June 10, 2011

DICデジタルカラーガイド

DICipad2を購入したことで様々なアプリを活用している。7NOTEのような手書きソフトも今や完全に実用に耐えることに驚いた。その中でもこのアプリは相当に素晴らしい。様々な仕事で色をコンピュータ上でやりとりし、あるいは決定することは、相手との環境の違いで結構な確率で問題が発生する。従って多くの場合、DICなどのように紙に印刷され、専門職の多くの人が持っているものを利用する。
今回紹介したアプリは、ipadのように機種が限定されることで、明るさは別にして、環境による問題を大幅に減少している。これならipadを宝石関係者が参考程度ではあるが相手とのやりとりに利用できるかもしれない。
また、このアプリは写真を撮影し、その画像データから当てはまるDICを探し出すこともできる。専門職の人が使うには多少無理があるかもしれないが、一般の人であれば活躍する場面も多い気がする。

もちろんipod用もあるので、より写真の性能が高いiphone4なんかでは良いのであろうが、残念ながら私は所有していない。私の取引先は全てがDICのチップを持っていないこともあり、頻繁に使う色はすぐにチップがなくなってしまう。どこまで実際に利用できるかを試していきたい。

さてカラーダイヤモンドなどの宝石でこのカラーガイドはどう利用できるだろうか。

ipadなどがもっと利用されるとうになると、NET通販の会社はこのカラーガイドを標準として活用するかもしれない。宝石の場合は少しばかり工夫が必要ではあるが、簡単なプログラムである程度まで再現できる気がする。写真と違ってipadのようにモニター性能が良ければ現状よりは遙かに問題が起きにくい。またデータであれば容易に照明などの環境変化による宝石の見え方も再現できるかもしれない。ま〜実際には宝石は厳しいと私は思ってますが・・。しかしながら、服飾や雑貨は遙かに利用しやすいだろう。ちなみにネット通販の市場規模は6.7兆円に拡大しており、今後も伸びていくことが予想される。2009年の百貨店の市場規模よりも大きくなっており、スーパーの13兆円程度まで数年で追いつくと言われているのだ。ネットでの様々な問題のうち、このカラーガイドが色に関しては一つの答えになる可能性があるのかもしれない。

kaze4711 at 12:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!

November 19, 2009

ブルーダイヤモンドは手が届かなくなるのか?

blueクリスティーズ2blueクリスティーズつい先日クリスティーズとサザビーズのオークションが終了した。ビビッドブルーのダイヤモンドが相当な高価格になっているのは、カラーダイヤモンドが好きな人なら誰もが知っているであろう。それに対しインテンスになると(その色味にもよるが)随分と価格差は大きかった。ただし、ブルーダイヤモンドは平均的なビビッドブルーとインテンスブルーでは青い宝石と見た場合には、他の色に比べ一般的な人が受ける印象が随分違うのも事実である。今回の写真の2つは前のBLOGで紹介したものだが、左のものがドルで$495,873 - $644,634のエスティメートに対し$2,541,843、右のものが$575,212 - $733,892に対し$2,652,919であった。右のものはビビッドブルーも含まれているが、2カラットを超えるインテンスブルーが価格の中心であろうと予想できる。こういった大手のオークション会社のエスティメートがこれほどかけ離れることは、とても面白い現象である。もっとも全体の相場が動いたと見るのか、あるいは特定の人たちが入手したい理由があったのかは時間が経たないと見えてはこない。ただ間違いなく言えることは今回のオークションでインテンスブルーのダイヤの価格がしばらくの間は安くは出てこないということだと思う。それにしても・・・カラットあたりの価格を見ると少し前のビビッドブルーの価格帯である。

さてサザビーズを見てみる。写真はいいものがないので掲載しないが、ティファニーのDEEPBLUEのダイヤモンドで21,000?31,000 CHFのエスティメートに対し、落札価格は98,500 CHF であった。900万円弱での落札となる。大きさは0.71ctなので、こちらは少しばかり始めのエスティメートが安いのではないかなどと日本では感じそうな価格帯だと思う。もっとも実物を見ていないのではっきりしたことはわからない。もう一つが3.17ctのインテンスブルーのダイヤで1,650,000?2,675,000 CHFのエスティメートに対し、2,546,500 CHF の落札になっている。注釈にも書かれていたが、ラウンドブリリアントカットの為、輝きが増す分、色は出にくいカットである。多くのカラーダイヤは色を増すために様々な努力がされるために、特にこのあたりの色ではラウンドの数は少なく希少であり、その分が考慮されてかエスティメートは比較的高めであった。上のクリステx−ズと比較すればエスティメートの差に気づくであろう。

さてブルーダイヤモンドと言えば頭に浮かぶのはカリナン鉱山(旧プレミア鉱山)だろう。つい最近507ctのダイヤモンドが発見され話題を呼んだ。私の車の馬力と同じだという偶然を喜んでいたが、株の構成など変化があったようである。鉱山や原石相場が再び動き出しているのもとても興味深いと感じた。
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November 03, 2009

アーガールテンダー2009

argyle20092009年度のアーガイルテンダーが終了した。さて、このアーガイルテンダーとは何であろうか?詳しくはアーガイルのWEBを見ていただきたい。そのWEBによれば一年間に約6億粒のダイヤモンド原石、重さにすると381万トンを産出し、ピンクダイヤはそのうちの0.1%と書かれている。おや・・・60万粒で3810トン・・・1粒あたり6.35g。英語のページを確認したら、この記載はされていない気がする。アーガイルの他のページの記載では100万カラットの原石から、カット後のテンダーにかけられる1カラットができる。ちなみに1カラットの原石を見つけるために必要なキンバーライト・・アーガイルはランプアイトは何トンであろうか・・。いずれにしても相当量のダイヤモンドを算出するアーガイル鉱山からピンクダイヤはわずかしか産出しないということ、それを得るために必要な努力は途方もないことであることは理解できる。他のどの種の宝石と比べたとしても、カラーダイヤモンドの恐ろしいほどの希少性にはかなうものではない。

さて、少しばかりこのBLOGの情報も古くなっているのでアーガイルの情報を追加しておきたい。アーガイル鉱山の代表的なパイプAK1は現在地下の採掘をしている。この採掘により鉱山の寿命は2018年まで延命された。

また2009年の4月には初めてのブルーダイヤモンドのテンダーを開催し、数年間の間に採掘されたブルーからバイオレットのダイヤモンド、287ctで16個のコレクションが販売された。

さて、今年のアーガイルテンダーは43個のピンクダイヤモンドが販売された。アーガイル鉱山の所有会社である、リオ・ティントによるとこういった経済環境のなかでも相当な高価格で落札されたとしている。毎年のことではあるが、このアーガイルテンダーはピンクダイヤの価格動向を知る上で非常に重要である。なんと言ってもピンクダイヤの90%以上を産出するアーガイル鉱山の最高のピンクダイヤの価格付けなのだ。

さらに今まで私が知らなかっただけだと思うが
Titled Grand Passions, this year’s tender collection comprises 43 stones, including a magnificent 2.61carat intense pink heart shaped diamond named Argyle AmourTM . One of four hearts in this year’s collection, the Argyle AmourTM is the most valuable heart shaped pink diamond ever produced from the Argyle mine Exuding passion, romance and warmth, this extraordinary diamond captures all that is Amour. The two other “hero” stones set to captivate bidders are ShalimarTM, a 1.25 carat purplish pink round diamond named after the exotic garden sanctuary built by Indian emperor Jahangir for his beloved wife, and in the theme of legendary passions, ScarlettTM, a 1.10 carat red oval diamond.
こういった記述がみられた。

ダイヤモンドに名前を付けるということは非常に重要なことなのはもちろんだが、アーガイルテンダーは事実は別にして一般販売の場ではないため、名付けは購入者が行うと思っていた。

最後にアーガイルという鉱山、ピンクダイヤモンドを考えるときに、このエントリーのはじめに掲載したWEBを是非見ていただきたい。アーガイルの役割はダイヤモンドを産出するだけではなく、アボリジニを含めオーストラリアや文化に多大な貢献をしているのである。

そういえば「ダイヤモンドの知恵」とい本を買ったものの、20ページくらいでやめてしまっていた・・・

October 30, 2009

クリスティーズ 2009・11・18

blueクリスティーズ2この写真のブルーダイヤは題名のとおり11月18日にオークションにでるものである。3.3ctのインテンスブルーダイヤと3.9ctの透明のダイヤが組み合わされている。カットがカットだけにクラリティーの高さも要求される。このダイヤはVVS2で、リカットなどでIFになる可能性が提示されている。こういったオークションの楽しみの一つにそのジュエリーがどういう履歴を持っているのかを知ることもある。現在の持ち主のひいおじいさんはかつてコンゴの大統領であり、1930年ころからその家にあったと記載されている。ちなみにエスティメートはCHF500,000 - CHF650,000 ($489,267 -$636,047) となっている。こういった事を知ることで、このリングに気品を感じてしまう。私自身は金銭的な価値は別にして、こういったインテンスの美しいものはとても好きである。大きさが3カラットを超えることもあり、ビビッドでは凄味が出ると思うが、インテンスなので清楚さはより高い気がする。

次のものも少し面白いものなので紹介したい。

blueクリスティーズFancy Vivid Blue VS1 0.96
Fancy Vivid Blue VS1 0.64
Fancy Intense Blue SI2 2.69
Fancy Blue VS1 2.07
Fancy Blue SI1 1.66
エスティメートはCHF580,000 - CHF740,000
($567,549 - $724,114) 上に書いたものをクラスターセッティングをしている。日本人には相当大ぶりに見えるかもしれない。ブルーダイヤだから許される気もする。単純に考えると10ct近いダイヤが使われているだろう。こんなものを今のカラーダイヤの相場から考えると、相当に贅沢である。ブルーダイヤはおよそ1890年ころのものと紹介されている。実に100年以上も前のブルーダイヤなのだ。カラーダイヤは産出量が極めて限定的なので、1ctを切るようなものであっても、所有する人の年齢よりもはるかも以前のものも多い。ちなみに私のBLOGでダイヤモンドのカットを取り上げたものがあるが、ラウンドのカットはその時代がわかりやすく面白い。このカットは私の最も好きなカットである。

サザビーズのグリーンをダイヤのBLOGを書いたのちに、どこかの本でグリーンダイヤの記事が載っていたのを思い出して気になっていた。2008年の4月のRAPAPORTでそれを発見できた。その記事の中でPete Flusserなどを含め数名がその希少性を書いていた。純色グリーンのその希少性は相当に高く、ビビッドはその中でも1000個に1つくらいであることや、ブルーイッシュがつくものはさらに希少性が高いと書かれていた。

そういえばビビッドブルーイッシュグリーンのダイヤを紹介していないことに気づいたので、いずれ機会を見て紹介したい。

October 29, 2009

サザビーズ Vivid Green Diamond

blue596green252

もうすぐ開催されるサザビーズで2.52ctのヴィヴィッドグリーンのダイヤが出品される。サザビーズのカタログによると過去30年の間にオークションに出されたグリーンダイヤ(ブルーやイエローのセカンダリーカラーのない純色)は非常に少なく、このダイヤはビビッドグリーンでは過去最大のものであると紹介されている。3,300,000CHF〜5,450,000CHFがエスティメートとなっている。今の相場だと88円くらいなので、日本円で2.9億から4.8億である。このダイヤは2.52ctなので、エスティメートの最高額だとカラットあたり約1.9億・・・なんと2億円近い価格になっているのが注目の部分だと思う。いずれにしても落札されればグリーンダイヤのカラットあたりの最高額がでる。場合によっては現在最高になっているブルーダイヤを抜くこともありえるのである。

私が個人的にはグリーンダイヤが好きなのは、このBLOGを読んでいる人ならわかってしまう気がする。ブルーダイヤに比べ華があるように感じているのと、グリーンダイヤができる要因が非常に限られた条件の中で、その中のまた特別なものに限られることも興味をそそるのである。

今でこそWEBを探せば、あるいは御徒町を歩きまわれば純色のグリーンダイヤを見ることは可能だが、5年前はほとんど見ることのない特殊な色だったのである。NYのディーラーもコレクターがほとんどを所有しており、彼らが手放さない限り出回らないと言っていたほどであった。私も1つ目のグリーンダイヤはNYから購入している。その後様々な変化がグリーンダイヤにはあった気がする。原石の状態でGIAに持ち込みカットの工程を公開することによる天然の証明や、GIAの鑑別技術の向上による天然グリーンダイヤの増加などがそれの一部だろう。実は様々な本にもレッドとグリーンは最も稀と書かれている。さらにこの2色には大粒のものはあまり存在していないのも面白い。ドレスデングリーンなんていう40ctを超えるものも存在するが、ビビッドという条件では大粒を見ることはない。これはグリーンダイヤの色因が放射線によるからなのであろうか?私が所有するグリーンダイヤの1つがこの写真の色目に似ている。そのダイヤはなんのレポートもない状態で所有している。以前に某有名インド人ディーラーからこの色はビビッド出るよと言われたものの正直ディープしか出ないと思っていた。実物がこの写真通りなら、私のダイヤもなかなか面白いと感じた。・・・実は天然かどうかもわかっていないが・・・・

左の写真は同じオークションに出るビビッドブルーのダイヤモンドである。こちらも大粒で5.96ct。ブルーはグリーンと違いもっと大きいものもあるので、特別に大きいとは言えないが、それにしても相当な価格になることは誰もがわかる大きさであろう。ちなみにエスティメートは5,600,000CHFから7,600,000CHFとなっている。大きさを考えると上で書いたビビッドグリーンの価格が際立つ。さて誰が落札するのであろうか?なんとなく落札することを心に決めている人がいるような予感がするのは私だけ?それにしてもカラーダイヤの特別なものは価格が落ちる気がしない。今回のこのオークションでの価格がまた1つの基準になると思う。

いずれにしてもカラーダイヤモンドに興味がある人にとっては楽しみなオークションである。

余談であるが、サザビーズのE−カタログは写真は綺麗でないもののPDFで実に取扱いが便利だと思う。これをストックしておくことによって過去のものが容易に検索できるようになる。こういった古くて権威あるオークション会社でも様々なリニューアルを行っていることが素晴らしいと感じた。