2021- 2-21  Vol.400E2E0735B-FA5F-4A94-A63D-62628B5ECF7A

 当ブログも今回が400回目。足掛け8年、いつもお付き合いいただきありがとうございます。そんな節目にご紹介させていただくのは、こんな一冊です。

【概要】 

 連日のコロナウィルス感染症報道。いい加減うんざりすることありませんか。検査総数も明かさず、連日繰り返される感染者数。真偽のよくわからない対策。「痛い」の「痛くないの」レベルで語られるワクチン接種・・・・・。

 コロナウィルス感染症関連に限らず、一見、重要そうに見えて、実は単に我々にストレスを与え続けるだけの存在にすぎないニュースの数々。本書は、そんなニュースから自身を遠ざける「ニュース・ダイエット」の効用について記した一冊。世界的ベストセラーとなった「Think-clearly」の著者の手によります。

【構成】

 全35章で構成された本書。各章、4~6ページと手ごろなサイズにまとめられており、7章以降の章末には「重要なポイント」と称し、簡潔なまとめがついています。一読後に振り返ったり、時間がなければ、まずここを通読し、関心のある章から読むのも、よいかもしれません。巻末には、出自を明らかにした付録もついており、充実した内容となっています。

【所感】

 ニュースに関し、著者は下記の様な見解を記しています。

 □頻繁に流されるニュースほど重要性は乏しい。本当に重要なニュースは、なかなか表に出ない。
 □一見重要にみえて、我々自身に多大な影響を及ぼすニュースは実はとても少ない。ほとんどのニュースは我々にとっては無関係。
 □ネットニュースの様な断片的な情報を受け続けると、徐々に長文や書籍を読むことが困難となってしまう。 
 □メディアに登場するコメンテーターの様に、我々自身の意見は無理してもたなくてもよい。 
 □ニュースは信用出来るメディアの出版物などで、1週間単位で接すれば充分。
 □権威ある報道機関すら「PR記事」や「ネイティブ広告」の販売に力を入れている。
 □「悪いこと」は「よいこと」より重要と感じてしまう。など
 
 なぜ著者は、我々にニュースから遠ざかることを推奨するのでしょうか。
それは我々の時間を無駄にしないため。そして「集中力」や「意思力」を損なわないためと説きます。
 情報の豊かさは、受け手の注意力を消耗させてしまいます。また意思力すら消耗させてしまい、自身がやりたいことも成し遂げられなくなってしまうと警鐘を鳴らします。

 そのために必要なことは、自分の「能力の輪」の境界を見極めること。これは著名な投資家ウォーレン・バフェットが語っているそうですが、人は自身の「能力の輪」の内側のことは習熟できるが、その外側にあるものは、理解できないか、一部しか理解できないそうです。
 この境界を見極めることで、自分が入手すべき情報の選別が可能になります。そしてその輪の中で、自身の専門分野を掘り下げ「広い知識」より「深い知識」を身につけること。「専門バカ」になるか「敗者」になるか、我々には二択しかないのだから、選択すべきが何かは明らかと辛辣な考えも述べています。

 ニュースから自身を遠ざける「ニュース・ダイエット」に、まずは30日挑戦してみること。情報の入手先として、良質な書籍を読むこと。20ページ読んでも見識の広がらない場合、とっとと読むのをやめてしまうこと。同じ本を続けて二度よむことなど、情報を取捨選択しつつ、より有効に生かす実践法にも触れている本書。

 他者からの受け売りでない、自分自身で深く考察することの重要性。そのために必要なことは、多量の情報ではなく十分な時間。その時間をいかに創出するか。それを阻害する最たる例として本書ではニュースを取り上げていますが、人間関係や仕事、様々なつきあいごとなど、本書で著者の説くその考え方はニュースに限らず、広く応用される機会は多いのではないか。そんな印象も抱いた一冊でした。
                         
                            サンマーク出版 2,021年2月20日発行