種子島のネタも無くすいませんな種子島

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2017年4月15日、もじゃこ漁連続4日目、身体は激しいむくみと疲れで限界をすでに突破していた、しかし人の身体は不思議なもので限界を突破してからよく動くという事もあるそんな状況の暗闇の中出港。
何時もなら美しい朝焼けの中での出港、自然に感動するのにこの日は違った。
隣にいる仲間の顔を見て、離れていく島を見ていると無性に寂しい。
この感じはなんだ、頭の中にかの名曲『ドナドナ』が流れてくる、島から離れていく心に言い知れぬ想いが沸き起こる。
しかしそんな気持ちも一瞬に無くなる、漁が始まってしまえば機械のように永遠と働くだけなのだ。

休む間もなく藻を上げ続ける、連日の疲れで皆も口数は少ない、しかし誰一人愚痴を言う事も無く目の前の藻に集中していく、藻が無くなった束の間、人としての自然現象に私は追われた。
船尾に行き、船底にへばりつく、急げ急ぐんだ!そんな時だった!新たな藻の発見!!
船上が慌ただしく動き出す、私はいまだ動けず!仲間が私のいない間に私の分までフォローをする、疲れているのは皆同じだ!仲間への熱い思いと感謝の気持ちに今すぐこの場を離れて行きたい!
しかし、そんな事をすれば私は人ではなくなる獣だ!最低限人してのエチケットを持ち続けたい・・・
そう私は心の中で叫ぶしかなかった『クソーー!!』と。
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疲れの中、時間は分からず漁を行っている。
サメが船の周りをヒレを出して泳いだり、イルカが一緒に走ったり、自然と共にではあるが心も体も限界にきている。
ふと豪華客船が遠くにいるのが見えた、思わず私はここだー!と叫びたくなる、そちらに乗せてくれ!!
しかしそんな願いも通じるはずもない、こちらは海に浮かぶ木の葉のようだ、きっとあちらでは優雅なティータイムだろう。あちら側とこちら側何が!何が違うのか!!!
360度見渡す限り海の中、誰かが言った『この世界は残酷だ・・・』
あーそれ以上頭では考えていけないと悟った・・・
しかし私はあえて付け加えたい『そして・・・とても美しい』と。

南方50マイル島から約80キロも離れた海のど真ん中、もう私達は悟っていた、もう島には帰れないと・・・
不思議と涙は出なかった、愛する家族に連絡すら取れない海の上、覚悟も気持ちも必要ないただただ受け入れるしかない現実であった。
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これを世に言う【沖流れ】という。
昔の人の島流しはまだ良かったんだ地があるのだから、沖流れには人が立って立つ地も無い。
食事を用意するのはこんな所でしか出番のない私だ、私はサンジの気持ちでたらふく旨いものを食え~っと言ってやりたいが船の上ではコンロ一つ、肉を焼くぐらいしかできない、情けない・・・
しかし身体が肉を欲していた、肉とビールを飲めば気持ち良い。
幸い夜風も心地よく揺れも少ない、寝れる。
しかし世の中甘くはない、夜中になると冷たい風が上下左右に地面が揺れる。
今何時なのかさえもわからない、意識はあるが身体が疲れて動かない、もうなるようにしてくれと心の中で叫びながら一夜を明かした、そうやっぱり『この世界は残酷だ・・・』
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朝は美しい、同じルーティーンを繰り返しながら帰路を急ぐ。
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しかし雨風が強くなり視界が無い、雷があちこちで鳴り響く!!
最早ここまでか!!しかし諦めたら終わりなのだ!
今まで散々藻を探して太平洋を走りまくったのに、今はこの藻が障害物でしかなくなっている・・・
時には数十メートルを超える大きさの藻、これに船が乗り上げれば一貫の終わりだ!!
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最早人としての姿を無くしても帰りたい!!
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その思いだけで島にたどり着く。。。

生きてて良かった、人生の中で過去数度感じたことはあったが、今まさに自分は生きていると言えるだろう。
まだ長い航海は続くだろう、しかしこの航海を乗り越えた先には美しい世界がまっている筈だ・・・

陸に上がるとホッとした、そうだ陸で立っているだけでも幸せなのだ。
もう海は・・・海は・・・海へ・・・もう海へ行きたい・・・(●´ω`●)

航海日誌完