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化学物質過敏症という聞き慣れない病気になり、非日常の日常が始まった。気が付けば、はや15年。当初より症状は軽減してきているものの、隣家の香りの洗剤や近隣の工事などに翻弄される日々。そんな時、老親の世話が始まった。 過去記事も含め、いただいたコメントにはお返事するようにしますが、体調次第で遅れる場合があるかと思います。悪しからずご了承下さい。

2013年04月

外の日向は、「暖かい」というより「暑い」。パソコン脇の温度計は27度を示している。長袖では暑すぎると、箪笥から7分袖のTシャツを取り出す。

数ヶ月前、暑くなる時期に備えて、買っておいたTシャツ。無●良品でオーガニックコットンのものを購入した。一昨年、やはり無●良品でオーガニックコットンの長袖のTシャツを購入していて、数回の洗濯で着ることができたため、同じ品質のものが届くと思っていたところ、届いた商品は、なぜかゴワゴワと硬かった。嫌な予感はしたものの、洗濯をすれば・・・と、淡い期待を抱き、数回の洗濯&干すを繰り返したものの、ゴワゴワのまま。これ以上、洗濯を繰り返しても、ゴワゴワのままだろうと諦め、数日前、やっと箪笥に仕舞った。

そして、今日、袖を通して、数秒後に、脱いだ。ゴワゴワというだけでなく、着ていて体が緊張してきてしまう。反応が出ている。ゴワゴワの商品が届いた時点で、オーガニックコットンでも・・・という半ば諦めはあったものの、やはり、手を通して反応が出ると、諦めるのにも納得がいく。

以前は、オーガニックコットンの製品は、オーガニックコットンの商品を専門に扱っているブランドのもの以外を探すのは難しかった。しかし、最近は、あちこちでオーガニックコットンの製品を見かける。最初は、オーガニックコットンの製品が入手しやすくなったと喜んでいたが、そのうち、やはり、専門のブランドのものと安く売っているものとでは、品質に大きな差があることが分かってきた。

糸にオーガニックコットンを使っているというだけで、その後の加工工程で化学染料やその他加工に化学物質を使用しているものが多い。何のためにオーガニックコットンを使うのだ、と、思ってしまうが、栽培時に農薬を使っていないので環境に配慮した商品ということなのだろう。素材の特質を考えると、とてももったいないことをしているように感じてしまうし、本当に環境に配慮した商品として作りたいなら、加工工程でも環境に配慮して欲しいものだと、思ってしまう。

新しいTシャツを脱いで、色褪せて袖口や衿がぼろぼろになってきている古いTシャツに着替える。体に緊張は起こらない。安心して着られる。

ゴワゴワの手触りは、この病気には関係ない。もし、発症していなかったら、このゴワゴワのTシャツも新品ということで喜んで着ることができていたのだろうか。

肌触りがよいことが特徴であるはずのオーガニックコットンがゴワゴワであることの不思議。

自分では着られそうにないので、家の者に着てもらう事になると思うが、またしても、安物買いの銭失いをしてしまったかと、気落ちする。

自分の行動半径内にオーガニックコットンの製品を扱っている店はないため、通販での購入となる。通販での購入は、実際に実物を手にして買うことの出来ない。となると、高くても信頼できる品質の製品を扱っている専門のブランドのものを買うの一番なのだよなぁと、再確認したしだい。

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ブログに、化学物質過敏症で服が着られないというような検索で入ってくる人が、結構いる。化学繊維の服が着られないのは仕方がないとして、天然繊維の服でさえ着られる服が限られてしまうのは、本当に大変なことだ。私は、自分で作ってしまえ!という特技(?)があるからよいが、そうでない人たちは、売られている服で着られるものを探すしかない。

服は、下着も含め、直接肌につける、あるは、肌の近くで長時間、身に着けるものだ。この病気の人でなくても、安全なものを身に着けたほうがよいと思う。

最近では、染料なのか加工で使われる物質のせいなのか、普通の人でも不快な臭いを感じるような服も出回ってきている。粗悪品と呼んでよいと思う。食品と違い、服の安全性については、ほとんど問題視されていないが、そのうち服の安全性についても規制がなされる時代が来るのだろうか。

先週の日曜日、外出中に突然、雨に降られ、濡れて帰って来た。皮肉なことに玄関の取っ手に手をかけた途端、雨は止んだ。そういえば、高校生だった頃、学校の帰りに夕立に降られ、ずぶ濡れになりながら帰ってきたら、家のすぐ近くで雨が止んだということが、度々あったなぁ、などと、呑気に物思いにふけっていたら、風邪を引いた。1週間経つというのに、全然、風邪は抜けてくれない。

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130414_1110~0002発症後、畳の上に敷いてあったアクリル製のカーペットを外した。カーペットを外した時点で、すでに傷んでいた畳は、その後もどんどん傷み続けていた。

畳は天然の素材ではあるが、畳表の材料であるイグサの栽培に使われる農薬や、畳の下の部分に使われる素材、その他、私が使うには、大いに問題がある。

調べれば、オーガニックの素材の畳もあるのだが、高いし、近場で扱っているところもない。

発症後、知り合いのお宅に伺った、古い日本家屋で、部屋の調度品も古いものばかり、芳香剤系のものを使う方でもなく、部屋に上がっても大丈夫だろうと上がらせていただいた。ところが、畳が新しかった。いや、普通の人の感覚では、1年以上経っているので新しくはないとなるのだろうが、私にはイグサのニオイが強烈過ぎた。私の病気のことを知っている人だったので、苦しいと伝え、寒くなりかけた時期ではあったが、窓を開けさせていただいた。

130414_1110~00011年以上経った畳でもこれほどまでにニオイの刺激があるのでは、とてもではないが畳替えは出来ないと、その時、悟った。

一度、傷み始めた畳は、加速度的に痛みが進んでゆく。痛んでほつれてきた箇所を、反応が出ないビニールのテープで留め、それ以上、ほつれないようにする以外に補修の方法は思いつかなかった。

そして、畳の上中、テープの補修だらけ。

畳が露出しているから、摺れて傷むのであって、畳の上に何かを敷いてしまえば痛み具合の進行が遅くなるのではないかという思いと、見えなければ、なかったことにしてしまえという、臭いものには蓋的な発想で、上に綿か麻のラグを敷くことにした。

服を作るのに買った生地でさえ、縫う前に洗って干して、洗って干して・・・なので、ラグも綿や麻の素材であったとしても、購入後、洗って干しての作業は必要かと思い、洗えるものを探した。素材に化学繊維が使われていない、抗菌加工、防虫加工といった加工がされていない、洗える、そしてサイズ、となると、ラグ探しも難航。無印良品で、中綿にポリエステルが使われているが、表地と裏地は綿と麻というラグを見つけた。

服や小物作りでいろいろと生地を買っているが、中綿がポリエステルのキルティングの生地も試しに買ってみたら大丈夫だったことがあった。ラグの中綿のポリエステルも大丈夫かもしれないと、思い、実際のところ、使えるかどうか、買ってみないと分からないが、半分賭けで、購入。

届いたラグは、素材のニオイだと思うのだが、それなりに臭った。明らかな反応が出るというほどではないが、あまり心地よいと感じられるものではなく、耐えられるといったレベル。そして、洗う干す、洗う干す、洗う干す・・・。

130414_1127~0001購入後、どれくらい経ったろう。今日、やっと部屋に敷く気になれた。正確に言うなら、畳の痛み具合とラグの耐えられる度を秤にかけて、耐えられる度が傷み具合を上回ったということなのだが。

普通、新しいものをおろすのは楽しいものだと思う。しかし、発症後は、好き嫌いという基準ではなく、使えるか使えないかという基準で物を選ぶため、往々にして、好きではないものを使うことになる。「好きではないが許せるレベル」という微妙なライン。

今日のラグも「好きではないが許せるレベル」。使えるものがあるだけありがたいのだが、新しいものをおろすワクワク感はないのはちょっと寂しい。

とりあえず、ぼろぼろとほつれてくる畳表が見えなくなっただけでもよしとする。

しかし、見えなくなったからといって、問題は解決したわけではなく、畳の状態がどうにもならなくなる前に、何とかしなくては。とりあえず、問題は、先送り。

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130414_1749~0001130414_1247~0001桜はほぼ葉桜となった。

緑の葉に覆われ始めた枝にちらりと白っぽい花が見えると、思わず「頑張っているねぇ」と声をかけたくなってしまうが、別に遅くに咲いた桜は頑張っているわけではないと思う。時が来れば咲き、時が来れば散ってゆく、ただそれだけなのだろう。花を通して、そういう生き方が出来ず、右往左往している自分の姿が見えてくる。

梅の実はまだ小さいながら、早くも色づき始めていた。小さな子どもほっぺたのようでなんとも可愛らしい。

130414_1245~0001そして、いよいよ八重桜。

画像は、いつもの寺の公園の八重桜なのだが、なんだか今年は、いつもの年より、ピンクの色が薄く、かなり白っぽいような気がする。

桜餅の葉は八重桜の葉が使われると知ったのは、いつのことだったろうか。どうも、それ以後、八重桜を見ると、桜餅を連想してしまう。風情も何もあったものではない。ちょっと困りもの。

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