IMG_7179   インターネットやIT技術を用い、場所に縛られない自由な働き方を可能とする「リモートワーク」。
「テレワーク」や「在宅勤務」と称されることも多いですね。
介護や子育て、地方移住などの課題解決に繋がる可能性を秘めていると言われることから、近年特に注目を集めており、総務省発表の情報通信白書
 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/h27.html 

でも、毎年取り上げられているテーマとなっています。

  本書は、「納品のない受託開発」という独特のビジネスモデルにより、ソフトウェア開発を行うソニックガーデン社 http://www.sonicgarden.jp/ の代表の手による「リモートチーム」導入の勧め。 

 「リモートワーク」に関する書籍は少なくありませんが、本書はそのタイトルを「リモートワーク」ではなく「リモートチーム」としています。
  それは単に在宅や遠隔地における個人の働き方を提案するものではな
く、きちんとチームとして機能し、成果をあげることを意図しているから。

 著者は「リモートチーム」導入のメリットをこう語ります。

  「会社に所属することで得られる安定した仕事と、切磋琢磨しつつ助け合える仲間の存在、そして自分の好きな場所で働ける自由の両立を実現することが出来る」と。

   さてそんな本書は、同社での実践を下敷きに、リモートワークの導入から、利用するツール、企業文化の醸成、チームのマネジメント方法、個人宅の環境整備など微に入り細に入った内容となっています。

   使用するツールは、チャット。朝礼は「社長ラジオ」と呼ばれる5分の音声配信。
勉強会や、なんと飲み会までリモートで実現してしまい、社員皆が集まることは半年に1回しかないそうです。

  ほんとにそんなことが可能なのか?疑問を持たれる方も多いかと思いますが、当然、その実現には、様々な工夫がこらされています。

  例えばリモートチームがうまくいくための3原則として、下記の様な内容が掲げられています。

  ①仕事中の雑談を推奨する ②ワークタイムを揃えて働く ③社員全員でリモートワーク

  一見、生産性を妨げそうな気がする雑談ですが、顔を合わせないだけにコミュニケーションの円滑化には不可欠な要素であったり、リモートワークだからといって各人がバラバラな時間で働くことは良しとしない。またワークシタイルに例外を持たせないなど、押さえるべきルールについては徹底させていることが窺い知れます。

  全編を通じ、「リモートチーム」導入に際し個人的に最も重要と感じたのは、参画する社員の意識の在り方でしょうか。一見自由な働き方に見えますが、その一方では各人がきちんと成果を上げなければ、たちどころに成り立たなくなってしまう仕組みでもあります。

  そのために欠かせないことは、セルフマネジメント。
与えられたタスクの分解や優先順位を考えた業務実施。業務の振り返りなどを通じ、自己管理が出来る人材が集い、かつそれをサポートする運営の仕組みがあることが、大前提なのかもしれません。
最もこれは「リモートチーム」に限った話ではありませんが。
  
  業種や業態などの制約もあり、あらゆる企業がこの「リモートチーム」導入が出来るものではありません。
しかし今後、労働人口が著しく減少し始める日本では、これまでの様な働き方が、いつまでも通用しないのも事実です。本書に掲げる新しい働き方のエッセンスから、示唆を受ける点も多いのではないでしょうか。

                                        
                                                                                                                                      2016- 1- 2 VOL.132