額国庫負担とすることを国に要望されたい。

また、住所不定者について、相談を受けた自治体が実施責任を負う原則を徹底することを国に求められたい。

③ 貧困ビジネスに対する適切な法規制と必要な対策に要する経費への国による財源措置等を国に要望するとともに、貧困ビジネス対策に引き続き取り組まれたい。

④ 高齢者専用住宅等が増加する中、高齢者を対象とする不適正な医療や訪問診療を装った不正な診療報酬請求などの社会問題が顕在化してきており、平成24年の市会において可決された意見書を踏まえ、一部自己負担の導入、過剰な医療を客観的に審査できる仕組み・基準の設置を国に要望するとともに、不正請求対策等、医療扶助の適正化に引き続き取り組まれたい。

⑤ 不正受給や貧困ビジネスの介在を排除するため、現物給付の拡大に引き続き取り組むとともに、民間住宅家賃の代理納付について区と連携しながら拡充に取り組まれたい。

⑥ 年金や最低賃金との不整合などがモラルハザードを引き起こしている実態に鑑み、雇用・労働施策や社会保障制度全般のあり方を含めた抜本的な改革を国に要望されたい。

⑦ 生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るため、「生活保護法の一部を改正する法律」とともに成立した「生活困窮者自立支援法」は就労準備や就労訓練の支援メニュー利用が少なく、生活・暮らし相談が中心となっている。相談初期におけるアセスメントの強化と重層的な相談体制の構築に向けて、支援員を適正に配置されたい。また、出口支援となる就労訓練事業への予算措置をはかり、生活困窮者自立支援事業の推進体制を強化されたい。また、「生活困窮者自立支援制度」が実効あるものとなるよう、国に対して必要な財源の確保について要望されたい。

 雇用状況の改善に向け、若年者をはじめ障害者、母子家庭の母や高齢者など就職に向けた支援が必要な人への就業を支援するため、国・府と連携しながら職業相談や職業紹介事業の推進を図るとともに、生活困窮者自立支援制度と連携して取り組まれたい。

⑨ 生活保護受給者の市営住宅の入居については、公的支援の重複による過剰な支援となるケースもあり、その実態を調査し、国に対して適正化を働きかけたい。

 

(5)ホームレス・あいりん対策

 ホームレス問題及びあいりん対策は、一地方公共団体の取り組みだけでは解決し得ない都市問題であることから、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が制定され、法に基づく基本方針が国により策定されており、今後とも、ホームレス・あいりん対策を総合的に推進するため、国に対して自立支援事業に対する財政措置(10/10補助)の確保、さらに、全面的に公的扶助に頼ることなく、自らの意思で自立して生活できるように支援する観点から実効性のある特別就労対策事業等について引き続き検討し、実現するよう要望されたい。

地域住民が良好な環境の中で暮らせる地域社会とするため、全庁的なホームレス対策の推進に向け、相談体制の強化や自立支援センター及び保健医療対策の充実も図るとともに、公園や道路の機能の正常化に向けた実効性のある施策の推進に努められたい。特に、ホームレスの自立にあたっては就労支援が重要な問題であることから、行政機関、経済団体、労働団体で構成される「大阪野宿生活者(ホームレス)就業支援協議会」や国の委託事業である「大阪ホームレス就業支援センター」を通じて、新たな就労先の開拓など、総合的な対策を一層推進されたい。

 あいりん地域事情を踏まえた総合対策の推進、並びにあいりん総合センターのあり方検討を含めた、環境改善及び安心・安全なまちづくりに向けて取り組まれたい。

また、年末年始における施設入所援護、あいりんシェルター等については、今日の実情を踏まえ、効率的・効果的な事業となるよう見直しを図られたい。

(6)国民健康保険

国民健康保険の財政健全化を図るために給付費の適正化を推進するとともに、被保険者間の負担の公平性を確保する観点からも効率的・効果的な収納率向上の取り組みを行い、保険料収入を確保するなど収支の均衡を保つよう努められたい。

また、国においては、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が成立し、国民健康保険の財政支援の拡充を図ったうえで、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり国保運営に中心的な役割を担うとされたところであるが、引き続き、円滑な都道府県単位化と、医療保険制度の一本化などの抜本的な改革を国に強く要望されたい。

 


(7)保健・医療施策

 地域保健行政の充実強化を図り、がん検診などの健康診査事業の拡充をはじめとする生活習慣病対策の強化や市民の健康づくりを進めるとともに、高齢社会に対応した介護老人保健施設の整備促進、保健・医療面からの在宅高齢者対策などを推進されたい。

また、大規模食中毒事件などの健康危機管理体制の充実を図られたい。

 結核事情を改善するため、DOTSを中心とした結核対策の推進を図るとともに、今後発生が危惧されている新型インフルエンザ、ウエストナイル熱等の新興・再興感染症等やエイズ、O157、ノロウイルスなどに対応し得る総合的感染症対策を推進されたい。

 新型インフルエンザをはじめとした健康危機管理事象が発生した際には、学校園との連絡・協力体制に基づく連携を図るなど、より一層の健康危機管理体制の強化を図られたい。

 大阪市健康増進計画「すこやか大阪21(第2次)」の次期計画の着実な推進を図られたい。併せて、多くの市民へ現状・課題を周知し、健康づくりへの意識向上へ向けた啓発活動を強化されたい。

 夜間・休日の精神科を含む救急医療体制及び夜間の歯科救急医療体制の充実を図られたい。

 市民が安心して適切な医療を受けられるように、総合医療センターや十三市民病院・市立大学医学部附属病院、弘済院附属病院を含め医療面での機能分担を明確にするとともに、各病院間の連携を深めるなど、ソフト面でのネットワーク化を図られたい。

 住吉市民病院がこれまで担ってきた、重症心身障がい児者医療型短期入所やレスパイト入院、特定妊婦の受け入れなどの医療機能を確実に継承されたい。

また、住吉市民病院の跡地で、仮に、弘済院附属病院の認知症専門医療を引き継ぐ市立大学附属病院を開設することができ、そこで小児・周産期医療を提供できることとなったとしても、病院が開設されるまでには、医療空白が相当期間生じることになるため、跡地での暫定運営など、十分な対策を講じられたい。また、地元説明会など地域住民に丁寧な説明に努められたい。

 地方独立行政法人大阪市民病院機構においては、引き続き一層の経営健全化に努め経営基盤の確立を図り、これまで担ってきた救急医療、精神医療などの政策医療、公的医療についても充実を図るなど、将来にわたって安心・安全な医療を継続して提供し、その役割を果たされたい。また、医師・看護師等の人材の確保に努められたい。

 南港ポートタウンの地域医療対策も含めベイエリア地域については、府の医療計画の基準病床数が課題ではあるが別枠となるように、地域の実情にあわせて、総合的な医療施設等の誘致に取り組まれたい。

 市立大学医学部附属病院は教育・研究機関としての性格をあわせもっているが、医療機関として引き続き経営健全化を図るとともに、特定機能病院として、より一層高度で先進的な医療を提供し、先端予防医療を推進されたい。また、老朽化した医療機器や施設を計画的に整備されたい。

⑪ 公衆浴場に関わる補助の対象を、利用実態を踏まえ実効性のあるものとすること。同時に、公衆浴場の固定資産税の減免措置については、実態の検証を行った上で、減免率を戻すことも検討すること。

⑫ 無料肝炎ウイルス検査にかかる医療機関委託制度について、市会で陳情が採択されてことを重く受け止め、可能な限り早期に実現すること。

 


2.出産・子育てを応援する社会

人口減少、合計特殊出生率のさらなる低下に歯止めをかけるため、出産は家庭内の個別の事情であるとはいえ、保育所待機児童の解消をはじめとする、安心して子供を産み育てることが可能な社会的環境づくりに重点的に取り組み、以下に掲げる項目の充実に努められたい。

 医療保険の適用外となっている不妊治療を保険適用とするとともに、女性が安心して子供を産むことができるよう妊娠・出産は病気ではないという通説を乗り越え、妊婦健診も保険適用とし、さらに出産にかかる費用の原則無料化が図られるよう国に要望されたい。

② 子供を健やかに産み育てられる環境の整備を図るため、大阪市こども・子育て支援計画の推進に努められたい。

③ 民保育所の新築や増築、分園整備、認定こども園により総合的に待機児童の解消を図るとともに、保育時間の延長や休日、夜間、一時預かり、病児・病後児保育など多様なニーズに対応できるよう、さらに民間保育所等に対する助成の充実を図られたい。併せて、安定的運営に配慮した基準額や補助となるよう、国に対して要望されたい。また、民間保育所の新設にあたっては、環境の変化に不安を感じる周辺住民とトラブルが起こらないよう、保育事業者が責任を持って対応する手法について検討されたい。

訪問型病児保育事業については、女性が輝く社会を目指し仕事と子育てを両立できる環境を整えるために、民間の活力を生かしながら利用者が使いやすい制度となるよう各区のニーズを踏まえ取り組みを進められたい。

④ 低年齢児の入所枠の拡充に向けて、保育の安全性及び質の確保について確認しながら、小規模保育事業を推進されたい。また、これまで市独自に実施してきた保育ママ事業については、待機児童の解消と引きかえに保育レベルを低下させており、検証を行った上で小規模保育事業の充実につなげられたい。

⑤ 1歳児の保育士配置基準については、児童の安全確保の観点から、平成24年度まで大阪市が行っていた5対1の基準に戻されたい。

⑥ 面積基準緩和経過措置については、国においてその適用期間が平成31年度末まで延長され、現在、再延長についても検討されているところであるが、必要となる保育所等の入所枠を早期に確保し、面積基準緩和措置の解消を図られたい。

⑦ 保育士等の定着・確保・離職防止に向け、保育士等の処遇改善を図り、必要な財源措置がなされるよう国に対して要望されたい。

⑧ 保育所の民間移管について、急激に進めるのではなく、待機児童の現状を鑑み、公立保育所の果たす機能・役割を明確にして、計画的に進めること。

⑨ 子育ての負担感の緩和を図り、安心して子育てができる環境を整備するため、地域子育て支援拠点事業の未実施となっている箇所については、できるだけ早期に設置されたい。

⑩ 子ども・子育て支援新制度における保育料については、保護者負担の軽減を図られたい。

⑪ 子ども・子育て支援新制度の実施において、保育所入所決定時期の前倒しや認定こども園への移行促進など個別の事案について、市として最大限課題の解消に努められたい。

⑫ 私立幼稚園については、保護者負担の軽減の観点から、就園奨励費や幼児教育費の補助単価の引き上げを図るとともに、多様な保育ニーズに対応できるよう、助成を拡充されたい。また、国に対して、私立幼稚園の設置許認可等に関する権限の移譲及び私立幼稚園への助成に要する財源について、税源移譲により措置されるよう求められたい。

 市立幼稚園については、特別な支援を要する幼児のセーフティーネットとしての機能を果たすため、維持継続されたい。

また、未就園児クラスが実質的に需要の高まる中、3歳児クラスを実施している園で抽選もれで入園できない児童が多いことなどを考慮し、3歳児保育の拡充を図られたい。また、一時預かり事業(幼稚園型)については、制度の充実を図られたい。

 ⑭ 保育・幼児教育センターにおいて幼児教育・保育の質的向上に取り組まれたい。

 土地の高度利用が進んでいる都市部において、保育所・幼稚園・学校等の園庭で必要な日照を確保するため、関係法令等の整備を国に要望されたい。加えて、保育所・幼稚園・学校等の園庭への日影の影響が大きい建築計画については、必要に応じて建築主に対して、周辺の方々への事前説明を十分に行うよう行政指導を徹底されたい。また、日影の影響を少なくする建築形態について自主的なルール作りができる建築基準法に基づく建築協定制度の周知に努められたい。

⑯ 若い世代が住む活力あるまちづくりを進めるため、家賃補助制度などの新婚世帯向け住宅施策や、子育て安心マンション認定制度、分譲住宅購入融資利子補給制度、民間賃貸住宅に対する支援などの子育て層向け住宅施策を一層推進されたい。

⑰ 少子化対策の重要性が増す中、講座や交流会など、結婚を願う独身男女の出会いのきっかけづくりについて、本市の関与を検討されたい。

⑱ 児童虐待ゼロを目指し、虐待の予防及び早期発見から虐待を受けた児童の保護及び自立支援まで、児童を虐待から守るための総合的な施策を推進されるとともに、その中心となるこども相談センターの機能強化や児童虐待防止地域ネットワークの充実を図られたい。

⑲ 少子化社会の中、安心して子どもを生み育てることができ、子どもたち一人ひとりがいきいきと輝き、伸びやかに育つ環境を創出することは非常に重要である。このような次世代育成支援の観点からは、すべての子どもに等しく医療を提供すべきであり、現在大阪府下においても堺市をはじめ39市町村が乳幼児医療費助成の所得制限を設けていない。

よって、大阪市においてもこども医療費助成の所得制限を廃止されたい。

⑳ 青少年の健全育成を図るため、総合的な青少年施策の推進に努められたい。

㉑ 放課後児童の健全育成については、すべての児童を対象とした児童いきいき放課後事業といわゆる学童などの留守家庭児童対策事業の利用実態を踏まえた活動内容等の充実強化に努められたい。

㉒ 子供や家庭を社会全体で支援し、健やかに成長できる環境づくりを図るため、児童育成施策の推進に努められたい。特に、地域における推進組織としての各区「青少年育成推進会議」活動の充実を図られたい。

㉓ 青少年が豊かな心を育むことができるよう、地域において世代間の交流事業を推進されたい。また、子供たちが様々な体験活動を通じて、個性と創造性を伸ばし、自己の可能性を広げる施策の充実を図られたい。

㉔ 青少年指導員、PTA、子ども会育成連合協議会等の充実強化を図られたい。

 塾代助成事業については、学力や学習意欲の向上、個性や才能を伸ばす機会を提供するとともに、子育て家庭の経済的な負担を軽減して可処分所得を増やし、地域経済の活性化につなげるという、当初の目的が達成できているかどうかの効果検証を行われたい。

㉖ 幼児教育無償化の実現に向けた制度化及び財源の確保について、国への要望を継続し、本市における他の事業への過度の圧迫をせずに事業を推進されたい。

㉗ 「大阪市子どもの生活に関する実態調査」の分析結果等から見えた課題の解消に向け、平成29年度末に策定する(仮称)大阪市こどもの貧困対策推進計画に基づき、こどもの貧困対策のための施策を推進するとともに、必要な支援が行き届くための仕組みづくりを行うこと。

また、必要な施策の推進にあたっては、社会全体で支える取組みとするため、NPOやボランティア、経済団体、教育機関などとも連携・協働すること。

㉘ 児童相談件数、特に児童虐待に関する相談件数が引き続き増加傾向にあり、より一層の児童相談所の機能強化のため、3カ所目となる児童相談センター(児童相談所)の開設に向けて取り組まれたい。

また、児童自立支援施設において、複数の課題を抱える児童入所が増加しており、よりきめ細かいケアや対応をしていくため、職員体制の一層の充実に取り組まれたい。

㉙ 保育サービス等の事業量に対する取り組みを検証し、子どもや子育て家庭がおかれている環境や地域の実情を踏まえ、制度内容の改善と事業計画の適切な見直しを行うこと。


3.生命・財産を守るためのインフラ整備の推進

 市民生活の安全確保のため、道路、橋梁、河川、下水道などの都市基盤施設の適時・適切な維持管理に努めるともに、橋梁や高架道路における耐震性向上のため、補強工事などの耐震対策を早急に進められたい。

 基幹施設の耐震性強化、配水場の拡充等による給・配水拠点整備、停電対策の強化並びに管路の耐震化や幹線のネットワーク等の配水管整備を推進し、地震等の異常時においても給水を確保できる、信頼性の高い水供給システムの確立に努められたい。

 南海トラフ巨大地震や上町断層帯地震など東日本大震災を踏まえた防災対策の一層の充実を図るため、現在、本市で取り組んでいる津波避難ビル指定及びそれを活用する対策を進めるとともに、民間ビルも含めた地下街、地下駅における浸水防止対策の促進を図るなど、さらに積極的な施策の展開を図り「災害に強いまちづくり」を推進されたい。さらに、あらゆる危機事態から市民を守るため、危機管理機能の強化を図り、市民生活の安全確保に万全を期されたい。

 地域における自主防災組織の育成や連絡体制の強化、支援を必要とする障害者・高齢者等を視野に入れた災害時の効果的な活動が即時にとれる体制の整備を図るため、連合振興町会等の地域活動団体が主導し、次代の担い手となる中学生等の若い世代の参加する防災訓練が市内各所で実施されるように取り組みを推進し、区内での一体的取り組み、さらに市全体で取り組めるよう努めるとともに、備蓄物資の配備など災害応急対策を充実されたい。

 ライフラインが途絶した状態で自宅での生活をされる、いわゆる「家庭内避難民」に対しても避難所で生活をされている方々と同様の支援を図れるように啓発されたい。

 大規模災害発生時等の初期活動を迅速かつ的確に実施するため、防災拠点の効率的な運用とともに、情報通信システムの再整備等、災害時の情報伝達機能の充実、初期初動体制の強化を図られたい。

 市民の生命・財産を守るべき基礎的自治体として防災能力を高めるとともに、市民の防災意識や地域の自主防災力の向上を図り、さらに大規模災害時に人命救助や救護活動に万全を期すためにも、市民・行政・防災関係機関はさることながら、今後自衛隊を含めて、より一層総合的な防災訓練の取り組みに努められたい。また、大震災等の災害時に遅滞なく自衛隊の救援活動が行えるよう、大阪市地域防災計画に基づく施設の提供、災害派遣計画や防災情報に関する意見交換、市内の地域防災訓練への積極的参加等、日頃から自衛隊との交流・連携を図られたい。

 災害発生時に被害の拡大を防ぎ、防災活動、避難活動が容易となる安全性の高い都市を形成するため、ヘリポートの整備、広域避難場所の確保、公共施設(区庁舎等)の耐震強化、避難路や避難場所となる道路・街路及び公園の整備を進められたい。都市の不燃化促進、耐震診断・改修補助制度の積極的な活用等による木造住宅やマンション等の耐震性・防災性向上、多くの市民が利用する大規模な建築物等の耐震化に対する支援など、災害に強いまちづくりを推進されたい。

 東日本大震災を教訓に、南海トラフを震源とする新たな地震・津波シミュレーション結果を踏まえて、防潮堤の耐震強化を含む地震・津波対策の充実に向け、国に対して新規制度の創設など財政的支援の拡充を求めるなどにより、必要な財源を確保し、災害に強い港づくりをより一層推進されたい。

 消防職員の教育訓練施設である高度専門教育訓練センターにあっては、教育訓練の内容及び施設の更なる充実強化を目指すとともに、府内の代表消防本部である大阪市が中心となって府内消防本部の水平連携をより一層推進し、広域的な大規模災害発生に備えた消防力強化に向けた取り組みを進められたい。

 「市民防災研修アクションプラン」の策定に伴い、市民の年齢層に応じたさまざまな研修や訓練の体系的な実施を図られたい。

 高層ビル、地下街、地下鉄等の防災対策の強化を図られたい。

⑬ 大規模災害時における燃料確保のための対策を図られたい。

 特別査察隊をはじめとした査察体制を強化し、雑居ビル等の複合用途防火対象物の実態把握を図り、消防法令違反対象物の是正指導を一層徹底されたい。

 消防器具機材の整備及び時代に即応した高度情報化の推進など十分な措置を講じられたい。

 傷病者の救命効果を高めるため、救急救命士の処置拡大に伴う教育体制の整備など救命救急業務の充実強化を図るとともに応急手当普及啓発の推進に努められたい。また、救急相談業務の一層の充実に努められたい。

⑰ 大規模災害時には通電火災が多くみられ、その被害軽減には感震ブレーカーの設置が大変有効である。普及効果を高めていくため、普及啓発に加え、補助制度の導入を検討されたい。

⑱ 障害の特性から、大勢の人がいる環境にいることが苦痛で、避難所の中にいられないなどの状況が発生することが想定される発達障害児・者等への、避難所等における支援を図られたい。

⑲ いまやペットは心の支えとなっており、ペットを切り離した避難を考えることは難しい一方、衛生面等でトラブルになることもあることから、災害時の避難におけるペットの取扱いに関する対策を図るとともに、他都市の事例も踏まえ、ペット避難所に関する調査・研究も行われたい。

⑳ 日本各地で多発する土砂災害や豪雨水害などの経験を踏まえ、災害発生リスクの高いエリアに居住する住民の避難行動を支援する取り組みを実施されたい。

  さらに、総合的な治水対策の観点から、治水施設の整備を行い、水害発生を想定した万全の備えを行われたい。


4.教育再生の実行とスポーツの振興

(1)小中学校

① 公募校長制度や学校教育へのICT導入など、これまで重点的に予算を投入してきた施策について効果検証を行い、施策の見直しや廃止も含めて検討されたい。

② 小中学校の通学区域について、学校選択制ではなく、指定校変更の基準の拡大や地域の実績に即した変更などについて検討されたい。

あわせて、いじめにより心身の安全が脅かされているような悩みを持っている児童・生徒について、指定校変更ができる制度の弾力的運用に努められたい。

③ 学校配置の適正化の進め方については、今後のあり方を改めて検討されたい。また、学校跡地の活用については、周辺地域の状況を把握したうえで、まちづくりの視点を持って進められたい。なお、未利用地となる場合においても、安易に売却することなく、将来的な必要性も十分考慮して慎重に検討されたい。

④ 管理職について研修の充実強化を図られるとともに、管理職希望者の減少に伴う教頭不足問題の解消に努められたい。また、公募校長制度は廃止も含め検討されたい。

⑤ 初任者研修や教育センターにおける研修内容の充実など、教員の資質向上に向けて、なお一層の研修制度の充実を図るとともに、指導力不足等教員については、「指導が不適切である教員への対応システム」を活用し、厳格に対処されたい。

⑥ 公立義務教育諸学校の教職員の給与費が義務教育の根幹を支える極めて重要な事項であることを十分踏まえ、地方に負担転嫁することのないように、小中学校の教職員にかかる給与費負担等に必要となる財源については、現在の教育行政の水準を維持できるよう、教職員給与及び事務関係経費を含めた所要額全額を適切かつ確実に財政措置するよう、国に要望されたい。

⑦ 全国学力・学習状況調査等の結果を踏まえ、児童・生徒の学力向上に資するため、習熟度別少人数授業など、個に応じた指導の充実を進めるとともに、そのために必要とされる優秀な教員を確保されたい。また、全ての学習の基盤となる言語能力等をさらに培い、子どもたちが主体的・対話的で深い学びに向かう力の育成に努められたい。

⑧ 全国学力・学習状況調査の学校ごとの結果公表にあたっては、学校選択制の導入とも相まって、序列化や過度な競争等の弊害が生じた際には、速やかに見直しを図ること。また、公表は平均正答率だけでなく、多面的な分析結果等のデータも公表すること。

⑨ 大阪府公立高等学校入学者選抜において、大阪府内で同じ選抜を受験するにもかかわらず、府内統一ルールに加えて、評定に関して大阪市だけが独自の方針を設けることで、反対に不公平が生じている。直ちに大阪市独自の方針を廃止し、「大阪市統一テスト」を中止されたい。

⑩ 知識や技能の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成を重視している新学習指導要領の趣旨を踏まえた学習指導を充実させるために、その取り組みの効果について検証されたい。

⑪ 学習意欲の向上と、自学自習の定着のため、放課後に児童の自主学習を支援するなどの取り組みを進められたい。あわせて、土曜授業においては、家庭・地域との連携をより深め、内容のさらなる充実を進められたい。

⑫ 学校図書館をより一層活用し、子どもの読書活動を促進するために、蔵書の計画的な整備や開館時間の確保等、読書環境の充実に向け、図書館司書の専門性を生かした学校図書館支援の取り組みを進められたい。

⑬ 子どもたちの教育環境を充実させ、安心・安全な学校生活を送れるよう、老朽化した校舎・講堂兼体育館の改築及び補修整備(校舎美装、便所の改修、プールの改修、給水設備の整備、床の張りかえ)については、速やかに実施されたい。

また、校舎等の改築にあたっては、従来の発想にとらわれず、特色ある学校づくりに向けた工夫を講じられたい。あわせて、学校緑化を推進されたい。

 児童・生徒が急増している学校については、子どもたちの良好な教育環境を確保するため、学級増に伴い必要となる教室を確実に整備するとともに、過大規模校や極めて運動場が狭隘な学校については、早急に分離新設校を設置されたい。

⑮ 家庭・地域と連携して登下校時等の安全対策を進めるなど、子供の安全確保を図るとともに、地域に開かれた学校づくりを進められたい。

⑯ 給食調理員の給食調理業務について抜本的な見直しを図り、また、管理作業員の学校環境整備業務についても、地域の力を得るなどして見直しを図られたい。

⑰ 「食育基本法」や次期「大阪市食育推進計画」を踏まえ、小学校段階からの食に関する指導の充実を図られたい。また、安全・安心な中学校給食の提供や、給食を生きた教材として活用し、小学校から中学校の9年間を通した食育をすすめていくためにも、現在実施している学校調理方式を十分検証して、より安全・安心な給食が提供できるようにされたい。

⑱ 障児の卒業後の社会参加を促進するため、職業教育・進路指導の充実を図られたい。

⑲ 本市特別支援学校の府への移管後も、特別支援学校においてこれまで実施してきた市独自事業については、市単費として継続実施されるとともに、小・中学校における特別支援教育の充実を図られたい。

 地域による学校支援の取り組みや、医療的ケアが必要な児童・生徒への支援などについては、本市が他の市町村と等しく大阪府の施策による支援が受けられるよう措置を講じられたい。

 「いじめ」や「不登校」、さらに「発達障」など学校教育が直面する課題について教育相談事業の充実をはじめとした十分な対策を講じられたい。とりわけ「いじめ」問題については、「大阪市いじめ対策基本方針」に基づき、いじめを生まない学校づくりを進めるとともに、いじめに至るまでの初期の段階で適切に対応することを徹底されたい。また、いじめ問題が生じたときには、速やかに教育委員会に報告し、解決に向け連携して取り組むことの周知徹底を図られたい。

㉒ 障児の学校生活の充実と開かれた学校づくりのため、学校へのエレベーター設置事業を一層推進されたい。

㉓ 授業及び特別活動において、学校支援人材バンクにより知識・技能を有する社会人の活用を充実させるとともに、地域・区の歴史や伝統・文化の教材化等を進め、郷土大阪を大切にする心を育むため、「大阪らしさ」を生かした教育を推進するなど、教育改革を着実に推進されたい。

 体験を重視した教育活動を通じて、郷土を愛し、「公共」の精神を涵養する教育を進めるなど、児童・生徒の心の教育の充実を積極的に図られたい。

㉕ ネイティブスピーカーを活用した小学校からの英語教育、帰国・来日した児童生徒の教育の充実など、国際理解教育を推進されたい。

㉖ 部活動の活性化を図るため、具体の検討を行い、抜本的な対策を講じられたい。

㉗ 教育環境保全条例の制定など、学校周辺の良好な教育環境の確保に努められたい。

㉘ 少子化や学校の小規模化が進む現状を踏まえ、子供の集団活動や学校行事の活性化等につながる、小中学校間で一貫した連携・交流について推進するとともに、施設一体型の小中一貫校の設置にかかる方針を整理したうえで、教育内容の充実を図る等、その取り組みを進められたい。

㉙ 大阪府では、平成23年度に「少人数学級編制に係る研究報告」がされているが、小学校1・2年生以外にも対象学年を拡大している市町村もある。子どもたちのさらなる学力向上・豊かな人格形成に向けた取り組みを検討すると共に、「公立学校義務諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき、教職員数を機械的に削除することがないよう国に働きかけられたい。

㉚ 学校協議会は、保護者や地域住民等の主体的な参加を促進するものであることに鑑み、条例で定められた役割を安易に拡大することなく、保護者等に過度な負担や責任を負わせるものとならないよう十分に配慮して運営すること。

㉛ 国際バカロレア認定コースを有する公設民営学校の設置については、自国の伝統や文化に根ざした国際理解教育に重点を置いた教育活動を通じ、地球的視野に立って行動するための態度・能力を育成し、大阪の産業の国際競争力の強化及び大阪における国際的な経済活動の拠点の形成に寄与する人材の育成に取り組まれたい。

 学校教育へのICT導入については、日々進歩する機器や通信環境、また教員の研修など、モデル校等における充分な検証及び国の動向を踏まえ、拙速に進めるのではなく、慎重に取り組まれたい。

㉝ 全校園において学習指導要領の趣旨に則り、卒業式や入学式及び運動会等の学校行事において国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう各校園長に指導の徹底を図るとともに、音楽の授業において国歌の指導を行うよう取り組まれたい。

㉞ 卒業式・入学式をフロア形式で行っている学校については、児童生徒・保護者・地域の願いをふまえ、適切な形態での実施となるよう図られたい。

㉟ 公共の施設としての学校においては、日々国旗が掲揚されるよう努められたい。

㊱ 郷土を愛する心を育むために、学校行事などにおいて、大阪市歌に親しむ取り組みを進められたい。

㊲ 運動会、体育大会の開会式、閉会式の内容及び小学校の運動会においては、「男女別徒競走」や「選抜リレー」の実施また「等旗の活用」など、種目やプログラムの決定については、前例や教員の意見ではなく地元の意見を聞き、適切に決定されたい。

㊳ 6次産業化に資する担い手の確保策として、学校現場での農林水産業についての情報提供や現場体験などによる理解促進の取り組みなども積極的に行われたい。

㊴ 修学旅行の実施については、皇室に対する敬意を養うため皇居への訪問や、歴史的・文化的な観点から靖国神社、伊勢神宮、遊就館、知覧特攻平和会館など、教育的効果の高い場所を訪問するよう取り組まれたい。

 

(2)高等学校・専修学校

① 市立の高等学校については、引き続き、21世紀の人材育成のために、教育内容・方法を検討し、個性重視の方向で特色ある教育課程をもつ市立の高等学校づくりを推進されたい。

② 少子化や社会の変化に対応し、全日制及び定時制高等学校の大胆な再編・整備を進められたい。また、時代に対応した高度な高等専門学校について検討されたい。

③ 高校生に対する奨学金制度を充実されたい。

④ 大阪市立デザイン教育研究所は、企業等との連携プロジェクトなど特色ある教育活動を行い、これまでデザイン界に有為な人材を輩出している。その伝統と実績は顕著であることから、これまでの特色ある取り組みを一層深化・充実させ、引き続き存続されたい。

⑤ 本市の実業系高等学校に対してエンパワメントスクールのコンセプトを導入し、若者の自立支援や貧困対策に努められたい。


(3)大学

① 公立大学法人による中期目標・中期計画の着実な達成を目指し、教育研究活動の活性化と安定的な財政基盤の構築による大学運営のため、大学改革の一層の推進と、キャンパスライフ向上のための施設の整備充実や以下に掲げる項目等の充実が図られるよう、施設整備費補助など市と法人との間のルールの確立を図り、適切な運営費交付金の交付による大学支援に努められたい。

② 魅力ある大学の実現に向けて、キャンパスのあり方や教育研究組織などの基本的事項について議論を十分に深めるとともに、これまで培ってきた高いブランド力を発展させ、海外の学生・研究者との交流促進や英語教育等の充実によるグローバル人材の育成など国際力の強化や、将来の社会をリードし、地域で活躍する専門性の高い社会人の育成、人工光合成研究などの研究力の強化を図られたい。

 

(4)生涯学習

① 総合生涯学習センターのもと総合的に生涯学習を推進するとともに、交通至便で市民が気軽に学べる市民学習センター等生涯学習施設の活用を進められたい。

② 図書館ネットワークの一層の活用に努められたい。

③ 大阪の持つ歴史的・文化的資源を活用し、科学体験・自然体験などを通じて大阪のよさを再発見するための生涯学習機会の充実を図られたい。

④ 社会教育施設等においては、体験学習の場となるよう学校教育との連携を密にするとともに、博物館施設の連携を強化するよう取り組まれたい。

⑤ 学校の施設や機能を積極的に活用し、特別教室や校庭・体育館・プールの開放など文化・スポーツの振興に努められるとともに、高等学校・大学での開放講座の開設を推進されたい。


(5)スポーツ

 市民の誰もが、いつでも、どこでもスポーツに親しむことができるよう、スポーツによる地域活性化・地域の一体感の醸成に向けて、総合型地域スポーツクラブの拠点づくりに積極的に取り組まれたい。

② 舞洲のスポーツレクリエーションゾーンの活性化に向けて、舞洲のイベントやアクセスに関する情報発信など、来訪者の視点に立った利便性向上の取り組みを進められたい。

 障者のスポーツの振興を図り、社会参加を一層促進されたい。

また、2020年の東京パラリンピックの開催に向けて、障がい者スポーツセンター等を活用した積極的な協力を行うとともに、長居障がい者スポーツセンターの老朽化への対応を検討されたい。

④ 活力ある高齢社会の実現、観光・文化の活性化等に寄与する国際総合競技大会「ワールドマスターズゲームズ2021関西」の成功に向け、積極的に取り組まれたい。

  また、20192021年にかけては、ラグビーワールドカップ2019、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、ワールドマスターズゲームズ2021関西といった世界的に注目を集めるスポーツイベントが開催されることから、これを好機と捉え、市民のスポーツ振興をさらに進めるとともに、スポーツを通じた都市魅力の発信に努められたい。

 


5.将来を見据えた社会資本整備

(1)道路・交通

 都市計画道路の早期建設に努められたい。

 阪神高速道路については、道路交通の渋滞緩和など大阪都市圏の都市活動を支える重要な都市基盤施設であり、既に、大阪・兵庫地区で約250kmの広域の高速道路ネットワークが形成されている。現在、大阪地区では淀川左岸線など約20kmが事業中である。

このような中、大阪都市再生環状道路の一部を構成する淀川左岸線2期及び延伸部区間については、市内の交通渋滞の緩和、広域道路ネットワークを形成するものとして、事業の着実な推進に努められたい。

また、整備効果の高い信濃橋渡り線の建設促進、供用中路線の更新、修繕の促進に努められるとともに、阪神圏の高速道路における管理主体を超えたシームレスな料金体系の導入に向けて取り組まれたい。

 阪急電鉄京都線・千里線、JR東海道線支線の立体交差事業を早期に完成させるとともに、学研都市線、阪和線等の立体交差事業の早期着手に努められたい。また、天下茶屋車庫跡地利用の事業化促進に努められたい。

また、平成18年4月に廃止となったJR大阪臨港線の跡地について、市民の要望に沿う活用方法を早急に検討されたい。

さらに、平成21年3月末で廃止となったJR阪和貨物線の跡地については、JR西日本と引き続き協議を進めるとともに、早急に整備検討案を作成し、平野区、東住吉区、住吉区と連携し、地域の意見を踏まえながら、用地の早期有効活用を図られたい。

④ 都市計画道路天王寺大和川線について、その整備事業を計画的かつ着実に実施されたい。

また、津守阿倍野線、豊里矢田線など密集市街地における防災・減災対策の推進に資する都市計画道路の整備を促進するとともに、淀川北岸線など早期供用を目指す路線について整備を推進されたい。

 交通渋滞を解消し、安全かつ円滑な交通を確保するため、交差点の立体交差化等の整備に努められたい。

 市民を交通事故から守り、快適な歩行空間を提供するため、歩道設置、道路照明灯(幹線道路の歩道照明を含む)、防護柵などの交通安全施設の整備を進められたい。

また、バリアフリー化や横断歩道橋の撤去に努めるとともに、コミュニティ道路(ゆずり葉の道)、歩道設置など通学路の安全対策、幹線道路を中心とした交差点形状の改良などの交通事故抑止対策及び自転車に係る安全教育の推進など警察による対策と連携した自転車走行環境の整備を拡充されたい。

 道路の景観向上や通行の安全を図るため、違反屋外広告物対策の強化に努められたい。

 幹線道路下における共同溝の設置を推進されたい。また、電線類の地中化についても促進されたい。

 低騒音舗装の整備など道路の騒音・振動対策に取り組むとともに、道路・橋梁などにおいて景観に配慮した整備を進められたい。また、都市環境の向上を図るため、保水性舗装の実施を促進されたい。

⑩ 御堂筋の道路空間再編については、実施するにあたっては、自動車交通や自転車交通の安全確保等に留意されたい。

⑪ 大規模ターミナルをはじめ民間鉄道を含む駅周辺で一体的な交通バリアフリー化を進められているところであるが、誰もが、安全・快適に移動ができ、人々が集まり交流する活気とにぎわいのある大阪づくりのために、より一層の推進を図られたい。

⑫ 株式会社化後の交通事業について、以下の項目の推進のため、新会社等を適切に監理されたい。

  乗客サービスの向上のため、地下鉄については、駅舎の改装等利便性に努めるとともに、バスについても、バスロケーションシステム等バス停留所施設の整備促進に努めること。

  ひとにやさしいまちづくりとして地下鉄駅へのエレベーター等の設置など、施設面での整備を図るとともに、職員に対する教育訓練の充実を図るなど、ソフト・ハードの両面からバリアフリー化に努めること。

  プラットホームからの転落防止を目的とした可動式ホーム柵の整備促進に努めること。

  南海トラフ巨大地震に伴う津波に対する地下駅等の浸水防止対策を早急に進めること。

  国土交通省の調査により、駅構内や車内など公共交通機関での暴力行為の発生件数は増加傾向にあるとされている。これら暴力行為の防止対策として、市民に対する積極的な広報・啓発活動を行うこと。また、今後国際観光拠点としてテロの脅威にさらされることも想定される中で、利用者がテロなどの悪意に対して脅威を感じることなく利用できるような防犯環境を整えること。

  将来にわたりバス運転手を安定的に確保するために、戦略的な方策を行うこと。

 

(2)駐車場・駐輪場

 現在、利用率が低迷している公的駐車場については、運営を委託している指定管理者等のノウハウを活用するなど、一層の利用促進に努められたい。

 「路上駐車をしない・させない」という意識を定着させるため、迷惑駐車の防止に関する条例に基づき広報啓発活動を推進されたい。

 近年、違法駐車が問題となっている自動二輪車の駐車対策を推進されたい。

 自転車駐車場の整備にあたっては、民間手法を積極的に取り入れるとともに、民有地における自転車駐車場確保の推進に努め、官民協働した取り組みなどソフト面にも配慮した放置自転車対策を強化されたい。また、駅前における放置自転車対策を引き続き強化するとともに、中心市街地における実効性のある放置自転車対策や市民協働の取り組みなどにより放置自転車対策をより一層推進されたい。

 市民の生活環境を守るため、放棄自動車対策の強化・充実を図られたい。


(3)公園・緑化等

① 都市公園はうるおいある豊かな都市環境を形成する緑の拠点であり、市民のレクリエーションとコミュニケーションの場として、また、災害時の避難場所としてなど、さまざまな役割を持ち、地域の核となる重要な施設である。

公園の計画・整備においては、こうした公園の基本的な考え方や地域の特性にも配慮した計画を策定し、それを基本としながら、多様化する市民ニーズに対応し地域の住民により親しまれ活用される公園となるよう、例えば親子でのキャッチボールや高齢者のゲートボール等、球技もできる多目的広場を設置するなど、個性豊かな公園づくりを進められたい。

 「自然と人間の共生」という「国際花と緑の博覧会」の基本理念を継承し、花と緑あふれるまちづくりを進めるため、「新・大阪市緑の基本計画」に基づき公共緑化や民間緑化及び緑化の普及啓発を積極的に推進されたい。

 健康で緑豊かなうるおいのあるまちづくり及び災害に強いまちづくりを推進するため、都市公園等の緊急かつ計画的な整備及び指定管理者制度を活用して適正管理を推進されたい。

 公共施設の屋上緑化モデルの実施などを通して、都市におけるヒートアイランド現象の緩和、良好な自然的環境の創出のため、民間建築物の屋上緑化を推進されたい。

 既存公園の再生、活性化のため、市民ニーズに対応しながら、計画的な公園の改修や遊具の安全対策など、安全・安心な公園づくりを推進するとともに、環境にも配慮した良好な維持管理に努められたい。とりわけ、天王寺公園・動物園については、交通至便な都心部という立地特性を活かした魅力あふれる動物園となるよう、基本計画(天王寺動物園101計画)に基づき、園内サービスを充実するとともにペンギン・アシカ舎をはじめとした老朽獣舎等のリニューアルを進め、ハード・ソフト両面から施設のさらなる魅力アップを図られたい。

 公園の活性化や地域のにぎわいづくりにつながるように魅力ある施設の設置や利用者ニーズに応じたサービスの提供について民間活力の導入をされたい。

 市民が身近にスポーツを楽しめるよう、スポーツ施設の整備充実(例えば、ジョギングコース、フットサルやニュースポーツの拠点づくり、ナイター設備、全天候化など)を図るとともに、遊休地の活用も図られたい。

 新たな農地制度の円滑な実施に向けて取り組むとともに、なにわの伝統野菜をはじめとする市内農産物の需要拡大などにより、市内の生産緑地農地の保全と緑地空間の確保に努め、都市型農業の振興を図られたい。

 河川は、都市のなかの貴重なアメニティ空間であり、都心部を流れる道頓堀川については、沿川のまちづくりと一体となった、水辺の賑わいづくりを推進されたい。また、住居系地域においてはゆとりやうるおいを感じることができる水辺空間づくりが求められており、住吉川等の環境整備を推進されたい。さらに、国の直轄管理の大和川、淀川においても、国・府・市が幅広く連携し、早期の環境整備、改善に取り組むとともに、河川敷を今後もスポーツ利用の場として利用できるよう、国への働きかけに努められたい。

⑩ 港湾環境の保全及び改善を図るため、緑地等の維持管理の充実に努められたい。

⑪ 児童遊園については、都市公園と同じような役割を果たしていることを踏まえ、地域による運営管理に対して、安全性の維持向上の視点から支援を継続、推進されたい。

⑫ 街路樹の定期的な剪定・散水については、近年の予算が人件費の上昇などにより、実質的に減少した結果、実施の遅れが出ていることに対して、住民から困惑や要望の声が多数出ているところである。適正な予算措置の下、遅滞無く事業が実施されるよう、見直しを行うこと。

 

 


(4)住宅

 市民の多様なニーズに的確に応えるため、公社等とも連携し、機能的で利便性の高い都市型住宅供給の促進を図られたい。

 民間活力を活かした住宅建設を促進するため、各種融資助成制度を推進されたい。

 災害に強い安全なまちづくりを進めるため、老朽住宅の建て替えや細街路整備・まちかど広場の整備の促進を図るとともに、生野区南部地区や福島区北西部地区、西成区等の老朽住宅密集市街地の総合的な整備を推進されたい。また、老朽住宅密集市街地の地域の特性に応じ、区画整理手法や建替促進制度の活用など、重点的な事業を推進されたい。

 東住吉区、西成区、生野区をはじめ市内で増加している空き家の中には、管理が不十分なことにより、放火など防犯・防火上の問題や、ゴミ投棄などの衛生上の問題のほか、老朽化による倒壊の危険性さえ見られるものもある。空家等対策計画に基づき、こうした喫緊の課題である特定空家等対策について重点的に取り組むとともに、空家のリノベーション等によるまちづくりに取り組むなど、全庁的・総合的な空家等対策を推進されたい。

⑤ 良好な市街地環境や都市防災性の向上を図るため、密集市街地の計画的な更新について特段の配慮をされたい。

 都心における住宅建設に限り、プレミアムなどを加えた特別地域の指定などの施策を推進するとともに、空きオフィスの住宅転用支援事業を推進するなど、職住の近接を図られたい。

 地域の特性を生かしたまちなみづくりを進めるため、市域全域で、貴重なまちなみ資源である歴史的建築物等の修景を促進し、魅力ある居住地づくりを推進されたい。

 民間による高齢者向け住宅の供給促進とあわせ、市営住宅におけるケア付住宅の建設やグループホームへの活用、階段室型中層住宅へのエレベーター設置等、高齢社会に対応したバリアフリー化など、住宅施策の推進に努められたい。

 市営住宅(駐車場を含む)の適正管理に努めるとともに、募集その他管理業務についてインターネットを活用するなど、積極的に市営住宅管理における情報化を推進されたい。

 市営住宅については、可能な限り集約化を図ることにより余剰地を確保し、民間活力も活用し、地域の実情を踏まえた活性化に資する施設の導入など、地域との交流促進に努められたい。また、子育て支援施設等の地域に役立つ施設の導入を図るなど、市営住宅ストックの有効活用に努められたい。

 現在、大阪市内の民間賃貸住宅には空き住戸も多く有効活用が図られていない状況となっている。これらの住戸の中には、比較的低額な家賃の住戸もあることから、生活保護申請者の住まいの確保にあたっては、こうした民間賃貸住宅の状況を踏まえ、最大限活用するよう努められたい。また、住宅扶助費について、民間の家賃水準をふまえた適正な家賃水準の設定に努められたい。

 ワンルームマンションの建設にあたり、路上駐車・駐輪、ごみ対策、管理体制など近隣への迷惑が生じないよう指導の推進に努められたい。

 分譲マンションの適切な維持・管理を促進するとともに、円滑な建て替えを支援されたい。

 「住まい情報センター」における総合的な住情報提供・相談機能の強化を図られたい。

 快適で環境にやさしい建築物を誘導するため「CASBEE大阪みらい」や建築物の省エネルギー基準への適合など、建築物の環境配慮に関する制度をより一層推進されたい。

 マンション等の増加に対応して、直結給水の拡大を図るとともに、既存の貯水槽水道の適正な管理について啓発指導を図られたい。


(5)水環境・上下水道

 快適で豊かな水環境の創出に向けて、道頓堀川や住吉川等の水質浄化のため、合流式下水道の改善や高度処理施設の整備促進に積極的に取り組まれたい。

 琵琶湖・淀川水系の水質保全対策にあたっては、上流地域の排水規制、下水道整備の促進を関係団体に積極的に働きかけるとともに、経費負担に対し慎重な対応を図られたい。

 下水道の有する水・汚泥・熱等の資源・エネルギーを有効に活用、環境にやさしいまちづくりに努められたい。

 下水道施設を良好かつ効率的に維持管理していくため、老朽化した施設の計画的な改築・更新を進められたい。また、改築・更新にあたっては社会の要請に即した施設とするため、コスト意識を前提に省力化や省エネルギー化、機能高度化を図られたい。

 市管理河川の治水機能を持続的に確保できるよう、河川及び河川施設の適時・適切な維持管理を推進するとともに、国の直轄河川である大和川、淀川においては、治水・浸水対策が促進されるよう努められたい。

 市内で今なお発生している浸水を防除するため、淀の大放水路及び此花下水処理場内ポンプ場等の抜本的な浸水対策を促進されたい。

また、たび重なり発生している局地的な浸水についてもその原因を究明し、地域特性にあった対策として枝線管渠のネットワーク化・貯留施設の整備等の局地的な浸水対策を積極的かつ早期に進めるとともに、止水板設置助成制度の検討や降雨情報の活用など、浸水安全度の一層の向上を図るため、下水道整備を強力に推進されたい。

 これらのハード整備やソフト対策に加え、公共用地の活用や大規模開発に合わせた雨水流出抑制を進めるとともに、市民協働の取り組みとして、各戸貯留用の雨水貯留タンク設置を促進すること。

さらに、浸水被害に見舞われた市民に対して、速やかに日常生活に復帰できるよう適切な事後処理に努められたい。

⑧ 水道事業については、安全で良質な水の安定供給のために、配水管の老朽化や耐震化への対応に計画的に取り組むとともに、水需要の減少が続く中での料金値上げ回避策などに真摯に取り組み、持続可能な水道づくりに努められたい。

 給水の円滑化をより一層推進するため、給水管の計画的な整備に努められたい。

⑩ 平成304月に一時休館する下水道科学館については、下水道技術の情報発信の場及び子供たちが下水道をはじめ水環境を学習する場として、魅力あふれる施設となるよう、建物施設の修繕のみならず、今後の施設のあり方を踏まえたリニューアルについて、検討を進めること。

⑪ 下水道は市民の安心・安全を担う重要なインフラであることから、クリアウォーターOSAKA㈱への包括委託にあたっては現行の市民サービスを確保すること。

さらに、市職員の持つ知識や技術を確実に継承するために、より長期の包括委託を実施し、市が十分に会社を指導監督すること。

 

 


6.暮らしの安全を

(1)食の安全

 中央卸売市場については、値決め市場の性格を持つ西日本の中核的拠点であり、より一層の生鮮食料品等の安定供給に努められたい。また、中央卸売市場を取り巻く環境が厳しい状況にあることから、運営面においても、場内業者の経営状況に十分配慮し、取引方法の改善合理化の促進、市場当局自身のより一層の管理運営の効率化を図るとともに、市場関係者の方々の意見を十分に聴取しながら市場の活性化に努められたい。あわせて、市場関係者の方々に安心して仕事をしていただくため、また、本市の中央卸売市場が引き続きその役割を果たしていくため、より一層の事業経営の効率化に取り組まれたい。さらに、市場を経由する生鮮食料品の安全・安心の確保に努められたい。

なお、南港市場については、設備等の老朽化対策や衛生水準の一層の向上への対応など施設整備を進め、市場機能の向上に努められたい。

 輸入食品の安全性確保のため国に対して対策の強化を要望するとともに、大阪市においても検査を強化されたい。

 

(2)消費者問題

消費者被害を未然に防止するため、消費者保護条例の積極的運用と関係機関との連携を図るとともに、消費者センターの機能の充実強化、相談事業の市民への周知徹底などにより、消費者の利益保護に努められたい。

また、消費者の自立や倫理的な消費者行動につながる幅広い消費者教育について、また被害の未然防止にもつなげるため、消費者教育を推進されたい

 

(3)官公需における適正な賃金・労働条件の確保

厳しい経済情勢の中、官公需の減少に伴う労働者の仕事量減少により、労働者の生活に大きな影響を及ぼしている。官公需における品質の確保、地域における適正な賃金・労働条件の確保により、住民福祉の増進を図るため、契約制度に関する国や他都市の動向も研究しながら、実効性のある対策を講じられるよう努められたい。


(4)雇用対策について

 大阪版地域雇用戦略会議に位置づけた「大阪雇用対策会議」で関係団体が有機的連携をはかり、働き方改革や雇用形態の多様化に伴う処遇格差の改善など、幅広く実効性ある雇用対策に取り組むよう働きかけられたい。

 妊娠・出産・育児・介護期に離職することなく、安心して働き続けられる環境整備にむけて、改正育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法を踏まえた啓発活動に努められたい。

また、仕事と生活の調和推進の取り組みは、固定的な男女の役割分担意識が影響することから男性の働き方や意識改革と併せて両立支援の拡充を図られたい。

 病気を抱える労働者が活躍できる環境整備にむけて、会社・主治医・産業医が患者に寄り添うトライアングル型のサポート体制の構築が求められている。働き方改革実行計画に基づく支援の強化と関係者のネットワーク構築で両立支援の充実を図られたい。

 

 

 

(5)個人番号カードの普及に際する安全確保

個人番号カードの普及促進に向けて、交付体制の充実強化はもとより、多目的利用の検討を進めるとともに、市民の個人情報の漏えい等が発生しないよう、より一層の情報セキュリティ対策に取り組まれたい。

 


7.地球環境への貢献

(1)環境対策

① 国の新たな温室効果ガス削減目標を踏まえて策定した「大阪市地球温暖化対策実行計画」に基づき、太陽光発電や電気自動車の普及、省CO2技術の導入などによる地球温暖化対策を引き続き推進されたい。また、環境基本計画に基づき、ヒートアイランド対策や大気汚染対策等、具体的な施策を引き続き推進されたい。

 「おおさかヒートアイランド対策推進計画」をはじめ、「風の道」ビジョンなどにより今日的な環境問題への対応を引き続き図られたい。

 窒素酸化物等大気汚染対策をより一層推進されたい。

 自動車交通環境対策については、道路管理者との連携のもと局地汚染対策を継続して推進するとともに、ハイブリッド自動車・電気自動車・燃料電池自動車をはじめとするエコカーの公用車への導入、及び普及促進を図り、広域的対策についても引き続き推進されたい。

また、平成21年9月9日に環境基準の告示があった微小粒子状物質(PM2.5)について、国の動向を踏まえた対策を検討されたい。

 電気自動車等の普及促進のため、充電インフラの充実を図られたい。また、民間施設における充電インフラの整備についても促進に努められたい。

 国道43号等幹線道路における道路環境の改善に向けた対策の充実を図られたい。

 今日の多様化した環境問題に対処するため、環境教育の一層の充実を図られたい。

 市民や事業者、NPOとの協働による温暖化対策の推進に向け、「なにわエコ会議」の活動支援を充実されたい。

 極めて毒性が強いダイオキシン類による汚染が懸念される中、「ダイオキシン類対策特別措置法」の遵守徹底を図り、対策の充実を図られたい。

 「土壌汚染対策法」に基づき、実効ある取り組みを推進されたい。

 アスベストによる市民の不安を解消するため、民間施設対策をはじめとする環境対策及び健康対策を推進されたい。また、解体等工事に伴う飛散防止について規制強化された改正大気汚染防止法等に基づく取り組みを推進されたい。

 

(2)廃棄物対策

 廃棄物の発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・再生利用(リサイクル)の推進等廃棄物の減量化に向けた施策、とりわけ本市ごみ処理量の約6割を占める事業系ごみの減量に向けた取り組みをより一層推進されるとともに、市民団体の減量・リサイクルに向けた主体的な取り組みを促進するため、必要な施策を講じられたい。

② 環境に配慮した循環型社会の構築を目指し、ごみの減量・3Rを一層推進するとともに、ごみの適正処理に努められたい。

これら各種施策の推進にあたっては、今日的な財政事情を十分勘案し、民間活力を導入した効率的な事業運営を図られたい。また、その際にも大規模災害時の対応を含め市民サービスの維持に支障がないように留意されたい。

 「家電リサイクル法」の円滑な推進を図るため、廃家電品の適正な排出のための必要な施策を講じるとともに、不法投棄防止のため一層の市民啓発に努められたい。

 PCB廃棄物の期限内の処理完了を図るため、本市の取り組みを促進するとともに、保管事業者への指導強化など一層の対策に努められたい。

 持続可能な大阪湾圏域広域処理場整備事業(フェニックス計画)の推進に向け、抜本的な制度改善に取り組むとともに、適正な廃棄物処分のために同計画を推進されたい。

 産業廃棄物のリサイクル、適正処理を推進されたい。

⑦ 一般廃棄物の処理責任が大阪市にあることから、一般廃棄物の中間処理や最終処分などについては、一部事務組合と連携し適切な実施を図られたい。

⑧ 廃止したごみ焼却工場(南港工場、港工場、大正工場)の跡地については、貸付等による早期の利活用に向けた検討を実施されたい。

⑨ もと焼却工場整備計画用地及び森之宮工場跡地については、森之宮周辺地区のまちづくりの方向性を踏まえ、有効活用を図られたい。

⑩ 巨大地震等の発生後の公衆衛生の確保、復旧復興には、大量に発生するがれき等の災害廃棄物の迅速かつ適正な処理が重要なことから、十分な対策を講じられたい。


(3)その他

 まちの美化を引き続き推進するため、市民と行政が一体となって市民運動を盛り上げるよう積極的に取り組むとともに、空き缶・たばこのポイ捨て防止や不法投棄対策の強化拡充を図られたい。

 多くの市民、特に子供たちに深刻な影響を与える路上喫煙(いわゆる「歩きたばこ」)について、まちの美化や健康・防災・防火の観点から、効果的な対策を積極的に実施されたい。

③ 斎場運営については、高度な技能や対市民サービスが必要となることを踏まえ、指定管理者の業務水準の確保・向上を図るためにも、瓜破斎場の直営での事業実施を継続されたい。

④ 建築・改修から長期間が経過し老朽化した斎場施設について、建て替えを含めた検討を行うなど、将来的な火葬件数の増大にも対応可能な体制の構築に取り組まれたい。

Ⅳ.市民のための政治・行政改革

1.継続すべき市政・区政改革

 服務規律刷新PTによる取り組み等により、服務規律確保の効果が一定見られるなか、不祥事の根絶に向けた一層の再発防止策を講じ、市民の信頼確保に全力を尽くされたい。また、処分にあたっては、その公平性・客観性・妥当性を確保するとともに、研修等の充実による職員の意識改革も引き続き進められたい。

 市民等から批判のある労働組合との関係については、一層健全な労使関係を構築し、引き続き予算の編成や組織・人事に関することなど管理運営事項については職制が責任をもって実施するとともに、交渉・協議のプロセスや結果等について引き続き情報公開を徹底されたい。

 依然として厳しい財政状況のなか、未利用地については、売却一辺倒ではなく、今後は定期借地方式及び一時貸付方式の積極的な利活用により財源確保を図られたい。また、売却等にあたっては、まずは地元及び議会に対し説明責任を果たされたい。さらに、未利用地を取り巻く状況の変化等により、個々の土地の活用方針の再検討が必要なものについては分類の見直しを図られたい。

また、もと学校用地の活用については、これまでの学校と地域とのつながりに配慮し、教育関連施設の誘致を含め、まちづくりの視点をもって慎重に進められたい。

 ATCなど負の遺産の処理については、将来に経営破綻を来すことのないよう、経営再建や抜本的対策に全力を尽くされたい。

 地対財特法期限後の関連事業等については、総点検調査結果に基づく方針に沿って見直しが行われたが、債権回収など残された課題について完全に収束されたい。

 リバティおおさかについては、当初の役割を終えたので、市の関与を一切なくすための見直しを進められたい。

 行政におけるITの活用を推進し、より一層の市民サービスの向上並びに行政運営の効率化・高度化を図るなど、電子自治体の取り組みを積極的に進められたい。

 高度情報通信社会にふさわしい先進都市を目指し、情報通信基盤整備の促進に積極的に取り組まれるとともに、地域課題の把握及びその解決に向け、市民や民間企業と協働するなどしながら、積極的なICTの利活用を進められたい。

 ITを活用し、市民の声のデータベースの活用を図るとともに、市政情報を積極的に発信し、大きく飛躍する新しい大阪を広くPRされたい。

 情報化の推進、環境対策、コスト削減の観点から、印刷物の整理統合などにより紙の減量化に努められたい。

⑪ 地域住民に最も身近な行政機関である区役所について、暮らしに関わる相談等を一元的に受け付け関係機関・窓口に適切につなぐワンストップの仕組み、地域の産業振興や区民生活に密接な事項に関する権限の区への移譲など、市民が実感できる区役所改革に取り組まれたい。

⑫ 区役所保険年金担当業務について、市民の給付と負担の公平化を図るため、適正賦課及び効率的・効果的な徴収に努めるとともに、各種相談業務の増加に的確に対応した窓口業務については充実するなど、利用する市民の立場に立って市民サービスの向上を図られたい。

⑬ 高齢社会到来のもと、保健・医療・福祉などに対する市民ニーズがますます多様化しているなかで、市民がよりきめ細かなサービスを受けられるよう、一層保健と福祉の連携強化を進めるとともに、高度な保健行政を目指して保健所の充実強化を図られたい。

 


2.真のあるべき改革へ(行き過ぎた改革への警鐘)

① 本市の財政状況に鑑み、大阪の持続的発展が可能となるよう施策の選択と集中を図り、人件費、福祉費などあらゆる分野にわたって歳出の見直しに引き続き取り組み、受益と負担の明確化を図り、負担の公平の観点から適正な賦課・収納率向上への取り組みによる歳入の確保を目指して、透明性を確保しながら計画性を持って財政構造改革に取り組まれたい。

  また、市民・納税者の利便性に配慮しながら、引き続き効率的な税務行政の推進を図られたい。

② 歳出の削減に向け、行財政の効率化を図り、基礎教養や専門学識を有する良質な職員を計画的に新規採用するとともに、生産性の向上とあわせ人件費総額の縮減に引き続き努められたい。ただし、職員の給与減額措置については、賃金上昇等による経済の好循環実現に向けて国を挙げて取り組んでいる状況や、職員の士気・人材確保に与える影響だけでなく、ラスパイレス指数が政令指定都市で最下位である状況等もふまえ、早急に解消されたい。

また、市政改革の推進にあたっては、市民への説明責任を十分果たしつつ、市民サービスの低下を来さないよう留意するとともに、中長期的な財政状況見通しとのバランスを考慮した計画的な実施に努められたい。

③ 本市の財政状況をふまえ、社会経済情勢の変化や多様化する市民ニーズに的確かつ効率的に対応し、真に必要な市民サービスを確保するため、官・民の役割を踏まえ、常に最も適切な者が担い手となるよう取り組まれたい。

また、改革の推進にあたっては公務員としての資質の向上や能力の再開発はもとより、その能力や実績がプラス面においてこそより的確に反映されるよう、人事・給与制度の継続的な検証と改善に取り組まれたい。

④ 平成2910月1日時点で26ある外郭団体については、本市の行政目的及び施策をより効果的かつ効率的に実施する観点を踏まえたうえで、本市の人的・財政的関与のあり方の見直しを図られたい。また、固有職員の勤務労働条件にできるだけ影響が及ばぬよう配慮されたい。さらに、団体運営の効率化を図るとともに、団体の自立性の向上を図られたい。

⑤ 地方分権の時代に対応した行政システムを確立するため、区・局における施策の選択と集中の取り組みを一体的に示した運営方針を策定し、取り組みの進捗や目標達成状況について点検評価を行い、その評価結果を予算編成や次年度運営方針の見直しなど市政運営に反映させるようPDCAサイクルのさらなる推進に努められたい。

⑥ 全職員が一丸となって施策の推進に取り組むため、区・局の使命や目標を明確に示した区・局運営方針を策定し、職員一人ひとりが主体的かつ創意工夫をしながら着実な実施を図られたい。

⑦ 区民の意見を区政に反映するための区政会議については、多様な意見が活発にかわされる場となるよう、効果的な運営に努められたい。

⑧ 多様化する市民ニーズに迅速に対応するため、局事業所等との間で総合的な調整機能を発揮できるよう、また、区域を超えた課題に対しても、より大きな規模での事業展開が行えるよう、市民サービスの向上の観点を踏まえつつ、個々の行政区の範囲にとらわれない、効率的な事務のあり方について検討されたい。

⑨ 地域サービス系の路線バスについては、地域の実情に応じた真に必要な移動手段の検討や確保が行えるよう、関係部局がより一層緊密に連携されたい。

⑩ 株式会社化後の交通事業については、我が会派から要望した12項目の趣旨を含む基本方針を確実に実行または着手するよう、適切に監理すること。

とりわけ、バス事業については、大阪シティバス株式会社を本市と地下鉄新会社があわせて100%株を保有する子会社として、公的関与を残した上でのグループ経営を図り、地下鉄の輸送サービスを補完し、市民の最も身近な公共交通インフラとして、地域の移動手段としての役割を果たすよう、不採算であっても必要な路線については、大阪市が一定の支援を行うとともに、事業者として、路線サービスを維持できるよう適切に監理すること。

⑪ 水道事業については、市民生活を支える極めて重要なライフラインであり、何よりも安定供給が求められる事業であることから、経営形態の見直しの検討については、水需要の減少が続く中にあっても安心・安全の確保を図るなど、公共性を十分に担保することを前提に慎重に検討すること。

⑫ 水道事業については、市政改革の中で自ら抜本的な経営改革を推進し、経営基盤の強化を図るため、より一層の経営の効率化に努めるとともに、資産の有効活用や国等からの公共助成の確保による収入の確保にも全力を挙げられたい。また、市民サービスについては、創意工夫を行い、拡充を図られたい。

⑬ 市民が、市の歴史や文化に触れ、大阪市への愛情と誇りを育む契機とするため、「大阪市民の日」を制定されたい。

⑭ 市民の生命・健康に対する十分な議論が行われないまま、環境科学研究所の廃止が議決され、府市施設一元化の検討が行われているところである。健康危機事象発生時に市民の生命・健康を守るという、本市の公衆衛生に対する責任を果たすべく、廃止を撤回されたい。

また、環境科学研究所を廃止した後の一元化施設については、100億円を超える多額の整備費用が見込まれている。財政状況の厳しい大阪府から、本市が過度に負担させられることが無いように十分に留意されたい。

⑮ 総合区素案では、総合区とは別に議論が必要であるはずの合区が前提となっているため、市民に対して総合区の本質が伝わらず、単なる区割り議論に終始しかねない。総合区の検討にあたっては、まずは24区を総合区にすることから始め、合区をするか否かといった非常に重要な事項については、行政区審議会を設置するなど、市民の理解を得ながら合意形成されたい。また、都市内分権の拡充という観点と合わせ、議会とも慎重な議論を重ねられたい。

⑯ 特別区素案では再編効果額が示されていないが、市民に対して適切な判断材料を示さないまま、判断を求めることがあってはならない。なお、特別区を設置することでしか発現し得ない効果に絞って整理された上でないと、議論を進めることができない。

また、財政調整制度を安定的に運営していくためには、地方交付税相当額を財政調整財源に加えることが不可欠であるが、そのために必要な法改正は地方交付税制度の根幹にかかわる問題であるため、国における結論が出る前に、住民投票を行うなどは言語道断である。バージョンアップが整わない今、早々に特別区議論を終息されたい。

⑰ 大阪市の将来像として、東京の後塵を拝する「副首都」ではなく、関西圏全域で首都圏に対抗する中での中核的役割を果たすことが求められる。首都圏に対抗する関西圏の母都市として、将来的な道州制の導入を視野に入れ、関西州の州都を担う都市機能の充実強化を図られたい。

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