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「低加水パスタフレスカで儲けるつもりはない」
不死鳥カラス氏は、SNSで何度もこう書いています。
「パスタフレスカに挑戦して4年。新たな投資は何もしてないし、製麺所にある設備で作れるんだ。
テレビ取材でも言ったけど、パスタは中華麺より高く買ってくれるお客がいる。レシピも無料公開(日清製粉を通じて発表)したから、大衆イタリアンやチェーンがある地域の製麺所が、全国でパスタフレスカを作って広めてくれればいいと思う」
低加水パスタフレスカの野望を語る、不死鳥カラス氏のインタビューをマジメにお届け。

「儲けるつもりがない」とは威勢がいいけど、儲けたくても出来ないのが現状。
学校の体育館の半分もない狭い工房に麺箱を積み上げて、中華麺を700軒以上、低加水パスタフレスカを50軒以上に届けている浅草開化楼。
もうこれ以上、生産できない。
でも要望あるのにもったいないから、誰か代わりに作って欲しい…が本音だと思う。

不死鳥カラス氏が低加水パスタフレスカに挑むきっかけを作ったのは、現在ロットチェントで腕を振るっている樋口敬洋さん。高級イタリアン、サローネグループのエグゼクティブシェフだ。
「偶然食べたラーメンに、シチリア島で食べていたパスタの歯切れのよさを感じて、懐かしくなった」という樋口シェフの体験はテレビ等で紹介されたが、この話を不死鳥カラス氏サイドから改めて聞いてみよう。
「偶然食べたラーメンに、シチリア島で食べていたパスタの歯切れのよさを感じて、懐かしくなった」という樋口シェフの体験はテレビ等で紹介されたが、この話を不死鳥カラス氏サイドから改めて聞いてみよう。
「樋口さんが食べたのは、オーションを使った麺、世に言う二郎系のラーメン店。そこで麺箱を調べて、電話をかけてきた。
『広尾のイル テアトリーノ ダ サローネのシェフで樋口と言います。
自分はイタリアのシチリア島で修行していたんですが、とあるラーメン店で御社の麺を食べた時に、シチリアで毎日食べて大好きだった歯切れの良いパスタにしばらくぶりで再会したような、とっても懐かしい感じがしたんです。
それって何ですか?』
それって何ですか?』
それって何ですか?って…………、知らねーよっ!(笑)」
タピオカでんぷん、デュラム小麦など、目新しい素材を積極的に使う中華麺業界だけど、よりによってオーション麺かよ、2人を結びつけたきっかけは
タピオカでんぷん、デュラム小麦など、目新しい素材を積極的に使う中華麺業界だけど、よりによってオーション麺かよ、2人を結びつけたきっかけは


「その時は畑違いだと思ったし、大して興味も湧かなかったので、ぶっちゃけ電話で終わらせちゃおうと思った。が、樋口さんが『それを会って聞きたいんです』と食い下がる(笑)。だんだん気持ちが変わって来て、なら一回会いましょうか!と」
それって何ですか?と、疑問をストレートにぶつけてきた樋口シェフに興味が沸いた。毎日粉をかぶって働いてる下町の製麺職人が、おしゃれなイタリアンの料理人に認められたのが、ちょっぴり誇らしかった。
いっぽうの樋口シェフは、シチリア風再現を目指して生パスタを手作りしていたものの、圧力を必要とする低加水製法にパスタマシンが悲鳴をあげ、何台も壊して行き詰まりかけたところだった。
「俺の作った配合の中華麺をお土産に持ってって、それを試食した樋口さんはさらに飛び上がって喜んでくれたのが始まり。
それから、俺の中華麺に合わせるソースを樋口さんが作って、試作と試食を繰り返して…。最終的に7種類くらいのソースが出来て、サローネの平高行社長やゼネラルマネージャーの藤巻一臣さんも交えて試食会になった。
試食会が盛り上がって、飛び交ったのが『懐かしいよね』って言葉。平社長たちも口を揃えて、『これさぁ、お客さまに食べてもらう機会を作るべきじゃないか?』。
大成功と思ったら、天国から地獄へまっさかさま。
でも、すぐ樋口シェフから電話がかかってきて…。
『さっきはああ言いましたが…。
結論から言いますと、やはりお客さまに食べて頂くわけにはいきません。
結論から言いますと、やはりお客さまに食べて頂くわけにはいきません。
僕らは10品のコース料理なんです。コースにカラスさんの中華麺を取り入れてもほんの10〜20g程度で、全く違和感はありません。
少し汚い話ですが、カラスさんの中華麺をほんの10g使ったコースを食べて上がってくるゲップが、カンスイなんです。すべての料理の余韻を壊してしまいます。やはりイタリア料理としては出せないな、と』
「ならば一度、カンスイを入れずに塩水で練って作ってみますよ。
ただ、樋口さんたちが店で打っているパスタの配合を聞いても、それっぽいものが出来るのは当たり前。俺がやる意味はない。
俺がラーメン・つけめん用に作った配合でやります。それがパスタと呼べるものにならなかったら諦めましょう。
俺がラーメン・つけめん用に作った配合でやります。それがパスタと呼べるものにならなかったら諦めましょう。
そうして出来上がったのが、初代の低加水パスタフレスカ。
実は、初対面にお土産で持って行って、その後も試食で使っていた麺の配合のままなんです。カンスイを塩水に変えただけ。パスタとして違和感なくハマったのは、中華麺に通常ではあり得ないくらいデュラム小麦を組み込んだ配合で作っていたから。
ちなみにこの4年以上ずっと変わっていないトンナレッリの形状も、最初に持ってった中華麺のまんまね(笑)」

開発ストーリーは面白かったけど、これからどうしたいんだ、君は?
「今までも生パスタって呼ばれてる生麺はあったのに、乾麺のスパゲティランチがなくならないのは、乾麺より美味しい生麺がないからでしょう?
俺らが目指してるのは、乾麺好きにも響く生麺。乾麺よりちょっと美味しい生麺。だから区別するため、生パスタと言わずに低加水パスタフレスカって呼んでる。
樋口さんも間口を広げようと頑張ってくれてるけど、やはり大衆イタリアンの食堂で、お母さんたちが子供を連れて気軽にパスタフレスカを食べてほしい。そうなれば全国に、あっと言う間に広がると思うから。
『何だかパスタフレスカって流行ってるよね』って話題にのぼるようになって、調べてみたら広めたのは樋口シェフとカラスだったって言われるのが理想だし、目標だな」

『ガイヤの夜明け』や『カンブリア宮殿』の構成作家さん・リサーチャーさん、いかがでしょうか? 夕方ニュースワイドの特集担当さんからも、取材をお待ちしてます(カラス氏が)。

『ガイヤの夜明け』や『カンブリア宮殿』の構成作家さん・リサーチャーさん、いかがでしょうか? 夕方ニュースワイドの特集担当さんからも、取材をお待ちしてます(カラス氏が)。
製麺業界の皆様も、イタリア料理店の多い地域や、飛び込み営業の得意な方は、同業他社の少ない今こそ!ぜひご検討ください。
取材申し込みと製麺のご相談は、浅草開化楼・不死鳥カラス氏に直接お願いします(下の電話番号参照。ここに書き込んでも対応できません)。
なお浅草開化楼で毎日10kg限定販売の低加水パスタフレスカ(トンナレッリ)は、カラス氏のブログでしか告知していないので、いつも楽に買えるそうです⇒入手方法コチラ。
勢いだけで書き切った、10年ぶりのワンコイン的社会科見学 part.2 浅草開化楼「低加水パスタフレスカ篇」三部作でした(完)。

浅草開化楼(あさくさ・かいかろう)
公式サイト
03-3844-0637
東京都台東区元浅草4-8-4
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