Ⅲ.暮らしの安全・安心、教育再生

1.持続可能な福祉制度と健康づくり

(1)総合的な福祉施策の推進

① 社会福祉の基礎構造改革、介護保険制度、障害者総合支援法など福祉にかかわる諸制度は、近年めまぐるしく変革を続けている。真にサービスを必要とする市民に必要なサービスを提供できるよう、受益と負担との関連に配慮しつつ、複雑多様化する市民の福祉ニーズに的確に対応するとともに、サービス利用者を支援する諸制度の拡充を図られたい。

また、「大阪市地域福祉基本計画」、「大阪市次世代育成支援行動計画」及び「大阪市障がい者支援計画・障がい福祉計画」並びに「大阪市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、各施策を着実に推進されるなど、総合的な福祉の推進を図られたい。

さらに、障者や高齢者をはじめとするすべての市民が安心して快適に行動できるよう「ひとにやさしいまちづくり」の整備を積極的に推進されたい。

 「大阪市地域福祉基本計画」に基づき、各区の実情に応じた取組を推進するとともに、市民が自ら福祉サービスを適切に利用できるよう、情報提供、権利擁護、苦情解決などのシステムの充実を図り、総合的な地域福祉を推進されたい。

複合課題を抱えた要援護者等に対し的確に対応するため、区役所が調整機能を発揮し、各相談支援機関と地域が一体となった総合的な相談支援体制の充実を図られたい。

 増大する福祉ニーズに対応するため福祉人材確保施策とともに、ボランティア活動の育成支援策を講じられたい。また、併せて、大阪市社会福祉協議会並びに、各区社会福祉協議会や地域社会福祉協議会との役割分担のもと、事業のあり方と実施体制などが地域福祉・活動の停滞を招かないような施策展開に努められたい。

 地域医療構想の実現に向けて、地域医療構想調整会議の協議や取り組み状況を定期的に把握し、進捗に応じて施策を改善されたい。併せて、地域医療構想調整会議において保険者の意見を聴くだけでなく、被用者保険加入者をはじめとする住民など広範囲な意見を反映されたい。

 


(2)障害者福祉

① 平成25年4月より施行された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」に基づく障害福祉サービスの利用促進に努めるとともに、サービス提供基盤の確保に努められたい。

② 放課後等デイサービス事業などの障害児支援事業者の質の向上に努められたい。

 地域における自立生活の推進のため、グループホームの整備など在宅福祉施策の充実を図られたい。

 市の実情を踏まえ、利用者が安心して適切なサービスが受けられるよう、サービス報酬体系などにかかる必要な改善について、国に対して要望されたい。

⑤ 「障害者優先調達推進法」の趣旨を踏まえ、障害者就労支援事業所等に対する発注に積極的に取り組まれるともに、障害者の就業支援策の充実を図られたい。

⑥ 「発達障がい者支援室」による関係局の連携強化や、ライフステージに応じた乳幼児期から成人期までの一貫した支援の充実に努められたい。

⑦ 「大阪市こころを結ぶ手話言語条例」の制定を踏まえた支援の充実を図られたい。

⑧ 障害者差別解消法を実効性あるものとするための障がい者差別解消支援地域協議部会が設置されたが、相談事例の収集や分析、情報交換などを行い、事案に対して適切な対応ができるよう関係機関と連携した取り組みを進めるなど、地域協議部会の機能を十分に発揮されたい。

⑨ 平成24101日の障害者虐待防止法施行以降、大阪府の相談・通報・届け出件数が全国の中でも多く、中でも養護者による虐待が非常に多い。障害者の緊急避難の場所の確保や虐待を行った家族等への心のケアを行う体制を整備するとともに、福祉サービスのあり方や支援体制を整備すること。また、障がい者福祉施設におけるすべての役職員に対し、虐待防止にむけた研修を徹底するよう指導を強化されたい。


(3)高齢者福祉

① 団塊の世代が2025年にはすべて75歳以上となり、介護が必要な高齢者が急速に増加していくことや、本市はひとり暮らし高齢者数が全国で最も多いことなどから、第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に沿って、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームや小規模多機能型居宅介護拠点の建設を促進するとともに、介護療養型医療施設の円滑な転換や、特別養護老人ホームにおける多床室のプライバシー確保のための改修に取り組むなど介護基盤の充実を図られたい。

② リハビリテーションの利用者が、医療から介護に移行しても、ニーズに沿ったサービスを一貫して受けることができるよう、制度の充実について国に対して要望されたい。

 介護が必要な状態になることを予防する観点から、要介護認定で「自立」と認定された高齢者に対する一般介護予防事業の充実を図られたい。また、より身近なところで介護予防のマネジメント及び総合相談等を行えるよう地域包括支援センターの充実を図られたい。

④ 介護予防・日常生活支援総合事業においては、全ての要支援者等が個々の状態に応じて必要なサービス提供を受けられ、安心して在宅生活を送ることができるよう取り組みを進められたい。

 「介護保険事業」については、効率的・効果的な運営ができるよう、所要の措置を講じられたい。また、「おおさか介護サービス相談センター」が利用者・事業者から中立的な立場で苦情解決を図れるよう努めるとともに、市民への広報・啓発の充実を図られたい。

⑥ 増え続ける認知症高齢者等の権利擁護を図るため、成年後見制度のより一層の利用促進に向けて、専門職団体等とも連携しながら取り組みを進められたい。

⑦ 平成28年度の認知症行方不明者が前年を上回り、4年連続で1万人を超えている。中でも、府内市町村において高齢者を見守るSOSネットワークが構築されているにもかかわらず、大阪が最も多い状況にある。認知症患者の身元特定につながる情報を登録したQRコードを配布するなど、誰もが迅速に対応できるようなシステムを検討すること。併せて、身元不明人台帳閲覧制度が有効活用されるよう見直しを図ること。

⑧ 介護人材の専門性の向上及び人材の定着を図るとともに、復職や新たな担い手を目指す人への支援制度を検討されたい。また、労働条件の不満による離職を防ぐために、介護労働者の処遇改善を確実に実現するよう国へ要望されたい。

 敬老優待乗車証交付制度(敬老パス)については、乗車ごとの50円負担は求めないこと。

 


(4)生活保護

生活保護については、保護費が平成28年度決算において前年比38億円の減と、5年連続で前年度決算額を下回ったものの、未だに不正受給が後を絶たない事や貧困ビジネス及び医療扶助の問題が残っており、市民の制度への信頼が揺らいでいる。

このような中、現行の生活保護法の下においても実施可能な適正化策に引き続き取り組まれたい。

 生活保護法に則して適切に保護を実施するとともに、新たに生じる課題や改善点については、具体的事例を示しながら国に改善を要望されたい。

② 生活保護の実施にあたっては、ケースワーカーをはじめとする人件費・事務費を含め、全額国庫負担とすることを国に要望されたい。

また、住所不定者について、相談を受けた自治体が実施責任を負う原則を徹底することを国に求められたい。

③ 貧困ビジネスに対する適切な法規制と必要な対策に要する経費への国による財源措置等を国に要望するとともに、貧困ビジネス対策に引き続き取り組まれたい。

④ 高齢者専用住宅等が増加する中、高齢者を対象とする不適正な医療や訪問診療を装った不正な診療報酬請求などの社会問題が顕在化してきており、平成24年の市会において可決された意見書を踏まえ、一部自己負担の導入、過剰な医療を客観的に審査できる仕組み・基準の設置を国に要望するとともに、不正請求対策等、医療扶助の適正化に引き続き取り組まれたい。

⑤ 不正受給や貧困ビジネスの介在を排除するため、現物給付の拡大に引き続き取り組むとともに、民間住宅家賃の代理納付について区と連携しながら拡充に取り組まれたい。

⑥ 年金や最低賃金との不整合などがモラルハザードを引き起こしている実態に鑑み、雇用・労働施策や社会保障制度全般のあり方を含めた抜本的な改革を国に要望されたい。

⑦ 生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るため、「生活保護法の一部を改正する法律」とともに成立した「生活困窮者自立支援法」は就労準備や就労訓練の支援メニュー利用が少なく、生活・暮らし相談が中心となっている。相談初期におけるアセスメントの強化と重層的な相談体制の構築に向けて、支援員を適正に配置されたい。また、出口支援となる就労訓練事業への予算措置をはかり、生活困窮者自立支援事業の推進体制を強化されたい。また、「生活困窮者自立支援制度」が実効あるものとなるよう、国に対して必要な財源の確保について要望されたい。

 雇用状況の改善に向け、若年者をはじめ障害者、母子家庭の母や高齢者など就職に向けた支援が必要な人への就業を支援するため、国・府と連携しながら職業相談や職業紹介事業の推進を図るとともに、生活困窮者自立支援制度と連携して取り組まれたい。

⑨ 生活保護受給者の市営住宅の入居については、公的支援の重複による過剰な支援となるケースもあり、その実態を調査し、国に対して適正化を働きかけたい。

 

(5)ホームレス・あいりん対策

 ホームレス問題及びあいりん対策は、一地方公共団体の取り組みだけでは解決し得ない都市問題であることから、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が制定され、法に基づく基本方針が国により策定されており、今後とも、ホームレス・あいりん対策を総合的に推進するため、国に対して自立支援事業に対する財政措置(10/10補助)の確保、さらに、全面的に公的扶助に頼ることなく、自らの意思で自立して生活できるように支援する観点から実効性のある特別就労対策事業等について引き続き検討し、実現するよう要望されたい。

地域住民が良好な環境の中で暮らせる地域社会とするため、全庁的なホームレス対策の推進に向け、相談体制の強化や自立支援センター及び保健医療対策の充実も図るとともに、公園や道路の機能の正常化に向けた実効性のある施策の推進に努められたい。特に、ホームレスの自立にあたっては就労支援が重要な問題であることから、行政機関、経済団体、労働団体で構成される「大阪野宿生活者(ホームレス)就業支援協議会」や国の委託事業である「大阪ホームレス就業支援センター」を通じて、新たな就労先の開拓など、総合的な対策を一層推進されたい。

 あいりん地域事情を踏まえた総合対策の推進、並びにあいりん総合センターのあり方検討を含めた、環境改善及び安心・安全なまちづくりに向けて取り組まれたい。

また、年末年始における施設入所援護、あいりんシェルター等については、今日の実情を踏まえ、効率的・効果的な事業となるよう見直しを図られたい。

(6)国民健康保険

国民健康保険の財政健全化を図るために給付費の適正化を推進するとともに、被保険者間の負担の公平性を確保する観点からも効率的・効果的な収納率向上の取り組みを行い、保険料収入を確保するなど収支の均衡を保つよう努められたい。

また、国においては、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が成立し、国民健康保険の財政支援の拡充を図ったうえで、平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となり国保運営に中心的な役割を担うとされたところであるが、引き続き、円滑な都道府県単位化と、医療保険制度の一本化などの抜本的な改革を国に強く要望されたい。

 


(7)保健・医療施策

 地域保健行政の充実強化を図り、がん検診などの健康診査事業の拡充をはじめとする生活習慣病対策の強化や市民の健康づくりを進めるとともに、高齢社会に対応した介護老人保健施設の整備促進、保健・医療面からの在宅高齢者対策などを推進されたい。

また、大規模食中毒事件などの健康危機管理体制の充実を図られたい。

 結核事情を改善するため、DOTSを中心とした結核対策の推進を図るとともに、今後発生が危惧されている新型インフルエンザ、ウエストナイル熱等の新興・再興感染症等やエイズ、O157、ノロウイルスなどに対応し得る総合的感染症対策を推進されたい。

 新型インフルエンザをはじめとした健康危機管理事象が発生した際には、学校園との連絡・協力体制に基づく連携を図るなど、より一層の健康危機管理体制の強化を図られたい。

 大阪市健康増進計画「すこやか大阪21(第2次)」の次期計画の着実な推進を図られたい。併せて、多くの市民へ現状・課題を周知し、健康づくりへの意識向上へ向けた啓発活動を強化されたい。

 夜間・休日の精神科を含む救急医療体制及び夜間の歯科救急医療体制の充実を図られたい。

 市民が安心して適切な医療を受けられるように、総合医療センターや十三市民病院・市立大学医学部附属病院、弘済院附属病院を含め医療面での機能分担を明確にするとともに、各病院間の連携を深めるなど、ソフト面でのネットワーク化を図られたい。

 住吉市民病院がこれまで担ってきた、重症心身障がい児者医療型短期入所やレスパイト入院、特定妊婦の受け入れなどの医療機能を確実に継承されたい。

また、住吉市民病院の跡地で、仮に、弘済院附属病院の認知症専門医療を引き継ぐ市立大学附属病院を開設することができ、そこで小児・周産期医療を提供できることとなったとしても、病院が開設されるまでには、医療空白が相当期間生じることになるため、跡地での暫定運営など、十分な対策を講じられたい。また、地元説明会など地域住民に丁寧な説明に努められたい。

 地方独立行政法人大阪市民病院機構においては、引き続き一層の経営健全化に努め経営基盤の確立を図り、これまで担ってきた救急医療、精神医療などの政策医療、公的医療についても充実を図るなど、将来にわたって安心・安全な医療を継続して提供し、その役割を果たされたい。また、医師・看護師等の人材の確保に努められたい。

 南港ポートタウンの地域医療対策も含めベイエリア地域については、府の医療計画の基準病床数が課題ではあるが別枠となるように、地域の実情にあわせて、総合的な医療施設等の誘致に取り組まれたい。

 市立大学医学部附属病院は教育・研究機関としての性格をあわせもっているが、医療機関として引き続き経営健全化を図るとともに、特定機能病院として、より一層高度で先進的な医療を提供し、先端予防医療を推進されたい。また、老朽化した医療機器や施設を計画的に整備されたい。

⑪ 公衆浴場に関わる補助の対象を、利用実態を踏まえ実効性のあるものとすること。同時に、公衆浴場の固定資産税の減免措置については、実態の検証を行った上で、減免率を戻すことも検討すること。

⑫ 無料肝炎ウイルス検査にかかる医療機関委託制度について、市会で陳情が採択されてことを重く受け止め、可能な限り早期に実現すること。

 


2.出産・子育てを応援する社会

人口減少、合計特殊出生率のさらなる低下に歯止めをかけるため、出産は家庭内の個別の事情であるとはいえ、保育所待機児童の解消をはじめとする、安心して子供を産み育てることが可能な社会的環境づくりに重点的に取り組み、以下に掲げる項目の充実に努められたい。

 医療保険の適用外となっている不妊治療を保険適用とするとともに、女性が安心して子供を産むことができるよう妊娠・出産は病気ではないという通説を乗り越え、妊婦健診も保険適用とし、さらに出産にかかる費用の原則無料化が図られるよう国に要望されたい。

② 子供を健やかに産み育てられる環境の整備を図るため、大阪市こども・子育て支援計画の推進に努められたい。

③ 民保育所の新築や増築、分園整備、認定こども園により総合的に待機児童の解消を図るとともに、保育時間の延長や休日、夜間、一時預かり、病児・病後児保育など多様なニーズに対応できるよう、さらに民間保育所等に対する助成の充実を図られたい。併せて、安定的運営に配慮した基準額や補助となるよう、国に対して要望されたい。また、民間保育所の新設にあたっては、環境の変化に不安を感じる周辺住民とトラブルが起こらないよう、保育事業者が責任を持って対応する手法について検討されたい。

訪問型病児保育事業については、女性が輝く社会を目指し仕事と子育てを両立できる環境を整えるために、民間の活力を生かしながら利用者が使いやすい制度となるよう各区のニーズを踏まえ取り組みを進められたい。

④ 低年齢児の入所枠の拡充に向けて、保育の安全性及び質の確保について確認しながら、小規模保育事業を推進されたい。また、これまで市独自に実施してきた保育ママ事業については、待機児童の解消と引きかえに保育レベルを低下させており、検証を行った上で小規模保育事業の充実につなげられたい。

⑤ 1歳児の保育士配置基準については、児童の安全確保の観点から、平成24年度まで大阪市が行っていた5対1の基準に戻されたい。

⑥ 面積基準緩和経過措置については、国においてその適用期間が平成31年度末まで延長され、現在、再延長についても検討されているところであるが、必要となる保育所等の入所枠を早期に確保し、面積基準緩和措置の解消を図られたい。

⑦ 保育士等の定着・確保・離職防止に向け、保育士等の処遇改善を図り、必要な財源措置がなされるよう国に対して要望されたい。

⑧ 保育所の民間移管について、急激に進めるのではなく、待機児童の現状を鑑み、公立保育所の果たす機能・役割を明確にして、計画的に進めること。

⑨ 子育ての負担感の緩和を図り、安心して子育てができる環境を整備するため、地域子育て支援拠点事業の未実施となっている箇所については、できるだけ早期に設置されたい。

⑩ 子ども・子育て支援新制度における保育料については、保護者負担の軽減を図られたい。

⑪ 子ども・子育て支援新制度の実施において、保育所入所決定時期の前倒しや認定こども園への移行促進など個別の事案について、市として最大限課題の解消に努められたい。

⑫ 私立幼稚園については、保護者負担の軽減の観点から、就園奨励費や幼児教育費の補助単価の引き上げを図るとともに、多様な保育ニーズに対応できるよう、助成を拡充されたい。また、国に対して、私立幼稚園の設置許認可等に関する権限の移譲及び私立幼稚園への助成に要する財源について、税源移譲により措置されるよう求められたい。

 市立幼稚園については、特別な支援を要する幼児のセーフティーネットとしての機能を果たすため、維持継続されたい。

また、未就園児クラスが実質的に需要の高まる中、3歳児クラスを実施している園で抽選もれで入園できない児童が多いことなどを考慮し、3歳児保育の拡充を図られたい。また、一時預かり事業(幼稚園型)については、制度の充実を図られたい。

 ⑭ 保育・幼児教育センターにおいて幼児教育・保育の質的向上に取り組まれたい。

 土地の高度利用が進んでいる都市部において、保育所・幼稚園・学校等の園庭で必要な日照を確保するため、関係法令等の整備を国に要望されたい。加えて、保育所・幼稚園・学校等の園庭への日影の影響が大きい建築計画については、必要に応じて建築主に対して、周辺の方々への事前説明を十分に行うよう行政指導を徹底されたい。また、日影の影響を少なくする建築形態について自主的なルール作りができる建築基準法に基づく建築協定制度の周知に努められたい。

⑯ 若い世代が住む活力あるまちづくりを進めるため、家賃補助制度などの新婚世帯向け住宅施策や、子育て安心マンション認定制度、分譲住宅購入融資利子補給制度、民間賃貸住宅に対する支援などの子育て層向け住宅施策を一層推進されたい。

⑰ 少子化対策の重要性が増す中、講座や交流会など、結婚を願う独身男女の出会いのきっかけづくりについて、本市の関与を検討されたい。

⑱ 児童虐待ゼロを目指し、虐待の予防及び早期発見から虐待を受けた児童の保護及び自立支援まで、児童を虐待から守るための総合的な施策を推進されるとともに、その中心となるこども相談センターの機能強化や児童虐待防止地域ネットワークの充実を図られたい。

⑲ 少子化社会の中、安心して子どもを生み育てることができ、子どもたち一人ひとりがいきいきと輝き、伸びやかに育つ環境を創出することは非常に重要である。このような次世代育成支援の観点からは、すべての子どもに等しく医療を提供すべきであり、現在大阪府下においても堺市をはじめ39市町村が乳幼児医療費助成の所得制限を設けていない。

よって、大阪市においてもこども医療費助成の所得制限を廃止されたい。

⑳ 青少年の健全育成を図るため、総合的な青少年施策の推進に努められたい。

㉑ 放課後児童の健全育成については、すべての児童を対象とした児童いきいき放課後事業といわゆる学童などの留守家庭児童対策事業の利用実態を踏まえた活動内容等の充実強化に努められたい。

㉒ 子供や家庭を社会全体で支援し、健やかに成長できる環境づくりを図るため、児童育成施策の推進に努められたい。特に、地域における推進組織としての各区「青少年育成推進会議」活動の充実を図られたい。

㉓ 青少年が豊かな心を育むことができるよう、地域において世代間の交流事業を推進されたい。また、子供たちが様々な体験活動を通じて、個性と創造性を伸ばし、自己の可能性を広げる施策の充実を図られたい。

㉔ 青少年指導員、PTA、子ども会育成連合協議会等の充実強化を図られたい。

 塾代助成事業については、学力や学習意欲の向上、個性や才能を伸ばす機会を提供するとともに、子育て家庭の経済的な負担を軽減して可処分所得を増やし、地域経済の活性化につなげるという、当初の目的が達成できているかどうかの効果検証を行われたい。

㉖ 幼児教育無償化の実現に向けた制度化及び財源の確保について、国への要望を継続し、本市における他の事業への過度の圧迫をせずに事業を推進されたい。

㉗ 「大阪市子どもの生活に関する実態調査」の分析結果等から見えた課題の解消に向け、平成29年度末に策定する(仮称)大阪市こどもの貧困対策推進計画に基づき、こどもの貧困対策のための施策を推進するとともに、必要な支援が行き届くための仕組みづくりを行うこと。

また、必要な施策の推進にあたっては、社会全体で支える取組みとするため、NPOやボランティア、経済団体、教育機関などとも連携・協働すること。

㉘ 児童相談件数、特に児童虐待に関する相談件数が引き続き増加傾向にあり、より一層の児童相談所の機能強化のため、3カ所目となる児童相談センター(児童相談所)の開設に向けて取り組まれたい。

また、児童自立支援施設において、複数の課題を抱える児童入所が増加しており、よりきめ細かいケアや対応をしていくため、職員体制の一層の充実に取り組まれたい。

㉙ 保育サービス等の事業量に対する取り組みを検証し、子どもや子育て家庭がおかれている環境や地域の実情を踏まえ、制度内容の改善と事業計画の適切な見直しを行うこと。


3.生命・財産を守るためのインフラ整備の推進

 市民生活の安全確保のため、道路、橋梁、河川、下水道などの都市基盤施設の適時・適切な維持管理に努めるともに、橋梁や高架道路における耐震性向上のため、補強工事などの耐震対策を早急に進められたい。

 基幹施設の耐震性強化、配水場の拡充等による給・配水拠点整備、停電対策の強化並びに管路の耐震化や幹線のネットワーク等の配水管整備を推進し、地震等の異常時においても給水を確保できる、信頼性の高い水供給システムの確立に努められたい。

 南海トラフ巨大地震や上町断層帯地震など東日本大震災を踏まえた防災対策の一層の充実を図るため、現在、本市で取り組んでいる津波避難ビル指定及びそれを活用する対策を進めるとともに、民間ビルも含めた地下街、地下駅における浸水防止対策の促進を図るなど、さらに積極的な施策の展開を図り「災害に強いまちづくり」を推進されたい。さらに、あらゆる危機事態から市民を守るため、危機管理機能の強化を図り、市民生活の安全確保に万全を期されたい。

 地域における自主防災組織の育成や連絡体制の強化、支援を必要とする障害者・高齢者等を視野に入れた災害時の効果的な活動が即時にとれる体制の整備を図るため、連合振興町会等の地域活動団体が主導し、次代の担い手となる中学生等の若い世代の参加する防災訓練が市内各所で実施されるように取り組みを推進し、区内での一体的取り組み、さらに市全体で取り組めるよう努めるとともに、備蓄物資の配備など災害応急対策を充実されたい。

 ライフラインが途絶した状態で自宅での生活をされる、いわゆる「家庭内避難民」に対しても避難所で生活をされている方々と同様の支援を図れるように啓発されたい。

 大規模災害発生時等の初期活動を迅速かつ的確に実施するため、防災拠点の効率的な運用とともに、情報通信システムの再整備等、災害時の情報伝達機能の充実、初期初動体制の強化を図られたい。

 市民の生命・財産を守るべき基礎的自治体として防災能力を高めるとともに、市民の防災意識や地域の自主防災力の向上を図り、さらに大規模災害時に人命救助や救護活動に万全を期すためにも、市民・行政・防災関係機関はさることながら、今後自衛隊を含めて、より一層総合的な防災訓練の取り組みに努められたい。また、大震災等の災害時に遅滞なく自衛隊の救援活動が行えるよう、大阪市地域防災計画に基づく施設の提供、災害派遣計画や防災情報に関する意見交換、市内の地域防災訓練への積極的参加等、日頃から自衛隊との交流・連携を図られたい。

 災害発生時に被害の拡大を防ぎ、防災活動、避難活動が容易となる安全性の高い都市を形成するため、ヘリポートの整備、広域避難場所の確保、公共施設(区庁舎等)の耐震強化、避難路や避難場所となる道路・街路及び公園の整備を進められたい。都市の不燃化促進、耐震診断・改修補助制度の積極的な活用等による木造住宅やマンション等の耐震性・防災性向上、多くの市民が利用する大規模な建築物等の耐震化に対する支援など、災害に強いまちづくりを推進されたい。

 東日本大震災を教訓に、南海トラフを震源とする新たな地震・津波シミュレーション結果を踏まえて、防潮堤の耐震強化を含む地震・津波対策の充実に向け、国に対して新規制度の創設など財政的支援の拡充を求めるなどにより、必要な財源を確保し、災害に強い港づくりをより一層推進されたい。

 消防職員の教育訓練施設である高度専門教育訓練センターにあっては、教育訓練の内容及び施設の更なる充実強化を目指すとともに、府内の代表消防本部である大阪市が中心となって府内消防本部の水平連携をより一層推進し、広域的な大規模災害発生に備えた消防力強化に向けた取り組みを進められたい。

 「市民防災研修アクションプラン」の策定に伴い、市民の年齢層に応じたさまざまな研修や訓練の体系的な実施を図られたい。

 高層ビル、地下街、地下鉄等の防災対策の強化を図られたい。

⑬ 大規模災害時における燃料確保のための対策を図られたい。

 特別査察隊をはじめとした査察体制を強化し、雑居ビル等の複合用途防火対象物の実態把握を図り、消防法令違反対象物の是正指導を一層徹底されたい。

 消防器具機材の整備及び時代に即応した高度情報化の推進など十分な措置を講じられたい。

 傷病者の救命効果を高めるため、救急救命士の処置拡大に伴う教育体制の整備など救命救急業務の充実強化を図るとともに応急手当普及啓発の推進に努められたい。また、救急相談業務の一層の充実に努められたい。

⑰ 大規模災害時には通電火災が多くみられ、その被害軽減には感震ブレーカーの設置が大変有効である。普及効果を高めていくため、普及啓発に加え、補助制度の導入を検討されたい。

⑱ 障害の特性から、大勢の人がいる環境にいることが苦痛で、避難所の中にいられないなどの状況が発生することが想定される発達障害児・者等への、避難所等における支援を図られたい。

⑲ いまやペットは心の支えとなっており、ペットを切り離した避難を考えることは難しい一方、衛生面等でトラブルになることもあることから、災害時の避難におけるペットの取扱いに関する対策を図るとともに、他都市の事例も踏まえ、ペット避難所に関する調査・研究も行われたい。

⑳ 日本各地で多発する土砂災害や豪雨水害などの経験を踏まえ、災害発生リスクの高いエリアに居住する住民の避難行動を支援する取り組みを実施されたい。

  さらに、総合的な治水対策の観点から、治水施設の整備を行い、水害発生を想定した万全の備えを行われたい。