いのししの燻製内祝い

2007年10月13日

和牛のオリンピック

 久しぶりの書き込みです。子どもの誕生など、本来であれば書くべきことはたくさんあるのですが、14日まで開催中の和牛博について少し触れたいと思います。

 実はこの催しすごいんです。何がすごいかと言うとこの大会でここ5年間、種雄牛だと10年以上もの間、和牛のスタンダードが決まってしまうからです。いわば和牛の価値(今は脂肪交雑の状態に応じた等級で見るのが一般的)の決めてしまう大会なのです。

 私は霜降り信仰が転換期を迎えるのではと、ひそかに期待して今回の大会に注目していました。前にも書いたかも知れませんが、鳥取県をはじめとする中国産地の周辺は巷を席巻している但馬系以外の系統がまだ残されている地域であり、それらの見直しが進むのではと思っていたからです。

 思うに肉の旨さは、育てた期間やえさの種類、成形した後の熟成の度合いなどさまざまな条件で決まります。それぞれの系統に適した条件が研究されてこそ、面白さが加わるはずです。今のように脂肪交雑や口溶けだけを基準にしていれば、いずれ限界が生じることは請け合いです。

 そのような意味で鳥取県勢の活躍に期待していたのですが、思うような評価が得られたとは正直、言えませんでした。今後、和牛改良がどういう方向に進んでいくのか懸念すら感じます。

 ただ、岡山県の関係者とも話したのですが、今回の催しは和牛の置かれている状況を肌身で体験するにはとても良い機会でした。審査には各県の関係者に混じり、オーストラリアやアメリカ、韓国など海外の農家の姿もありました。何年か後には、彼らとの競争も始まるかもしれません。

 また、よく手入れをされた和牛に感心している人も多く見かけました。よく競走馬の美しさに惹かれる人がいますが、あれと同じ感動を味わっている人もいて、微笑ましく感じました。和牛を身近に感じるという意味では、非常に良い機会と言えます。

 私はたまたま和牛農家の近くに居て、機微をつぶさに見つめることができましたが、牛舎の中ではいろいろなドラマが繰り広げられていました。ここでは詳しく書けませんが1つだけ、差し入れで届いた旬の香茸を用いたおにぎりが美味しかったことは忘れられない思い出です。

 大会は残すところあと一日、お近くの方はぜひ足を運ぶことをおすすめします。
 


kawatomo1123 at 21:09│Comments(4)TrackBack(0) 

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この記事へのコメント

1. Posted by 妻   2007年10月15日 09:39
あぁ、イベントに行きたかったなー。
お肉は食べられましたか?

from kyoto
2. Posted by りょう   2007年10月15日 12:37
無事出産されましたか、おめでとうございます。
書き込みが無いので心配していましたよ。

牛博は人ごみが凄いと聞いて行きませんでした。
勿体無かったですね。
3. Posted by kakko   2007年10月15日 20:20
りょうさん
 ありがとうございます、元気な女の子です。確かに人混みはすごかったですね。
でも牛舎方面は関係者ばかりで人が少なかったです。ピカピカのきれいな和牛をぜひ
見てほしかったです。

妻へ
 香茸ご飯、本当に美味しかったんで持って帰りたかったよ。
牛肉は結局、一切口に出来ず。ただ近く和牛農家の慰労会に出席する
ことになりそうです。
4. Posted by 妻   2007年10月16日 10:44
りょうさん→
ありがとうございます。今は、実家で
のんびり子育て中です。

KAKKOさん→
香茸ご飯めっちゃおいしそう。
秋らしくていいですね。

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