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2019- 3-31 Vol.301

 

【概要】

 

 いわゆるノウハウ本の類はあまり紹介していない本ブログですが、今回はこんな1冊をご紹介します。

 毎日1枚の日報を書くだけで、業績があがるというPDCA日報。そのシンプルさと、理に適った考えに共感できることも多かった点が、今回取り上げさせていただいた理由です。

 

 さてそのPDCA日報。本書内にはサンプルの書式も掲載されています。
 書式の左上から順に 
①日付 ②元気の出る一言 ③夢・希望 ④今日の予定 ⑤実際の結果 ⑥すきまタスク ⑦じっくりタスク(期限) ⑧今月やりたいこと ⑨今日の目標 ⑩今日の結果 ⑪うまくいったこと・感謝 ⑫ルール化すること ⑬うまくいかなかったこと・反省 ⑭改善策 ⑮励まし・自分へのエール ⑯メモ といった項目で構成されています。実際の書式を見ないと、なかなか想像し難いかもしれませんね。

 

 端的に言えば 手帳(P 計画)+日記(D 行動記録)+日記(CとA 振り返りと改善)を1枚の紙にまとめた書式です。

 

 さて基本的な使い方は「④今日の予定」を朝に書き、「⑤実際の結果」を昼(仕事の合間)に書く。夜には、「⑪うまくいったこと」を振り返り 「⑫ルール化」したり 「⑬うまくいかなかったこと」を反省し「⑭改善策」を考えて翌日以降に再度トライする という流れとなっており、著者はこれを「朝5分 昼間ちょこちょこ 夜7分」で書くことを推奨しています。 

 

 本書は、そんな日報活用を推奨するコンサルタントの手によるもの。書式の使い方を含め、その活用により業績を伸ばした企業の実例が紹介されています。

 

【構成】 

 

 6章で構成された本書。1~2章は日報作成とPDCAサイクルを早く回すコツの解説 3章では4社の実例を紹介。後半3章は、前半の派生的な内容で、中小零細企業の2大弱点を克服するとし「営業」と「財務」について触れ、終章の6章では49の質問からなる「売上倍増シート」が用意されています。

 

【所感】

 

 PDCAサイクルを回す重要性については、誰もが理解をされていることかと思いますが、難しいのはその継続。始めてみたものの面倒で続かない。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

 どんなに忙しくても面倒でも、何もかも成り行きでということはなく、誰でも何らかの行動予定は立てるもの。

 本書で提唱されているPDCA日報は、日々の行動予定を基軸にすることで記入しやすく、また継続しやすくなっていること。上手くいったらルール化、上手くいかなかったら改善と、日々の行動のゴールをシンプルに、明確にしている点が非常に良いと感じました。また本書内では、作成するタイミングや投下すべき時間に言及しているところも、取り組みやすさを後押ししているのかもしれません。

 

 もちろん日報だけ書いていれば、業績が向上するなどと甘い話ではありません。

本書は、主として中小零細企業の経営者向けに記された内容ですが、それぞれの企業が抱える課題はケースバイケース。それでもどんな経営者でも事業を伸ばす力は必ず持っているのだと著者は説きます。足りないのは、それに気づき引き出す行動だと。

 

 自らがプレイングマネジャーとならざるを得ない中小零細企業の経営者は、非常に繁忙です。

「あれをしなくてはこれをしなくては」と思いつつも時間がなく、先に延ばしたり、そのうち忘れてしまったりすることも少なくありません。例えばこのような日報を通じてでも、そういった備忘を怠らず日々振り返る習慣が持てれば、随分とその結果は変わってくるのではないでしょうか。

 そのあたりは掲載された実例を参照いただくと、納得できる点も多いかと思います。

 

 さて明日から新年度。心機一転、日報作成に取り組むには、いいタイミングかもしれませんね。そんな一助になりそうな1冊です。

 

                    日経BP社 2019311日 第1版第1刷発行