2013年12月05日

特定秘密保護法反対デモ(大阪扇町公園)に参加して

昨夜12月4日の大阪扇町公園-大阪市役所の特定秘密保護法反対集会・デモ行進に私も参加した。私は政治的党派に所属してない一個人という立場であった。
国会での法案通過が懸念される緊迫した状況での緊急デモを組織された方々には敬意を表したいし、頭の下がる想いである。
IMG_0493



スラヴォイ・ジジェクあるいは宮台真司氏が懸念するような「デモに参加して(それだけで)溜飲を下げる」懸念は少なくとも私の場合皆無だ。むしろフラストレーションが溜まる。改善点だらけである。これでは反対運動が広範な国民的運動にならないのではないかとさえ危惧する。同様の意見をネットでも散見する。

即ち、さまざまに運営に対し「これは違うのではないのか?」という印象を抱いた。トータルとしての秘密保護法反対の考えそのものは変わらないのだが。以下に書くことはあくまで私個人のデモに関する感想であり、改善点、問題点の指摘である。
IMG_0494

いくつか思いつくままに挙げてみよう。

・演説をされた女性の一人が「自分は中国に行った。中国には何の悪意も無い。問題を悪化させているのは日本だ、とわかった。だから皆さん安心してください」という主旨の発言があった。今回は特定秘密保護法案反対というワンイシューによるデモだったはずである、集会の主旨とそもそも違うし、私は昨今の日中二国間の関係悪化の原因が日本に一方的にあるなどといった主張には全く賛成できない。私はこの時点で「間違った場所に来てしまったのだろうか?」と感じ、帰ろうかと思ったくらいだ。(どうやら国際政治に関してかなりナイーヴな考えをお持ちの方のようだった)

・デモ行進開始の際に拡声器とギターを持った男性が安倍政権への批判と思われる内容をアニメ「ちびまるこちゃん」の替え歌として歌い始めた。滑舌が悪くほとんど何を言っているのか、クリアには聴こえなかったし、メロデイと歌詞が全く合っておらず、替え歌としても単に変なもので、風刺の機能を果たしていなかった。むしろデモとしてはふざけた印象を与えるものであった(もちろん運動には多少のユーモアや愉しい側面があっても良いとは思う。しかしバランスを欠いていたと私は感じた)。

・シュプレヒコールも洗練されておらず、しばしば音頭をとる人が何を言っているのか、わからなかった。集団でのコールなのだから音節を短くし、明確で、わかりやすい主張をするべきだ(スポーツの応援では普通にやっていることだ)。しかしコールはしばしば冗長でリズム感も悪かった。反復できないコールをされて私の周囲のデモ参加者は何度もとまどっていた。
IMG_0498

つまり単なる運営側の自己満足に終わっているのではないのかと懸念せざるをえなかった。デモに遭遇した道行く他の人々に自分たちの真剣なメッセージを伝えようという気持ちが果たしてあるのか、疑問だった。自分たちとは異なる考えを持つ他者に向けて、いかに効果的に自分たちのメッセージを伝えたらよいのか? その工夫と努力のあとが見当たらないのだ。

要するに一言で言えば「ダサい」のだ。私は既に中年だが、その私から見てダサいのだから、もっと若い世代、今の大学生や高校生から見れば、どうしようもなくダサいのではないだろうか? 実際、比較的時間の融通が利くであろう若い人たちの姿が極めて少ないように感じられたのは私個人の偏った印象なのだろうか? 「デモに参加してみたけれど、こんなデモなら二度と来ない」という人を増やしてはいけないのではないか、と私は思う。
IMG_0505

デモに行ってみたけど(運営サイドに感謝しつつも)、おかしな点が少なくないという主旨の意見をネット上で散見する。この問題をもっと広く意見を求め、改善につなげていくことはできないものだろうか?

先日(11/29)の京都造形芸術大学での千葉雅也氏講演の最後の方で浅田彰氏が「政府に反対意見を持つが、ダサいデモには参加したくない人」の存在に言及し、そうした人々(サイレント・マジョリティ?→事実関係として浅田氏自身の発言ではサイレント・マイノリティ(ーズ)でした。お詫びして訂正します。12/11記)をどうやってつなげるか?という問題提起があった(具体的な案が示されたわけではないのだが)。その延長線上で私は考えている。私自身デモには何度か参加してきたものの、参加しない人の気持ちもよく理解できる。
IMG_0514

「特定秘密保護法には反対だが、デモに参加するのは気が進まない」という人は少なくないと思う。それは何故か? 広く意見を求め、運営側は聞く耳を持ってほしい。さもなければ反対運動は広範な国民運動にならず、単なる自己満足に終わるのではないだろうか?














特定秘密保護法案徹底批判・福島みずほ*佐藤優 長いですが秘密保護法の問題点がよくわかる対談です。画像をクリックするとリンク先にとびます。

佐藤優の発言より
確実に言えるのは、特定秘密保護法はまず社会を弱体化して疑心暗鬼にするでしょう。その結果として国家が弱くなりますね。乱暴な国家と強い国家は違いますからね。日本は乱暴な国家にはなりますけれども、国家としては弱くなりますよ
福島佐藤


kay_shixima at 20:00││震災と原発と政治