Ⅳ.市民のための政治・行政改革

1.継続すべき市政・区政改革

 服務規律刷新PTによる取り組み等により、服務規律確保の効果が一定見られるなか、不祥事の根絶に向けた一層の再発防止策を講じ、市民の信頼確保に全力を尽くされたい。また、処分にあたっては、その公平性・客観性・妥当性を確保するとともに、研修等の充実による職員の意識改革も引き続き進められたい。

 市民等から批判のある労働組合との関係については、一層健全な労使関係を構築し、引き続き予算の編成や組織・人事に関することなど管理運営事項については職制が責任をもって実施するとともに、交渉・協議のプロセスや結果等について引き続き情報公開を徹底されたい。

 依然として厳しい財政状況のなか、未利用地については、売却一辺倒ではなく、今後は定期借地方式及び一時貸付方式の積極的な利活用により財源確保を図られたい。また、売却等にあたっては、まずは地元及び議会に対し説明責任を果たされたい。さらに、未利用地を取り巻く状況の変化等により、個々の土地の活用方針の再検討が必要なものについては分類の見直しを図られたい。

また、もと学校用地の活用については、これまでの学校と地域とのつながりに配慮し、教育関連施設の誘致を含め、まちづくりの視点をもって慎重に進められたい。

 ATCなど負の遺産の処理については、将来に経営破綻を来すことのないよう、経営再建や抜本的対策に全力を尽くされたい。

 地対財特法期限後の関連事業等については、総点検調査結果に基づく方針に沿って見直しが行われたが、債権回収など残された課題について完全に収束されたい。

 リバティおおさかについては、当初の役割を終えたので、市の関与を一切なくすための見直しを進められたい。

 行政におけるITの活用を推進し、より一層の市民サービスの向上並びに行政運営の効率化・高度化を図るなど、電子自治体の取り組みを積極的に進められたい。

 高度情報通信社会にふさわしい先進都市を目指し、情報通信基盤整備の促進に積極的に取り組まれるとともに、地域課題の把握及びその解決に向け、市民や民間企業と協働するなどしながら、積極的なICTの利活用を進められたい。

 ITを活用し、市民の声のデータベースの活用を図るとともに、市政情報を積極的に発信し、大きく飛躍する新しい大阪を広くPRされたい。

 情報化の推進、環境対策、コスト削減の観点から、印刷物の整理統合などにより紙の減量化に努められたい。

⑪ 地域住民に最も身近な行政機関である区役所について、暮らしに関わる相談等を一元的に受け付け関係機関・窓口に適切につなぐワンストップの仕組み、地域の産業振興や区民生活に密接な事項に関する権限の区への移譲など、市民が実感できる区役所改革に取り組まれたい。

⑫ 区役所保険年金担当業務について、市民の給付と負担の公平化を図るため、適正賦課及び効率的・効果的な徴収に努めるとともに、各種相談業務の増加に的確に対応した窓口業務については充実するなど、利用する市民の立場に立って市民サービスの向上を図られたい。

⑬ 高齢社会到来のもと、保健・医療・福祉などに対する市民ニーズがますます多様化しているなかで、市民がよりきめ細かなサービスを受けられるよう、一層保健と福祉の連携強化を進めるとともに、高度な保健行政を目指して保健所の充実強化を図られたい。

 


2.真のあるべき改革へ(行き過ぎた改革への警鐘)

① 本市の財政状況に鑑み、大阪の持続的発展が可能となるよう施策の選択と集中を図り、人件費、福祉費などあらゆる分野にわたって歳出の見直しに引き続き取り組み、受益と負担の明確化を図り、負担の公平の観点から適正な賦課・収納率向上への取り組みによる歳入の確保を目指して、透明性を確保しながら計画性を持って財政構造改革に取り組まれたい。

  また、市民・納税者の利便性に配慮しながら、引き続き効率的な税務行政の推進を図られたい。

② 歳出の削減に向け、行財政の効率化を図り、基礎教養や専門学識を有する良質な職員を計画的に新規採用するとともに、生産性の向上とあわせ人件費総額の縮減に引き続き努められたい。ただし、職員の給与減額措置については、賃金上昇等による経済の好循環実現に向けて国を挙げて取り組んでいる状況や、職員の士気・人材確保に与える影響だけでなく、ラスパイレス指数が政令指定都市で最下位である状況等もふまえ、早急に解消されたい。

また、市政改革の推進にあたっては、市民への説明責任を十分果たしつつ、市民サービスの低下を来さないよう留意するとともに、中長期的な財政状況見通しとのバランスを考慮した計画的な実施に努められたい。

③ 本市の財政状況をふまえ、社会経済情勢の変化や多様化する市民ニーズに的確かつ効率的に対応し、真に必要な市民サービスを確保するため、官・民の役割を踏まえ、常に最も適切な者が担い手となるよう取り組まれたい。

また、改革の推進にあたっては公務員としての資質の向上や能力の再開発はもとより、その能力や実績がプラス面においてこそより的確に反映されるよう、人事・給与制度の継続的な検証と改善に取り組まれたい。

④ 平成2910月1日時点で26ある外郭団体については、本市の行政目的及び施策をより効果的かつ効率的に実施する観点を踏まえたうえで、本市の人的・財政的関与のあり方の見直しを図られたい。また、固有職員の勤務労働条件にできるだけ影響が及ばぬよう配慮されたい。さらに、団体運営の効率化を図るとともに、団体の自立性の向上を図られたい。

⑤ 地方分権の時代に対応した行政システムを確立するため、区・局における施策の選択と集中の取り組みを一体的に示した運営方針を策定し、取り組みの進捗や目標達成状況について点検評価を行い、その評価結果を予算編成や次年度運営方針の見直しなど市政運営に反映させるようPDCAサイクルのさらなる推進に努められたい。

⑥ 全職員が一丸となって施策の推進に取り組むため、区・局の使命や目標を明確に示した区・局運営方針を策定し、職員一人ひとりが主体的かつ創意工夫をしながら着実な実施を図られたい。

⑦ 区民の意見を区政に反映するための区政会議については、多様な意見が活発にかわされる場となるよう、効果的な運営に努められたい。

⑧ 多様化する市民ニーズに迅速に対応するため、局事業所等との間で総合的な調整機能を発揮できるよう、また、区域を超えた課題に対しても、より大きな規模での事業展開が行えるよう、市民サービスの向上の観点を踏まえつつ、個々の行政区の範囲にとらわれない、効率的な事務のあり方について検討されたい。

⑨ 地域サービス系の路線バスについては、地域の実情に応じた真に必要な移動手段の検討や確保が行えるよう、関係部局がより一層緊密に連携されたい。

⑩ 株式会社化後の交通事業については、我が会派から要望した12項目の趣旨を含む基本方針を確実に実行または着手するよう、適切に監理すること。

とりわけ、バス事業については、大阪シティバス株式会社を本市と地下鉄新会社があわせて100%株を保有する子会社として、公的関与を残した上でのグループ経営を図り、地下鉄の輸送サービスを補完し、市民の最も身近な公共交通インフラとして、地域の移動手段としての役割を果たすよう、不採算であっても必要な路線については、大阪市が一定の支援を行うとともに、事業者として、路線サービスを維持できるよう適切に監理すること。

⑪ 水道事業については、市民生活を支える極めて重要なライフラインであり、何よりも安定供給が求められる事業であることから、経営形態の見直しの検討については、水需要の減少が続く中にあっても安心・安全の確保を図るなど、公共性を十分に担保することを前提に慎重に検討すること。

⑫ 水道事業については、市政改革の中で自ら抜本的な経営改革を推進し、経営基盤の強化を図るため、より一層の経営の効率化に努めるとともに、資産の有効活用や国等からの公共助成の確保による収入の確保にも全力を挙げられたい。また、市民サービスについては、創意工夫を行い、拡充を図られたい。

⑬ 市民が、市の歴史や文化に触れ、大阪市への愛情と誇りを育む契機とするため、「大阪市民の日」を制定されたい。

⑭ 市民の生命・健康に対する十分な議論が行われないまま、環境科学研究所の廃止が議決され、府市施設一元化の検討が行われているところである。健康危機事象発生時に市民の生命・健康を守るという、本市の公衆衛生に対する責任を果たすべく、廃止を撤回されたい。

また、環境科学研究所を廃止した後の一元化施設については、100億円を超える多額の整備費用が見込まれている。財政状況の厳しい大阪府から、本市が過度に負担させられることが無いように十分に留意されたい。

⑮ 総合区素案では、総合区とは別に議論が必要であるはずの合区が前提となっているため、市民に対して総合区の本質が伝わらず、単なる区割り議論に終始しかねない。総合区の検討にあたっては、まずは24区を総合区にすることから始め、合区をするか否かといった非常に重要な事項については、行政区審議会を設置するなど、市民の理解を得ながら合意形成されたい。また、都市内分権の拡充という観点と合わせ、議会とも慎重な議論を重ねられたい。

⑯ 特別区素案では再編効果額が示されていないが、市民に対して適切な判断材料を示さないまま、判断を求めることがあってはならない。なお、特別区を設置することでしか発現し得ない効果に絞って整理された上でないと、議論を進めることができない。

また、財政調整制度を安定的に運営していくためには、地方交付税相当額を財政調整財源に加えることが不可欠であるが、そのために必要な法改正は地方交付税制度の根幹にかかわる問題であるため、国における結論が出る前に、住民投票を行うなどは言語道断である。バージョンアップが整わない今、早々に特別区議論を終息されたい。

⑰ 大阪市の将来像として、東京の後塵を拝する「副首都」ではなく、関西圏全域で首都圏に対抗する中での中核的役割を果たすことが求められる。首都圏に対抗する関西圏の母都市として、将来的な道州制の導入を視野に入れ、関西州の州都を担う都市機能の充実強化を図られたい。