IMG_7139 「なぜ会社は変われないのか」で知られる柴田昌治氏。

   本書は、同氏の主宰するコンサルティング事務所、㈱スコラ・コンサルト http://www.scholar.co.jp/ に所属するコンサルタントの手によるものです。
  組織風土・体質改革の草分け的存在である同社ですが、本書の著者である岡本氏は「自慢の一品で会社を変える」ことをテーマにされているコンサルタントだそうです。

  さて「一品」とは何を意味するのでしょうか。
「一品」と辞書を引くと、 一つの品、ひとしなという意味と 最もすぐれたもの、絶品、逸品のことを指すと出てきます。

 本書では、「一品」を、「貴社-A ≒ 0」と定義し、「A」にあたる、商品やサービス、思想のことを指すとしています。
「一品」が無ければ、その企業の存在理由や存在価値は限りなく0に近づいてしまう・・・・・。
言い換えるなら、現存する全ての企業は何らかの「一品」を持っているともいえるのかもしれませんね。

 そしてそんな「一品」を核にした企業変革の手法について、分かり易く解説をしているのが本書です。
全体は大きく3つのパートで構成されています。

  ①「一品」の定義と、会社が変われない理由。そして「一品」がどのように会社を変えていくのかという総論
  ②5つのステップによる変革の手順。具体的なフォーマット類の紹介と解説
  ③9社の具体的な事例紹介

    著者は企業の変革の原則は、①なりたい姿 ②一品 ③役割超え であると語ります。
「なりたい姿」を明確にすることが、企業の構成員各人が自身の役割を超えた変革への推進力を引き出し、変わるための具体策を「一品」に定めることで、互いの思いが空を切ることなく変革を起こすことが出来るのだと説きます。
  先ほど、現存する全ての企業は何らかの「一品」を持っているのではないかと書きましたが、では自社の「一品」が何かと問われても、なかなか明確には答えれない企業も多いかもしれません。
 
  そこで5つのステップにより、自社の「一品」を定義し、変革に結びつける手法を紹介しています。

  ①「一品」を探す ②「一品」に込める ③「一品」を伸ばす ④「一品」で発見する ⑤「一品」で広げる

   全てのステップにつき、具体的なフォーマットが提供されていますので、順を追って取組むことが可能ですが、その前提となるのは「オフサイト・ミーティング」です。
 
 「まじめに気楽な話をする」場である「オフサイト・ミーティング」からはじめることで、構成員同士の相互理解を深めることが極めて重要だからです。
なぜなら、前述の通り企業の変革には、皆が自身の役割を超えることが前提であり、そのためには相互理解が不可欠なことは想像に難くないことと思います。

   丁寧に手法が解説されているとはいえ、なかなか具体的なイメージがつかないということであれば、事例紹介から読み始めてもよいかもしれませんね。

  本書は200ページ程度で、さほどボリュームはありません。
平易な文書で読み易い構成ですが、内容は示唆に富んでおり、気づかされることの多い1冊。お薦めです。


  さて今回が本年最後の当ブログとなります。一年間おつきあいいただきありがとうございました。

                                                                                           
                                                                                                                                    2015-12-26 VOL.131