名南経営 河津勇のツンドク?ヨンドク?

税理士法人名南経営 河津勇 公式ブログ。新刊ビジネス本から、皆様のビジネスに役立ちそうなヒントをあれこれ探ります。毎週日曜日更新中。

2013年07月

  TEDって皆さんご存じですか? DVC00351http://www.ted.com/ 
テクノロジー(T)、エンターテインメント(E)、デザイン(D)の3分野から感動や衝撃をもたらすアイデアを紹介し広めることを目的としたNPOです。

  特に知られているのが、会員のみが参加出来るカンファレンスと誰もが無料で観れるネット配信です、日本でも毎週月曜日の23時から「スーパープレゼンテーション」というタイトルでNHKで放送されていますので、ご覧になった方も多いかもしれません。 http://www.nhk.or.jp/superpresentation/

  たった18分間のスピーチですが、自分のあまり関心のない分野でも、ついつい見入ってしまうことがあります。

  TEDのプレゼンターには、「TEDの十戒」なるものが、提示されるそうです。

  ①十八番の披露にとどまることなかれ。
  ②大きな夢を語れ、あるいは人々の驚きを誘う新しい何かを示せ。
    もしくは、はじめて明かす話をしろ。
  ③ストーリーを語れ
  ④闇に葬り去られたくなければ、ステージ上での売り込みはやめるべし。
    会社や商品、著書の宣伝をするなかれ。資金調達を請うてもいけない。
  ⑤「笑いは宝」と心得よ。
  ⑥好奇心と情熱を惜しみなく示せ。
  ⑦良き関係づくりと最高の議論を目的として、他の話し手の発言には自
    由に意見を述べるべし。
  ⑧自慢話に終始するべからず。己の弱みを隠すなかれ。成功とともに
    失敗を語れ。
  ⑨原稿を読むべからず。
  ⑩次の話し手の時間を奪ってはならない。

  この「TEDの十戒」をベースに、過去の名スピーチの分析から、優れた
プレゼン術を解き明かそうというのが、この本のテーマです。 

  仔細なノウハウの紹介は、割愛させていただきますが、世の中にプレゼ
ン術の本は数多くあれど、この本が優れているのは、ノウハウの解説を読
んだ後で、自身でネット検索して実際のプレゼンを観ることが出来ることで
しょうね。

   例えば、このブログの第一回目で紹介したダニエル・ピンク。
彼のプレゼンも紹介されていますが、ちゃんと日本語の字幕付で観ること
が出来ます。http://www.ted.com/talks/dan_pink_on_motivation.html
(2009年版なので、ちょっと古いですが)

  まさに百聞は一見にしかず。
お金をかけずに、プレゼン能力を高めるには、絶好の方法かもしれませ
んね。(笑)

 200ページ程と薄く、1,200円と価格も安いので、機会があれば是非ご
 一読を。

DVC00311 Googleが実施していることで、有名になった20%ルール。
これは、「すべてのエンジニアは仕事時間の20%を自分の好きなプロジェクトや重要だと思われるプロジェクトに費やしてよい」とするもので、ここからGmailやGoogle Newsは生まれたと言われています。
   確かPost-itで有名な3Mには15%ルールというのが、あったように思いますのでイノベーティーブな企業には、そういった活動を是とする風土があるのでしょうね。
 
 さて当書の著者はGoogleやYahooといったIT系だけでなく、学校やレストラン、市民メディア等、20%ルールの精神に基づいて飛躍的な成長を遂げた企業や団体への取材を通じて、これらの企業や団体には、共通の傾向があることを発見します。そしてそれを「20%ドクトリン」と定義しています。

ちなみにドクトリンとは、「教義、主義、政策上の原則」といった意味があるそうです。
 
 共通の傾向には次の様なものが掲げられています。

  ①(従業員が)創造性を発揮する自由を与える
  ②(何故それを作りたいのかという)情熱を理解する
  ③(最初の)製品は悪くていい
  ④(既存の経営資源を)再利用する
  ⑤すばやいイテレーション(改良・改善)を繰り返す
  ⑥学んだ教訓を伝える(売り込む)
  ⑦部外者を取り込む(協力者を増やす)
  
   人は本来、創造的であるし、自身が作りたいもの、やりたいものに取り組む時にモチベーションは高まる。まずは荒削りであっても、目に見える形にし賛同者を増やすことが肝心ということなのでしょうね。

   米国で20%ルールが着目される理由には、近年の経営環境下では、もはや従来の様に一部の経営陣が、トップダウンで組織を引っ張ることではイノベーションは生まれ難くなっていることがあるようです。
    また回復基調にあるとはいえ、高い失業率の中、厳しい労働条件下に置かれた労働者も多く、自尊心を取り戻させる機会につながることも期待されているのかもしれません。

    今後、日本でもこういった動きは増えるものと思いますが、果たして制度として公なものとした時に、どれだけ効果があるのか個人的には疑問があります。
往々にして、そういった行動に出れる人は変わり者であったり、反抗的な者であり、満たされない状況下でやることに醍醐味を感じるし、意表を突く発想を生み出すように思います。

    制度として定めるよりも、組織として、そういった行動を寛容する度量の大きさを持てるか。鍵はそこにある気がします。

 しかし異端の許容って勇気が要りますよね。
その勇気をもてる組織だけに次代を切り開く資格が与えられるのかもしれません。


 
                                                                                                                                    2013-07-20  VOL.3
 

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 新刊ビジネス本から、ビジネスのヒントをと言いつつ、今回は新刊ではなく4年前に発売された安藤竜二氏の「地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方」を紹介させていただきます。

 実は本日、弊社にて代表の吉田とDDR代表 安藤竜二氏との対談を行いました。対談内容は近日中に、中部経済新聞紙面に掲載される予定となっております。
 中小企業のブランディングについて、二人熱く語っておりますので、ご期待下さい。また9月27日には、名古屋市中区栄の日興證券名古屋支店セミナールームにて共催セミナーも予定しておりますので、お楽しみjに!
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  さて実は安藤さんと幣社との接点は、ほとんどありませんでした。

  私が個人的に安藤さんを知ったのは、数年前に観た東海テレビの「スタイルプラス」という番組の中の「東海仕事人列伝」というコーナーでした。
安藤さんが紹介された回を見て、岡崎に面白いことやっている人がいるな~と思い書店で手にとったのがこの本でした。

 〇藩? サムライ? 常識を覆す地域活性化の進め方
 〇薀蓄は一切無し!   行動や経験で培われた中小企業のためのブランディングノウハウ
 〇強烈な地域愛と、中小企業を元気にしたいという熱い熱い思い
 
 正直、衝撃を受けました。

 いつか会ってみたいし、出来れば何か一緒にビジネスが出来れば・・・
そんな思いから、数年。
今年1月に安藤さんの主催した「ファイティング交流会」で初めてお会いして、ようやくご縁が生まれ、今日の対談へと繋がりました。

 我々の様な会計事務所とは、行うサービスこそ違えど、地域の中小企業をより良くしていきたいという思いは一緒。
いい協力関係を築きながら、元気な中小企業をどんどん増やしていくような取組みが出来れば最高ですね。

                                                                                                                                       2013-07-16 VOL.2

DVC00275  「ハイコンセプト」「モチベーション3.0」のベストセラーで知られるダニエル・ピンク氏の最新作。
前2作は大前研一氏の監訳でしたが、今回はセールスがテーマのせいか神田昌典氏が監訳。9月のダニエル・ピンク氏来日講演も彼の会社が主催企画するようです。

 さて何故、今回新作のテーマがセールス(売り込み)なのか?
 
 彼はこう語ります。 

 ネット通販等の台頭で、もはやセールスという仕事は死に絶えてしまったのだろうか?いや実は違う。むしろその重要性は年々増してきているし、セールスに携わる人の数はどんどん増えている。
その背景には米国で顕著に見られるような下記理由があると。

 ①小規模起業家の増加
 ②職務境界の崩壊 
 ③産業構造の変化 
 
 仔細は省略しますが、今や大半のビジネスマンにとって、人に何らかの働きかけをし、アクションを起こしてもらうスキルがなければ、ビジネスそのものが成立しなくなりつつあると指摘し、それを広義のセールスと位置づけているようです。

 その上で、今後のビジネスマンが持つべき資質として

 ①同調     他者や集団、背景との調和をもたらす力
  ②浮揚力    精神的強靭さと楽観的見通しを併せもつ力
 ③明確性    不透明な状況を理解する力

 そしてセールスに必要なスキルとして

 ①ピッチ    売り込みのきっかけをどう作るか
  ②即興      予期せぬ事態をどう乗り切るか
  ③奉仕      人間味をもたせる 目的をもたせる

 を掲げています。

 やや抽象的な表現で、理解しづらい部分もありますが、各章末に設けられたサンプルケースで、事例紹介をしていますので、先にそれを読み、本文に進む方が理解しやすいかもしれません。

 よくある営業ノウハウ本と違い、安直な精神論に走ることなく、豊富な実験例やデータを基に、もはや全てのビジネスマンにとってセールススキルが不可欠であると説く本書の内容は大いに納得できるものでした。
  
 ビジネスに限らず、人を動かすことの機会は、思いのほか多いものです。

単なるビジネススキルとしてではなく、より良い人生を送る上でも、本書の提唱は、これからの人が持つべきライフスキルといえるのかもしれません。

                                                        2013-07-15  VOL.1

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