2009年09月14日

仕立て屋の中年男が向かいに住む女性を愛するあまり、殺人事件に巻き込まれ、人生を狂わせてしまう物語。「髪結いの亭主」のパトリス・ルコントが、ジョル ジュ・シムノンの原作『イール氏の犯罪』(邦題『仕立て屋の恋』ハヤカワ文庫刊)をもとに監督・脚本を手がけたもので、製作順としては「髪結いの亭主」の 前作。製作はフィリップ・カルカソンヌとルネ・クレトマン、共同脚本はパトリック・ドヴォルフ、撮影はドニ・ルノワール、音楽はマイケル・ナイマンがブ ラームス「ピアノ四重奏曲第1番ト短調」を主題に担当。

仕立て屋の恋



薄暗い公園でピオレットという青年が殺された。捜査を担当した刑事(アンドレ・ウィルムス)は、以前強制わいせつ罪で捕まったことのある仕立て屋イール氏 (ミシェル・ブラン)の犯行ではと疑う。極端にきれい好きで孤独なイールは近所の人々からは嫌われており、売春宿に通い、ボーリング場で抜群の腕を披露す ることを習慣としていたが、そんな生活に変化が起きていた。中庭をはさんだ向かいに住む美しいアリス(サンドリーヌ・ボネール)の生活を、夜毎、電気もつ けずにただ眺めることで、彼は彼女に恋い焦がれていた。アリスの部屋に時々婚約者のエミール(リュック・テュイリエ)が訪れるのも知っていた。アリスはエ ミールと結婚したいと願っていたが、彼はいつも返事をごまかしていた。ある夜、自分の部屋を覗き見るイールの存在に気づいたアリスは、最初ショックを受け るが、やがて事件のことを知っているかどうか確かめるためにイールに接近していく。はたしてイールは、エミールがピオレットを殺し、アリスに死体の処理を 手伝わせていたのを目撃していた。だがイールはアリスを愛するあまり警察にはだまっていたのだった。初めはエミールを守るためにイールに接近したアリス だったが、徐々に彼の愛に心が揺れていく。それはボクシング観戦の日に絶頂となった。イールはアリスに一緒にスイスに逃げようと持ちかけ、リヨン駅で待つ が、アリスは来ず、落胆したイールがアパートに戻ると、そこには殺されたピオレットのコートを彼の部屋に置いたアリスと、通報を受けてやってきた刑事が 待っていた。アリスの裏切りに対しても「君を恨んではいない。ただ死ぬほど切ないだけだ」と話すイール。そして隙をついて屋上に逃げるが、足を滑らせて転 落してしまう。アリスは全ての感情を押し隠して、その様子をイールの部屋の窓から見続けていた…。だが全ての真相は、イールがアリスと国外脱出するのを前 提としてしたためていた刑事への手紙で明らかになった。

キャスト(役名)

    * Michel Blanc ミシェル・ブラン  (Monsieur Hire)
    * Sandrine Bonnaire サンドリーヌ・ボネール  (Alice)
    * Luc Thuillier リュック・テュイリエ  (Emile)
    * Andre Wilms(2) アンドレ・ウィルムス  (L'inspecteur)
    * Philippe Dormoy   (Fran8fa1dbois)

スタッフ
監督

    * Patrice Leconte パトリス・ルコント

製作

    * Philippe Carcassonne フィリップ・カルカッソンヌ
    * Rene Cleitman ルネ・クレトマン

原作

    * Georges Simenon ジョルジュ・シムノン

脚本

    * Patrice Leconte パトリス・ルコント
    * Patric Dewolf パトリック・ドヴォルフ

撮影

    * Denis Lenoir ドニ・ルノワール

音楽

    * Michael Nyman マイケル・ナイマン

美術

    * Ivan Maussion イヴァン・モシオン

編集

    * Joelle Hache ジョエル・アッシュ

衣装(デザイン)

    * Elisabeth Tavernier

録音

    * Pierre Lenoir

字幕

    * 丸山垂穂 マルヤマタリホ


(16:41)
『仕立て屋の恋』などフランス映画界を代表する女優サンドリーヌ・ボネールが、自閉症と25年 間闘い続けた実の妹の姿を追ったドキュメンタリー。初の長編監督として脚本・撮影もこなしたサンドリーヌは、妹サビーヌの若いころの姿から、不適切な診断 を経て施設に暮らすはめになった現在までの変化を慈愛に満ちた姉の視点から映し出す。自閉症患者ケアの問題に一石を投じると同時に、容赦ない悲劇に見舞わ れた姉妹の姿に心を揺さぶられる。

彼女の名はサビーヌ


サンドリーヌ・ボネールには、陽気で美しく芸術的才能が豊かな1歳違いの妹サビーヌがいたが、自閉症の妹は幼いころから特別なケアが必要だった。兄の死を 契機に彼女の孤立感は増し、その不安が家族と自分に対する衝動的な暴力として現れてしまう。やがて、不適切な診断で28歳で精神病院へ行くが、退院時には 変わり果てた妹の姿があった。

スタッフ
監督・脚本・撮影: サンドリーヌ・ボネール
共同脚本・撮影: カトリーヌ・キャブロル
録音: ジャン=ベルトラン・トマソン / フィリップ・リシャール
編集: スヴェトラナ・ヴァインブラット
音楽: キャロ・ディアロ / ニコラ・ピオヴァーニ
オリジナル楽曲: ジェファーソン・ランベィエ / ウォルター・グエン
プロデューサー: トーマス・シュミット
キャスト
サビーヌ・ボネール


(16:35)
中の天才ピアニストと教師の魂の交流を描いた感動作。監督・脚本は「Shattered Glass」のクリス・クラウス。出演は、「ラン・ローラ・ラン」のモニカ・ブライブトロイ、1200人の中から選ばれた新星、ハンナー・ヘルツシュプル ング。2007年ドイツアカデミー賞作品賞、主演女優賞受賞。

4分間のピアニスト


ピアノ教師として刑務所を訪れたトラウデ・クリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、ジェニー・フォン・レーベン(ハ ンナー・ヘルツシュプルング)の才能を見出す。クリューガーはジェニーの指導に残りの人生を捧げる決意をし、所長を説得して彼女のレッスンを始める。ジェ ニーは、彼女を天才ピアニストにするために引き取った養父のもと、幼いころから国際コンテストに出場して神童と騒がれたが、愛を知らずに育った。クリュー ガーもまた、愛した人を若くに亡くして以来、音楽だけを頼りに生きてきた。すぐに感情を爆発させるジェニーを、クリューガーは辛抱強く指導する。ジェニー が看守のミュッツェ(スヴェン・ピッピッヒ)に危害を加えたため、彼の同僚はレッスンを妨害した。ジェニーの養父・レーベン(ヴァディム・グロウナ)の差 し金で記者が取材に来る。ジェニーは手錠をかけられたまま見事な演奏を披露し、その記事のおかげでレッスンは順調に進むようになる。ジェニーはコンテスト に出場するが、予選当日、極度の緊張からトイレの鏡を殴打する。手を負傷したにもかかわらず、ジェニーの演奏は素晴らしかった。帰りに寄った病院で、ジェ ニーは逃走を図るが失敗。彼女は、過去の哀しい事件をクリューガーに告白する。自分の才能を信じるクリューガーに、ジェニーは心を開き始める。復帰した ミュッツェはクリューガーを尊敬するあまり、2人の姿に嫉妬する。レーベンがクリューガーの家を訪れる。彼は、ジェニーは恋人の罪を被っただけで無実であ ると訴えた。また彼はクリューガーの経歴を調査していた。彼女は自身の裏切りや恋人の死のために、栄光の未来を捨てたのだった。決勝直前、ミュッツェの策 略でジェニーは暴力事件を起こす。それによりジェニーはピアノを禁じられ、彼女をかばったクリューガーも解雇される。しかしクリューガーには、法をも怖れ ぬ計画があった。

 

キャスト(役名)

    * Hannah Herzsprung   (ハンナー・ヘルツシュプルング)
    * Monica Bleibtreu   (モニカ・ブライブトロイ)
    * Sven Pippig   (スヴェン・ピッピッヒ)
    * Richy Muller リッキー・ミュラー  (リッキー・ミューラー)
    * Jasmin Tabatabai ヤスミン・タバタバイ  (ヤステン・タバタバイ)
    * Stefan Kurt ステファン・カート  (ステファン・クルト)
    * Vadim Glowna   (ヴァディム・グロウナ)
    * Nadja Uhl ナディヤ・ウール  (ナディア・ウール)
    * Peter Davor   (ペーター・ダフォア)

スタッフ
監督

    * Chris Kraus

製作

    * Meike Kordes
    * Alexandra Kordes
    * Chris Kraus

脚本

    * Chris Kraus

音楽

    * Annette Focks

美術

    * Silke Buhr ズィールケ・ブーア

編集

    * Uta Schmidt

衣装(デザイン)

    * Gioia Raspe

音響効果

    * Andreas Ruft

その他

    * Susana Sanchez

撮影監督

    * Judith Kaufmann ジュディス・カウフマン


(16:28)
1984年、国家を信じ忠実に仕えてきた共産圏の役人が、盗聴器を通して自由、愛、音楽、文学に影響を受け、いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。監督はのフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。出演はウルリッヒ・ミューエ。


善き人のためのソナタ


1984年11月の東ベルリン、DDR(東ドイツ国家)は国民の統制と監視のシステムを強化しようとしていた。劇作家ド ライマン(セバスチャン・コッホ)の舞台初日。上演後のパーティーで国家保安省(シュタージ)のヘムプフ大臣(トーマス・ティーメ)は、主演女優でドライ マンの恋人でもある魅力的なクリスタ(マルティナ・ゲデック)から目が離せなくなる。党に忠実なヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)はドライマンと クリスタの監視および反体制的であることの証拠をつかむよう命じられる。早速ヴィースラーは彼らのアパートに向かい、屋根裏に監視室を作り盗聴を始め、詳 細に記した日々の報告書を書き続けた。既にクリスタと関係を持っていたヘムプフ大臣は「君のためだ」と脅し関係を続けるよう迫っていた。その一方で、 ヴィースラーは毎日の監視を終えて自分の生活に戻る度に混乱していく自分を感じていた。そんな中、ドライマンは、DDRが公表しない、東ドイツの高い自殺 率のことを西ドイツのメディアに報道させようと雑誌の記者に連絡を取った。監視されていないと確信したドライマンは雑誌の記者を家に呼ぶ。匿名の記事が雑 誌に載ると、緊張が走った。DORはドライマンのアパートを家宅捜査するが、何も見つけることはできなかった。クリスタに約束を破られた大臣は、薬物の不 正購入を理由に彼女を逮捕させ、刑務所へ連行する。そこではヴィースラーが担当官として尋問にあたることになった。複雑な再会に戸惑いながらも、記事はド ライマンによるものであると認めなければ二度と舞台に立つことはできないだろう、と脅す。クリスタは尋問に屈し、証拠となるタイプライターの隠し場所を教 えてしまう。そして捜査官は、今度は確信を持ってドライマンのアパートに踏み込み、ドアの敷居を持ち上げさせるが。

キャスト(役名)

    * Ulrich Muhe ウルリヒ・ミューエ  (CaptainGerdWiesler)
    * Martina Gedeck マルティナ・ゲデック  (ChristaMariaSieland)
    * Sebastian Koch ゼバスチャン・コッホ  (GeorgDreyman)
    * Ulrich Tukur ウルトリッヒ・トゥクール  (Lieutenant Colonel Anton Grubitz)
    * Thomas Thieme トーマス・ティーメ  (Minister Bruno Hempf)
    * Hans-Uwe Bauer ハンス=ウーヴェ・バウアー  (Paul Hauser)
    * Volkmar Kleinert フォルクマー・クライネルト  (Albert Jerska)
    * Matthias Brenner マティアス・ブレンナー  (Karl Wallner)

スタッフ
監督

    * Florian Henckel von Donnersmarck フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

プロデューサー

    * Quirin Berg クヴィリン・ベルク
    * Max Wiedemann マックス・ヴィーデマン

脚本

    * Florian Henckel von Donnersmarck フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

撮影

    * Hagen Bogdanski ハーゲン・ボグダンスキ

音楽

    * Gabriel Yared ガブリエル・ヤーレ
    * Stephane Moucha ステファン・ムッシャ

美術

    * Silke Buhr ズィールケ・ブーア

編集

    * Patricia Rommel パトリシア・ロメル

衣装(デザイン)

    * Gabriele Binder ガブリエレ・ビンダー

字幕

    * 古田由紀子 フルタユキコ

字幕監修

    * 高橋秀寿 タカハシヒデトシ



(16:22)
「ガラスの城」のルネ・クレマンが監督した一九五二年作品。戦争孤児になった一少女と農家の少年の純心な交情を描くフランソワ・ボワイエの原作小説を、 「肉体の悪魔(1947)」のコンビ、ジャン・オーランシュとピエール・ボスト、それにクレマンが共同で脚色した。台詞はオーランシュ、ボスト、原作者ボ ワイエの三人。撮影は「ドイツ零年」のロベール・ジュイヤール、音楽はナルシソ・イープスの担当。出演者はクレマンが見出したブリジット・フォッセーと ジョルジュ・プージュリーの二人の子役を中心に、リュシアン・ユベール、スザンヌ・クールタル、ジャック・マラン、ローレンス・バディら無名の人たち。な お、この作品は五二年のヴェニス映画祭のグラン・プリとアカデミー外国映画賞を受賞した。

禁じられた遊び


一九四○年六月のフランス。パリは独軍の手におち、田舎道を南へ急ぐ難民の群にもナチの爆撃機は襲いかかって来た。五歳の少女ポーレット(B・フォッセ イ)は、機銃掃射に両親を奪われ、死んだ小犬を抱いたままひとりぼっちになってしまった。彼女は難民の列からはなれてさ迷ううち、牛を追って来た農家の少 年ミシェル(G・プージュリー)に出会った。彼は十歳になるドレ家の末っ子で、ポーレットの不幸に同情して自分の家へ連れ帰った。ドレ家では丁度長男の ジョルジュが牛に蹴られて重傷を負い、大騒ぎしているところだった。ポーレットはミシェルから死んだものは土に埋めるということを始めて知り、廃屋になっ た水車小屋の中に彼女の小犬を埋め十字架を立てた。墓に十字架が必要なことを知ったのも彼女にとって新知識であり、以来彼女はこのお墓あそびがすっかり気 に入ってしまった。ジョルジュは容態が悪化して急死した。そのとき、隣家のグーアルの息子フランシスが軍隊を脱走して帰って来た。グーアル家とドレ家は犬 猿の仲だったが、フランシスとドレの娘ベルトとは恋仲であった。ジョルジュの葬式の日、ドレは葬式馬車の十字架がなくなったことに気づいたが、これはミ シェルがポーレットを喜ばすために盗んだのだった。ミシェルは更に教会の十字架を盗もうとして司祭にみつかり、大叱言を喰った。しかしミシェルとポーレッ トはとうとう教会の墓地まで出かけて、たくさんの十字架を持ち出した。ジョルジュが死んではじめての日曜日、ドレ一家は墓参に出かけたが、ジョルジュの墓 の十字架がなくなっているのを見て、ドレは、グーアルの仕業にちがいないと思い込み、そこへ来たグーアルと大格闘をはじめた。しかし司祭の言葉で盗んだの はミシェルだとわかり、ドレはミシェルが何のために十字架を盗んだのか理解に苦しんだ。翌朝、ドレ家に二人の憲兵が訪れた。ドレはてっきり十字架泥棒がば れたものと思ったが、実はポーレットを孤児院にひきとりに来たのだった。ミシェルの必死の懇願にもかかわらずポーレットは連れさられた。雑踏する駅の一 角、ポーレットは悲しく母を呼び求めて、ひとり人々の間を駈け去って行った。

キャスト(役名)

    * Brigitte Fossey ブリジット・フォッセー  (Paulette)
    * Georges Poujouly ジョルジュ・プージュリー  (Michel)
    * Lucien Hubert リュシアン・ユベール  (Michel's Father)
    * Suzanne Courtal スザンヌ・クールタル  (Michel's Mother)
    * Jacques Marin ジャック・マラン  (Georges)
    * Laurence Badie ローレンス・バディ  (Berthe)
    * Andre Wasley   (Gouard)
    * Amedee アメデ  (Francis)
    * Denise Perronne ドニーズ・ペロンヌ  (Jeanne)
    * Louis Sainteve   (Le Cur8fa1a5)

スタッフ
監督

    * Rene Clement ルネ・クレマン

原作

    * Francois Boyer フランソワ・ボワイエ

脚色

    * Jean Aurenche ジャン・オーランシュ
    * Pierre Bost ピエール・ボスト
    * Rene Clement ルネ・クレマン

台詞

    * Jean Aurenche ジャン・オーランシュ
    * Pierre Bost ピエール・ボスト
    * Francois Boyer フランソワ・ボワイエ

撮影

    * Robert Juillard ロベール・ジュイヤール

音楽

    * Narciso Yepes ナルシソ・イープス

セット

    * Paul Bertrand ポール・ベルトラン




(16:15)