2022年06月14日

風巻隆 CD通信販売のご案内

       CD通信販売のご案内

PERCUSSIOジャケット



「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」 (オフノート non-27)
2022年
風巻隆ソロ・パカッション           2500円(送料込み)


〜未知の世界へと誘う、変幻自在なタイコ。
どこか懐かしい「自由律」の音楽世界〜
即興のパカッショニスト・風巻隆による、待望の新作ソロ・アルバム
 
1. さかさまの世界/wonderland 7”13
2. 音楽の向こう側/drum magic 8”53
3. 街へ/marching on the road 12”18
4. 音のある風景/soundscape        8”42
5. ゆるぎなきもの/tom-tom spirit   8”14
6. 終わるという始まり/out of the end 10”22
7. サヨナラ/so long        5”23
                       Total time 61”07


2016年11月、年末に閉館となる
明大前キッド・アイラック・アート・ホールで行われたソロと、
2019年8月、近年風巻が活動の拠点としている
綱島Namak Cafeでのソロの演奏から編集した、17年ぶりのソロ・アルバム。
1982年の自主製作LP「風を歩く」から始まった風巻の、
音楽と非音楽の境界線を飄々と渡り歩くような即興演奏が、
「自由律の音楽」とでも呼ぶような新しい音楽の地平を見せてくれている。

「ただ音を叩いている」というタイトルは、
即興演奏は「自分」を捨てたときに立ち現れてくるという
風巻の信念でもあるのだろう。その演奏は、何度聴いても新しく感じる豊かさと、
言いようのない「懐かしさ」にあふれている。
オフノートレーベルから2022年リリースされた待望の新作。







ジグザグ zigzag



「ジグザグ/zigzag」 (キッド・アイラック KID-0002)
2005年 
風巻隆ソロ・パカッション            2500円(送料込み)

2001年〜2004年にかけて新旧の明大前「キッド・アイラック・アート・ホール」で
さまざまな機会で録音されたソロ。革のヘッドを付けた風巻のドラムからは、
ナチュラルな音色や豊かな倍音が生まれ、肩から下げた片面のタムタムの打面を、
肘やスティック、手、指などでコントロールし、
うなるような低音から乾いた高音まで叩き分け、
うねりや、ゆらぎ、ズレといったさまざまな音の表情が生み出されていく。

このソロ・アルバムでは「どこにもない場所の音楽」とでも言うような、
音楽の既成のジャンルの外側にいる、風巻の音楽世界がトータルな形で示されている。

忘れていた記憶が呼び起こされ今の自分が曖昧になっていく…そんな場所で、
人は、自分というものの深みと向き合っていく。
短い断片のような小曲21曲を収録した、1時間ほどの渾身のソロ、名盤。







LINKS



「LINKS」  ENSEMBLE UNCONTROLLED (イギリス SLAM SLAMCD 507)
2001年
Christoph Gallio, Eduard Akulin, Mart Soo, Kalle Laar, Paul Hoskin, Takashi Kazamaki
2500円(送料込み)

1997年エストニア、タリンでのスタジオ録音と、
96年大阪ミノヤホールのライブ録音から構成された
ENSEMBLE UNCONTROLLEDの第2作。

エスティラジオという地元のラジオ局で行われたレコーディングでは、
きわめて完成度の高い作品が次々と形作られていった。
ガリオやアクリンの奏でる自由でのびやかな音、
ソーとラールの大胆や繊細なギターワーク、
スポンテイニアスな曲作りのなかに風巻のドラミングが冴え、
ミノヤホールの演奏に参加したハスキンは、
少ないテイクながら秀逸な演奏を披露している。

全編にわたって、今という時間を共有している楽しさと、
お互いの信頼感に満ち溢れ、即興であることを感じさせない秀作。
イギリスの独立レーベルSLAMからのリリース。







TALES FROM THE FOREST



「TALES FROM THE FOREST」 ENSEMBLE UNCONTROLLED
(イギリス LEO LAB CD024)1996年
Christoph Gallio, Eduard Akulin, Mart Soo, Kalle Laar, Takashi Kazamaki
2500円(送料込み)

1995年、大磯「すとれんじふるうつ」でのレコーディングセッション。
スイスからガリオ、ドイツからラール、
エストニアからアクリンとソーを招聘して企画された
「FREE WORLD BIG BAND」公演の際に行われたセッションは、
知的でダイナミックな音楽を形作っている。

即興の森の深遠なサウンドが、スケールの大きな物語を作っていて、
とくにエストニアの二人によるアンサンブルを作り出していく力が注目される。

共に演奏できることへの喜びが全編に溢れ、
風巻のドラムの音の深みがアンサンブルの豊かな音楽性を導き出している。
イギリスのLeo Records Laboratoryからリリースされた本作は、
ワールドワイドなユニットが成立したドキュメントであり、上質なアンサンブルだ。








MOVING




「MOVING」 Takashi Kazamaki & Kalle Laar (ドイツ KONNEX KCD 5073)
1996年
Kazutoki Umezu, Kalle Laar, Samm Bennett, Takashi Kazamaki 2500円(送料込み)
 
1994年ニューヨークで録音された、風巻&ラール名義のアルバム第3弾。
サックスの激しいブロウからクラリネットの牧歌的なメロディまで繰り出す梅津和時と、
サンプラーの変幻自在なノイズで音楽を異化するドラムのサム・ベネット。
ポップなセンスを持つ二人をゲストに迎えたカルテットと、
あくまで繊細な音作りのデュオをうまく配した傑作。

即興で自然発生的にコーダが生まれるほど、演奏への集中力は目を見張る。
アクースティックな音と、エレクトリックな音の乱舞の中で、
風巻のメロディアスなドラミングが異彩を放っている。
ドイツKONNEXレーベルからリリースされた本作は、
ニューヨーク発の「新しい音楽New Music」」という
音楽潮流の影響を存分に受けた快作。








Floating Frames




「Floating Frames」 Takashi Kazamaki & Kalle Laar (ドイツ Ear-Rational ECD 1038)
1994年
Masahiko Kono, Kalle Laar, William Parker, Vincent Kharinoff, Takashi Kazamaki
2500円(送料込み)

1992年、
ニューヨークでの河野優彦、ウィリアム・パーカーとのカルテットを中心に、
ロシア、セント・ペテルスブルグでのライブ録音、
エストニア、タリンでのスタジオ録音を編集した風巻&ラール名義のアルバム第2弾。

ウィリアム・パーカーのJazzyで骨太なベースラインに風巻のグルーブが冴え、
河野優彦の力強いトロンボーンも素晴らしい。
ラールのサンプラーからの引用も当時のNew Musicという音楽潮流を感じさせ、
ヴィンセント・カリノフのドゥドゥックも、
その年のワールドワイドなツアーのドキュメントとして異彩を放っている。
ニューヨークのジャズ・ミュージシャンと継続的に活動を続けてきた風巻にとっては、
その長年の試みを作品化した貴重な1枚となる秀作。








Return to Street Level



「Return to Street Level」 Takashi Kazamaki & Kalle Laar
(ドイツ Ear-Rational ECD 1022)                1990年
Elliott Sharp, Paul Hoskin, Christian Marclay, Tom Cora, Nick Didkovsky,
Kalle Laar, Takashi Kazamaki       2500円(送料込み)



1990年ニューヨーク録音。
エリオット・シャープ、クリスチャン・マークレイ、トム・コラ、
ニック・ディドゥコフスキ、ポール・ハスキンといった
錚々たるメンバーをゲストに招き、
ミュンヘンのギタリスト、カーレ・ラールとともに作り上げた快作。

演奏者の組み合わせを変えながら、短いスパンの音楽を次々とたたみ込んでいく。
その爽快なスピード感や、
ノイズ、ターンテイブルのカットアップがいかにもニューヨークらしい。
風巻のたゆたうようなリズムが、メリハリのきいたロック的なビートとともに立ち現れて、
変幻自在な音楽を形作っている。

風巻&ラール名義でのドイツEar-Rationalからのデビュー盤。
このアルバムが、その後の二人のワールドワイドな活動を呼び寄せていく。









通信販売の申し込みは、e-mailで
takashikazamaki@h6.dion.ne.jp 宛にお申込みください。
ご希望のCDのタイトルと、枚数を明記のうえ、代金を下記の口座にお振込みください。
また、LP「ATMOSPHERE」ダニー・デイビス+風巻隆の通販も可能ですので、
お問い合わせください。(2500円 送料込み)



三菱UFJ銀行 三鷹支店(222)  普通 0461834 名義 カザマキ タカシ
   もしくは
ゆうちょ銀行 記号 10020 番号 03708431 名義 カザマキ タカシ

なお、現在web雑誌「JAZZ TOKYO」にエッセイ「風を歩く」から…を連載中。

ブログ エッセイ「風を歩く」
     http://blog.livedoor.jp/takashikazamaki/

    音楽ノオト/即興ノオト
    http://blog.livedoor.jp/kazamakitakashi/
    エッセイ「元住吉から」
    http://blog.livedoor.jp/zigzag2005/













kazamakitakashi at 23:20|Permalink資料 | 最新情報NEWS!

CD「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」プレスリリース

☆新作ソロCD「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」(off note non-27)
風巻 隆 (percussion)    
定価2300円+税

             <プレスリリース>

PERCUSSIOジャケット


                         
1. さかさまの世界/wonderland 7”13
2. 音楽の向こう側/drum magic 8”53
3. 街へ/marching on the road 12”18
4. 音のある風景/soundscape        8”42
5. ゆるぎなきもの/tom-tom spirit   8”14
6. 終わるという始まり/out of the end 10”22
7. サヨナラ/so long        5”23
                        Total time 61”07

Recorded live at the Kid Ailack Art Hall on Nov.29, 2016 track 1〜3, 5, 7
Recorded live at the Namak Cafe on Aug.12, 2019 track 4, 6
Recording engineer : Nakayama Nobuhiko
Mastering engineer : Ishizaki Noburo

1980年代、ニューヨークの新しい即興シーンに飛び込み、
90年代以降、ヨーロッパやエストニアのミュージシャンと
コラボレーションを続けてきたパカッショニストの風巻隆。
2005年、キッド・アイラックからリリースされた
ソロCD「ジグザグ/zigzag」以来、17年ぶりとなる新作ソロCD
「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」が、
オフノート(off note)レーベルから、22年4月にリリースされることになった。

2016年11月、閉館の決まった
明大前キッド・アイラック・アート・ホールでの最後のソロライブと、
2019年8月、近年、風巻が活動の拠点にしている
綱島ナマック・カフェでのソロライブの演奏から構成されたこの新作CDは、
1982年の自主製作LP「風を歩く」から始まった風巻の、
音楽と非音楽の境界線を飄々と渡り歩くような即興演奏が、
「自由律の音楽」とでも呼ぶような新しい音楽の地平を見せてくれている。

1990年、ドイツEar-Rationalレコードからリリースされた
カーレ・ラールとの共同名義のCD「Return to Street Level」に顕著なように、
風巻のCD作品は、短い断片を組み合わせて全体を形作る、
音楽のモンタージュとでもいうような作り方を続けてきた。
前作の「ジグザグ/zigzag」もまた、60分に21曲という「小品集」だったが、
今回の「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」は7曲、一曲の演奏が長くなっている。

前作までは、まだドラムセットというものの機能性というものを
身にまとった演奏をしていた風巻だが、
今回は、バスドラを横に寝かせたフロアバスドラを使って、
肩から下げたタムタムの音を変化させていくアプローチをみせ、
バスドラの上に平たいバケツを置き、
その上に木琴のコギリをセッティングするといった変則的なセットアップで、
音の表情や、倍音のゆらぎといったものを巧みに変えるスタイルをとっている。

タイコのヘッドの革の音、胴の木の音、リムの金属の音…、
スティックの持ち方を変え、グリップエンドや手首、前腕、肘などでミュートし、
ときにはハーモニクスで倍音を際立たせていく。いくつもの音が同時に、
あるいはズレを伴って変化・変容しながら音が形を変えながら流れていく。
直接には叩かないバスドラが作り出す低音域の厚みは、
キッド・アイラックの箱鳴りと合わせて、このCDの聴きどころになっている。

1984年に自主コンサート「音の交差点」を開始して以来、
ダニー・デイビス、ペーター・コヴァルト、トム・コラ、サム・ベネット、
梅津和時、篠田昌已、大熊ワタル、大友良英etc…、
キッド・アイラックで風巻は多くの即興演奏家と共演し、
その音楽を豊かなものへと発展させてきた。
キッドとの別れを惜しむようなエモーショナルな演奏は、
打楽器はリズム楽器だという固定観念を見事なまでに粉砕し、心に響いてくる。

20代の頃、ニューヨークのイースト・ヴィレッジの路上で、
たまたま通りがかった黒人のサックス奏者デューイー・レッドマンの
シャーナイと共演するという特異な体験をもつ風巻隆は、
けしてジャズミュージシャンではないけれど、長い年月をかけて、
60年代のフリージャズ、70年代のインプロヴィゼーション(即興演奏)、
80年代の「新しい音楽(New Music)」という音楽の革新運動を
新しい時代に引き継ぐように、
唯一無二の演奏スタイルで独自の音楽世界を作りあげ、
音楽の境界にいるようなユニークな立ち位置を築いた。

西アフリカの木琴コギリをカウベルで叩くとき、
民族音楽という伝統的な枠組みが解体されて、新しい音が立ち上がってくる。
深胴のブリキのバケツにストラップを付け、さまざまに動かしながら叩くと、
それはもう新しい楽器になっている。手作りした革のヘッドと、
進化し続ける演奏スタイル、
さまざまなテクニックを駆使した誰にも真似できない音作りは、
もはや「打楽(PERCUSSIO)」としか呼べないものなのだろう。

このCDのエンディングは
コギリをトレモロで叩くメロディアスなアプローチになっている。
そこには、20代から続けてきたキッド・アイラックとの歳月への
「万感の想い」が込められている。「ただ音を叩いている」というタイトルは、
即興演奏は「自分」を捨てたときに立ち現れてくるという
風巻の信念でもあるのだろう。
その演奏は、何度聴いても新しく感じる豊かさと、
言いようのない「懐かしさ」にあふれている。

風巻 隆 ブログ 「音楽ノオト/即興ノオト」
http://blog.livedoor.jp/kazamakitakashi/
     エッセイ「風を歩く」
http://blog.livedoor.jp/takashikazamaki/

2022年06月04日

風巻隆 プロフィール

アヴァンギャルドな即興演奏家     風巻 隆  

レコ発ライブ3



革の響きのするシンプルなタイコから、多彩な音色と、
たゆたうようなリズムを変幻自在に繰り出しながら、
センシティブな情感あふれる即興音楽を作り上げるパカッショニストの風巻隆。
20代の頃は佐渡をはじめ日本各地を訪れ、
市井の人達と交わることで音楽という制度の外側で
自らの音楽表現を高めていった。

ドラムセットを解体し、
タムタムにストラップを付けて立ったまま演奏するスタイルは、
その表現の場所を路上に広げ、1984年初めて訪れたニューヨークでも、
毎日のように路上で演奏し、多くの観客達の賞賛を受けた。

ニューヨークのダウンタウン、
アスター・プレイスという所で演奏していたときに、
一人の初老の黒人のミュージシャンから
一緒に演奏してもいいかと声をかけられ、
彼のシャーナイと共演するという特異な経験をした風巻は、
その彼がジャズの巨人のデューイ・レッドマンだったということを、
後から知ることになる。

その偶然の出会いと、奇跡のような演奏は、風巻を音楽へと向かわせ、
ニューヨークで独自に企画したライブも、
週刊のタブレット新聞ヴィレッジヴォイスにチョイスされ、
センセーショナルなデビューを果たすことになる。

1987年の半年間をニューヨークで過ごした風巻は、
その年オープンしたニッティング・ファクトリーの
キッチンヘルパーとして働きながら、
さまざまなプロジェクトを企画し、実現していく。

黒人のジャズのコミュニティとも、
白人のインプロヴァイザーのコミュニティとも等距離でつきあっていた風巻は、
ダニー・デイビスとウィリアム・パーカーとのトリオで
KRAINというスペースでコンサートを行い、
また、トム・コラをエンジニアに迎えて
サム・ベネット、ジーナ・パーキンスとNOISE NEW YORKという
スタジオでデュオのレコーディングを行った。

風巻はその後、ミュンヘンのギタリスト、カーレ・ラールとの共同作業を開始し、
ニューヨークで様々なゲストと録音したCDを
ドイツのレーベルからリリースしていく。

エリオット・シャープ、クリスチャン・マークレイ、トム・コラ、
ポール・ハスキン、ニック・ディドゥコフスキーと録音した
「Return to Street Level」、
河野優彦、ウィリアム・パーカーと録音した「Floating Frames」、
梅津和時、サム・ベネットと録音した「MOVING」。

ラールのサンプラーと、ジャンルを横断するサウンドは、
New Musicという当時の音楽潮流を感じさせるものだった。

カーレ・ラールとのツアーで出会ったチューリッヒのクリストフ・ガリオ、
タリンのマルト・ソー、エドアルド・アクリンを招聘し、
95年に大磯の「すとれんじふるうつ」で行ったレコーディングセッションは、
その後、イギリスのLEO LABから
ENSEMBLE UNCONTROLLEDの
CD「TALES FROM THE FOREST」としてリリースされる。

また同ユニットで、96年大阪「ミノヤホール」、
97年タリンの「エスティラジオ」で録音した音源から、
001年イギリスSLAMからCD「LINKS」をリリースし、
即興であることを感じさせない完成度の高い作品となった。

その後、風巻は海外での活動から離れソロの世界を形作っていく。
KID・AILACKレーベルから2005年にリリースした「ジグザグ/zigzag」では、
即興演奏は自己表現ではなく、自分から離れて音楽に献身することだとしている。

それから17年、オフノートからリリースされた
CD「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」は、
即興演奏はジャンルやスタイルではなく、音楽と非音楽の境界線に立ち、
「音楽ではない」世界ともつながりながら、
まだ見ぬ世界へ足を踏み入れようとする意志だと伝えている。

なお、現在Web雑誌「JAZZ TOKYO」に、
音楽や旅をめぐるエッセイ「風を歩く」から…を連載するなど、
文章でも音楽や即興を問い続けている。


kazamakitakashi at 02:10|Permalinkプロフィール | プレスリリース

風巻隆 略歴

<資料>    風巻 隆 (1957〜)     略歴

1977〜1983 音楽の実験と自主制作の時代


1977年  「ジャズマガジン」誌に掲載された間章氏の
      ミルフォード・グレイヴス論に触発されて即興演奏を志す。
      明大前「キッド・アイラック・ホール」での
      「EEUのワークショップ」で近藤等則、高木元輝らと共演。
1978年   和太鼓屋で入手した革を細工してドラムヘッドを自作し、河野優彦、
      島根孝典らと演奏活動を始める。
      東京芸大の民族音楽ゼミナール(小泉文夫教授)の一員として、
      沖縄・八重山をフィールドワーク。
1979年   Vedda Music Workshopに参加し、竹田賢一、向井千恵、鈴木健雄らと、
      継続的な活動を始める。
      吉祥寺「羅宇屋」で若林忠弘氏から北インド古典音楽の
     タブラ演奏を学び、同店のライブに出演する。
1980年   羅宇屋のメンバーと共に北インド・ラクナウの
      バテカンデ音楽大学サマースクールで、タブラを習う。
      楽器を担いで仙台、盛岡、陸前高田、福島、いわきを訪ね、
      ジャズ喫茶等で、飛び入り演奏をする。
1981年   Vedda Music Workshopで川崎市の中原養護学校で子供達と
      共に即興演奏する実験的な試みをする。
      「安保をつぶせ」集会後のデモに参加し、タイコを叩く。
      以後、しばしばデモでの演奏を試みる。
       瀬戸内海・男木島でのオールナイトパフォーマンス
     「百鬼夜行」を企画・主催する。その後も東京で、
      「東京百鬼夜行」「大東京夕涼み」
      といった、オールナイトパフォーマンスを企画・主催する。
1982年   鶴巻温泉「すとれんじふるうつ」でのライブからLP「風を歩く」
      w/向井千恵 を自主制作。 
      アパート焼失を機に「さすらう即狂のチンドンヤ」
      全国ソロ・ツアーを企画、
1983年   鶴巻温泉「すとれんじふるうつ」でのライブからLP「円盤」
      w/小杉武久 を自主制作。
      横須賀沖の無人島・猿島を舞台に、即興的なパフォーマンスを行う
      「廃墟のシマへ」を企画。
      ソロ・ツアー「無産の音へ」で夏に東北、北海道、
      秋に西日本各地を回る。


1984〜1999 欧米の即興音楽シーンとリンクした時代


1984年   ニューヨークの路上で演奏しながら3ヶ月音楽活動。
      トム・コラ、ペーター・コヴァルトらと共演する。
       明大前「キッド・アイラック・ホール」で、
       自主コンサート「音の交差点」を開始する。
1985年   渋谷「アピア」でダンスの山田せつ子と「即狂的宴奏会」で
      即興的なパフォーマンスを行う。
      鶴巻温泉「すとれんじふるうつ」のライブからLP「ATMOSPHERE」
      w/ダニー・デイビスを自主制作。
      ダニー・デイビスと湯布院「Music Landscape」フェスティバル
      をはじめ、全国をツアーして回る。
1986年   誰でも自由参加できるパフォーマンス「見世物小屋」を企画し、
      桜前線の北上に合わせ全国各地をツアー。
1987年   ニューヨークに6ヶ月滞在し。ニッティング・ファクトリーの厨房で
      働きながら、トム・コラ、サム・ベネット、ジーナ・パーキンス、
      ダニー・デイビス、ウィリアム・パーカー等
      多くのミュージシャンと共演。
      トンプキンススクエアパークでのNew Ears / New Music Festivalで、
      デニス・チャールズと共演。
      ニッティング・ファクトリーでのTea & Comprovisationsで
      ネッド・ローゼンバーグと共演。

1988年   横浜・大桟橋ホールで
     「デュオ・イムプロヴィゼーション・ワークショップ」
      を企画、主催する。
       西ドイツDossierからLP「143 Ludlow st. NYC」
      w/サム・ベネット、ジーナ・パーキンスをリリース。
      ソロでヨーロッパを楽旅。「ロゴス」(ゲント)、
      「アポロハウス」(アイントホーヘン)「セレステ」(バルセロナ)
      などでソロ公演。
      ミュンヘンでギタリストのカーレ・ラールとデュオで共演する。
1989年   新横浜「スペースオルタ」で、即興とパフォーマンス「MOCK」を
      ジョン・ゾーン、大友良英らと公演。
      ミュンヘンのカーレ・ラールを招聘、
      「東京ドイツ文化センター」のほか全国をツアーする。
1990年   ドイツEar-Rational からCD「Return to Street Level」
      w/カーレ・ラール、エリオット・シャープ、トム・コラ、
      クリスチャン・マークレイ、ポール・ハスキン、
      ニック・ディドゥコフスキーをリリース。
      ブリュッセル、パレ・デ・ボザールでの国際的な打楽器フェスティバル
     「PERCUSSIO」でソロ公演。
1991年   ドラムをリニューアル。スリンガーランド製のラジオキングと呼ばれる
      50年代のスネアの響き線をはずして中にプラスチックの
     ゼムクリップを挿入し、カムコのヴィンテージドラムに、
      革のヘッドをつける。
     カーレ・ラールを招聘し、池袋「スタジオ200」で大友良英、
      大熊ワタルと共演し、全国をツアー。
1992年  チューリッヒのサックス奏者クリストフ・ガリオと共に
    都内や、盛岡、神戸で公演する。
      カーレ・ラールとのデュオでヨーロッパ、エストニア、ロシア、
     メキシコ、アメリカ中西部をツアーし、
      アイントホーフェンでの「Zuid-Nederlands Jazz Festival」で、
      ヨハネス・バウアーらと共演する。
      ニッケルスドルフでの「KONFRONTATIONEN」に、
     ディートマー・ディーズナーとのトリオで参加。
     メキシコ・モンテレーのREGIOMONTANA大学のサマーコースで
     「Drum(Jazz)」の単元を教える。
     クリーブランドで行われた
     「New Music America/Sonic Disturbance Festival」に
      デュオで参加する。
1993年  ドイツEar-Rationalから「FLOATING FRAMES」 w/カーレ・ラール、
     河野優彦、ウィリアム・パーカー、ヴィンセント・カリノフ
    (録音:ニューヨーク、タリン、サンクトペテルスブルグ)をリリース。
      カーレ・ラールを招聘し、新宿「ピットイン」で大友良英と共演し、
      全国をデュオでツアーする。
1994年  ダンスの神蔵香芳と大分、福井、福島、花巻、栃木で
     「音のある風景」を公演する。
     カーレ・ラール、神蔵香芳とともに
      ニューヨーク「ニッティング・ファクトリー」で公演。
1995年  ヨーロッパからカーレ・ラール、クリストフ・ガリオ、
     エストニアからギターのマルト・ソー、トロンボーンの
     エドアルド・アクリンを招聘して梅津和時らと
     「FREE WORLD BIG BAND」東京公演を行う。
     大磯「すとれんじふるうつ」で、ラール、ガリオ、ソー、アクリンと
      レコーディングセッション。
1996年  ドイツKONNEXから「MOVING」w/カーレ・ラール、梅津和時、
     サム・ベネットをリリース。
     イギリスLEO Records Laboratoryから
     「TALES FROM THE FOREST」
     w/カーレ・ラール、クリストフ・ガリオ、 マルト・ソー、
      エドアルド・アクリン(ENSEMBLE UNCONTROLLED)
      をリリース。
     前年と同様に、ラール、ガリオ、ソー、アクリン、アメリカから
      コントラベースクラリネットのポール・ハスキンを招聘し、
     ダンスの神蔵香芳、サム・ベネットとともに神戸で
     「月と遊園地」公演を行う。
1997年  ENSEMBLE UNCONTROLLEDとして、
     エストニア・タリンの「JAZZ KAAL97」に出演する。
1998年  大熊ワタル、坂本弘道、サム・ベネットとの
     「ホンキートンク アンサンブル」でJAZZ IN OISO出演。
     梅津和時との「アクースティック デュオ」で
     JAZZ IN OISO98秋フェスティバルに出演する。
1999年  明大前「キッド・アイラック・アート・ホール」で
     シリーズのソロ公演「PERCUSSIO」を開始する。
     浅草AsahiスクエアAで神蔵香芳と「月と遊園地」公演。
     w/カーレ・ラール、大熊ワタル、坂本弘道、しばてつ
     (ホンキートンク アンサンブル)。


2000〜2022 ソロ活動とインプロヴァイザーズ・ネットワークの時代


2000年  キッド・アイラック・アート・ホールで「カフェ・カーニバル」公演
      w/神蔵香芳、火取ゆき(vocal)、 大熊ワタル、大蔵雅彦、坂本弘道、
      沢田穣治(ホンキートンク アンサンブル)。
2001年  イギリスSLAMからCD「LINKS」を
      ENSEMBLE UNCONTROLLEDとしてリリース。
2003年  キッド・アイラック・アート・ホールで「月と遊園地」公演。
     w/神蔵香芳、夏海花澄(アート)
     キッド・アイラックでソロのシリーズ「SKETCH」を開始し、
     演奏をレコーディングしていく。
2004年  牧原利弘の来日にあたり、新宿「シアターPOO」で
     「インプロヴァイザーズ・ネットワーク」を企画し、
      松本健一、大蔵雅彦、入間川正美、しばてつ、
     クリストフ・シャルルと共に即興のセッションを行う。
      ピアノの新井陽子と、渋谷アピアで
     「空から木の実、音を叩いてゆく」playing山頭火シリーズを始める。
2005年  KID AILACKレーベルからキッドで録音した音源で
     初のソロCD「ジグザグ/zigzag」をリリースする。
2006年  大磯「すとれんじふるうつ」で、大磯音楽祭のなか企画された
     「フリーミュージックナイト」として、千野秀一、臼井康浩、 新井陽子、
     しばてつ、飯塚知らと、様々な組み合わせでセッションを行う。
     宇梶晶二(UKAJI)と、キッド・アイラック・アート・ホールで
     「SOUNDSCAPE」シリーズを開始。
2007年  キッド・アイラックで「空から木の実カルテット」w/新井陽子、
      しばてつ、入間川正美を開始。
2008年  キッド・アイラックでソロ公演「ワンダーランド」を行う。
2009年  キッド・アイラックで二つのデュオによる「音の交差点」
      w/永田砂知子、中山信彦を企画する。
2010年  来日中のフレッド・マーティとキッドで「音の交差点」
      w/池上秀夫、マルコス・フェルナンデスを企画。
2011年  高円寺のWorld Percussionで入手したコンサートベースドラム用の革で、
     バスドラをリニューアル。
     新井陽子と稲毛「Candy」でデュオのシリーズ
     「SOUNDSCAPE」を始める。
2012年  二子玉川「KIWA」で二つのデュオによる「音の交差点」
      w/クリストフ・シャルル、中山信彦。
2013年  二子玉川「KIWA」でさまざまな組み合わせによるセッション
     「インプロヴァイザーズ・ネットワーク」w/ 千野秀一、大熊ワタル、
      吉本裕美子、永田砂知子、クリストフ・シャルル、入間川正美を企画。
      綱島「Namak Cafe」で、ソロ・パカッション
     「ショート ストーリーズ」を行う。
2014年  綱島「Namak Cafe」で、ソロ・パカッション
    「ドラム マジック」を行う。
     キッド・アイラックで二つのデュオによる「音の交差点」
     w/森順治、大熊ワタルを企画する。
     キッド・アイラックで和太鼓の花木久実と
     「タムタム ラプソディ」即興公演を行う。
2016年  キッド・アイラックの閉館の報を受け、「音の交差点ファイナル」
      6つのデュオによるインプロヴィゼーション w/ナカヤマ ノブヒコ、
      香村かをり、森重靖宗、新井陽子、大熊ワタル、神蔵香芳を行う。
      キッド・アイラックでソロ「SO LONG」を行い、
      ライブレコーディングを行う。
2018年  大磯「すとれんじふるうつ」の閉店の報を受け、
      「IMPROVISIRS NETWORK」ライブレコーディング。
      w/ 森順治、竹田賢一、大熊ワタル、鈴木シンメイ、臼井康浩、
      照内央晴、吉本裕美子。
2019年  綱島「Namak Cafe」でソロ
     「OUT OF THE END/終わるというはじまり」ライブレコーディング。
      綱島「Namak Cafe」でソロ「ロンド/輪舞」playing kogiriを行う。
2021年  スリンガーランド製の50年代のタムタムを入手し、
      革のヘッドを取り付ける。
2022年  成城学園前の「アトリエ第Q芸術」で
      CD「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」(オフノートnon-27)
      発売記念コンサート+パーティを行う
     w/森順治、吉本裕美子、新井陽子。


kazamakitakashi at 02:02|Permalinkプレスリリース | 資料

2022年04月06日

CD「ただ音を叩いている/PERUSSIO」発売記念ライブ

■ 風巻 隆 ソロCD 「ただ音を叩いている」 発売記念 ライブ+パーティ

PERCUSSIOジャケット


80年代、東京のアンダーグラウンド音楽シーンから出発し、
即興のパカッショニストとして、ニューヨークやヨーロッパで活躍した風巻隆。

音楽の常識を疑い、「新しい音楽」を希求する40年を超す作業の
一つの結実となる17年ぶりの新作ソロCD「ただ音を叩いている/PERCUSSIO」
(オフノート non-27)の発売を記念して、
長年親交のあるミュージシャンとのカルテットによるライブが、
成城学園前「アトリエ第Q藝術」で行われる。

この新作CDは、
風巻のキッド・アイラックでのラストソロの録音がベースになっていて、
60年代から東京のオルタナティブな音楽シーンを創出し、
2016年に多くに惜しまれながら閉館した
明大前のキッド・アイラック・アート・ホールに捧げられている。

なお、風巻のエッセイをまとめたブックレットも充実し、
沖縄・八重山の厳粛な祭り「アカマタ・クロマタ」の体験や、
ニューヨークの路上でジャズミュージシャンと共演したエピソードなど
実際の経験を紹介しながら、
即興論、音楽論、ジャズ論、打楽器論などをわかりやすく展開している。


2022年5月13日(金)  19:00 開場  19:30開演

出演

森 順治     alto sax, bass clarinet, flute
吉本 裕美子    guitar. daxophone
新井 陽子     piano
風巻 隆     percussion

会場

成城学園前 「アトリエ第Q藝術」   電話予約 tel 03-6874-7739
https://www.seijoatelierq.com/

料金  4500円 (CD1枚+入場料)
    2500円 (入場料のみ)
    予約優先  
 (2部のパーティに参加の場合、何か1品お持ちよりください。)

予約 ・ 問い合わせ     takashikazamaki@h6.dion.ne.jp

なおCDの定価は2300円+税 ライブでの販売は通例2500円(税込み)になります。



森順治2




森 順治   Mori Junji    alto sax, bass clarinet, flute

軽快なフットワークと自由奔放な音作りで、フリージャズや即興演奏、
歌ものまで幅広い音楽活動を続けるマルチリード奏者。

1976年から、梅津和時、原田依幸らと「集団疎開」
「生活向上委員会」の一員として活動しながら、
渋谷アピアで友部正人、遠藤ミチロウとも共演するなど、独自の音楽活動を展開する。
1982年、人形劇団「かわせみ座」の音楽を担当し、90年代末まで続けられる。
また金井勝の短編映画「夢走る」の音楽を担当し、
しばらくフリージャズの現場から遠ざかる。

1990年代、ギタリストの斎藤デメと出会い、
福生を拠点に活動するロックバンド「中原宙&Deme Band」に参加。
2001年頃テナー&ソプラノサックスの堀切信志とのデュオを開始し、
また、ドラムの大沼志朗との出会いから、
ピアノの雨宮拓とのトリオ「M.A.S.H」が結成される。
現在も上記のバンド・ユニットでの活動のほか、
原田依幸の大人数ホーンによる「大怪物団」や、山崎比呂志やヒゴヒロシのユニット、
宅シューミー朱美のセッションなどにも参加している。

https://ameblo.jp/lm199781/theme-10036814500.html


吉本裕美子4





吉本裕美子  Yoshimoto Yumiko guitar, daxophone

ロックバンドでの活動とともに、
アートや実験映画の領域での活動を通して即興演奏という表現に出会う。
2006年より越後妻有アートトリエンナーレの
ヒグマ春夫パフォーマンスへの参加をきっかけに
エレクトリック・ギターの即興演奏を開始。

当初はエフェクターを多用した空間的なサウンドを指向していたが、
現在はエレクトリック・ギターの素の音に近いサウンドで、
国内外で演奏活動を精力的に展開している。

ソロや、女性5人の即興ジャムバンド「ホイミ」、
フルート/サックス/ヴォイス他の狩俣道夫との「bugs cry what」などでの演奏のほか、
ダンスや朗読、映像など他ジャンルとの共演を重ね、
自作音源を使用した8ミリフィルム映像作品の制作や
山田勇男、寺嶋真里、山崎幹夫の映像作品の音楽に携わるなど映画との関わりも深い。

2016年、ブルガリア・ソフィアでの「Water Tower Art Fest 2016」に参加。
同年、リトアニアのミュージシャンとのトリオCD
「Yoshimoto/Griciute/Mikalkenas」(Sculdubuldu)をリリース。
2019年、狩俣道夫とのデュオCD「bugs cry what」(jigen 020)をリリースする。

ギタリスト内橋和久のワークショップ(2015年〜)に参加したことを機に、
近年、ドイツのギタリスト、ハンス・ライヒェルが考案した
木片を弓奏する創作楽器「ダクソフォン」も演奏に取り入れ、
2021年、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース演劇公演
『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』の劇伴で、
内橋和久とともにダクソフォンを演奏している。

放牧地帯 (yoshimotoyumiko.blogspot.com)



新井 3



新井陽子  Arai Yoko piano

ピアノ、作曲、ジャワガムランや声明を学び、
1980年代よりダンスや現代詩のパフォーマンス、演劇とのコラボレーションを行う。
1990年代後半より、
自身の身体感覚から音を出す瞬間を図り音楽を作ってゆくことを志し、
活動を即興演奏中心に行うようになる。

2003年より、西荻のNPO法人にイベント企画参加。
ギャラリー「遊工房アートスペース」にて80年程前に横浜で制作された
アップライトピアノ「Stuttgart」の修復をめぐるプロジェクトに関わるなど、
即興音楽と日常とが出会う場を作るためのプロジェクトを多数行う。

2007年、韓国ソウルを訪れ、パク・チャンス氏の主催するコンサートシリーズ
「The House Concert」で演奏する。
2009年、ヨーロッパを訪れ、オランダのアイントホーフェン、
ドイツのベルリンで演奏を行う。

2010年にはロンドンのザ・ヴォルテックス・ジャズ・クラブで、
ジョン・ラッセル等の主催する月例のコンサートシリーズ”Mopomoso”に出演。
パリで、フレッド・マーティFred Martyや沖至、大島裕子などと共演する。

2016年には”Mopomoso”でロンドン・ジャズ・フェスティバルに参加する。

近年はソロやデュオ、ダンサーとの即興公演や、
「ショスタコーヴィチと即興」で曲と即興のコンサートなども行う。

2018年ソロCD”Shadow Lightを
埼玉・越生のカフェ「山猫軒」の山猫レーベルからリリースする。
なお現在は、音楽療法士としても活動を続けている。



https://araiyoko.jimdofree.com 


PERCUSSIO ×1.6



風巻 隆  Kazamaki Takashi    percussion

80年代から90年代にかけて、
「新しい音楽(New Music)」と呼ばれたニューヨーク・ダウンタウンの
実験的な音楽シーンとリンクしながら、ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と
幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。

ドラムを改造した独自の演奏スタイルや、
タイコが音楽を記憶しているという独特な音楽観、
即興の醍醐味は作品化にあるという即興観は、
2005年にキッドアイラックレーベルから発表した
ソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実した。

革の音がする肩掛けのタイコ、西アフリカのコギリ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
今もまた、革新的な演奏スタイルを模索している。

ジャズと現代音楽の中間領域にあたる即興シーンでも、
常に独自の立ち位置を持ち、
昨今は、音楽そのものを深めていくエッセイ「風を歩く」や、
即興をわかりやすく読み解く考察「即興ノオト」も発表している。

90年代には、ミュンヘンのギタリスト、カーレ・ラールとのプロジェクトで
ニューヨークのミュージシャンをゲストに迎えたCDを3作、
ヨーロッパ、エストニア在住のカーレ・ラール、クリストフ・ガリオ、
エドアルド・アクリン、マルト・ソーとのEnsemble Uncontrolledで
大磯、大阪やタリンで録音したCDを2作、
いずれもヨーロッパのレーベルから発表している。

エッセイ「風を歩く」     http://blog.livedoor.jp/takashikazamaki/


kazamakitakashi at 01:27|Permalinkコンサート情報 | アトリエ第Q芸術

2021年10月22日

即興とは何か  <即興ノオト1>

即興ノオト1



即興というのは「モノの作り方」のうちの一つの方法であって、
それ自体に何かの価値があるものではなく、
評価されるのは、音楽であれパフォーマンスであれ、
あくまで、そこで形作られたモノ=作品でしかない。

即興という方法が、
何か特別のことのように思われてしまうのは、
それが、地図もなしに車を走らせたり、
羅針盤も無く航海にでるように、
見知らぬ世界へアプローチするものだと考えられているからだろう。

即興演奏は、
そうした予測のつかない冒険的な試みであるにもかかわらず、
一方で、音楽のイディオムから離れたところで
演奏を自由に展開できることもあって、
楽器の上手い下手だとか、
キャリアのあるなしに関わらず試みられてもいる。

即興演奏をするとき、
演奏者は「何をやってもいい」という自由を持っているはずなのに、
そこで襲ってくるのは
「何をしたらいいのか」という大きな問いだ。
それは、自分は何者かという、
普段の生活レベルでは押し殺している問いでもある。

自由なはずの即興が、
逆に大きな壁として自分の行く手を遮ってしまうとき、
多くの人はそこで、
自分が自分でいられる安全な場所へと逃げ込んでいく。
自分の好きな楽器の音を、他者へではなく、
むしろ自分へと投げかけていく。

即興という方法が、えてして自閉的な音や、
自己満足だけの表現に陥りやすいのは、
「何をやってもいい」というレベルから、もう一段上の
「新しい音楽が生れようとしている」レベルへ、
なかなか演奏が到達できないからだろう。

即興演奏の醍醐味というものは、
そうした、今、まさに音楽が生まれようとしている緊張感や、
演奏が「作品」として完結する達成感といったものを、
演奏者や聴衆が、その場で共有できることなのだ。

その即興は、「誰でもできる」といったレベルのものではなく、
自由であることの厳しさや、既成概念にとらわれない発想力、
個性というものを支える演奏技術、
音楽の可能性に対する献身や高い精神性、
「音楽とは何か」を考えることができる明晰な智といったものが必要だろう。

即興演奏を自己評価するひとつのモノサシは、
「どれだけ新しいことができたか」なのだけれど、
それは「新しい自分」へと、
演奏の場でどれだけ脱皮できたかということでもある。

自分自身につけたレッテルや、積み上げたキャリアや、
自分がそう思っていた自分自身からも離れて、
演奏が自由に展開し、予期しない音楽が立ち現れてくる。

即興というのは、高速で駆け巡る意識と、
整然と狂った感覚が奇妙に同居しながら、
新しい世界への扉を押し開き、
自分が生まれ変わっていく、ある種の身体感覚でもあるのだろう。

即興は、この高度にシステム化した現代社会にあって
ジャンルやスタイルの中に固定化した音楽にはけしてない
音楽の可能性というものの扉を開くことができ、
そして、まだ誰も見たことがない「どこにもない世界/ワンダーランド」へ
人々を誘うことができるものなのだ。





kazamakitakashi at 18:00|Permalink即興ノオト | 即興論

2021年10月21日

即興演奏という音楽  <即興ノオト2>

即興ノオト2



フリー・インプロヴィゼーション(即興演奏)というのは、
1960年代にヨーロッパの先鋭的なジャズミュージシャンが、
アメリカの黒人ミュージシャンの
フリー・ジャズに対抗する意匠として作りあげた
知的な演奏形態を持った極めて現代的な音楽の一ジャンルだ。

フリー・ジャズは、60年代のさまざまな変革のうねりのなか、
ロフトという自主的な活動を支える場所を得ながら、
ジャズという音楽がそれまで持っていた、
エンターテイメントや、歌心というエレメントを排除して、
グルーヴという身体的な、黒人特有のノリを土台に、
ドラムが鼓舞し、ベースが唸り、サックスが吼える、
直載的な音楽形式を作り上げた。

本質的にリーダーを中心としたグループ音楽であり、
圧倒的なパワーを前面に据えたフリー・ジャズに対して、
一人一人の演奏家の「個」を基礎として、
現代音楽にも通底する、知的な抽象性に依拠する音楽を作ろうとしたのが、
ヨーロッパのフリー・インプロヴィゼーション(即興演奏)なのだろう。

即興演奏は、一言でいえば、ジャズと現代音楽の中間領域であり、
ジャズの持っているグループ音楽としての特性と、
現代音楽が持っている音楽に対する知的なアプローチを、
兼ね備えたものとしてある。

即興演奏を成り立たせているのは、
西洋的な「個」という概念や、創造性ではあるけれど、
自己の表現スタイルというものを確立するのは難しい。

そこに必要なのは自己や、自己の表現を客観視する視点と、
音楽は何かという、根源的な問いだろう。

「人は何故、音を奏でるのか」
「自分は、音に、何を感じているのか」

即興演奏は、演奏のスタイルの習得で継続されていく音楽のジャンルではなく、
個々が、「音楽とは何か」という問いかけとともに、
音楽の本質にせまることで成り立つ音楽形態なのだろう。

そこでは、常に新しい価値が創造されることが要求され、
そこには「自分の音」というものが必要になってくる。

多くの即興演奏家が、楽器を自分なりに作り替えたり、
楽器そのものを創造したり、あるいは伝統楽器を伝統から切り離して、
独自の音を見つけたりしている。

それは楽器の音というよりも、
その演奏家の声(ヴォイス)として立ち現れてくる。
そうした個々のヴォイスが集まって、
変幻自在に音楽を形作っていくのが、即興演奏という音楽だ。



kazamakitakashi at 17:59|Permalink即興ノオト | 即興論

2021年10月20日

新しい音 <即興ノオト3>

即興ノオト3



即興演奏というのは、ただの音楽のスタイルではなく、
一回一回の演奏に、新しい価値や、創造性、
新しい発見といったものが期待されるものなので、
演奏者は、常に「新しい音」を探求する必要がある。

「新しい音」を見つけるためには、自分の音楽を客観的にとらえることが必要だ。
フリーインプロヴィゼーション(即興演奏)という音楽ジャンルが生まれた時期と、
カセットレコーダーが普及した時期が重なるというのも興味深い話だ。

それまで、その場かぎりのものであった即興が、録音され、
聴き返されることによって、「作品」として認識されるようになる。
自分の音を聴くことが次の演奏にフィードバックされていく。

自分の楽器の可能性を考えたり、自分の演奏スタイルについて、
さまざまに試みてみることも必要だろう。多くの即興演奏家が、
その人独自の音や、声(ヴォイス)を持っていることからもわかるように、
まずは、誰のものでもない自分独自の演奏スタイルというものを確立する必要がある。

即興演奏をする際に必要なことは、演奏するそのさなかに、
演奏する自分とその音を聴いている自分を、同時に持つことだ。
自分が今どこにいて、どこへ行こうとしているのか。
自分の思ったとおりに、楽器は鳴ってくれているのか。
あるいは、自分を置いてきぼりにして、音楽が、どこかへ行こうとしているのか。

多くの音楽が、自分の意図した音を奏でることが目的なのに対して、
即興演奏は、自分の意図しない音を奏でることをも目指している。
むしろ、自分の意図から離れて音楽が自然に生まれることの方が、
即興の質も、作品の質も高かったりする。
歴史や理論やスタイルでがんじがらめになった音楽ではなく、
今まさに新しい音楽が生まれるような、
自由で新たな可能性に満ちているのが即興演奏だろう。

おそらく多くの演奏家は、
自分の楽器を自分がコントロールすることに必死になっている。
楽器を演奏するのは自分だという、誰もが考えるあたり前の世界の中に、
誰もがそこに普通にいる。即興という世界は、
そうした「あたり前」の世界の外側にあって、
自分の思い描いた音楽の外の世界に、自分の意思から離れて、
足を踏み入れていく。自分特有の音楽を作ろうとするベクトルが、
いつしか自分のコントロールを離れ、
自分でも見たこともない世界へつながっていく…、それが即興というものだ。

音楽が自分の意図から離れていくとき、そこに<新しい音>が生まれてくる。
その音は、自分の個性といったちっぽけなものから離れて、
例えば楽器そのものが持っている「記憶」へとつながっていく。
楽器を自分の意思でコントロールするのではなく、
楽器がその「記憶」を自然と語れるようになったとき、
ある意味で天与のものとして、「新しい音」は生まれてくる。

その音さえ手に入れることができれば、即興は自由自在になる。
まずは、自分自身へのこだわりや、
自分が思い込んでいる自分自身というものから抜け出してみること。
いつのまにか自分に貼り付けていたレッテルをはがしたとき、
きっと、「新しい音」が、立ち現れてくるはずだ。




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2021年10月19日

即興する意識 <即興ノオト4>

即興ノオト5



即興は誰でもできるものではあるけれど、即興演奏は難しい。
即興演奏を音楽として成立させるためには、即興の質を高めなくてはならないし、
また、それと同時に音楽を成立させるために、
自己の意識をコントロールしなくてはならないからだ。

即興を行うためには、自分のからだの奥からの声に、耳を傾けなくてはならない。
それは、他人の演奏スタイルや、時代のトレンドなどとは関係なく、
きわめて個的な作業として行われる。

それはおそらく、日常とは別の次元に立って、
あらゆる可能性に開かれた創造性を身に纏うことだろう。

大いなる集中力で自分自身の即興を成立できたとしても、
それだけでは充分ではない。
即興演奏が、ともすれば抽象の迷路に入り込んで
出口が見えないような「どうどう巡り」に陥ってしまうのは、
演奏者が自分の即興のことだけに気をとられて、
全体の中の自分の位置や、
演奏の展開のパースペクティブを把握していないからだろう。

とくにアンサンブルの場合には、全体の演奏の中の自分の位置を変化させたり、
次の展開を読んで自ら状況を変えようと音で仕掛るといった、
アクティブな働きかけも必要となる。

逆に、全体の中での自分の位置ばかり気にして
何のアクションも起こさないでいると、
その演奏は何も起こらないままに、ただ「様子見」だけで終わってしまう。

即興を成立させることと、音楽を成立させることは、
それぞれ別の意識が必要で、ある意味で矛盾してもいるのだろう。
即興というのは、個人の内面といったものと向き合う演奏の入口の問題であり、
音楽というのは、個人からは離れた、その演奏の結果として残る作品のことだ。

即興を行うなら、今までの既成概念の枠の外へ飛びだす勇気も必要だし、
それと同時に、「作り上げるもの」である音楽に対する謙虚さも必要だ。

即興演奏のさなかに、音楽がその場で生まれて、
自分達の意識から離れたところで音楽がまるで
「自動律」といったものを持っているかのように展開することがある。
音楽が自然と生まれてくるそうした瞬間は、即興演奏の醍醐味でもある。

共演者が一人でもいる場合には、
お互いの共同作業として即興演奏を行うことができるのだが、
おそらく即興演奏で一番難しいのは、ソロの演奏だろう。

ソロにおいては、即興をしようとする自分の意識がしばしば空回りして、
自分が自分で驚くような演奏に至らない。
自分で自分の演奏をコントロールしているだけだと、
新しい自分というものはそう簡単には出てこない。

ソロで演奏するときには、
意識を「整然と狂わせる」といった、特殊な感覚も必要だろう。
自分の意識が自分から離れていくと、実は、楽器が雄弁に語りだす。

そうした楽器の声に耳を傾けているうちに、
自分が思ってもみなかったような演奏が現前することがある。
その音楽は、自分の意識から導き出されたものではなく、
おそらく、「未知の記憶」といったものから出てきたものなのだろう。

その音は、新しい音であるのにもかかわらず、どこか懐かしい響きを持っている。



kazamakitakashi at 17:58|Permalink即興ノオト | 即興論

即興と作品 <即興ノオト5>

即興ノオト6




即興演奏というものが、そもそも「音楽のあり方」を視野にいれ、
五線譜から音楽を解放し、あらゆる感覚や、
新しい音を音楽に導入するものであるとすれば、
即興演奏は、即興であることに充足するのではなく、
そもそも「作品」へと向かうものだろう。

即興において作品というものは、あらかじめ作られたものではなく、
そこを目指し、そこへ向かっていくことで、結果として「たどり着く」ものだろう。

ただ漠然と演奏するのではなく、作品というものを意識することで、
その演奏には方向性というものが生まれてくる。
即興演奏には、常に新しさというものが求められるので、
即興にとって必要なのは、新しい音の領域を広げる作業であり、
音楽の可能性を広げようとする、不断の作業なのだ。

それは、自分の中から新しい自分が殻を破って出てくるような身体感覚とともに、
音楽が、自然と生まれ出るような新鮮な驚きといったもので、
そこでは、自分が見たこともない風景の中を佇んでいるような、
精神の高まりといったものも感じることができる。

音楽がその高みにまで到達したときにはじめて、
即興演奏は、「作品」として認められることになる。

「作品」というものは、あるときは短い断片のようであったり、
また、あるときは1時間を越す大作というようなものであったりする。

もちろん短い作品には明確なパースペクティブがあり、
また長い作品にはさまざまな展開の妙や、壮大なドラマがあったりもする。

即興演奏が、その結果として「作品」という価値をもつためには、
演奏するもの同士の親和力のようなものが必要になってくる。
お互いの音楽を尊敬する気持ちが、即興を高次のものに高め、
その場で一緒に演奏できることへの強い想いが、
アンサンブルの中での自分の位置を見極め、
その場で作る音楽への献身といったものにつながっていく。

ソロの場合は、自分を高めてくれるのが、その空間だったり、
そのスペースを運営する人達だったり、
そうした人達との長い年月の絆といったものだったりもする。

即興という、ある意味で刹那的で、その場限りの出たとこ勝負が、
「作品」のレベルになるのは、たやすいことではない。
またとくにソロの場合、
自分の演奏を自分でちゃんと聴き返せるようになるのに、
時間がかかることすらある。

即興演奏の「作品」というものは、いつ聴いても新しい。

それは、誰かの頭の中で想像された音楽ではなく、
生身の音楽家が、その長い経験や、さまざまなテクニックを駆使して、
今までこの世に存在しなかった新しい音楽を立ち上げようと、
自分ではなく、音楽のために演奏している、
そんな貴重なドキュメントだからだろう。

即興が、そうした「作品」に行き着いたとき、
新しい音楽の可能性というものが、明らかに見えてくるはずだ。





kazamakitakashi at 17:58|Permalink即興ノオト | 即興論

演奏のスタイル <即興ノオト6>      

即興ノオト7



即興演奏と、楽器の上手い下手はさほど関係がない。
楽器の上手い人が、即興をできるとは限らないし、
楽器の伝統的な奏法から離れて即興演奏をしているミュージシャンも多くいる。

楽器を演奏する技術というものは、美しい音色を奏でるとか、
複雑なフレーズを正確に演奏するとか、
あるいは、楽曲の持つ情感を豊かに表現するといった、
その音楽固有の美意識や音楽観に規定されていて、
多くの場合、自分自身の内的な欲求よりも、そうした伝統的な音楽観や、
その時代のトレンドといった外的な要因に左右される。

例えばジャズを演奏するのなら、敬愛するミュージシャンのスタイルを踏襲し、
そこに自らの個性を付け加えて演奏のキャリアを積んでいくこともできるけれど、
即興演奏の場合は、そうしたスタイルの伝承というものが成立しない。

それは、即興という場で求められるものは、
既に確立された音楽の新たなヴァリエーションではなく、
音楽にこれまでにない価値観を与える、
「今ここで音楽が生まれる」というような創造的な演奏だからだろう。

つまり、即興演奏を行うためには、楽器を演奏する技術を、
誰かの模倣ではなく自分のやり方で高め、さまざまな試行錯誤のなかから、
自分自身の演奏スタイルや、
自分だけの声(ヴォイス)といったものを獲得することが必要になる。
また、そのスタイルは常に変化や、発展というものを伴っている必要がある。

アンサンブルとソロとでは、演奏のスタイルも変わってくるものだ。
アンサンブルでは、全体の中の自分の位置を確かめながらの演奏になるし、
また、一緒に演奏する相手によっても、演奏のスタイルは変わってくる。
おそらく演奏のスタイルというものは、
誰かと継続的に演奏活動を行うことで作られてくるものだろう。

ソロの演奏スタイルは、アンサンブルとは違った形になっていく。
アンサンブルは、音楽の自動律といったものに従って、
「作品」へと向かっていくものだけれど、
ソロは、自分の想念といったものを自分で裏切るようにして、
音楽の向こう側へと向かっていく。
ソロのスタイルを作り上げるには、自分の作り上げたものすべてを乗り越えて、
新しい地平と向き合っていく覚悟のようなものも必要だ。

今ある自分を捨て去って、
常に新しいスタイルを模索するのが、即興という表現なのだ。



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楽器の音 <即興ノオト7>      

即興ノオト8



楽器のことをインストゥルメントとは言うけれど、
それはけして、何かを作るための道具ではない。
楽器を演奏することを自己表現だと意識しているうちは、
ただ、自分というちっぽけな枠の中で音が鳴るだけだ。

どんなに演奏する技術を高めても、
楽器の音を自分がコントロールしようとするかぎり、
その楽器の持つ可能性にリミッターをかけることになり、
音はただ演奏者に従属するだけだ。

楽器から音が「抜ける」という感覚がある。
それは、自分の意志から離れたところで音楽が生まれ、
楽器本来の音がそこに現れるということだ。

「抜ける」とは言ってもけして大きな音というわけではない。
その音は、おそらく揺るぎない明確さと、
懐かしさに通じる親しみやすさを持っているはずだ。

その音は、自分の知らない世界から聞こえてくる音のようで、
音色には、何とも言えない深みというものがある。

その音は、聴くというより、むしろ体感するもので、
音の中にいることである種の幸福感に包まれることになる。
楽器というものは、音楽を記憶している装置のようなものだろう。

即興演奏をしようとすると、楽器をコントロールすることだけに集中して、
「何かをしない」というだけの演奏になってしまうことが多い。
即興であることに何も意味がないのである以上、
即興演奏は、楽器というものにもともと備わっている
「未知の記憶」に促されるようにして、
その場で音楽を生み出していくことでしかない。

音楽というものは、抽象的な概念ではなく、
五線譜で書き記され、演奏家によって再現されるシステムのことでもない。
それは、歌であり、祈りであり、自然の情景のふとした瞬間だったり、
出会いや別れの果ての日々の暮らしだったりする。

クリスマスにプレゼントを探して街をさまよう、
その行為が、その切なさが音楽というものなのだ。

音楽を作るには、楽器の奏でる音を信頼し、
生まれくる音楽に寄り添っていくこと。
自分ではなく、音楽は楽器が作ってくれる、ただ、それだけでいい。



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「抽象」を超えて <即興ノオト8>

即興ノオト9



即興演奏が、芸術の一領域として受容されるとすれば、
それは、即興演奏が二十世紀の芸術の多くとともに、
「抽象」というものに依拠しているからだろう。

心理学や精神分析の分野の発達に呼応しながら、
無意識や深層心理といった、
曖昧で明確な形を持たないものの中に、
人間存在の本質があるという考えに基づいて、
具体的な形や意味から離れ、
それまでの調和を主体とする美意識を否定して、
混沌としたイメージの世界を表現しようとするのが「抽象」というものだ。

これまでの音楽表現のイディオムを離れ、
その場で音楽の生成を目指す即興演奏は、
細部の曖昧さを残したまま、
断片的、非連続的な演奏が組み合わさって全体が形作られていくので、
演奏された作品そのものの印象は、
極めて抽象的なものになる。

即興演奏が「抽象」という概念に守られていることで、
混沌とした演奏が、芸術のように思われてしまうことは、
即興にとっては不幸なことだ。

即興そのものに意味があるという誤解も、そこから生まれる。

即興の場で、
明確な演奏のフォーカスを持てずに、
出口のない迷路のような演奏に陥ってしまうことは多い。
それは、混沌とした雰囲気の居心地の良さの中で、
ただ抽象的な世界を堂々めぐりしているだけだ。

即興は本来、
混沌とした世界から音楽へと向かっていくものだろう。
そのためには、即興するという意識とともに、
作曲へと向かう意思が必要になる。

何かが生まれるのを待つのではなく、音楽に働きかけること。

それは独特な音色だったり、
楽器への新しいアプローチだったり、
からだの奥から湧き出るフレーズだったりするのだけれど、
何よりも音を聴くこと、
音そのものが持っている豊かさを聴きとることが大切だ。

一つの音からイメージが広がり、
音が演奏を示唆していく。

そこで生まれる音楽は、
さまざまな可能性に開かれていて、
演奏には明確なフォーカスが出来てくる。

そこには、心の中の声や、あらゆる情感を包み込んだ、
豊かな音楽世界があるはずだ。

音楽の自動律といったものに従っていくだけで、
音楽が自然と出来上がっていく。
それが、真の即興というものだろう。





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即興と芸術 <即興ノオト9>

即興ノオト10



即興演奏が一つの芸術であるとしても、
即興には芸術というものの指標では計りきれないものがある。

芸術は、それ自体西洋近代の人間主義の流れをくんでいて、
そこでは、今までにない新しい美や、
歴史を転換させるような、新しい価値を創造することを最も大切にしている。

コンセプチュアルな音楽が、
ある種の苦痛を聴くものに与えて平気でいられるのも、
新しい価値を創造することだけを求めて、
音楽が本来持っている
共感する力といったものをないがしろにしているからだろう。

即興が求めているのは、
芸術としての創造性よりむしろ、
まだ見ぬ音楽を現前化しようという演奏家としての欲求だ。

音楽を自分の意のままに作るという意識ではなく、
演奏のエンディングにたどり着くまでのプロセスを
スリリングに楽しみながら、音楽に献身していくという態度。

芸術において反復は惰性でしかないのだろうが、
即興は自分の中にある演奏のエレメントをさまざまに変化、
あるいは、深化させながら音楽を形作っていくものだ。

即興における新しさとは、
芸術のように歴史の新しいページを開くことではなく、
演奏家が個人的に、
それまでの自分の音楽の境界を超えて
新しい所へ入っていくことでしかない。

それは、
演奏家には天啓のように思えることもあるけれど、
聴く者にとっては
「面白い展開」とか
「息のあったアンサンブル」としかわからないものだ。

究極の即興演奏というものがあるとしたら、
それは即興であることを全く感じさせないものだろう。

それは音楽を解体するものでも、
即興を解体するものでもなく、
その演奏家が長年あたためてきた「歌」として立ち現れてくる。

もちろんそこには言葉はないけれど、
そこにはきっとその人の声(ヴォイス)といったものがあるはずだ。

音楽が本来持っていた呪術性というものを
即興は持っている。
沈殿する時間や、記憶の海の底へ向かっていく即興演奏は
いいようのない「懐かしさ」といったものを感じさせてくれる。

即興は、芸術のように説明可能なものではなく、
音楽が本来持っていた「もう一つの世界」と交感する力を持っている。
即興は理解したり分析する対象というよりは、
ただひたすら、体験するためにあるのだろう。


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2020年10月20日

音楽のピクニック 公開練習

アトリエ第Q芸術


■ 音楽のピクニック 公開練習

2020年11月23日(月・祝)  15:00〜19:00 (15:30開場)

参加ミュージシャン

林 ミカ    vocal, piano
伊地知一子   vocal, voice
森 順治    bass clarinet, flute
風巻 隆    percussion

会場  成城学園前 「アトリエ第Q芸術」 tel 03-6874-7739
https://www.seijoatelierq.com/


料金  1000円  (ただし、録音・撮影はご遠慮ねがいます。)



今春、伊豆高原のライヴハウスで開催が予定され、コロナ禍で中止になった
「音楽のピクニック」の企画が、公開練習という形で始動することになりました。

歌と即興は、音楽を語る上での対極にあるという考えは、
ある意味で一般的なのかもしれませんが、
歌というものがただの縛りではなく、
音楽を作っていくときの至高のあり様だとするならば
歌と即興が、何らかの形で融合することも可能ではないかという考えがあり
林ミカさんという、シンプルな曲に、現代詩のような言葉をのせている
類いまれな歌い手さんと出会うことがあって、
今回の企画が生まれてきました。

即興という、その場で音楽を作ることを続けてきたボクにとって
練習というスタンスは長年遠ざけてきたものですが、
バンドを始めた頃の、高校の教室で休日の午後に爆音を奏でていたころの感覚や
ニューヨークでのレコーディングの前に
友人と二人でロフトで音出しを続けていたことなどもありましたし、
歌い手さんとのプロジェクトでは、それなりの練習もしてきたこともちゃんとあります。

おそらく今回は、曲を形作るような練習ではなくて
どうやって音楽を作っていくかという練習になるかと思っています。

練習なんて見ても面白くないと思う方は多いかと思いますが
え?、練習するのが見れるんだという方も中にはいるのかと思っています。

このコロナ禍で、音楽のあり様というものが変質するなかで
まだ、形にならない音楽というものを体験できることは
音楽を好きな方には、とても興味深いものかと思っています。

音楽が生まれ出ようとするものを
その場で体験できる今回の企画は
音楽のあり様といったものを変えていくものになっていくかと思っています。



林ミカ ライヴ (2)


林ミカ   vocal, piano 


日々の生活の中で感じる“生きにくさ”や自分の感情の”不確かさ”を、
透明感のある歌詞に乗せて、
ピアノ/エレピの弾き語りで歌うシンガーソングライター

2007年からソロの弾き語りで活動し、
アルバム『終わりから始まる歌』『Oneself』(2010年)、
『unrelativity』、『timeカプセル』(2013年)
『piano & remedy』(2016年)を発表。

その後、80年代の東京アンダーグランドシーンで
向井千恵のChe-SIZUなどで活躍した高橋朝のドラム、
お犬様のベース、松村剛のチェロという自らのバンド
MIKA & No tengo hambleを結成し、
サックスの吉野繁をゲストに迎えたアルバム
『Sign』(2019年)を発表。

現在、都内のライヴハウスを中心に活動を続けるほか、
定期的に下北沢lete にてゲストを招き、
イベント『声の居場所』を行っている。


伊地知一子プロフィール



伊地知一子 (いぢちいつこ)  vocal, voice


東京のアンダーグランドの音楽シーンで「いっちゃん」の愛称で慕われている
ヴォーカリスト/ヴォイス・パフォーマー。

1978〜1984年にわたり、作曲家・林光が音楽監督を務めた
オペラ小劇場こんにゃく座(現・オペラシアターこんにゃく座)で活動する。
 
1985〜1989年には、演出家の朝比奈尚行と、音楽家の今井次郎が中心となり
音楽パフォーマンスを舞台で全面的に展開する、劇団「時々自動」に参加。

2014 年〜、アンダーグランドの異才・工藤冬里の主宰する不定形音楽実験バンド
「Maher Shalal Hash Baz (マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)」に参加する。
2015年〜は、劇団「時々自動」に、「時々フレンズ」として参加、

2018年、舞台作品の音楽監督、作曲・演奏を続けてきた河崎純が代表を務める
「音楽詩劇研究所」が、サインホ・ナムチュラクら4名の歌手を招聘し、
日本人ミュージシャンやダンサーと共同制作・上演した、
「ユーラシアンオペラ東京」公演に出演。

2019年には 時々自動公演「コンサート・リハーサル」に出演、
また、最近では竹田賢一の率いる異能集団「A-Musik 」に参加したり、
工藤冬里(pf)とソロライブを行うなど、自身の音楽世界を広げる活動を行っている。



森順治3


森 順治   Mori Junji alto sax, bass clarinet, flute


軽快なフットワークと自由奔放な音作りで、
フリージャズから歌ものまで
幅広い音楽活動を続けるマルチリード奏者。

テナー&ソプラノサックスの堀切信志とのデュオを続ける一方、
ドラムの大沼志朗、ピアノの雨宮拓とのトリオ「M.A.S.H」、
福生を拠点に活動するロックバンド「中原宙&Deme Band」
のメンバーとして活動するほか、
原田依幸の大人数ホーンによる「大怪物団」や、
山崎比呂志やヒゴヒロシのユニット、
宅シューミー朱美のセッションなどにも参加している。

また、パントマイムとの共演や人形劇団の音楽も担当する。
生活向上委員会をはじめ、
多くのユニットでCD,CDRを発表している。

https://ameblo.jp/lm199781/theme-10036814500.html


風巻 隆  Kazamaki Takashi    percussion

スーパー・デラックス - コピー



80年代から90年代にかけて、
ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、
ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と
幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。

ドラムを改造した独自の演奏スタイルや、
タイコが音楽を記憶しているという独特な音楽観、
即興の醍醐味は作品化にあるという即興観は、
2005年にキッドアイラックレーベルから発表した
ソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実した。

革の音がする肩掛けのタイコ、西アフリカのコギリ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
今もまた、革新的な演奏スタイルを模索している。

ジャズと現代音楽の中間領域にあたる即興シーンでも、
常に独自の立ち位置を持ち、
昨今は、音楽そのものを深めていくエッセイや、
即興をわかりやすく読み解く考察も発表している。

エッセイ「風を歩く」 http://blog.livedoor.jp/takashikazamaki/
エッセイ「元住吉から」   http://blog.livedoor.jp/zigzag2005/



アトリエ第Q芸術 ホール





kazamakitakashi at 12:14|Permalinkアトリエ第Q芸術 | コンサート情報

2020年04月23日

音楽のピクニック2020 無期限延期

音楽のピクニックフライヤー 表


今般の新型コロナウイルスの感染拡大にともない、下記のコンサートは無期限延期とさせていただきます。ご予約いただいた方には、個別にご連絡さしあげますが、今後、何らかの形でこのプロジェクトを継続していきますので、それぞれのミュージシャンが発信する情報を、注視していただければと思います。



              <コンサート情報>   



タイトル      すとれんじふるうつ企画 vol. 1
     
音楽のピクニック 2020
    〜林ミカの歌と、いぶし銀の演奏家による、歌と即興演奏のライヴ


日時       2020年5月4日(月・祝)→ 無期限延期  
 
                      

場所       新横浜  スペースオルタ  
                 tel. 045-472-6349
          http://spacealta.sakura.ne.jp/


問い合わせ  takashikazamaki@h6.dion.ne.jp



出演       

林ミカ   vocal, piano 

林ミカ ライヴ (2)



日々の生活の中で感じる“生きにくさ”や自分の感情の”不確かさ”を、
透明感のある歌詞に乗せて、
ピアノ/エレピの弾き語りで歌うシンガーソングライター

2007年からソロの弾き語りで活動し、
アルバム『終わりから始まる歌』『Oneself』(2010年)、
『unrelativity』、『timeカプセル』(2013年)
『piano & remedy』(2016年)を発表。

その後、80年代の東京アンダーグランドシーンで
向井千恵のChe-SIZUなどで活躍した高橋朝のドラム、
お犬様のベース、松村剛のチェロという自らのバンド
MIKA & No tengo hambleを結成し、
サックスの吉野繁をゲストに迎えたアルバム
『Sign』(2019年)を発表。

現在、都内のライヴハウスを中心に活動を続けるほか、
定期的に下北沢lete にてゲストを招き、
イベント『声の居場所』を行っている。



森 順治   Mori Junji alto sax, bass clarinet, flute

森順治3


軽快なフットワークと自由奔放な音作りで、
フリージャズから歌ものまで
幅広い音楽活動を続けるマルチリード奏者。

テナー&ソプラノサックスの堀切信志とのデュオを続ける一方、
ドラムの大沼志朗、ピアノの雨宮拓とのトリオ「M.A.S.H」、
福生を拠点に活動するロックバンド「中原宙&Deme Band」
のメンバーとして活動するほか、
原田依幸の大人数ホーンによる「大怪物団」や、
山崎比呂志やヒゴヒロシのユニット、
宅シューミー朱美のセッションなどにも参加している。

また、パントマイムとの共演や人形劇団の音楽も担当する。
生活向上委員会をはじめ、
多くのユニットでCD,CDRを発表している。

https://ameblo.jp/lm199781/theme-10036814500.html


       


クリストフ・シャルル  Christoph Charles  laptop, guitar    

クリストフ シャルル


視覚や聴覚の「妨害のない相互浸透」(Jケージ)のテーマに基づいて、
演奏活動やパフォーマンスへの参加、インスタレーションや、音響作品、
ヴィデオ作品の制作を通じて、
音楽家、舞踏家、彫刻家、画家、建築家などと
コラボレーションを行っているサウンドアーティスト。

フランス、マルセイユ生まれ、1987年から名古屋、東京でも活動を始め、
音や空間、動き、自然、環境、宇宙、沈黙や偶然性…といったものが
電子装置のなかで出会い、
音楽の新たな領域を広げる活動を行なっている。

メディアアートの製作のほか、海外との文化交流プログラムの企画など、
多岐にわたる活動を続けている。現在、武蔵野美術大学映像学科教授。

http://home.att.ne.jp/grape/charles/


関島岳郎   Sekijima Takerou tuba, recorder, etc…

関島岳郎 チラシ (2)


1989年、伝説のサックス奏者・篠田昌已、マルチ楽器奏者の中尾勘二と
「コンポステラ」を結成、篠田とともに
情感あふれる楽曲をユニットに提供する。
篠田の急逝で3年間の活動は突然休止するが、
「1の知らせ」「歩く人」「WADACHI」といったCD作品を遺し、
その無国籍で独特な音楽は、大きな印象を残した。

以後、栗コーダーカルテット、ストラーダ、THE THRILL、
シカラムータ、こまっちゃクレズマー、など
多数のバンドやユニットに参加して、
多くのレコーディングやライブに参加。

国際的な映画祭に出品された「美式天然」「アリア」などの
映画音楽を作曲したほか、
「栗コーダーカルテット」として多くの映像作品を手がけ、
また、多くの海外公演をこなし、テレビ番組へも楽曲を提供している。

http://www.linkclub.or.jp/~sekizima/



坂本弘道      Sakamoto Hiromichi
cello, electronics, musical saw, voice  
坂本弘道 チラシ


ダンス、美術、現代サーカスなど多彩なジャンルとのセッション、
ソロ公演を国内外で展開する先鋭的なミュージシャン。

早川義夫、遠藤ミチロウ、中村達也、UA、川上未映子などと共演・サポート多数。
バンド「パスカルズ」にも所属。近年は作曲活動を主軸に、
シスカンパニー『風博士』、KERA・MAP『修道女たち』、
鵺的『悪魔を汚せ』等々、数多くの舞台作品の音楽を手がけている。

「JAZZ   ART せんがわ」プロデューサー。
パスカルズでTBS系 金曜ドラマ 『凪のお暇』の音楽を担当し、曲を提供する。
ソロアルバム『零式』(1999年)他、発表CD作品多数。

 http://sakamoto-hiromichi.com/



風巻 隆  Kazamaki Takashi    drs, percussion

スーパー・デラックス - コピー


80年代から90年代にかけて、
ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、
ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と
幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。

ドラムを改造した独自の演奏スタイルや、
タイコが音楽を記憶しているという独特な音楽観、
即興の醍醐味は作品化にあるという即興観は、
2005年にキッドアイラックレーベルから発表した
ソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実した。

革の音がする肩掛けのタイコ、西アフリカのコギリ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
今もまた、革新的な演奏スタイルを模索している。

ジャズと現代音楽の中間領域にあたる即興シーンでも、
常に独自の立ち位置を持ち、
昨今は、音楽そのものを深めていくエッセイや、
即興をわかりやすく読み解く考察も発表している。

ニューヨーク通信/ヨーロッパ通信  http://blog.livedoor.jp/takashikazamaki/
エッセイ元住吉から   http://blog.livedoor.jp/zigzag2005/

企画・制作  小黒太郎  元「すとれんじふるうつ」(鶴巻温泉/大磯)オーナー
  風巻 隆   

スペースオルタ入り口



音楽のピクニック

音楽という言葉を聞いて、人は何を思い浮かべるのだろう。
クラシックと呼ばれる西洋の芸術音楽や、
ポピュラーと呼ばれるエンターテイメントがあり、
テレビの歌番組では、多くの歌手やグループが、
新しい曲を次々と披露していく。

戦後アメリカ軍とともに渡ってきたジャズや、
60年代の若者文化だったロックは
それぞれさまざまなジャンルに細分化され、
その時代の流行といったものをとりいれながら、
あるものはエンターテイメントを志向し、
あるものはそれに反逆して
過激なパフォーマンスを繰り広げてきた。

世界中の若者がベトナム反戦を叫んだ1960年代、
音楽では、それまでの常識をくつがえすような
ビートルズという人気バンドや、
現代詩の領域にまで踏み込むような歌詞を持った
ボブ・ディランといった変革者が現れ、
また、小杉武久という音楽の革命児は、
大磯の海岸で「ピクニック」という
即興のイベントを終日繰り広げたりもした。

そうした、既成の音楽概念に反抗し、
新しい音楽のあり方を作ろうという動きは
70年代になって、
いくつかの新しい音楽ジャンルとして結実していく。

一つは、作詞・作曲・編曲という、
これまで役割分担で行われていた音楽を作る作業を、
たった一人で担う、
「シンガーソングライター」と呼ばれる
一群のミュージシャンが欧米や日本で登場してくる。

欧米では先行したロックに内在する
「反抗」というトーンへのアンチテーゼとして
キャロル・キングやエルトン・ジョンというシンガーが、
日々の生活のなかの身近な断片を歌にしていく。

また、日本では先行したフォークや歌謡曲に内在する
「土着性」というものへの反発から
荒井由美(後の松任谷由美)や、
井上陽水らが、都会的な乾いた感性を作品にしていく。

もう一つは、ヨーロッパのジャズミュージシャンが、
本場アメリカのフリージャズの過激な身体性や、
破壊への衝動といったものへの反発と、
テーマ〜アドリブ〜テーマと展開される形式性への疑問から、
最初から最後まで、音楽演奏を即興で行う、
「即興演奏(フリーミュージック)」というものを生み出した。

デレク・ベイリー、スティーブ・レイシー、
ペーター・ブロッツマン、ハン・ベニンク…
彼らの作った音楽は、
音楽のジャンルの中にミュージシャンがいるのではなく、
一人一人のミュージシャンの個性が、
そのまま音楽のジャンルになる、
そうした個が傑出した音楽だ。

J−POPの源流ともなった「シンガーソングライター」が
本質的にエンターテイメントを指向するのに対し、
「即興演奏」は、ジャズと現代音楽の中間領域で、
音楽を革新させていくことに照準を合わせていく。
音楽を「自分のモノ」として所有し、
自分と自分の音楽を同一視する「シンガーソングライター」に対して
「即興演奏家」は、即興という場で自分という小さな枠から抜け出て、
自分の知らない場所へ歩を進める。

そもそも完成形というものが前提としてある歌と、
その場で一から音楽を作っていく即興とでは、
住む場所が違うだろうと、おそらくこれまでは考えられてきた。
でも、本当にそうなのだろうか?

歌も即興も、つまるところは、
そのミュージシャンの「個」という存在なのだとしたら、
その演奏は、個と個のせめぎあいが、
音楽を形作っていくということだ。

今、確かに言えることがあるとすれば、
即興という広大な平原から歌が立ち上がっていく、その様は、
今まで聞いたことが無い、
戦慄が走るほど感動的なもののはずだ。        

このコンサートは、当初、
伊豆高原(伊東市)のライヴハウス「JIRO’s」での開催を予定していたが
新型コロナウイルスの蔓延を理由に中止になり、
急遽、新横浜「スペースオルタ」での開催になった。

「スペースオルタ」では、
昭和から平成になった1989年に「MOCK」という実験的なコンサートを
ジョン・ゾーン、大友良英らと行ったことがある。

その年もまた、世界が激動していた。

それから31年、世界中がウイルスの脅威に震撼とするなか、
歌と即興演奏という、音楽の現在地を知らせるような、
誰もやらなかったコンサートは
ある意味で、全世界へのメッセージでもあるのだ。

                      
(風巻 隆)       



野花




2019年10月13日

風巻隆ソロ 「ロンド/輪舞」

■風巻隆 ソロ・パカッション  「ロンド/輪舞」

2019年11月4日(月・祝) 19:00 open 20:00 start

会場  Namak Cafe  (ナマック カフェ) http://home.f05.itscom.net/namak/
東横線綱島駅西口、イトーヨーカ堂裏手、鶴見川土手近く
予約  tel : 045-542-3330 もしくは e-mail : namak@r05.itscom.net

コギリ4


出演   

風巻 隆   percussion

*ミュージックチャージは投げ銭制、
お代は見てのお帰りになります。別途、飲食代が必要です。
なお、当日のお店への配慮から、
お店の方へ前もって電話かメールでご予約いただけると助かります。


かつて即興演奏が「新しい音楽の形」として喧伝されていた80年代の当初、
ある一群の若いミュージシャンが
「音楽の解体」を目指して特異な活動を繰り広げていた。

Vedda Music Workshopと称されたそのグループは、
誰でもが参加できる不定型なユニットとして、
さまざまな場所でその音楽の枠組みを解体したような、
ノイジーで収束のつかない即興的なパフォーマンスを過激に繰り広げていた。

エレクトリック大正琴を演奏する竹田賢一、
中国の胡弓・二胡を独自の奏法で演奏する向井千恵、
カセットレコーダーを使ったハウリングなど誰もしなかった方法で音を紡ぎ出す鈴木健雄
そしてドラムセットを解体し、ステージや客席でパフォーマンスを展開する風巻隆らが、
そのコアなメンバーとして活動を続けていた。

西アフリカのコギリという楽器は、
カクワバ・ロビなどの演奏で知られる伝統的な楽器ではあるけれど、
風巻にとってのコギリは叩けば音がでる一つの楽器でしかない。

竹田賢一や向井千恵が、今まで誰もやらなかった方法で
楽器を自分のモノにしていったように、
風巻もまた、まずカウベルでコギリを叩くことで、
自らの木琴演奏の地平を切り拓いてきた。

そのコギリの演奏を前面にすえた
新しいソロ・パカッションのシリーズ「ロンド/輪舞」を、
綱島のNamak Cafeで開始します。

(風巻隆)


kazamakitakashi at 00:18|Permalinkコンサート情報 | Namak Cafe

2019年07月17日

風巻隆ソロ OUT OF THE END/終わるというはじまり

コンサート情報

■風巻隆 ソロ・パカッション
OUT OF THE END/終わるというはじまり
2019年8月12日(月)
19:00 open 20:00 start

会場  Namak Cafe  (ナマック カフェ)  tel 045-542-3330
http://home.f05.itscom.net/namak/
東横線綱島駅西口、イトーヨーカ堂裏手、鶴見川土手近く

出演   

スーパー・デラックス


風巻 隆   percussion


*ミュージックチャージは投げ銭制、お代は見てのお帰りになります。
 別途、飲食代が必要です。なお、当日のお店への配慮から、
 お店の方へ前もって電話かメールでご予約いただけると助かります。
 tel : 045-542-3330 もしくは e-mail : namak@r05.itscom.net

2019年6月、
韓国の即興音楽の大御所・崔善培(チェ・ソンベ)を迎えたコンサートで、
ジャズとは遠く離れたところで、打楽器の音色の限りない響きと、
即興演奏の豊かな可能性というものを再認識させるような変幻自在な演奏を見せ、
多くの聴衆を魅了したパカッションの風巻隆が、
そのソロ活動の拠点としてここ数年、ホームグラウンドとして使用している、
綱島のNamak Cafe で、ソロ・パカッションのライヴを行う。

1950年代に製作されたスリンガーランド社の
ラジオキングという木胴のスネアを片面のタムタムにして、
肩からストラップで下げ、左手の手や、
スティックのグリップエンドを使ってさまざまな音を紡ぎ出すそのスタイルは、
打楽器の常識を覆すような革新的なものでありながら、
革を自ら加工して作った自家製のドラムヘッドの持つ、
初めて聴くにもかかわらずどこか懐かしく感じる音色が、
聴く者を「今・ここ」の日常から離れた、
どこか知らない世界へと誘っていく。

明大前の「キッドアイラック」が閉鎖され、
上田の「信濃デッサン館」もなくなり
大磯の「すとれんじふるうつ」も
西荻「のみ亭」もなくなってしまった今
「終わるというはじまり」という窪島さんの言葉を胸に
「OUT OF THE END」というシリーズを立ち上げます。

なお、このライヴはライヴ・レコーディングされ、
2005年の「ジグザグ/zigzag」以来となる
風巻隆の新作ソロCDの音源となることが予定/期待されています。

夏の夜のひととき、不思議の世界へ足を踏み入れてみませんか?

(風巻隆)


kazamakitakashi at 23:42|Permalinkコンサート情報 | Namak Cafe

2019年05月14日

崔善培チェ・ソンベJapanTour 2019

崔善培さん2



◇崔善培チェ・ソンベJapanTour 2019

韓国の即興音楽の巨匠、崔善培(チェ・ソンベ)氏が久々に来日し、
日本各地で公演を行います。

東京の公演では畏友・梅津和時をはじめ、
サムルノリの弟子で今回のツアーをコーディネートする香村かをりや、
新井陽子、風巻隆といった円熟期を迎えたミュージシャンが共演する。


出演:崔善培(tp) 梅津和時(reeds) 新井陽子(p) 香村かをり(Korean perc) 風巻隆(perc)

場所:渋谷 公園通りクラシックス  tel. 03−6310-8871
http://koendoriclassics.com/
6月29日(土)   開場:6:30pm 開演7:00pm

予約3500円 当日4000円 (ドリンク別)

予約サイト:http://koendoriclassics.com/events/943


■崔 善培(トランペット)

崔善培さん


1985年、近藤等則が主催したフェスティバル「Tokyo Meeting 1985」
で日本のジャズシーンにセンセーショナルにデビューした
韓国フリージャズ「姜泰煥(カン・テファン)トリオ」のトランペット奏者。

韓国の伝統打楽器演奏チーム「サムルノリ」と共に初来日したその公演は、
「韓国には、こんなフリージャズが存在したのか!」と
驚きをもって迎えられた。

1943年生まれ、米軍専属バンドとして音楽活動を始めた崔善培は、
その後テレビ局の専属ミュージシャンとして下積みを重ね、
アルトサックスの姜泰煥(カン・テファン)、
ドラムの金大煥(キム・デファン 2004年没)、とのトリオで
先鋭的な音楽を志向していく。

韓国でも突出した存在だった三人は、
それぞれ、日本公演や日本のミュージシャンとの共演を重ね、
高い評価と新鮮な驚きを与え続けたのは記憶に新しい。

トランペットのソロでは、変幻自在の音の中にアグレッシブさや、
優しさもにじみ出て、
日本とは全く異質な異国の風を感じさせる
崔善培(チェ・ソンベ)が15年ぶりに来日します。



YouTube https://www.youtube.com/watch?v=6VeTkV_a7UE


■梅津和時(サックス、クラリネット)

梅津さん


過去の主なリーダーバンドに生活向上委員会大管弦楽団、
ドクトル梅津バンド(D.U.B.)、DIVA、シャクシャイン、
ベツニ・ナンモ・クレズマーなど。

また長年、忌野清志郎と活動を共にする。

現在はKIKI BAND、こまっちゃクレズマ等を率いながら、
並行して様々なアーティストのサポート、
さらに梅津のプロジェクト「大仕事」が代表するように
異ジャンルとのコラボ、映画、TVの音楽担当等、
各方面で活躍している。


■新井陽子(ピアノ)

新井陽子


80年代よりパフォーマンス活動や現代詩リーディング、
ダンス、アートとのコラボレーション公演を行う。

90年代後半より、
自身の身体感覚から音の瞬間を図り音楽を作ってゆくことを志し、
活動を即興中心に行うようになる。

以来様々なコンサートやイベントの企画、
ワークショップを行ってきた。

ソウル、オランダのアイントホーフェン、
ベルリン、パリなどでも演奏活動を行い、
ロンドンではジョン・ラッセル等の主催する”mopomoso”に度々出演、
2016年mopomosoでロンドン・ジャズ・フェスティバルに参加。

近年はシリーズで様々な演奏者・ダンサーとの即興パフォーマンスや、
ショスタコーヴィチ作品と現代曲との即興のコンサートも行う。

2015年より新座クリエイティブ・ワークショップにて、
岩下徹をファシリテーターとする障害者とのダンス・ワークショップに参加。

https://araiyoko.jimdofree.co

■香村かをり(チャンゴほか)

香村かをりプロフィール写真


14歳からドラムを始める。15歳でバンド「闇射」で吉祥寺マイナーに出演。

1986年、金徳洙氏率いる韓国伝統打楽器グループ「サムルノリ」を聴き、
衝撃を受け渡韓。
漢陽大学音楽学部伝統音楽科打楽器専攻、
同大学院修士課程音楽理論科で学ぶ。

1990年、第1回サムルノリコンクールで座奏賞を受賞するほか、
1995年には“エイジアン・ファンタジー・オーケストラ”
(団長、渡辺香津美・仙波清彦)の団員としてアジアツアーに参加する


■風巻 隆(パカッション)

スーパー・デラックス


80年代から90年代にかけて、ニューヨーク、ヨーロッパ、
エストニアのミュージシャン達と幅広い音楽活動を行い、
ドイツやイギリスのレーベルから、
先鋭的な作品を発表してきた即興のパカッショニスト。

2005年にはキッドレーベルから、
初のソロCD「ジグザグ/zigzag」をリリースした。

革の音がする独自のタイコや、西アフリカのコギリ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
さまざまな倍音をコントロールして、
ズレや変化のともなった独特のリズムと語りかけるようなフレーズで、
初めてなのに懐かしい「音の風景」を形作っていく。




























2018年05月21日

マルト・ソー+風巻隆 デュオ@Namak Cafe

マルト・ソー+風巻隆デュオ


マルト・ソー2018
風巻コギリ














2018年5月24日(木)
19:00 open 20:00 start

会場  Namak Cafe  (ナマック カフェ)  tel 045-542-3330
http://home.f05.itscom.net/namak/
東横線綱島駅西口、イトーヨーカ堂裏手、鶴見川土手近く

出演   

マルト・ソー  guitar     (Ex. Weekend Guitar Trio エストニア)
風巻 隆      percussion


*ミュージックチャージは投げ銭制、お代は見てのお帰りになります。

2018年5月、東京の音楽シーンに北欧からの新しい風が吹く。

5月22日(火)から27日(日)までの1週間、
フィンランドとエストニアのミュージシャンが大挙して押し寄せ、
23日(水)には伝統音楽をベースにしたバンドが
FINEST Word Soundsと題して渋谷WWWで公演、
http://www-shibuya.jp/schedule/009040.php
25日(金)にはロックをベースにしたバンドが
FINEST Heavy Music と題して代官山スペースオッドで公演。
http://spaceodd.jp/event/20180525-2/
26日(土)にはジャズをベースにしたバンドが
FINEST Sounds Jazzと題して新宿ピットインで公演する。
https://invs.exblog.jp/27134812/

新宿のピットインに出演するWeekend Guitar Trio の一員で、
https://www.youtube.com/watch?v=jLIGCt7xJXQ
かつてFree World Big Bandのメンバーとして1995年と1996年に来日し、
1996年、2001年にはENSEMBLE  UNCONTROLLEDというユニットとして
カーレ・ラール、クリストフ・ガリオ、エドアルド・アクリン、風巻隆らと、
「TALES FROM THE FOREST」「 LINKS」という2枚のCDを発表している
ギターとボー・ギターのマルト・ソーが22年ぶりに再来日する。

5月24日(木)、綱島のNamak Cafe で
ギターのマルト・ソーとパカッションの風巻隆が、21年ぶりに共演する。

様々なエフェクターを駆使して構築的な即興演奏を繰り広げるマルト・ソーと、
独特のドラムスタイルで様々な音色を紡ぎ出す風巻隆との共演は、興味がつきない。

なおこのライヴは決定から実施までわずか5日間。
ある意味、前代未聞の投げ銭ライヴになりますので、
情報の拡散をみなさんにお願いしたいと思います。

どうかよろしくお願いいたします。

(風巻隆)





kazamakitakashi at 19:37|Permalinkコンサート情報 | Namak Cafe

2018年01月19日

IMPROVISORS NETWORK

■ IMPROVISORS NETWORK
大磯「すとれんじふるうつ」疾風怒濤の40周年記念コンサート

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2018年2月12日(月・祝)

<場所>    大磯 「すとれんじふるうつ」 tel 0463−61−7338
    神奈川県中郡大磯町東小磯151
JR東海道線「大磯」駅下車、右手の坂を下り、
国道1号線を小田原方面へ200m、大磯中学校前交差点
          http://st-f.eek.jp/

<時間>    4:30pm 開場  5:00pm 開演

<料金>    当日のみ 2000円 (飲み物・食べ物の持ち込み可)

<出演>     森 順治 (alto sax)、 大熊ワタル (clarinet)、竹田賢一 (el-大正琴)
 鈴木シンメイ (el-violin)、臼井康浩 (guitar)、照内央晴(piano)、風巻 隆 (percussion)


大磯のジャズスペース「すとれんじふるうつ」が、鶴巻温泉を含めて
40年にわたる営業を終え、昨年末でいったん店を閉店することになるという話が
マスターから伝わったのは、昨年の暮れも押し迫った12月30日だった。

現在、再建へ向けてマスターは奔走中で、
最新の情報では、店は人手に渡るけど、マスターも一緒に働けて、
ライヴも継続していけるだろうとのこと。

「すとれんじふるうつ」のマスター小黒さんは、
1978年、秦野の鶴巻温泉でパートナーの河合さんと
ジャズ喫茶「すとれんじふるうつ」を始め、
内外の先鋭的なミュージシャンのライヴを企画しつづけてきた。

1995年、大磯に店を移転し、新たにジャズスペースとして地域のミュージシャンに
活動場所を提供しながらも、「Jazz in大磯」を毎年企画する一方、
個性的なミュージシャンのコンサートを続けてきていた。

天井の高いスペースでの演奏は、楽器の鳴りがクリアーに聞こえ、
ミュージシャンにとっては、お客さんの反応を身近に感じ、
自然といい演奏を引き出してくれる、演奏することが楽しみなスペースだ。

「すとれんじふるうつ」の40周年を迎えるこの2月に、
「IMPROVISORS NETWORK」というライヴを企画しました。

「すとれんじふるうつ」でも活躍していたサックス奏者・森順治、

音楽評論家としても活躍しているエレクトリック大正琴の竹田賢一、

ちんどんからクレズマーまで路上音楽を体現している大熊ワタル、

音楽と美術の境界線上でパフォーマンスを展開する
エレクトリック・ヴァイオリンの鈴木シンメイ、

Japan ImprovisationというFacebookグループの管理人で
名古屋から参戦するギターの臼井康浩、

しなやかな感性がリリシズムを湛えるピアニスト・照内央晴、

独自の楽器を独自の奏法で演奏するパカッションの風巻隆…と、
ひとクセもふたクセもあるミュージシャンが、名を連ねている。

7人の参加者がそれぞれメンバーの中から共演者を指名してデュオ〜カルテットを形作り、
ミュージシャンは客席とステージを行ったり来たりしながらライヴは進んでいく。

そこで繰り広げられる音楽は、一回限りの演奏のかけがえのなさの上に立って、
即興音楽の楽しさや奥深さを、わかりやすい形で指し示してくれるはずだ。


<プロフィール>


森 順治  alto sax, bass clarinet, flute https://www.facebook.com/junji.mori.752

森順治


軽快なフットワークと自由奔放な音作りで、フリージャズから歌ものまで
幅広い音楽活動を続けるマルチリード奏者。
北海道出身、梅津和時、原田依幸と共に集団疎開、生活向上委員会の
メンバーとして活動、その後ドラムの大沼志朗のM☆A☆S☆Hの
メンバーとなり現在も活動中。他に堀切信志、ヒゴ・ヒロシ等、
即興演奏家、身体表現者との共演も数多く行っている。


大熊ワタル  clarinet, bass clarinet, etc… http://www.cicala-mvta.com/

大熊ワタル2017


1960年生まれ。東京のポストパンク黎明期にバンド「絶対零度」として
吉祥寺マイナーで音楽活動開始、当初はシンセサイザー等電気楽器を担当。
20代半ばでチンドン屋に入門し、街頭でクラリネット修行に励む。
90年代、クラリネット奏者として自己のグループ「CICALA MVTAシカラムータ」を始動。
その祝祭的で超ジャンル的な音楽性は国内外で話題となる
。近年は出前ユニット「ジンタらムータ」での活動でも知られ、
両バンドでの海外公演多数。他にも様々なプロジェクト、
映画・演劇・サーカスとのコラボレーションなど領域を超えて出没中。


竹田賢一  el-大正琴  http://www.bekkoame.ne.jp/~ktakeda/

竹田賢一 - コピー


エレクトリック大正琴を使った即興独弾を続ける一方、舞踏、演劇
、パフォーマンスとの共演も多い。1948年東京生まれ。
1975年間章の勧めにより『ジャズ批評』、『ジャズ』で音楽批評を開始。
坂本龍一と「学習団」結成。1979年即興とパフォーマンスの不定形ユニット
「ヴェッダ・ミュージック・ワークショップ」を発足。『同時代音楽』編集委員。
1981年反ポップ・バンド「A-Musik」を結成しさまざまな戦線に遊ぶ。
共訳著に『インプロヴィゼーション―即興演奏の彼方へ』(デレク・ベイリー著、工作舎)、
音楽評論集に『地表に蠢く音楽ども』(月曜社)がある。


鈴木シンメイ el-violin

鈴木シンメイ - コピー


横浜生まれ。1980年代後半より、エレクトリック・ヴァイオリンと
サンプラーなどのエレクトロニクスを中心にしたパフォーマンスをソロや
バンド(onna-kodomo,、niconeu、罪人の庭園)で行う。
他に舞踏、ポエトリー・リーディング、ライブ・ペインティング、等との
コラボレーション・ワークも多数。
また、併行して化学・物理現象を応用したオブジェ・インスタレーションを
制作発表するほか、舞台美術などの制作活動もてがけている。


臼井康浩 guitar   http://www.usui-yasuhiro.com/

臼井康浩


名古屋在住、1990年よりギターの即興演奏を中心とした活動を行う。
渋さ知らズオーケストラ、鈴木茂流とのDUO、藤井郷子オーケストラ名古屋、
OKIDOKI等のユニットに参加。2003年ニューヨークでエリオットシャープと
DUOのレコーディング。2004年ネッド・ローゼンバーグと共演。
北京、ニューヨーク、ソウル、パリ、ドイツ他、海外からのオファーも多い。
ノイズ、身体表現、映像作家、書家、朗読など
ジャンルの垣根を越えたコラボレーションを意欲的に行い
、即興演奏する際の考え方である「インプロ思考法」という
独自のアプローチも発信している。


照内央晴  piano   http://www.otooto.jp/hisaharu-teruuchi

照内央晴


即興ピアノ演奏家。1972年、東京生まれ。4歳からピアノを始める。
クラシックと現代音楽浸けの10代、フリーインプロビゼーション、
現代ジャズなどの洗礼を受けた20代を経て、自身も即興演奏の世界へ。
これまでに、豊住芳三郎、田村夏樹、Terry Day、Yukari、吉田隆一、
Maresukeら、多くのインプロバイザーと共演。またイベント、ライヴの企画も多い。
近年は、ダンサー等、身体表現とのコラボレーションの機会も増えている。
2017年に即興演奏デュオでCD 『照内央晴・松本ちはや / 哀しみさえも星となりて』
(Bishop Records)を発表。


風巻隆 percussion      http://blog.livedoor.jp/kazamakitakashi/

スーパー・デラックス


ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、
ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と幅広い音楽活動を行ってきた
即興のパカッショニスト。ドラムを改造した独自の演奏スタイルは、
2005年にキッドアイラックレーベルから発表したソロCD「ジグザグ/zigzag」
という作品に結実した。革の音がする肩掛けのタイコ、フラットなバスドラなどを駆使し、
変幻自在な音を紡ぎ出す独自のパフォーマンスを繰り広げる。



LINKS    森 順治     https://www.youtube.com/watch?v=XXoX-WBi-SM 
         大熊ワタル   https://www.youtube.com/watch?v=QqPuE261m4s
         竹田賢一    https://www.youtube.com/watch?v=utc8KpQUuHk&t=238s 
        臼井康浩    https://www.youtube.com/watch?v=XcvpEbLBxsM&t=211s
         照内央晴    https://www.youtube.com/watch?v=hMBnACPZO48
         風巻 隆     https://www.youtube.com/watch?v=WLGgHGhGFCk


2017年07月26日

「音遊庭」 Youkoboアートスペース stuttgartピアノとともに vol.3

Stuttgart


「音遊庭」 Youkoboアートスペース stuttgartピアノとともに vol.3

日時       2017年8月12日(土)   午後5時半開場  6時分開演


場所       杉並・善福寺   遊工房アートスペース  tel.03-3399-7549
           〒167-0041 東京都杉並区善福寺3-2-10

アクセス     
JR中央・総武線、「西荻窪」駅北口、
2番バス停より上石神井駅行他バスにて「善福寺」バス停下車
           
東京メトロ丸の内線・JR「荻窪」駅北口・0番バス停より
武蔵関駅行他バスにて「善福寺バス停」下車。

西武新宿線「上石神井」駅下車徒歩。青梅街道「善福寺3丁目」交差点から地蔵坂方面へ
           http://www.youkobo.co.jp/

遊工房マップ

         
          

料金       投げ銭制  飲食持ち込みOK 、終演後に小パーティーを予定しています。

出演     

新井陽子   piano http://www.geocities.jp/anoyoarayo/

ピアノとともにジャワガムラン、声明を学ぶ。80年代よりパフォーマンス、「月刊カセット」などの活動や演劇との協同作業を経て、「語りえないこと」を現す即興演奏に興味を持ち、90年代後半より、即興を中心に国内外の様々なミュージシャンとの共同作業を行っている。地域のイベントやワークショップなどの企画・制作を行う一方、近年は、海外の音楽シーンへも積極的に関わり、韓国、オランダ、ベルリン、ロンドン、パリなどでも演奏活動を行っている。


風巻 隆    percussion     http://blog.livedoor.jp/kazamakitakashi/  

ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。ドラムを改造した独自の演奏スタイルは、2005年にキッドアイラックレーベルから発表したソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実した。革の音がする肩掛けのタイコ、フラットなバスドラなどを駆使し、変幻自在な音を紡ぎ出す独自のパフォーマンスを繰り広げる。



Stuttgartピアノとともに

昭和初期、80年程前に横浜で制作されたアップライトピアノStuttgart。遊工房アートスペースのご家族の歴史の中で受け継げられた楽器は2013年に修復され、演奏可能なものになりました。修復のプロジェクトにもかかわり、お披露目の演奏もしたピアノの新井陽子さんは、次のような感想を表しています。

弾いてみると、新しい弦が張りたてのせいか、18世紀の初期の頃のピアノの様な、チェンバロにも似たまろやかでツンとした音がします。鍵盤のタッチが意外にも手の感触に細かく敏感に反応します。指先を早く少しだけ動かすと鋭く乾いた音が出、指の腹でむんずと掴むとやわらかく厚みのある音と、力の掛け具合に細かく反応します。まだ弾き込んでおらず、時間も経っていないのでこのピアノの音が決まった訳ではありませんが、現代の新しいピアノよりも声に近く、高・中・低音域の音域による音色の違いが大きいように感じました。
 http://piano-project.blogspot.jp/

杉並・善福寺の「遊工房アートスペース」は、国内外のアーティストが一定期間滞在しながら制作する、アーティスト・イン・レジデンス(AIR)と、作品を展示・発表する非営利ギャラリーを主たる事業とし、同時に、芸術文化を通した地域活動を推進している文化拠点。この場所を使ったピアノの新井陽子の主催する新しいコンサートのシリーズが「音遊庭」として始まります。1回目の8月5日(土)はチェロの森重康宗、2回目の8月11日(金)はvoiceのおちょこがゲストで参加します。そして第3回目となる8月12日(土)はパカッションの風巻隆が登場します。

2004年から断続的に続けられているピアノの新井陽子とパカッションの風巻隆によるデュオは、山頭火の自由律俳句からインスピレーションされるものから作品を形つくるplaying山頭火シリーズからはじまり、稲毛のCANDY、入谷のなってるハウスなどで続けられてきました。当初、シンプルなドラムセットを叩いていた風巻が、ドラムから離れ、フラットなバスドラを導入しながら新しい音を探す方向へ走ったことで、デュオの音楽の方向性も拡散してしまいましたが、昨年6月、明大前キッド・アイラックでの「音の交差点ファイナル」では、ピアノがないのにも関わらず、二人の息のあった即興演奏が繰り広げられました。

「遊工房アートスペース」は、音楽のために作られた空間ではありませんが、一つの楽器を大切にする気持ちは、それこそが音楽だという気もします。おそらくお客さんの集まり具合で音が変化する、そんなセンシティヴな空間で、風巻は新しく革を張ったタムタムを、はじめて披露します。木の枠の音がする新しいタイコは、Stuttgartとどんなハーモニーを奏でるのか、興味は尽きません。

長年、西荻窪南口に「のみ亭」という店を構え、さまざまな文化人や演奏家、そして多くの市井の人々に愛された「やっちゃん」こと高杉康史さんがこの7月に癌で亡くなりました。夏の夕方に路地裏に集まって音楽を楽しみながら酒を酌み交わし、友達が友達を連れてきてみんな友達になる…というような、ゆるい雰囲気と、すばらしい出会いの場を作ってきたそんな店でした。「遊工房アートスペース」の「音遊庭」も、おそらく、終演後は「音遊亭」となって、人と人が繋がれる、そんな場所として育っていくのだと思います。

西荻窪、荻窪、上石神井と、どの駅からも遠い杉並・善福寺ですが、その分、緑も多く、善福寺池のある善福寺公園も近くにあります。夏の夕暮れ、夕涼みをするようなゆるい気分で、音楽をお楽しみいただけたら幸いです。


問い合わせ  takashikazamaki@h6.dion.ne.jp  (風巻隆)
 


2016年10月11日

風巻隆 ソロ・パカッション 「SO LONG」

SO LONG ビジュアル



■風巻 隆 ソロ・パカッション  「SO LONG」    レコーディング ライヴ

 2016年11月29日(火)   午後7時開場  7時30分開演

明大前  キッド・アイラック・アート・ホール  
       京王・井の頭線「明大前」駅下車  和泉校舎へと向かう学生街コンビニの先、左側徒歩2分
          http://www.kidailack.co.jp/

予約 2000円   当日 2500円  (1ドリンク付)

予約・問い合わせ   キッド・アイラック・アート・ホール  tel.03−3322−5564

出演      風 巻  隆    percussion
         
80年代から、明大前のキッドアイラックアートホールを拠点として
自主的な演奏活動を続けてきた即興のパカッショニスト風巻隆。
2005年にキッドのレーベルからソロCD「ジグザグ/zigzag」をリリースしてからも
楽器の改造を行い、音の形をさまざまに変化させていく独自の演奏法のスタイルを革新させてきた。

現代音楽の領域でも通用するような革新的な演奏スタイルを持ち、
超絶的な演奏テクニックを駆使して作るそのサウンドは、
さまざまな倍音をコントロールし、共鳴、共振といった音の特性をその音楽の核心部分で使いながら、
タイコが語りかけるようなピッチコントロールと、
聴くものの予測を気持ちよく裏切るズレや変化をともなうリズムで、
どこか懐かしい「音の風景」を形作っていく。

今年の年末でその長き活動に終止符をうつ
明大前の「キッド・アイラック・アート・ホール」へのオマージュとなるソロ・コンサート。
風巻とキッドの運命的な出会いと、タイコの内部にいるようなその音を体感するのは、
これがほんとに最後になる。



       
SO LONG                                         風巻 隆

本当のことを言うと、まだボクは、
キッドアイラックが今年でなくなってしまうということを実感できていない。

もちろん頭では理解しているし、
6月には長年続けてきた「音の交差点」シリーズもファイナルでけじめをつけた。

それでもなおボクの中では、いきつけの飲み屋のように、
キッドはそこにあるのが当たり前の場所であって、
そこがなくなるなんてことは、考えたくもないし、どうしても考えられないのだ。

はじめてキッドで演奏したのは1977年、20歳のときだから、
もう40年近い年月が経っている。

そこで多くの出会いがあり、多くの再会があった。
そこで共演した多くのミュージシャンがこの世を去り、
ソロ・コンサートの休憩中に父親の楽器で遊んでいた娘も、もう今年で20歳になる。

誰もしないようなやり方でタイコを叩き、自分のスタイルを模索し、作っては壊しの40年。

今年の夏、横にしたバスドラの上にシンバルを載せるためのシンバルスタンドを作った。
古い金属製のマグカップの柄を取り外しただけのものなのだけれど、
誰も考えたこともないことを考えるということは、それだけでスリリングなものだ。

新しいことをするにはそれなりの修練というものが必要なわけだけれど、
その前に、新しいことをしようと思う気持ちや、
今の自分を捨てる気持ちがまだあるということが大切だろう。

即興をするということに関わって40年。
こんなにも長い年月を支えてくれたのがキッドだったということは、
ボクにも、痛いほどわかっている。
今のボクには、キッドで叩く自分のタイコの音を録音しておくこと、
それが精いっぱいの感謝のしるしなのだ。

タイコを真上から見た写真には、
どこかアートに近い趣がある。
一回一回の演奏で
どんなセッティングをするか
それがそのまま一つの曲になる気がしている。

自分がどこに行こうとしているのかまだ手探りの状態だけれど、
変幻自在なセッティングを、真上から定点で見ていくと
新しい場所へ入っていけるような、そんな気がしている。



kazamakitakashi at 11:20|PermalinkKid Ailack | コンサート情報

2016年06月28日

音の交差点ファイナル

■音の交差点ファイナル
     〜6つのデュオ・インプロヴィゼーション〜


2016年6月30日((木))   午後7時開場  7時30分開演


明大前  キッド・アイラック・アート・ホール  tel.03−3322−5564
 京王・井の頭線「明大前」駅下車  和泉校舎へと向かう学生街コンビニの先、左側徒歩2分          http://www.kidailack.co.jp/

前売・予約 2200円   当日 2700円  (1ドリンク付)



出演     


中山信彦 写真


ナカヤマ・ノブヒコ  modular synthesizer

シンセサイザー・プログラマー/サウンド・デザイナーとして様々なアーティストのレコーディングに関わる一方で、「風博士」名義で行った風鈴と環境音による音響作品の制作を経て、「機械との対話」としてのモジュラー・シンセサイザーのパフォーマンスを展開するようになる。モジュラーシンセ・ユニット「電子海面」の一翼を担うほか、ソロの活動や、フォノグラファーとしてマルコス・フェルナンデスとも活動を共にしている。シンセ歴36年、モジュラー歴6年、そして俺歴元年。


香村かをりプロフィール写真


香村かをり   janggu and Korean percussion

14歳からドラムを始める。15歳でバンド「闇射」で吉祥寺マイナーに出演。1986年、金徳洙氏率いる韓国伝統打楽器グループ「サムルノリ」を聴き、衝撃を受け渡韓。漢陽大学音楽学部伝統音楽科打楽器専攻、同大学院修士課程音楽理論科で学ぶ。1990年、第1回サムルノリコンクールで座奏賞を受賞するほか、1995年には“エイジアン・ファンタジー・オーケストラ”(団長、渡辺香津美・仙波清彦)の団員としてアジアツアーに参加する。


森重靖宗


森重康宗   cello    http://www.mori-shige.com

様々な音楽活動を経て、1997年から即興演奏の活動を開始し、国内外の音楽家や舞踏家等と数多く共演する。アコースティック楽器の可能性を広げ、従来のチェロ奏法にとらわれない自由な演奏から生み出されるその音響は、繊細かつ豊かで独特である。2009年、チェロとピアノのソロによる即興演奏で構成されたCD "fukashigi" を発表。なお、灰野敬二率いるバンド「不失者」ではエレキベースを演奏している。


新井陽子 白黒


新井陽子   keybord http://www.geocities.jp/anoyoarayo/
ピアノとともにジャワガムラン、声明を学ぶ。80年代よりパフォーマンス、「月刊カセット」などの活動や演劇との協同作業を経て、「語りえないこと」を現す即興演奏に興味を持ち、90年代後半より、即興を中心に国内外の様々なミュージシャンとの共同作業を行っている。地域のイベントやワークショップなどの企画・制作を行う一方、近年は、海外の音楽シーンへも積極的に関わり、韓国、オランダ、ベルリン、ロンドン、パリなどでも演奏活動を行っている。


大熊ワタル 写真


大熊ワタル clarinet      http://www.cicala-mvta.com/   

前衛ロックを経て20代半ばでチンドン屋に入門し、街頭でクラリネットを修行。90年代、クラリネット奏者として自己のグループ「シカラムータ」を開始する。実験性や即興性、ストリート感覚を活かした独自の音楽性が国内外で話題を呼び、近年はアコースティックな出前ユニット「ジンタらムータ」でも活動する。3 ・11以降は積極的に街頭行動にも参加、映画や演劇とのコラボレーションなど、ジャンルを超えて多方面に出没している。



神蔵香芳 写真


神蔵香芳    dance

舞踊家。自然で自由なあり方を求めて独自の表現を追求しながら、ソロを中心に活動を続ける。作り込んだ構成の中で即興で踊るという方法によって作品を創作し、「ダンスとは、次々におこる今をどう捉え、対応し、表現していくかということで、その1秒1秒の積み重ねが動きの流れとなり作品となる」という信念のもとに、その場に相応しい「生きた表現」を目ざして即興/創作している。なお、都下・町田市の幼稚園では、こどものための身体表現にも取りくんでいる。



風巻コギリjpg


風巻 隆    percussion       

ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。ドラムを改造した独自の演奏スタイルは、2005年にキッドアイラックレーベルから発表したソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実した。革の音がする肩掛けのタイコ、西アフリカのコギリ、胴長のブリキのバケツなどを駆使し、音楽の実験室といったシリーズ「音の交差点」を長年キッド・アイラックで企画してきた。


2016年末をもって明大前キッド・アイラック・アート・ホールが閉鎖されることになり、1984年から長年続いた即興演奏のシリーズ「音の交差点」もファイナルを迎える。80年代からさまざまな形でパカッションの風巻と共演してきたミュージシャン・ダンサーが参集するなか、チェロの森重靖宗とは初の共演となる。15〜20分の凝縮された演奏やパフォーマンスは、キッド・アイラックが作ってきた濃密な表現世界を、改めて感じさせてくれることでしょう。


  ご予約・お問い合わせ   
キッド・アイラック・アート・ホール  tel.03−3322−5564


音の交差点     <作業としてのコンサート>              2016.5.19      


ある人にとってコンサートは、日頃の練習を発表する場だったり、
気のあった仲間と集まる絶好の機会だったり、
限られた空間と時間と、そして何より音楽を共有することで、
その場にえもいわれぬ一体感が生まれる場所だったりする。

そうして生まれる共同性は、さまざまなジャンルの中で洗練され、
あるいはエンターテイメントとして広く認知されて多くのファンを獲得していくか、
少数の、しかし根強いファンに支えられながら
息の長い活動を続け、自分達のネットワークを確立していくことになる。

「音の交差点」は、そうしたコンサートを、音楽のひとつの実験の場ととらえ、
音楽が持っている可能性や、音楽が人と人をつないでいく力を信じ、
表現としての高みを作るものとして企画され、
80年代から、パカッショニストの風巻隆によって続けられてきた。

即興という表現を、より風通しのよいものにするため、
斬新な人選と、意外な取り合わせで始まった84年からのシリーズ
(ゲスト:ダニー・デイヴィス、ローリー、田中トシ、菅波ゆり子、
小西ヤス、香村かをり、篠田昌已、小山景子ほか)

おもに海外からのゲストとともにデュオやトリオを行っていく86年からのシリーズ、
(ゲスト:トム・コラ、ダニー・デイヴィス、ペーター・コーヴァルト、
ハンス・ライヒェル、竹田賢一、向井千恵ほか)

デュオやトリオで、アンサンブルへの意思を形にしようとした91年からのシリーズ
(ゲスト:大熊亘、鈴木健雄、大友良英、斉藤徹、花木久実ほか)を経て、

2009年からは、二つのデュオによるインプロヴィゼーションとして新たなシリーズを開始していた。
(ゲスト:永田砂知子、中山信彦、マルコス・フェルナンデス、クリストフ・シャルルほか)

「インプロ」と称され、矮小化されて
音楽の一つのジャンルに囲われてしまったかのような即興シーンの中でも、
自身のタイコをさまざまに改造するなど、実験的な音楽への姿勢を常に持ち、
その独特な音楽観をわかりやすく伝えるためにさまざまなエッセイを書きためてきた風巻隆。
日々の雑感を綴ったブログ「元住吉から」や、
過去の文章をリライトしたブログ「ニューヨーク通信/ヨーロッパ通信」には
音楽というものが開いていく新しい世界の確かさと、今・こことは違った
もう一つの別の世界への扉をそーっと開けるような、不思議な感覚を覚えることがある。

2016年、明大前の「キッド・アイラック・アート・ホール」が年末で閉鎖されることになり、
「音の交差点」は、
6月に行われる6人のゲストを迎えた6つのインプロヴィゼーションで「ファイナル」を迎える。

6人のゲストはそれぞれ、30年来の友人だったり、長い共演歴のあるパートナーだったりもするのだが、
そこで行われる演奏やパフォーマンスは、それぞれの新しい扉を開けるものになるに違いない。

おそらくそこには、日常を切り裂くエッジがあり、
あふれる歌があり、自分の深い所へ降りていく感覚があり、
そして、言いようのない懐かしさとともに、
どこか遠くへと広がっていく「音の風景」がある。

(風巻 隆)



kazamakitakashi at 01:38|Permalinkコンサート情報 | Kid Ailack

音の交差点アーカイブ vol.3

ニュータイコ


■音の交差点    <作業としてのコンサート>


幸か不幸か、即興や即興演奏への関心は一般的にはほとんどなくなり、
フリージャズがもはや死語になったように、
フリーミュージックという言葉ももう聞かなくなった。

抽象絵画を描くように音を散りばめるヨーロッパフリーの手法も、
そのスタイルが出来上がってしまうと、
もう何の新鮮さも感じなくなってしまったし、
ドイツのFMPなどは、もう一つの伝統になってしまったようで、
しっかり保守的になってしまった。

かわって注目されるようになったジョン・ゾーン、フレッド・フリス、
ブッチ・モリス、エリオット・シャープ等のニューヨークシーンは、
豊富な人材のアマルガムを
バンドやプロジェクトによってさまざまに変換させながら、
ニッティング・ファクトリーのような場のダイナミズムにも支えられて、
新しい話題をつぎつぎに提供してくれる。

また、上昇志向の渦の中での戦略からか、
バンドの形態をとることも多く、
即興演奏に「個」の蜂起とでもいうような
アナーキーな人間関係を期待するむきには反して、
即興も作曲も一つの方法と、したたかに活動を続けている。

即興であることが、
それだけで何かスゴイことのように吹聴されていた時代は
もうとうに過ぎて、
おそらく、表現の独自性や実験的な試みを即時につなぎとめていく
「場」の作り方として、
これからは機能していくんじゃないだろうか。

一人一人の作業を持ち寄り、イメージに形を与えていくなかで、
未だないものを具現化していく。

即興と作曲を二元的に考えるのではなく、
そのどちらでもありどちらでもない、そうした何か、
新しい音楽の生成をも予感させる「場」として
「音の交差点」を企画しました。

ありていに言えば、
ライブハウスで毎日繰り返される出来上がりの「音楽」ではなく、
これから音楽になろうとする、音の断片やアイデアを持ち寄って、
「即興」という開かれた関係のなかで、
その場で音楽を作っていこうというものです。

コンサートという形式をとりながら、
もう少し自由に音楽の枠をはずし、
できれば予定調和を越えた世界を作りたい、
そうした作業の「場」という風に考えています。

「音の交差点」というタイトルは、
キッドアイラックホールでのコンサートシリーズに以前も使っていて、
そこではダニー・デイビス、ペーター・コバルト、トム・コラといった
ミュージシャン達とも共演し、
自分の音楽や演奏スタイルを模索してきました。

この2〜3年は、
ニューヨークやヨーロッパでの活動に力をいれていたのですが、
今年に入って、楽器を新しく買い替えたり、
それに手を加えたりすることに始まって、
自分の音楽のあり様を、自分の足下の東京で
また少し考えていきたいと思います。


(1991年5月27日〜29日 鈴木健雄、大熊ワタル、向井千恵、竹田賢一、大友良英、風巻隆)



<解説>

ニューヨークやヨーロッパでできることが何故東京で出来ないのか、
その頃からずっと考えて、それこそいろんな試みを行ってきた。

ニューヨークでは、どんな無名の人間でもミュージシャンとして出迎えてくれたし、
ヨーロッパでは、無名のミュージシャンでもアーティストとして出迎えてくれた。
そうした懐の深さや、音楽やアートの伝統というものは
一朝一夕で作れるものではなく、長い年月をかけて作り上げていったものなのだろう。

東京での試みは結局たいした結果も出せないで、
ヨーロッパやエストニアからミュージシャンを招聘してプロジェクトを行うという
今考えれば途方もないことにこの後、挑戦していくことになる。

そうした途方もないプロジェクトの最後に行ったライヴで、
ある演奏のさなかに、ボクは、それまでの演奏が
「何かをしないことをしていた。」ことに気が付いて愕然とする。

それと同時に、
タイコから音が抜けていく感覚とか、
叩くときのスティックの軌道といったものが、
それまでより明確にイメージできるようになったのだ。

即興が作曲になるためには、
「何かをしないこと」をしながら堂々巡りすることをやめて
明確に、「何かをすること」に向かっていかなくてはならない。

25年前、この文章の中で「作業」と言っていることは
とりもなおさず、「何かをすること」なのだ。



kazamakitakashi at 01:37|Permalink音の交差点 | アーカイブ

2016年06月22日

音の交差点アーカイブ vol.2

井の頭タイコ


梅雨の晴れ間の或る日の夜遅く、
部屋の明かりを消して、戸を開け放ち、
ラジオを小さくかけながら、静かにボーッとしながら、
何かもうすぐそこまで来ている夏の気配のようなものを
思い出していた。

外の明かりが薄ぼんやりと部屋の中を照らし、
隣りの家から話し声や、
テレビのプロ野球ニュースが聞こえてくる。

何もしないで、壁に寄りかかり、
何を見るでもなく、聞くでもなく、
そして何を考えるでもなく、
ただただ、ポツンと一人で、
もうすぐ夏が来ようかという6月半ばの夜を、
うす暗い部屋の中で
深い、ゆっくりとした呼吸をしながら、
まるで時間が止まってしまったかのように、
耳に聞こえるさまざまな音の中で、
ボクはどんどん一人になっていった。

いつかもこんなことがあったはずだ。
いや、昔から、こんなことばかりしていたのかもしれない。
忘れかけていた記憶の断片が浮かんでは消える。

耳をすますと遠くからカエルの鳴き声が聞こえてくる。

忙しさの真っただ中で、いろんなことを抱えてしまって、
やらなくちゃいけないことや、
どうにかこうにかやってしまいたい…というようなしんどさが
頭や心にドサッとのしかかり、
例えば生活すること一つをとっても
自分達のやり方を作っていくのは大変なことだ。

男と女のことにしても、
親や家のことにしても、
いろんなつきあい方があるんだろうし、
自分なりのやり方でクリヤーしたいと思う。

考えれば考えるほど重たくなるものは、
自由な発想でヒョイと飛び越えてしまいたい。…そう思う。
イヤホント

ついつい毎日、時間に流されてしまい、
時間の奴隷にまでなりそうな、
そんな日々のしがらみの中でさえ、
自分の時間をとりもどすことはできる。

ボクらはきっと、
また全く別の時間を用意して
そこで音楽を作っていく。

あたり前の世界からちょっとはずれた所に
面白いものはある…と思うのですが、
そう本当に信じているんですが…
アカリヲ着ケタラ元ノ部屋ニ戻ッテシマッタ

1986年7月26日 音の交差点 (ダニー・デイビス、竹田賢一、風巻隆)


〈解説〉

「耳をすます」というテーマは、それこそ中学校の卒業文集から始まった
ボクにとっては、ある種ライフワークのような大きなテーマだ。

もちろん即興演奏というものには、メロディー、ハーモニー、リズムといった
一般的な音楽の大きな要素だけではなく、
音色や、余韻や、倍音といった注意深く音を聴くということが
必要とされるということもあるのだけれど、

ボクにとって「耳をすます」というのは、
ただ単に注意深く音を聴くということではなく、
自分の記憶の中の音を聴こうとすることであったり、
その音を聴くために、記憶の海に潜りこんでいくことだったりする。

キッドアイラックという漆黒の空間は、
集まった観客がマスとして同調することで一体感を味わうという場所ではなく、
一人一人が、自分の世界や、自分自身といったものに沈殿して時間を
それぞれが体験する場所として存在してきたと思っている。

部屋の明かりを消した闇の中で聞こえてきたカエルの声は
今ここにある「あたり前」の世界の音ではなく、
「忘れかけていた記憶」の中の、懐かしさとともにある音だ。

いわゆる結婚をする前に一緒に生活を始めてしまったボクらは
のり越えなくてはならない多くのものを抱えていた。
「自分なりのやり方でクリアー」することがその頃はいっぱいあったけれど、
そうした毎日の生活の中の時間とは、「全く別の時間」を作るために
ボクは、キッドアイラックでのコンサートを続けていた。



kazamakitakashi at 02:06|Permalink音の交差点 | アーカイブ

2016年06月16日

音の交差点アーカイブ vol.1

ニューヨーク


■ 音の交差点   Danny Davis 、 ローリー、 風巻 隆 1984年9月

ニューヨークの路上でタイコを叩いていると、いろんな人が声をかけてくれる。

イーストヴィレッジのアスタープレイスというところは、
道端の物売りやストリートミュージシャンが集まって夜遅くまでにぎやか。

日の暮れる9時頃、タイコをぶらさげて歩いていると、
「今日もタイコやるのかい?」って
顔見知りの物売りのあんちゃんが声をかけてくる。

自分のやる場所を決めて、空のケースを開けておく。
ま、そこにコインや、たまに1ドル札が飛び込んでくるってわけさ。

酔っぱらいのオッサンが靴を頭の上に乗せて踊り出したり、
子供がお母さんからコインをもらって走ってきたり、
ミュージシャンの卵たちが「いかすじゃないか、気に入ったよ」とか言う。

ある日、黒人のオッサンが一緒にやっていいかと言ってきて共演。
彼は、シャーナイというチャルメラみたいなインドの楽器を吹いた。

それがまたすごい。
ジャズの魂のようなものがひしひしと伝わってくる。

こりゃただものじゃない…と思ってあとで名前を聞いたら
デューイー・レッドマン!
有名なサックス奏者だった。



(解説)
87年のニューヨークはストリートミュージックが花開いていた。
イーストヴィレッジの8丁目、セントマークスストリートを歩けば
ロックやジャズのミュージシャンがよく演奏をしていた。

どこかで拾ってきたような雑誌や片方だけの靴を売っている人がいたり、
小さな子供が色鉛筆や子供雑誌を売りに出していた。

そんな自由な雰囲気の中でストリートミュージシャンは
自分のやりたいことをそのまま街の観衆にぶつけていた。

ボクのやっていることはけしてジャズではなかったけれど、
ジャズではなく自分の音楽をやろうとしていたことで、
一流のジャズミュージシャンの心を打ったのだろう。

そのときのことをたまたまペーター・コヴァルトが見ていて、
次の日、「昨日はとても良かったよ、デューイーも君も。」
と評してくれた。

こうした「思いがけない出会い」こそが音楽を革新していくという思いが
「音の交差点」という企画の原点になっている。

サン・ラのサックス奏者だったダニー・デイヴィスと、
ルナパークアンサンブルの歌姫ローリーとのトリオいう取り合わせは
当時であれ、今であれ、おそらくありえない企画だとは思う。

即興というものが、そうした音楽の常識を突き破ってくれるはずだと
そのころのボクは、心の底から信じていた。



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2014年10月07日

タムタム・ラプソディ

花木大太鼓 - コピー (2)風巻コギリjpg - コピー


タムタム・ラプソディ
 ストリート感覚で街のノイズとコラボするインプロヴィゼーション

2014年11月3日(月・祝)  17:30open 18:00start

会場  キッド・アイラック・アート・ホール
     http://www.kidailack.co.jp/

出演  花木久実 (太鼓)
     風巻 隆  (パカッション)

料金  予約 2000円  当日2200円  ドリンク付

予約・問い合わせ キッド・アイラック 03-3322-5564
Eメールarthall@kidailack.co.jp

なお、予約の際は、公演名/日時/お名前/人数/電話番号をお伝え下さい。


■タムタム・ラプソディ

タイコとタイコのアンサンブルは難しい。
お互いの音が似かよっているので
自分の音と、相方の音が区別できなかったり、
微妙な音のニュアンスがかき消されたりもする。

太鼓の花木くんとは、
かれこれ25年近いつきあいがあり、
何度か共演もしているのだけれど、
どうしても音数が増えて
ノリを前面に押し出した
パワーミュージックに陥りやすい。

最近よく「断捨離」といった言葉を聞くけれど、
打楽器奏者にもそれは必要なことで、
音を増やすために楽器を増やすと、
ステージ上にたくさん楽器を並べて、
はじからはじまで叩くことで
音楽ができると考えてしまう。

今のボクらに必要なのは、
使い古された楽器のありふれた音を断ち、
音を出すことでごまかしている甘えを捨て、
ビートとかリズムとか、あたり前に考えている
打楽器の常識から離れていくことだろう。

「街の音」と共演するというアイデアは
花木くんが持ってきたもので、
キッドで行っているパフォーマンスなどの
「オープンドア公演」を念頭に、
キッドの搬入口でもある
通りに面した壁をとり払って、
ライブをやってみようというもの。

もちろん、苦情のリスクもあるので、
重低音や、衝撃的な音は避けるといった配慮も
必要になってくるかもしれない。

ただ何よりも、洞窟の中のような
響きすぎる感のあるキッドの空間が、
壁一つなくなることでどんな音になり、
また、甲州街道のノイズなど
どんな音が入ってくるのか、
それも大きな楽しみだ。

いろいろすったもんだのあった
「タムタム・ラプソディ」だが
それもこれも含めて、
ボクらの新しい一歩になるのだろう。


■プロフィール

花木久実   Hanaki Hisami

地方廻りの太鼓打ちとしてスタートし、伝統音楽の研鑽を
積みながら、独自の演奏活動を開始する。
演劇やモダンバレエとの共演も多く、近年は、
自作の映像や詩の朗読を交えた表現にも挑戦している。
形に捕らわれない太鼓表現を目指している。


風巻 隆     Kazamaki Takashi

即興演奏に出会ってから、さまざまな実験と試行錯誤を
繰り返して独自の演奏スタイルを確立していく。
一つのタイコから物語を導き出す表現力は他に類を見ない。
欧米のミュージシャンとの交流も深く、
その音楽は常に進化している。








kazamakitakashi at 15:49|Permalinkコンサート情報 | Kid Ailack

2014年09月16日

浦邊雅祥+風巻隆 デュオ

浦邊雅祥



■浦邊雅祥(うらべまさよし)6days+1  浦邊雅祥+風巻隆 デュオ

日時 2014年9月23日(火・祝) 夜8時〜

会場 白楽 Bitches Brew   090-8343-5621 

東横線白楽駅西口下車徒歩5分

横浜市神奈川区西神奈川3-152-1-101
http://www.ujr.jp/bb

料金 3000円 (ドリンク付)

参考までに、浦邊雅祥の映像はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=5j9KzcBQ_IE


浦邊くんのこと

おそらく浦邊雅祥の音楽を好きな人はそんなにはいない。

子供のままで大人になったかのようなその容貌とともに、
自らの弱さを見せたくないために作り上げる彼の過激さや、
自分の世界を守るために用意した毒にまみれたような音は、
歪み、きしみながら、この世界に吐き捨てられていく。

アルトサックスを抱えていることで、
彼がフリージャズの伝統や、阿部薫のフォロワーであるかのように
考える人は多いのだろうが、
彼が、その特異な音楽を作り上げる源泉となったのは、
ビリー・ホリデイの歌だったという。

彼の、一見世界を敵にまわすのも厭わないような過剰さや
あらゆる制度性を敵にするかのような音のきしみも、
その本質というのは、歌であり、祈りであるのだ。

不器用な彼は、
ビリー・ホリデイのような上質のエンターテイメントはもとより
日本のジャズというぬるま湯の世界に入ることもなく、
アンダーグラウンドの単独者としての自分を形作ってきた。

彼のように自己を探求するために音楽をやっているような人間は、
誰と演奏してもソロになってしまう。
だから、浦邊+風巻デュオなどという偽善はおそらく存在しないのだろう。
あるのは、二つの比類なき個性だけだ。

その個性がぶつかりあって闘うのか、
あるいは互いに寄り添って共存するのか、
それはやってみなければわからない。

ただ、フリーキーなスタイルを持つ浦邊雅祥が、
普段見せないナイーブな側面を見せてくれたなら、
このデュオは成功だったと言えるだろう。
もしそこに身を震わせるような歌や祈りが感じられるのなら、
二人は、もっと近づいて
共に活動していっていいのかもしれない。

(風巻隆)






kazamakitakashi at 00:42|Permalinkコンサート情報 | Bitches Brew

2014年08月04日

花木久実・風巻隆 デュオ「つづれおり」

花木大太鼓



■花木久実(太鼓)、風巻隆(perc) デュオ 「つづれおり」

2014年9月22日(月)、 19:30 open 20:00start

明大前 キッド・アイラック・アート・ホール tel 03-3322-5564
http://www.kidailack.co.jp/

予約2000円  当日2200円



花木久実(太鼓)

地方巡りの太鼓打ちとしてスタートし、伝統音楽の研鑽を
積みながら独自の活動を開始する。演劇やモダンバレエ
との共演も多く、近年は自作の映像や詩の朗読を交えた
表現にも挑戦している。形に捕らわれない太鼓表現を目指す。


風巻隆(パカッション)

10代の頃ドラムに出会い、様々な経験と試行錯誤の後、
独自のスタイルを完成する。一つ一つのタイコから
物語を導き出すかのような表現力は他に類を見ない。
ヨーロッパ・アメリカのアーティストとの交流も深く、
多彩な活動を続け、その音楽は常に進化している。



太鼓のおと

和太鼓というとアスリートのような鍛えられた肉体と勇壮な振りを見せ、
一糸乱れぬパフォーマンスを繰り広げる太鼓グループを思い浮かべてしまうけれど、
日本の太鼓というのは、そもそもそんな激しく打ち鳴らすものではなかったはずだ。

だいたいが、いつともなく始まって、いつとはなく終わっていくそんな長丁場に
渾身の力をふりしぼっていたら身がもたない。
盆踊りの太鼓はレコードの曲に付かず離れずしながら雰囲気を醸し出しているが
それとてビートを提示しているわけではなく、音色で「らしさ」を演出しているだけだ。

太鼓は打楽器でリズムを演奏する…、そう考えられてはいるけれど
楽器を管楽器、弦楽器、打楽器にわけ、
音楽はメロディーと、ハーモニーと、リズムでできていると考えるのは、
あくまで西洋の音楽観で、日本のものではない。

日本の音楽にビートがないと言ったら驚かれるかもしれないが、
心臓の鼓動のような安定したビートに乗っかるのではなく、
むしろ呼吸のような、伸び縮みのあるサイクルで音が連なっていく。

息を合わせ、意気を感じ、粋になる
日本の太鼓は、そうしたイキの音楽なのだと思う。

花木久実のように威圧感を感じさせない太鼓打ちは珍しい。
伝統的な和太鼓と、実験的なパカッション
花木と風巻の二人の音楽は、そんな枠組みを超えて、
太鼓とタイコの音色が響きあっていく。

夏の山寺の蝉時雨を「閑か」だと言った芭蕉は、
散乱する音の洪水に、無の境地を感じたに違いない。
無というのは、何も無いことではけしてない。
無とは、自分がいないということだ。

太鼓とタイコの共演もまた、
二人の個性が際立つものではなく、
「ただそこで音が鳴っている」
そのようなものになるに違いない。

風巻隆
ショートストーリーズ







kazamakitakashi at 18:04|Permalinkコンサート情報 | Kid Ailack

2014年05月13日

音の交差点 2014

音の交差点2014 二つのデュオによるインプロヴィゼーション

日時       2014年7月21日(月・祝)   
          午後7時開場  7時30分開演

場所       明大前  キッド・アイラック・アート・ホール  
tel.03−3322−5564  http://www.kidailack.co.jp/
京王・井の頭線「明大前」駅下車 和泉校舎へと向かう学生街コンビニの先、左側徒歩2分

料金       前売・予約 2000円   当日 2500円  (1ドリンク付)

出演     

森順治3


森 順治  alto sax, bass clarinet, flute  (1部のみ)

軽快なフットワークと自由奔放な音作りで、
フリージャズから歌ものまで幅広い音楽活動を続けるマルチリード奏者。

テナー&ソプラノサックスの堀切信志とのデュオを続ける一方、
ドラムの大沼志朗、ピアノの雨宮拓とのトリオ「M.A.S.H」、
福生を拠点に活動するロックバンド
「中原宙&Deme Band」のメンバーとして活動するほか、
原田依幸が主宰する大人数ホーンのセッション「大怪物団」や、
山崎比呂志やヒゴヒロシのユニット、
宅シューミー朱美のセッション等にも参加している。

また、パントマイムのあさぬまちずことの共演や、
人形劇団「かわせみ座」の音楽、金井勝の映画音楽も担当している。


大熊ワタル


大熊ワタル   clarinet      http://www.cicala-mvta.com/   (2部のみ)

20代半ばでチンドン屋に入門し、街頭でクラリネットを修行。
90年代、クラリネット奏者として自己のグループ「シカラムータ」を開始する。

実験性や即興性、ストリート感覚を活かした
独自の音楽性が国内外で話題を呼び、
近年はアコースティックな出前ユニット「ジンタらムータ」でも活動。

90年代後半以降は「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」の一員として、
神戸の被災地をはじめ、東ティモール、ヨルダンなどで慰問演奏。
3 ・11以降は積極的に街頭行動にも参加している。

映画や演劇とのコラボ、文筆活動など、ジャンルを超えて多方面に出没中。
 

胴長バケツ


風巻 隆    percussion      (1部+2部)

ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、
ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と
幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。

ドラムを改造した独自の演奏スタイルや、
タイコが音楽を記憶しているという独特な音楽観は、
2005年にキッドアイラックレーベルから発表した
ソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実した。

革の音がする肩掛けのタイコ、横にしたバスドラ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
今もまた革新的な演奏スタイルを模索し
音楽の実験室といったシリーズ「音の交差点」を企画している。


ご予約・お問い合わせ   
キッド・アイラック・アート・ホール  tel.03−3322−5564


■大磯の夜

森順治さんと共演したのは5年前の7月
大磯「すとれんじふるうつ」でのセッションだった。

マスターから
「宙さんのバンドのサックスがさあ、とてもいいんだよ。」
なんて話は前々から聞いていたのだけれど、
一緒に演奏したのはその時が初めてだった。

抽象的な音の迷路にはまっていく若いミュージシャンとは違って
行きたい場所がちゃんとある、フォーカスの定まった演奏。
サックス吹きとしては小柄な方なのだろうけど、
音のドライブ感というものには確かな力がある。

そのときはボクはまだ、
森さんがかつて「生活向上委員会」のメンバーで
梅津さんらと活躍していたなんてことは知らなかった。
へー、森さんはジャズも吹くのかなんて
今から考えればとんちんかんなことを考えていた。

セッションは盛り上がり、品川行きの終電ぎりぎりになって
慌てて店を出ていこうとするボクを森さんが呼び止め、
よかったら車で送っていくよと誘ってくれ、
川崎・元住吉の駅の近くまで送ってもらった。

「すとれんじふるうつ」では
いろんなミュージシャンと親しくなった。
古くはダニー・デイヴィス、ペーター・コヴァルト、
サム・ベネット、トム・コラ、エリオット・シャープ、
新しくは新井陽子、千野秀一、そして森順治。

そしてまた、七夕のある7月は
懐かしい人との再会の月でもある。
大磯のあの出会いの夜から5年、
森さんとはじめてデュオを行う。

昨年の大雪の日に久し振りに一緒に演奏した
大熊くんとも、久し振りのデュオになる。
前回のデュオはたぶん94年。
なんと、20年振りのデュオだ。

(風巻隆)

kazamakitakashi at 16:13|Permalinkコンサート情報 | Kid Ailack

2014年03月25日

風巻隆ソロ・パカッション 「ドラム マジック」

Super Delax 2


風巻隆 ソロ・パカッション「ドラムマジック」

2014年4月28日(月) 20:00〜  投げ銭コンサート

会場 綱島 Namak Cafe tel. 045-542-3330
東横線綱島駅西口より徒歩5分、イトーヨーカ堂ウラ
http://home.f05.itscom.net/namak/


風巻隆 percussion

箱鳴りするタイコ

ボクがドラムを始めたのは高校1年16歳のことだから、
もう40年もタイコを叩いていることになる。

「抜ける音」という
タイコの叩き方の言ってみれば極意のようなものが
ほとんど天啓のように頭に浮かんだのが、
1996年39歳のことなのだが、
その年に産まれた娘が
今高校2年、17歳になっている。

そして今年、56歳から57歳になろうとしているこの時期に、
タイコの新しい叩き方というものにたどりついたのだ。

簡単に言ってしまえば「箱鳴りする音」、
大きなタイコの上に
小さなタイコを載せて叩くということなのだけれど、
小さなタイコの音は、
大きなタイコの革に伝わり、木の枠に伝わり、
共鳴、共振しながら、独特のサステインを形作る。

ボクのタイコは片面しか革が張っていないので、
音のコントロールはしやすいのだけれど、
どこか薄っぺらい印象を持っていた。

それが、「箱鳴り」を手に入れ、
そればかりでなく、「箱鳴り」をコントロールすることも
できるようになったのだ。

それがどれだけスゴイことか
わかる人は少ないだろうけど、
音が重層的になったことや、
音が楽器の中でいつまでも鳴り止まない感覚は
聴いていてもわかることだと思う。

細かい音のニュアンスは
Namak Cafeの空間が
とてもうまく伝えてくれるので、
今度のソロは、とても楽しみにしている。

風巻のタイコは進化している
そのことがわかってもらえたらとてもうれしい。

(風巻 隆)

昨年秋のソロの映像をYouTubeにアップしました。ご覧ください。
http://youtu.be/HckwcQi09hQ
http://youtu.be/alGfHcikRr8

kazamakitakashi at 00:26|Permalinkコンサート情報 | Namak Cafe

2014年01月07日

新井陽子・風巻隆デュオ「SOUNDSCAPE 4」

新井陽子
(photo : R・Aratani)

風巻コギリ
(photo : Y・Kitazato)

■新井陽子・風巻隆デュオ「SOUNDSCAPE 4」

2014年2月20日(木)

入谷 なってるハウス tel 03-3847-2113
http://members.jcom.home.ne.jp/knuttelhouse/
東京メトロ日比谷線 入谷駅下車 徒歩約8分
つくばエクスプレス 浅草駅下車 徒歩約8分

入谷駅の1番または2番出口を出てすぐ左折し、言問通りを浅草方面に進み、
5つめの信号『金竜小学校交差点』を合羽橋道具街方向に右折、
コンビニエンスストア『ポプラ』を越えて2つ目の右に入る路地を入った左側すぐ。

浅草駅A2出口を出てすぐ左折し、国際通りを直進。
浅草ビューホテルを越えて1つめの信号を左折して進み、
2つめの信号『合羽橋北交差点』を横断後すぐ右折して
合羽橋道具街通りを進む。1つめの左に入る路地を入った左側すぐ。

OPEN 19:30〜
LIVE START 20:00〜

MUSIC CHARGE 2000円
DRINK 400円〜

新井陽子 piano
http://www.geocities.jp/anoyoarayo/index.html
流れるようなパッセージで現代音楽を彷彿させる
独自の音楽世界を作り出していく即興のピアニスト。
近年は、ヨーロッパの即興シーンへも活動の幅を広げている。


風巻 隆 percussion
革のタイコや、西アフリカのコギリという木琴で
独特の音楽を作り上げるパカッショニスト。
ズレや変化を内包するリズムや、
語りかけるようなドラミングは異彩を放っている。


<SOUNDSCAPEの彼方へ>

ステレオのヘッドフォンを着け、レコードに針を落とすと、
部屋の明かりを消して椅子にもたれかかる。
そうして真っ暗な部屋で、目をとじて音楽を聴きながら、
その音の向こうに、ボクは
何か自分では知らない世界が広がっていることを感じていた。

それはまだ中学生の頃で、
聴いていたのは、サイモンとガーファンクルの
「サウンド オブ サイレンス」だったけれど、
音楽に包まれながら、
自分が、今どこにいて、
何をしているのかということが曖昧になり、
自分という存在に向き合って
記憶の中の迷路をさまようような
そんな不思議な体験をしたものだった。

音楽とのそうした出会いはとても鮮烈だったので、
ヘッドフォンステレオを持ち歩いて音楽を聴くことなんか
考えもできなかったし、
音楽が映像で脚色され、イメージまでも強制されることに
何か強い違和感をずっと感じてきた。

それでもメディアの発達はどんどん進んで
もはや音楽は聴くものであると同時に
見るものでもあるのだろう。
あるいは、見せるものだと言ってもいいのかもしれない。

音が形を変えていく。
そうした「ありえない世界」を、即興は見せてくれることがある。
それは記録された映像や、音楽データの中に残るものではなく、
おそらく体感するものなのだろう。

久し振りに都内で行われる
新井陽子と風巻隆のデュオ

そこで作り上げられる音楽は
目をつむることで見えてくるものであったり
沈黙の中で聴こえてくるものだったりするのだろう。

<SOUNDSCAPE>音の風景の彼方にあるのは、
かつて寺山修二がマッチを擦る束の間に見た祖国だったり、
芭蕉が山寺の蝉時雨に聞いた閑けさだったり、
山頭火が風を歩いたときに見た風景だったりするのだろう。

街の喧騒や、時代の雰囲気を離れ、
群れることで自分をごまかすことをやめ、
自分と、その孤独に向き合うこと。
それはおそらく、インプロなどと矮小化されたものではない。
音そのもの、即興そのものであるはずだ。

なってるハウス マップ









kazamakitakashi at 17:19|Permalinkコンサート情報 | なってるハウス

2013年09月02日

風巻隆 ソロ・パカッション 「ショートストーリーズ」

ナマック

■風巻 隆ソロ・パカッション 『ショート・ストーリーズ』



2013年10月14日(月・祝)

19:00 open / 20:00 start

投げ銭コンサート

出演:風巻 隆 Percussion



Namak Cafe へ行こう



綱島の駅から東横線の線路に沿って鶴見川の方へ向かい、

駐車場やマンションの立ち並ぶ殺風景な川沿いの道を歩くと

そこだけ時間が止まったかのような古いアパートがあり

その一角が「Namak Cafe」というちいさなキャフェになっている。



カウンターと小さな椅子席が並ぶ細長い店の奥が

桟敷席になっていて、そこをステージにするとライヴができる。



さほど天井が高いわけでもなく、

うなぎの寝床のような狭い空間であるのにもかかわらず、

タイコの音との相性がいいのか、思いもよらぬほどいい音が鳴る。



丸みを帯びた漆喰の壁や、雑然とした店のたたずまいが

音の余計な角をとり、かすかな倍音を響かせてくれるのか

演奏家が演奏しているときに聴いている音が

そのままの形で客席に届いていく、とても珍しい空間だ。



狭いステージでは動き回ることはできないけれど、

ちょっと楽器の向きを変えるだけで音は違った方向へ飛び出していく。



「風巻クンの音は目をつむって聴くといろんなものが見えてくる」

といった絵描きの友人がいる。

そこで起きていることを見れば、カウベルで木琴を叩いていたり、

肘を使ってタイコの革をコントロールしていると容易にわかるけれど、

その音はそれだけではなく、心や記憶を揺さぶって

ヴィジョンをを呼び覚ましていくということなのだろう。



ボクが住む「元住吉」からは駅で二つ目。

以前、子供の頃住んでいた「妙蓮寺」からは三つ目。

「綱島」は、言ってみれば地元、自分のルーツを感じる場所でもある。



Namak Cafe で誰と会えるのか、誰と再会できるのか、

今から、ボクも、楽しみに待っています。

ソロの新しいシリーズ『短編物語集』が始まります。



(風巻 隆)

kazamakitakashi at 00:31|Permalinkコンサート情報 | Namak Cafe

2013年04月30日

サム・ベネット 風巻隆DUO「PERCUSSIO」

サム・ベネット 風巻隆 DUO 「PERCUSSIO」

2013年7月15日(月・祝)
19:00 open 19::30 start     

予約 2500円  当日 2800円

会場  明大前 キッド・アイラック・アート・ホール 03−3322−5564
http://www.kidailack.co.jp
京王・井の頭線「明大前」駅下車 徒歩2分 甲州街道手前左側

出演   サム・ベネット  percussion  
                 http://www.polarityrecords.com/index.html
      風巻 隆     percussion
                  http://blog.livedoor.jp/kazamakitakashi/


サム ベネット 3


サム・ベネット  percussion

アメリカ南部、アラバマ州バーミンガム出身。
84年からニューヨークに在住し、サンプリングを駆使した
エレクトロニック/アコースティックな打楽器奏者、
またブルースをベースにしたソングライターとして、
エリオット・シャープ、トム・コラらダウンタウンの
クリエイティヴなミュージシャン達と活動を続け、
91年から、自作曲によるCD作品を
ニッティングファクトリーワークスからリリースする。

86年に初来日、96年には東京に移住し、
梅津和時との「Third Person」、ハブヒロシとの「S&H」、
沼直也らとの「Smoke Benders」、
マルコス・フェルナンデス、清水博志との「The Metaphors」などのバンドで、
自作の曲を三弦ギターのスティック・ダルシマー、
一弦ギターのディドゥリー・ボウや、
フレームドラム、トーキングドラムに自作のエレクトロニクス機材をまじえ、
常に独創的な音楽を形作っている。



風巻コギリ


風巻 隆   percussion

84年から数回にわたってニューヨークを訪れ、
ダウンタウンのミュージシャン達と交流を深め、
89年からはミュンヘンのギタリスト、カーレ・ラールとともに
ヨーロッパ、エストニアなどで幅広く音楽活動を行った即興のパカッショニスト。

2005年にはキッドレーベルから、初のソロCD「ジグザグ/zigzag」をリリースする。
自作の革のヘッドを持つタイコや、西アフリカのコギリ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
さまざまなスティックワークで倍音をコントロールし、
ズレや変化のともなった独特のリズムと語りかけるようなフレーズで、
初めてなのに懐かしい「音の風景」を形作っていく。

近年はソロやピアノの新井陽子とのデュオのほか、
「音の交差点」「インプロヴァイザーズ・ネットワーク」といった
さまざまな形のセッションを企画、
音楽に関わるエッセイや即興をめぐる考察もブログに発表している。


風巻隆 キッド撮影 007


「PERCUSSIO」

それはある意味で事件だった。
1987年、ニューヨークの小さなベースメントで行われた
サム・ベネットと風巻隆の初のデュオは、
週刊新聞ヴィレッジヴォイスに取り上げられたことで、
スペースに入りきれない鈴なりの聴衆が集まった。

ともに1957年5月生まれの、サム・ベネットと風巻隆は、
アメリカの音楽誌「MODERN DRUMMER」の
「the DOWNTOWN DOZEN」(by Bill Milkowski 1988 April)
にニューヨークの若手ドラマーとしてともに紹介されるなど
、新しい時代の新しい音楽の推進者として、
その当時多くの注目を集めていた。

二人は1988年、西ドイツ・ベルリンのレーベルから
「143Ludlowst.NYC」というデュオのLPを発表している。

LPのA面が二人のデュオ、
B面が風巻とジーナ・パーキンスとのデュオというそのレコードは、
前年秋にニューヨークのNoiseというスタジオで録音され、
エンジニアはチェロのトム・コラだった。

サムのエレクトリックドラムと風巻の革のドラムのサウンドが奇妙に融合し、
多彩な音色と、ズレを含んだリズムが伝統や民族性といったものを感じさせない、
無国籍な音楽を作り上げていた。

それは、ノリやグルーヴといった打楽器特有の一体感、昂揚感ではなく、
お互いの差異を認め合い、信頼したときに生まれる自分が
「どこにもいない」ような浮遊感に満ちていた。

96年にはサックスの梅津和時、ギターのカーレ・ラールとともに
CD「MOVING」を発表したサム・ベネットと風巻隆。

今は共に東京に拠点をおく二人が、
17年の空白を乗り越えて
明大前キッドアイラックで行う渾身のデュオ・ライヴ「PERCUSSIO」、必見です。

予約・問い合わせ    キッド・アイラック・アート・ホール  
               phone 03−3322−5564


kazamakitakashi at 17:41|Permalinkコンサート情報 | Kid Ailack

2013年04月02日

3C123/クラリネット 風巻隆/パカッション 二重奏

ダダカン



■写真展「笑う流れ者木股忠明の思いで」特別企画

2013年4月29日(月・祝)
19:00 open 20:00 start

会場  Namak Cafe 045-542-3330
http://home.f05.itscom.net/namak/
東横線綱島駅西口、イトーヨーカ堂裏手、鶴見川土手近く

出演  3C123    clarinet
      風巻 隆   percussion

ミュージックチャージは投げ銭制、お代は見てのお帰りになります。

カッコつけてんじゃねえよ

80年代、「ぴあ」や「シティーロード」という情報誌が
有名・無名に関わらず公演情報を等価値に扱い、
「就職しない」というライフスタイルが若者の特権として語られていた頃、
ワンポイントステレオマイクで録音したカセットを
自宅のダブルカセットでダビングしたようなチープな音源が
「インディーズレーベル」として世間に出回ったりしていた。

フリージャズや即興音楽をクソまじめにやっている人達や
いくつものバンドを渡り歩くミュージシャン達に背を向けて、
自宅や野外や路上に演奏の場を求める人や、
音楽というよりは音を使ったパフォーマンスを展開し、
「かっこいい」ことはみっともない、
「かっこ悪い」ぐらいで丁度いいといった
不思議な美意識に包まれた一群の人達がいた。

そうした友人の一人から久しぶりに声がかかり
一緒に、昔の仲間が切り盛りしているエスニックテイストのキャフェで
ウン十年振りでデュオの演奏をすることになった。

音楽の良し悪しだとか、芸術的な創造性だのってこととは無関係に
音楽は何よりも楽しむものだというのが、このデュオの基調となる。
そもそもこの二人の演奏が音楽になるかどうかも怪しいのだけれど、
そう、二人が目指すのは抱腹絶倒のパフォーマンスに他ならない。

行方不明の友人の「写真展」という場で、ともすれば
「あの頃はみんな若かった」というノリになってしまうのだけれど、
これは、インディーズの復権だとか、CDの復刻だとか
昔の音源のネットへの公開とかいう後ろ向きの企画ではなく、
かっこつけて社会派をきどったり、
かっこつけて昔のヴィデオを上映したり
かっこつけて外国人とばかり演奏したり
かっこつけて自分という堅固な城を築いている奴らを
思いっきり笑い飛ばしてしまおうということ。

6年も消息不明という木股忠明が今どこにいて
何をしているかはわからない。
ただ、どこにいようと、何をしていようと、
ボクらが確信するのは、彼が
「かっこつけるのは、かっこ悪い」という
生き方/死に方をしているのは間違いないということだ。

そして、それこそどこかの路上か、
草葉の陰で、カップ酒を飲みながら
今のクソまじめな世の中を
「何だか、笑っちゃうよね」と
ほくそえんでいるはずなのだ。

(風巻 隆)

kazamakitakashi at 15:19|Permalinkコンサート情報 | Namak Cafe

2013年02月26日

風巻 隆 ソロ・パカション

風巻コギリ



■ 風巻 隆 ソロ・パカッション

2013年3月19日(火)
19:30 open
20:00 start

予約2500円  当日3000円 ドリンク付

銀座 STEPS GALLERY 03-6228-6195
中央区銀座4-4-13 琉映ビル5F
http://www.stepsgallery.org

ステップス ステップス

思い起こせば、これまでいろんな階段を昇ってきたものだ。

ニューヨークのスタジオと言えば
ほとんどが古いビルの5階ぐらいで
きしむような階段を楽器を担いで昇っていく。
息をきらせてたどりつくと
仲間達が笑顔で迎えてくれたものだ。

駅にエスカレーターなんてなかった頃、
この荷物は何?といった怪訝そうな顔のなかで
鶴巻温泉や大磯や明大前や吉祥寺の階段を
音楽ができる充実感とともにタイコを運ぶ。

子供の頃の一時期、公団住宅の5階に住んでいて
玄関のドアの横に牛乳受けやダストシュートがある
昭和の匂いがする団地の5階の窓からは
よく工事現場の杭打ちの音が聞こえてきた。
町工場の溶接の音や、大工さんの電動カンナの音…
耳をすませば、今でもそんな音は聞こえてくる。

高校時代、ガールフレンドとの待ち合わせは
いつも駅の階段だった。
今日は19日だから下から19段目で待ってるなんて
そんな、たわいもない会話をしていた。

彼女が家に遊びに来たとき、
お母さんは何の花が好き?と聞かれ、
露店の花屋でフリージアを買って帰ったことがある。
それは母へのプレゼントだったのに、
花瓶に活けて、母は、階段を昇って、
ボクの部屋へ持ってきてくれた。

寒さが和らいで、梅の花が咲くこの季節は
言いようのない切なさを感じる季節でもある。
どこからともなく梅の香が匂ってくると
胸がしめつけられるような気持ちがする。

梅も沈丁花もフリージアも
この季節の花には、凛とした気品と
穏やかなやさしさがある。
この時期は、大切な人を想うような、
そんな切なさを感じる季節でもある。

銀座のギャラリーとはいっても
Steps Galleryという所は
新しいもの、新しい価値観というものを
地道に発信している稀有なスペースで
5階まで続くその階段は、
新しいものに出会うため、
大切なものを見つけるために、
一歩一歩を踏みしめる
道のりに他ならない。

5階から眺める銀座の夜景は一品で、
俗世間から離れたような解放感がある
何とも不思議な場所なのだ。


ステップスギャラリー





kazamakitakashi at 02:02|Permalinkコンサート情報 | Steps Gallery

2012年12月12日

インプロヴァイザーズ ネットワーク

インプロヴァイザーズ ネットワーク
<それぞれが指名したデュオ・トリオによる即興演奏>

今年7月、「音の交差点2012」を二子玉川KIWAで行った
パカッショニスト風巻隆が企画する即興演奏のミニ・フェスティバル。

7人の出演者がオファーしたデュオ・トリオのなかから
9つのセットを選りすぐって3ステージにわけてお送りします。

多彩な出演者が、演奏の組み合わせを替えながら、
一曲一曲をその場で作っていく即興演奏は、
聴く者の想像力をはるかに超えて、
音楽の限りない楽しさや、
今・ここにいることのかけがえのなさといったものを
1回こっきりの演奏に凝縮させていきます。

即興演奏のファンの方も、
また、こういった音楽が始めての方も、
同じように楽しめる企画ですので、
ぜひ、二子玉川まで足をお運びください。


日時       2013年1月14日(月・祝)   午後5時開場  5時半開演

場所       二子玉川  KIWA  tel.03−6805−7948
          http://oasis-kiwa.com/
料金       予約 2500円   当日 3000円  (オーダー別)

出演       

千野秀一 Chino Syuichi piano, laptop

千野秀一jpg


<1980年までダウンタウン・ブギウギバンドにキーボード奏者として所属。
その後映画・舞台の音楽を制作しつつ、坂田明「Wha-ha-ha」、
竹田賢一「A-Musik」、大友良英「Ground-Zero」、
ふちがみとふなとカルテット等のユニットに参加。

90年頃からピアノやラップトップを駆使した即興演奏の活動も加え、
内橋和久のプロデュースする「フェスティバル・ビヨンド・イノセンス」に
15年全期出演。
韓国のピアニスト、パク・チャンスに触発されてピアノ・デュオのための
コンサート「ピアノ舞踏会」を2006年から2009年にかけて3回主催する。

4年前からドイツ・ベルリンに住み、ヨーロッパを中心に活動を続けるなか、
東京で井野和義、今井和雄と、関西で稲田誠、楯川陽一郎とのトリオを継続する。
現在、異色のヴォーカリスト渕上純子との共同CDを制作中。

大熊ワタル  Okuma Wataru clarinet

大熊ワタル photo


80年代東京のアンダーグラウンドシーンで、
「ルナパーク・アンサンブル」などのバンド活動を展開する。
20代半ばでチンドン屋に入門し、街頭でクラリネットを修行。

90年代、クラリネット奏者として自己のグループ「シカラムータ」を開始する。
実験性や即興性、ストリート感覚を活かした独自の音楽性が
国内外で話題を呼び、ヨーロッパや台北でも公演する。

並行して様々なセッション、バンドに参加し、
とくに90年代後半以降は「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」の一員として、
神戸の被災地をはじめ、東ティモール、ヨルダンなどで慰問演奏。

近年はアコースティックな出前ユニット「ジンタらムータ」でも活動、
3・11以降は積極的に街頭行動にも参加している。
映画や演劇とのコラボ、文筆活動など、領域を超えて多方面に出没中。

http://www.cicala-mvta.com/

クリストフ・シャルル  Christoph Charles computer, guitar

クリストフ シャルル


視覚や聴覚の「妨害のない相互浸透」(Jケージ)のテーマに基づいて、
演奏活動やパフォーマンスへの参加、インスタレーションや、
音響作品、ヴィデオ作品の制作を通じて、
音楽家、舞踏家、彫刻家、画家、建築家などと
コラボレーションを行っているサウンドアーティスト。

フランス、マルセイユ生まれ、1987年から名古屋、東京でも活動を始め、
音や空間、動き、自然、環境、宇宙、沈黙や偶然性…
といったものが電子装置のなかで出会い、
音楽の新たな領域を広げる活動を行なっている。

また、成田新東京国際空港第一ターミナルのパブリックアートへ
サウンドインスタレーションを提供、
執筆や講演、海外との文化交流プログラムの企画など、
多岐にわたった活動を続けている。
現在、武蔵野美術大学映像学科教授、専門は「メディアアート」。

http://home.att.ne.jp/grape/charles/

入間川正美   Irumagawa Masami  cello

入間川正美


チェロという楽器を用いながら西洋の伝統的な音楽観から離れて、
ゆらぎや気息のようなかすかな変化を連ね、
たゆたうような音楽を形作るミュージシャン。

1989年より神田ギャラリーサージでチェロの即興演奏をはじめる。
以降、現代美術・実験演劇との共演を重ね、
1998年よりソロシリーズ「セロの即興もしくは非越境的独奏」を
高田馬場プロト・ シアターにて開始し、
現在も八丁堀・七針で継続する。
また、同タ イトルのCD、CD-Rをリリースしている。

2004年演劇ユニットLens(佐藤照+渡部美保)と共に
ニューヨークに遠征、演劇公演だけでなくソロ演奏も好評を得る。
それ以降、国内外の音楽家との共演を重ね、
現在、新井陽子とのデュオ、
竹田賢一・原田淳とのトリオなどで新たな可能性を模索している。

http://irusworks.blog15.fc2.com/

吉本裕美子  Yoshimoto Yumiko   guitar

吉本裕美子 ニュー


ロックバンドでの活動とともに、
アートや実験映画の領域での活動を通して即興表現に出会う。
2006年、越後妻有アートトリエンナーレで
ヒグマ春夫のパフォーマンスへ参加し、
エレクトリック・ギターの即興演奏を開始。

2007年よりキッド・アイラック・アート・ホールの
年越しイベント「除夜舞」でソロ演奏。
2008年、山田勇男の8ミリ短編映画『白昼夢』の音楽を担当。
2009年、イメージフォーラム・フェスティバルで
万城目純の映像パフォーマンス『NyoNyum』に舞踏の南阿豆と参加。

2012年よりMiya、岡本希輔を中心とする
The Tokyo Improvisers Orchestraに参加。
近年は現代HEIGHTS、喫茶茶会記など
小スペースでの公演を数多く企画し、
ダンスの秦真紀子、ドラムスの長沢哲、ギターの高原朝彦、
花いけの上野雄次、俳人・ヴォイスの生野毅など
多様な表現者と共演している。

http://yoshimotoyumiko.blogspot.com/

永田砂知子  Nagata Sachiko   波紋音(はもん) その他

永田砂知子jpg


東京藝術大学打楽器科卒業。
ベーシストの吉沢元治との共演をきっかけに、
90年代から即興演奏のボーダレスな世界に足を踏み入れ、
パーカッション奏者としてデレク・ベイリー「COMPANY」、
ジョン・ゾーン「COBRA」、
ブッチ・モリス「CONDUCTION」全米ツアーに参加、
また、梅津和時「ベツニ・ナンモ・クレズマー」で
マリンバ奏者として活動する。

1997年、斉藤鉄平氏が水琴窟をイメージして創作した
鉄のスリットドラム波紋音(はもん)と出会い、
以後、波紋音を中心に国内外でソロあるいは、
ダンス・舞踏・地唄舞・語り・花・書など
様々なジャンルのアーティストとコラボレーションをしている。

CD「波紋音」、パリ録音のCD「le Hamon(ル・アモン)」をリリースし、
今年6月、札幌モエレ・ガラスのピラミッドで行われた、
電子音楽アーティストchiharu mkとの共演も、
CD「blue flow」としてリリースされた。

http://www.nagatasachiko.com

風巻 隆  Kazamaki Takashi    percussion

風巻隆jpg


80年代から90年代にかけて、
ニューヨーク・ダウンタウンの実験的な音楽シーンとリンクしながら、
ヨーロッパ、エストニアのミュージシャン達と
幅広い音楽活動を行ってきた即興のパカッショニスト。

ドラムを改造した独自の演奏スタイルや、
タイコが音楽を記憶しているという独特な音楽観、
即興の醍醐味は作品化にあるという即興観は、
2005年にキッドアイラックレーベルから発表した
ソロCD「ジグザグ/zigzag」という作品に結実し、
革の音がする肩掛けのタイコ、西アフリカのコギリ、
胴長のブリキのバケツなどを駆使し、
今もまた、革新的な演奏スタイルを模索している。

ジャズと現代音楽の中間領域にあたる即興シーンでも、
常に独自の立ち位置を持ち、
昨今は、音楽そのものを深めていくエッセイや、
即興をわかりやすく読み解く考察も発表している。

http://blog.livedoor.jp/kazamakitakashi/

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なお、チケットの予約はKIWAホームページからお願いします。

kazamakitakashi at 02:18|Permalinkコンサート情報 | KIWA

2012年10月10日

新井陽子+風巻隆 SOUNDSCAPE 3

SAVE0003


■ 新井陽子+風巻隆 「SOUNDSCAPE 3」

2012年12月25日(火)  20:00start

稲毛 jazz spot CANDY
tel. 043-246-7726
JR総武線稲毛駅西口下車徒歩2分
http://blog.livedoor.jp/jazzspotcandy/

2500円 (学生2000円) オーダー別

新井陽子  piano
風巻 隆  percussion

■クリスマス・クリスマス

まだうちの子供が小学生だった頃、
クリスマスプレゼントの包装紙にPARCOとあるのを見つけて、
「あっ、サンタさん、プレゼント買ってきてくれたんだあ。」と
無邪気に喜んでいたことがある。

こちらは、レジに並んでいるサンタさんを想像して
思わず吹き出しそうになってしまったけれど、
こんな風に、純粋にサンタクロースの存在を信じていることを
少しだけうらやましく思ったものだ。

派手なイルミネーションや、
これみよがしの家の飾りつけなど好きではないし、
パーティーでクラッカー鳴らすお祭り騒ぎなども
どうも性には合わないのだけれど、
冬の凛とした空気は気持ちのいいものだし、
星降る空や、深い森の奥に、
精霊や、妖精たちを感じる気持ちは持っていたい。

かつてドイツの街で、グルーワインという
暖かい赤ワインを路上で飲みながら、
クリスマスの飾りつけの屋台を見て回ったことがある。
町にまきストーブの香りが漂う、ドイツの人達の暮らしの
慎ましさや確かさには、いぶし銀のような美しさがある。

SOUNDSCAPE:音の風景で作りたいものは、
華美な電飾や、街中の喧騒ではけしてない。

それはおそらく、誰かを待つことだったり、
何かを追いかけて町をさまようことだったりするのだけれど、
そこにはきっと、何かを信じる純粋な気持ちがあり、
そしてまた、魂を震わせるような、祈りというものもあるはずだ。

(風巻 隆)








kazamakitakashi at 01:52|Permalinkコンサート情報 | CANDY

2010年11月20日

音の箱

新井陽子


「ジャズは都会の夜の音楽だ」とキザなことを言う人もいるけど、
ジャズが本来持っていた「何でもあり」の精神は、
大太鼓やシンバルを寄せ集めてできた
初期のドラムセットを見ればよくわかる。

まだハイハットなどというものができる前は、
バスドラのペダルにひもで玉が付いていて
デンデン太鼓のようにシンバルを鳴らしていた。

それは楽器というよりは、装置のようなもので
ドラマーはそこで、
今まで誰もやらなかった演奏をしていたのだった。

かつて「空から木の実、音をたたいてゆく」というタイトルで、
自由律俳句の山頭火の句をもとにして即興で作品を作り上げていく
「playing山頭火」というシリーズを続けていた、
ピアノの新井陽子とパカッションの風巻隆のデュオが、再び活動をはじめる。

キッド・アイラックでの「空から木の実カルテット」では、
ピアノではなく、ピアニカやトイピアノ、メロディオンなどの鍵盤楽器や、
さまざまなエフェクターなどを使って、
音色の変化を駆使する新しいアプローチに挑んでいた新井が、
ピアノという完成された楽器にどう挑んでいくのか、
また、自分なりのドラムスを再び解体して、
タイコとブリキのバケツを演奏の中心に置く風巻が、
どのようなサウンドスケイプ=音の風景を形作っていくのか。

ピアノという音の箱、
タイコという音の箱。

そこからさまざまな音を紡ぎだしていくその演奏は、
けして音楽の解体ではなく、
むしろ、洗練された
新しいスタンダードへと向かっていく。


■新井陽子・ 風巻 隆 デュオ  SOUNDSCAPE  vol.1
2011年1月10日(月) 
稲毛  jazz spot CANDY  

出演 
新井陽子   piano
風巻  隆    percussion


kazamakitakashi at 00:56|Permalink音楽ノオト | 10年代