2017年03月05日

交通事業の株式会社化について

交通事業の株式会社化について。
 
この件についても、私の個人的な考えを書かせていただきます。
 
■2段階議決について
 
まず、そもそもの話ですが、交通事業の株式会社化の議決の流れは、地方自治法96-2に基づいて、株式会社化基本方針を議決対象として、その後の廃止条例とあわせて、2段階議決にしています。
 
これは、民間の意思決定のやり方を参考にしています。
 
民間では大型投資などを進める場合には、まずその方針について決裁を取ります。
 
その後、順調に準備ができ、方針決裁の内容に関して、その通りに履行されたり、履行されることが担保され、かつ社会情勢などの変化がない場合に、最終の決裁として「実施決裁」を行って大型投資を進めます。
 
今回の地下鉄事業の株式会社化については、方針決裁にあたる「基本方針議決」に基づいて、株式会社化の準備を進めていく中で、予定通りに準備が進み、かつ履行される担保も取れ、実施が可能になり、さらには、その状況で基本計画と大きく状況の変化もなく、社会情勢の大きな変化もなければ、株式会社化直前に実施決裁にあたる「廃止条例の議決」になるというのが、そもそもの流れです。
 
その流れで言うと、今回の交通局の出してきた「廃止条例案」については、まだその段階ではないと考えています。「基本決裁」が通って、何も進んでない中ですぐに「実施決裁」と言うのは、あきらかに2段階議決にした趣旨が理解されていません。
 
その点を交通局に申し上げましたが、システム改修をするには「廃止条例の議決が必要」と回答が返ってきました。
 
それは、そもそもの基本方針の議決の条例の建付けが悪かったのではないでしょうか。私は、二段階議決のアイデアを出した時からこの点は何度も申し上げてきたつもりなのですが…。
 
■いわゆる12項目のペーパーに書かれた大前提について
 
市長に申し入れたいわゆる12項目のペーパーには、大前提が書かれています。
 
それは、「公的担保」について、国への特別法などの制定や、退職金の新会社への引継ぎ、税制改正など要望活動を共に進め実現させるというものです。
 
この「大前提」についての対応が全く取れていません。確かに、国の法改正などはかなりハードルが高いと思います。
 
しかし、実現できないのなら、大阪市としてどのように「公的担保」をとるかを考えてもらわなければなりません。
 
退職金の引継ぎ問題は、割り増し分については、そもそもは退職金積立金の債務負担分を超える部分ですので、せめてこの部分の退職金に関しては、新会社に引き継ぐことや、
 
特別法に関する部分は、外郭団体の監理基準だったか規則に準じて、大阪市の関与について、社長人事の議会同意、株の売却、増資、社債発行などなどについては議会の議決事項とするなど、公的関与の担保をとるなど、
 
条例化等が必要かと思います。
 
■サンクコスト(埋没コスト)について
 
先に書きました「システム改修費」についてですが、廃止条例の議決がないと予算の執行ができないということですが、システム改修の期間に大きな社会情勢の変化などがあった場合、どうなるのでしょうか。
 
過去、こういう状況で、「もう準備費用をかけたから前に進めるしかありません」と言って、結局は、大きな失敗をしてきたのではないのでしょうか。それが大阪市の負の遺産と言われているものではないのでしょうか。
 
自民党は、過去の反省に立ち、常に「立ち止まる」ことを考えなければならないとの思いで、2段階議決のアイデアを提案しています。
 
もし、システム改修費をかけたけれども、その後、大きな状況の変化や社会情勢の変化があった場合は、立ち止まらなければなりません。
 
その場合は、それまでに投資された費用は、経済学的によく言われるサンクコスト(埋没コスト)として考えなければ、結局は過去の失敗を繰り返すだけとなってしまいます。
 
そもそも「廃止条例」は、「事業を廃止します」「施行日は市長が定める日」としか書かれていません。
 
ようは、ここから先は「市長に白紙委任」ということになりますので、一旦進んでしまうと、もう誰にも止めることができないのですから。そうやって大阪市は過去、失敗してきたんですよ。
 
だからこそ、地下鉄事業の株式会社化は「政局」ではなく、「政策」でしっかりと考えて着実に進めていきたいと思っています。
 
(facebookより転記 2017.03.05)
 大阪市会議員_川嶋広稔_Facebook


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