PART2

衣料不況に4つの病巣

徹底分析! 何がアパレル産業を蝕(むしば)んだか


  • 2016年9月30日(金)

アパレル不振の原因を探ると、簡単には乗り越えられない4つの課題に行き突く。いずれも今に始まった問題ではなく、「売れていた時代」は、放置されていた病巣だ。

(写真=Michael H/Getty Images)
病巣1
消費の激変に置き去り

 中間層が消えた──。百貨店やアパレルメーカーが衣料品不振を語る際に、必ずといっていいほどこの言葉が出る。富裕層でも低所得層でもない「中間層」。彼らはいま「どこ」にいるのか。

 「最近はもっぱらZOZOTOWN(ゾゾタウン)」。そう話すのは、東京都在住の市川希恵さん(仮名、35歳)だ。仕事から帰宅すると、衣料のネット通販サイト、ゾゾタウンや中古品を売買するアプリ「メルカリ」で洋服を見る。帰宅時間は毎日午後10時頃。仕事後に、駅ビルに寄る時間はない。

 土日も買い物には行かない。最後に百貨店に行ったのはお正月の初売りだ。休日は、友人とライブに行ったり、1人で美術館に行ったりする方を優先する。「ライブや美術鑑賞はネットでは代替できないので」。洋服の購入はもはや「ネットで代替できるもの」になっている。毎年新しいものを着なくてはという概念もない。「2年以上前に購入した服を着ることに何も抵抗はない。むしろ、良いものや気に入ったものなら、長く着たい」。

 25歳のベンチャー企業勤務の佐々木玲奈さん(仮名)も、洋服の購入は隙間時間で済ませる。「電車に乗って目の前に座った人の洋服がいいなと思った瞬間に、ゾゾタウンで探してその場でスマホで買うこともある」。

 この2人の女性の消費動向は、極端なものではない。日経ビジネスのアンケートでも、変化が如実に表れた。購入場所が、10年前と比べて「変わった」「やや変わった」と回答したのは全体の約8割。内訳を見ると、ファストファッションやゾゾタウンなどで増加傾向が見て取れる。百貨店や複合施設での購入が「増えた」と回答しているのは35.9%と多く見えるが、10年前に10代だった20代が48.1%と突出して高く、数字を押し上げているにすぎない。

"中間層"はどこにいった
●あなたが洋服やファッション雑貨を購入する際に利用しているものを教えてください(複数回答)

●あなたが洋服やファッション雑貨を購入する際に主に利用する場所は10年前と比べて変わりましたか

●あなたが洋服やファッション雑貨を購入する場所は10年前に比べてどのように変わりましたか

●平均すると1シーズンにいくらくらい洋服にお金をかけていますか(ファッション雑貨は除く)

●平均すると1シーズンに購入する洋服は何点くらいですか(ファッション雑貨は除く)
アンケート調査概要:マクロミルを通じて2016年9月1〜2日にかけて独自調査を実施。首都圏のほか、地方の主要都市を含む20〜40代を対象に400人に調査を行った。