2023- 1-15  Vol.500BAED30FD-574F-4A70-B1DA-ABF2C36A5216

 10年前に始まった当ブログも、節目の500冊を迎えることが出来ました。これも公開していただける場があること、読んでいただける皆さまがあってのこと。心より感謝いたします。さて節目の今回ご紹介させていただくのは、こんな1冊です。

【概要】

 著者は、ジョージタウン大学マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授。職場の活性化をテーマにコンサルティング活動なども行っています。
 著者の前作「Think CIVILIT「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である」は礼儀正しさこそが、その人の評価を向上させ、職場の雰囲気を改善するとし、無礼な態度はコストも高くつくなどと指摘をした1冊でした。
 
 今回、本書で扱うのは「コミュニティ」や「帰属意識」の重要性。
 著者たちが2万人以上の人々に、仕事の生活の質について行ったアンケートでは、65%の人が職場でコミュニティも感覚を得ていない。他の調査では76%の人が職場のチームメイトとつながりを持つことが困難と答え、40%以上が職場で身体的、精神的な孤立を感じているそうです。

 孤独は仕事のパフォーマンスを下げ、創造性は減退していきますが、逆に職場でコミュニティ意識をもつことが出来ると、人々の仕事への取り組み姿勢は向上し、定着率は向上、また健康増進への寄与も大きいそうです。
 著者は「コミュニティ」とは、互いの幸福に配慮しあう個人の集まりと定義し、
これまでの経験を踏まえ、繫栄する「コミュニティ」を作る6つの方法として、①情報の共有 ②人の解放 ③尊重しあう環境 ④率直さの実践 ⑤意義を与える ⑥メンバーの幸福度を高める を挙げ、順に解説をしながら展開しています。

【構成】

 全2部10章で構成されています。前半の第1部では、前述した6つの方法を個々の章で紹介。後半第2部では、コミュニティに依存するのではなく、自らがコミュニティのリーダーとなるべく、心構えや考え方についての提言をし、行動を促しています。

【所感】

 シカゴ・ブルズ、クリープランド・クリニック、シスコ・システムズ、グーグルX、サウスウェスト航空を始め、数多くの事例が紹介されており、興味深く拝読しました。
 どの事例にも共通するのは、コミュニティの構成員同士(社員)がお互いに、優しさ、思いやり、尊敬の念を抱くこと。多様性を認めること。「ウェルビーイング」の重視。

 非常に幅広い意味で使われることの多い「ウェルビーイング」ですが、ここでは、社員が心身ともに健康で働ける職場環境を整えることと捉えるのがよさそうです。
 これは第1部、第2部、それぞれで独立した章としても取り上げられており、組織としての
「ウェルビーイング」個人としての「ウェルビーイング」双方からアプローチをしており、特に重視している点が印象に残りました。
 
 読み手が、個人レベルで本書の内容を実践するなら、個人向けに記された後半第二部が参考になりそうです。「ウェルビーイング」に加え、自己認識、(身体の)リカバリー、マインドセットが紹介されています。
 他者に優しさや思いやりをもって接したいと思うなら、まずは客観的に自分の感情や思考に気付いてなければならないとのことで、まずは自己認識の重要性を説き、ネガティビティな感情や人に左右されないマインドセットの在り方を説いています。
 より具体的な行動についても、言及されていますが、個人的にあまりテクニック的なことを考えることなく、まずは他者と積極的なコミュニケーションを取る勇気を持つことが肝要ではないかと考えます。そしてそのきっかけは、ほんの小さな挨拶程度のことで十分かと。さりげなく声をかける。何かしてもらえれば、お礼を伝える。難しく考えず、まずはそんなことから始めてみませんか。


                               2023年1月10日 第1版第1刷発行