二流以下の人へ。一流の人は読む必要なし。三流の人も関係ない。二流なのに一流夢見て失敗挫折ばかりの人へ。七転び八起きで「人生は逆転できる!」 ※学歴社歴が二流

26才にして3社目の転職活動は苦しかった。不合格になったリクルートの正社員昇格試験は1年後、またチャレンジできる機会もあったが、その時の私には、「お前は必要ない」と言われた相手に、再びアタックする勇気と自信はなかった。

バイト契約社員の身分のまま、かつ、アルバイトを統括するリーダーという名の閑職の合間に、試験落第から3カ月ほどして徐々に転職活動を始動。帝国データバンクや日経BPの営業マン、新卒採用でリクルートと同業のダイヤモンドビッグ社、外資系広告代理店のスタンダード通信社、キャノン販売などを受けたが、ことごく落ちた。

一方では、リクルート100%出資の専属代理店から誘っていただき、グループも仕事内容も同じだったのでかなり心が動いたが、今さら「お前はいらない」と言われた会社の格下組織に入るのは、一生、リクルート本体への屈辱心を持ちそうで辞退した。

■そんな頃、リクルート人材センターから人材紹介業で独立したばかりの先輩を訪ねた。雑談をしている中で、半ば冗談でCSLを受けないかという話が出た。略称CSL、正式社名コンピューターシステムリース(株)は、各業界でトップの日本IBM、オリックス、モルガン銀行の3社が設立したIBM専門のリース会社で、当時の中途採用市場ではちょっとした話題の会社だった。

 毛並みの良さと将来性で人材紹介業、転職希望者双方に人気があったことに加え、東大や京大、早慶などの一流大学卒かつ一流企業の職歴の応募者でも、なかなか合格しなかったからだ。いわば、転職市場における難易度・偏差値が高い会社だ。

 当然、私も知っていたが、まさか自分のような中途半端な経歴の人材が採用されるはずがない。が、もし受かれば華々しいこと。ある意味でリクルートよりも偏差値が高い会社に合格すれば、俺を落としたリクルートの連中に鼻が高い!そんな見栄と虚栄心に加え、受かるはずもないという気軽さから試しに受けてみたところ、なぜか合格してしまった。これには自分も周囲も驚いた。

■でも、この会社なら自慢できるし、周囲への転職理由も説明もしやすい。リクルート社内では、栢野は正社員試験に落ちたからリクルートを辞めるのは周知の事実だが、社外の人への説明がしにくかった。対外的には俺はリクルートの正社員。仕事にも満足している、頑張っていると見られていたはずだし、自分でもそう振る舞っていた。

 それが格上のIBM・オリックス系の会社に転職するのであれば、世間体も問題ない(この世間体を優先したことで後日、またも墓穴を掘ることになるのだが・・・)。

 26才にして3社目の転職はある意味恥ずかしかったが、CSLなら問題ない。今ひとつ、どんな会社でどんな仕事なのかわからないが、会社の経歴や内容では、リクルートのメンバーや友人知人に自慢でき、俺の自己顕示欲も十分満足できる。これ以上の転職先はないなと、CSLへ転職することを決めた。

 入社の意志を伝えた後、配属先が大阪になると聞かされたとき、公私ともに気に入っていた東京を離れるのは寂しかったが、再度の転職活動の労力やCSL以上の会社へのチャンスは滅多にないと自分へ言い聞かせ、私は大阪へ旅立った。