名南経営 河津勇のツンドク?ヨンドク?

税理士法人名南経営 河津勇 公式ブログ。新刊ビジネス本から、皆様のビジネスに役立ちそうなヒントをあれこれ探ります。毎週日曜日更新中。

2013年12月

写真  年末年始で、なかなかこれはという新刊がないので、ジャンル的には、ちょっとどうかなと思いつつ、今回はこんな一冊を紹介させていただきます。

 「カリスマ」とは何か。

 「カリスマ」と、辞書で引くと「超自然的、超人間的な力をもつ資質。預言者・呪術(じゅじゅつ)者・軍事的英雄などにみられる、天与の非日常的な力」とあります。

   と言われてしまうと、なんだかこれは一種の先天的な能力で、我々には縁遠いものであり、ましてや本書のタイトルにもある「誰でもなれる」というのには、違和感を覚えてしまいます。

  ところが本書では、カリスマとは訓練次第で誰にでも身につけられるスキルであると説いています。

  カリスマとは、絶えず発揮されるものではなく、一定の振る舞いを通じて発揮されるものだそうです。

   そしてその「振る舞い」の3要素とは①プレゼンス ②パワー ③誠意に分類されるそうです。

 ①のプレゼンスとは本来は存在感という意味ですが、本書では相手とのやりとりに全ての意識を集中させることとしています。
 
 ②のパワーとは影響力のこと。支配力がある。大金を動かせる。専門知識や知性が高い etc 様々な影響力があります。
 
 ③の誠意とは他者に対する善意。親切さ。利他的な気持ち。思いやり 等があります。

 人は直感的に相手が自身とのやりとりに本気で集中をしているかどうかを察しますし、また初対面の相手に対しては本能的に②と③を探ろうとします。そこで重要になるのが振る舞い(ボディーランゲージ)ということになるそうです。

   そしてその前提になるのは、自身の心の状態。カリスマに相応しい心理状態を維持することが、より効果的な振る舞いを生むとしています。
 
  本書では、具体的なエキサイズを通じ、この心理状態の作り方から、効果的な振る舞い(ボディランゲージ)の身につけ方について丁寧に解説がなされています。
また多くのビジネスマンにとって一番の関心時であるプレゼンテーションの場での具体的なテクニックについても言及しており、参考になる点も多いように思います。
 
  まずは意識的にカリスマらしく振る舞うこと。それが無意識のレベルで行えるようになった時に、人は自然とカリスマ性を身につけているのかもしれません。

  当然、相応の努力は不可欠ですが(笑) チャレンジする価値は大いにありそうです。

写真   先進国を中心に経済環境は厳しく、大手企業ですらその存続が危ぶまれ、雇用も非常に不安定な昨今。
今や、独立することよりも、雇われて働くことの方が、リスキーな選択になりつつあります。とはいえ、起業というのは少々荷が重い。

   そんな中、少額の資金でビジネスを起こし、好きなことをしながら豊かな生活を送る方法を見つけた人々がいる・・・・・

彼ら1,500名を対象に、数年にわたるリサーチをした結果、導き出されたマイクロ・ビジネスで成功するためのノウハウをまとめたのが本書です。

 ①初期資金は100ドル(1万円)~1,000ドル(10万円)
 ②年間の収益50,000ドル(500万円)以上
 ③資格や特別な技術は必要としない
  ④ごく小人数(自分1人、もしくは友人数人との場合がほとんど)

    リサーチ対象に際しての主要な条件は、上記の通りで、実際に紹介されている事例も下記の様なものであり、決してハードルが高いものでは、ありません。

 ・押し売りしないマットレス店
 ・キャリアウーマン向けヨガ教室
 ・(インドで)エクセルのインストラクター
 ・マイレージを効果的に活用する旅程を立てるという代行ビジネス
 ・ピアノ教師の「管理業務」を解決するためのソフトウェア開発
 ・結婚写真専門写真家 
※本書掲載以外にも、多くの事例が、このサイトで紹介されています  http://100startup.com/

   そしてこのリサーチから浮かび上がってきたのは、1万円起業がうまくいくための3つのルール。
 
 ①「共通部分」を探すこと
   自分が好きなことや得意なことと、他人の興味が重なる部分を探すこと
 ②スキルを転用すること
    特定の分野の第一人者にならずとも、自身が今持つ全てのスキルの中で、他人に役立ちそうなものを考える
 ③「魔法の薬」
   ①と②をまとめると、マイクロ・ビジネスを誕生させる計算式が見えてくる 「情熱やスキル+有用性=成功」

   これを前提に次の3つを準備すれば、誰でも起業のスタートが切れるのだとしています。

 ①製品またはサービス=あなたが売るもの
 ②代金を払ってくれる人びと=顧客
 ③支払いを受ける手段=製品またはサービスとお金を引き換える方法

  と書いてしまえば、ごくごく当たり前のことではないかと思ってしまいます。
確かにマイクロ・ビジネスというのは、決して新しいものではなく、商業が始まって以来ずっと存在をしています。

  ただ現在は、 IT技術の普及で、市場テストや事業の立ち上げ、拡大をかつてないほど、短期間で安価に実行出来る環境になっています。
  それゆえ、ちょっとしたアイデアさえ持っていれば、誰にでも起業は出来る。
だから臆することなく、まずはチャレンジしていこう。起業は怖く、難しいものだという自身の思い込みの壁を壊していこうというのが、本書の一番のテーマなのかもしれません。

  本書では、上記内容の他にも、簡潔ながら、アイデアの見つけ方、事業計画策定、営業、そして事業の拡大に至るまで、抑えるべきポイントが、よくまとまっています。
起業だけでなく新規事業やプロジェクトの立ち上げ時に、一読することで参考になる点も多いのではないでしょうか。
    
    

写真  3ケ月分のあらゆるテレビ番組を録画し、いつでもどこでも、スマホやタブレット、PCでのテレビ視聴を可能にする「ガラポンTV」のみを製造販売する家電ベンチャー ガラポン株式会社の物語。 http://garapon.tv/
 
   著者の保田氏(ガラポン 代表取締役)は、本書のタイトルにもあるように、 メーカー出身でもエンジニアでもありません。

  そんな彼が、家電メーカーですら作らないテレビ録画機を作るという一見無謀な試みに、なぜチャレンジしたのか。
  起業の思いから、試作機の製造、資金調達、仲間集め、量産機の製造販売から現在に至る経緯について語っています。

  ベンチャー企業ですから、相応の苦労はあった筈ですが、本書が何より素晴らしいのは。全編を通じ悲壮感がないこと。

  当初、起業にあたって自身が用意出来た資金は300万円。彼は自身が負
 う金銭リスクは、この300万円までと線引きをします。
  借金さえ背負わなければ、起業のリスクはしれたもの。失敗したら再就職すればいい。
   例え起業が失敗したとしても、企画を立て、人を集め、資金を集め、開発し、宣伝し、販売し、マネジメントをしてきた という経験は、採用の時の強みになるからと割り切ります。
それよりも、自身の思いをあきらめることの方がリスクとしては大きいのだと。
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彼はこうも語ります。

「ビジネスなら誰でもヒーローになれる」と。

 「ビジネスには、スポーツや音楽の様に、誰よりも速く走ったり、人を感動させるほど歌をうまく歌えたり、そんな飛び抜けた才能や技術は必要ない。

  ビジネスは、自らが気づいた「なんで?」と、その「なんで」を解決するソリューション(答え)があれば成立する。多くの人が「なんで?」という思いに共感してくれれば、ソリューションの価値は高まり、ビジネスは成長していく。

   やがて成長したビジネスは世の中を大きく変え、創業者は世の中を変えた人になる。そしてヒーローになる。」と。

   起業や新規事業を志す人に勇気を与える言葉ですよね。

  本書が優れているのは、こういったメンタルな部分に留まらず、著書自身の体験を踏まえ、起業し製品を世に問うまでのステップが、きちんと整理しまとめられていること。
それを端的に表しているのが、目次のすぐ次に、見開きページで描かれた「起業双六」。よく出来てます。

 200ページ程度で、活字も大きく、スラスラと読めますが、起業入門書としては極めて秀逸な1冊だと思います。

 ちなみに上記のガラポンTV参号機は、税込 41,800円。 一台いかがですか(笑)


写真  厳密には、ビジネス書というジャンルではないのかもしれませんが、今週はこの本を紹介させていただきます。

  「しんがり」とは、負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃ち、戦場に最後まで残って味方の退却を助ける者のことを言うそうです。

   1997年 簿外債務2,600億円が発覚し、自主廃業という形で破綻をした山一證券。

  顧客からの非難の嵐。無責任に逃げ出す幹部連中。そんな中で、破綻の真相究明を行い、清算業務を行った12人の「しんがり」達。

  彼らは、皆非エリートです。本流ではない業務管理本部で、「(カネを稼がない)場末の連中」と陰口を叩かれ、会社幹部に裏切られながらも、業務監査に従事していた面々でした。

  会社から、これまで遇されることもなく、真っ先に会社を見捨てても仕方がなかった筈なのに、なぜ彼らは会社に留まったのか。
  再就職にも出遅れ、一部の者は給与も出ず、なぜあえて、こんな貧乏くじを引くのか。何が、彼らを駆り立てるのか。

 仔細の紹介は省略させていただきますが、もし自分が、彼らと同じ立場に置かれたとしたら、果たして同じような行動がとれるのか。自問自答をしつつ、一気に読み終わってしまいました。

  破綻から16年経ち、山一破綻の記憶も風化しつつある中、関係者へ丹念にインタビューを行い、破綻の経緯や真相、最後の顛末までを丁寧にまとめあげた筆者の力量には感服です。
  また、やるせなさと憤りを覚えつつも、何故か読後に爽快感を覚えるのは、ここに登場する愛すべき「しんがり」達の人間的魅力に他ならないのかもしれません。

  その後の「しんがり」達の人生は、色々です。決して恵まれた状況にあるとはいえないのかもしれません。
それでも自分たちは、決して不幸ではないと語っています。

    それは、 きっと自分自身に正直に生き、苦境から逃げなかった者だからこそ、言える台詞なのでしょうね。

  もし今、所属する組織で不遇を感じたり、状況に悩んでいることがあるのなら、是非読んでもらいたい、素晴らしい1冊でした。

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