IMG_17432017-12-17  VOL.234

【概要】

 サニーサイドアップ www.ssu.co.jp/という会社をご存知でしょうか。1985年創業。東証JQGに上場する企業PRや販促支援、スポーツマネジメント支援を行う企業です。
 
 同社を一躍有名にしたのは、スポーツ選手のマネジメント事業。
 1991年、当時のサッカー日本代表の前園真聖氏のマネジメントを皮切りに、同じくサッカー元日本代表の中田英寿氏、水泳の北島康介氏、陸上の為末大氏、テニスの杉山愛氏などを手掛け、日本のスポーツマネジメントのスタンダードを作った企業とも評されています。
 
 本書は、同社の参謀として永らく同社の発展をささえ、コミュニケーション戦略を得意とするコンサルタントの手によるもの。

 PRの目的とは、「世の中に"楽しいさわぎ"を起こすこと」と語る著者の手による本書は、PR業界本でも、PR手法の教科書でもありません。
 現在はまちがいなく、今までで一番PRが世の中に必要とされる時代であり、企業も人もコミュニケーション巧者にならなければ生き残れません。本書はそんなPR的発想を各人が身に着ける有用性を目し記された一冊となっています。
 
【所感】

 5章からなる本書。1章ではサニーサイドアップの沿革や概要などが記され、2章から4章までは、同社がこれまで手掛けてきた事例などを引き合いにして

 ①PR的発想でコミュニケーション巧者になるためのコツ
 ②たのしいニュースのつくりかた
 ③ムーブメントのつくりかた

 といった章立てで、話題づくり、ニュースづくり、世の中の空気づくりのメカニズムを解説しています。我々がこれまで目にした事例も多く紹介されており、あ~あれってこういう仕組みや背景だったのかと気づかされる点が少なくありませんでした。

 本書で著者が一番伝えたいであろう、個人がPR的発想を生かすポイントについては、5章で端的にまとめられています。

 人に何かを伝え、動かすためには、「大義」と「共感」が必要なこと。いま(すぐ)やる理由をつくらなければ物事は前へは進まないこと。それでも価値観は強要出来ないことなどが記されています。
 また同章後半では、人材成長術と称し更に詳しく解説がなされており、若いビジネスパーソンには共感できる点、参考になる点も多いのではないでしょうか。

 個人のブランディングの必要性が叫ばれて久しく、またSNSの普及などで、我々を取り巻くコミュニケーション環境も大きく変遷を遂げてきました。

 伝える手段が多様で簡易になればなるほど、伝えたいことの本質が何かをよく考え、適切な手段を選ぶことの重要性を改めて気づかせてくれた一冊でした。

 冒頭から読んでも楽しめますが、より実践面に関心のある方は、まずは5章から読み進めるのもお薦めです。


                             東邦出版 2017年12月7日初版第1刷