
【概要】
辛口評論家として知られる佐高信氏が、主として上場企業や、その経営者について論じた1冊。
たとえどんなに表層を繕ったとしても、その企業のもつ体質(DNA)は、そう簡単に変わるものではなく、時にその異質さや異常さが、顔を覗かせることがあります。
その企業と何らかの関わりを持とうとする場合、特にその企業へ入社を希望するような就活生であれば、十分そういった点を理解し判断をしなければなりません。とはいえ、なかなかそういった情報を拾うことは難しく、またその真偽のほども定かではありません。
ならばその一助となろうというのが本書。佐高氏自身のインタビューや講演経験。過去の報道記事などを引き合いにしながら、80社ほどの企業について論じています。
辛口評論家として知られる佐高信氏が、主として上場企業や、その経営者について論じた1冊。
たとえどんなに表層を繕ったとしても、その企業のもつ体質(DNA)は、そう簡単に変わるものではなく、時にその異質さや異常さが、顔を覗かせることがあります。
その企業と何らかの関わりを持とうとする場合、特にその企業へ入社を希望するような就活生であれば、十分そういった点を理解し判断をしなければなりません。とはいえ、なかなかそういった情報を拾うことは難しく、またその真偽のほども定かではありません。
ならばその一助となろうというのが本書。佐高氏自身のインタビューや講演経験。過去の報道記事などを引き合いにしながら、80社ほどの企業について論じています。
【構成】
全8章で構成されています。製造業、インフラ系企業、金融系企業など7業種に章立てされており、製造業のみ、リーダーの資質、会社の品格と2章に分けて掲載されています。掲載企業1社につき2ページ~3ページのボリュームとなっており、読みやすい体裁となっています。
【所感】
佐高氏が本書冒頭で「会社を選ぶのに必要なのは、負の情報」と綴っているだけに、全般的な論調は企業や経営者への叱責。特に過去に社会問題とも言える事件を起こした企業については、それを風化させてはならじと、より厳しい筆致で記されているように感じます。
ただ批判ばかりでなく、高い評価をつけている企業もいくつか挙げられていますが、あくまで本書で取り上げた経営者が率いていた時代の話であり、過去はこういった素晴らしい風土をもっていたが、現在もそれは引き継がれているのか? と疑問を呈されている企業も散見します。
佐高氏が、評価する企業に通じるのは、「企業は公器」と考え一本筋の通った経営を断行した経営者の存在と、その姿勢が企業の体質(DNA)として確実に継承されているか否かという点。
本書内では、特に明かされていませんが、本書出版元の「日刊現代」のWebサイトでは、佐高氏が特に評価する企業として「城南信用金庫」「久遠チョコレート」「大川原化工機」の3社が挙げられていました。
「あの企業でこんなことがあったんだ。こんな経営者がいたんだ」と就活生のみならず、興味を惹く内容かと思いますが、惜しむらくは、引き合いに出されている企業や事例がやや古いことでしょうか。
また登場する経営者の在任期間や、過去に起こった事件性のあるものについても、時期の記載は、ほぼありません。ネット記事からの加筆訂正による編集のため、内容の分類整理など、正直書籍としてまとまった感はなく、ゴシップ記事の寄せ集め的な印象の強い読後感が残った点は残念でした。
日刊現代/講談社 2022年11月25日 第1刷発行
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