Press OnPlay With The Changes

2007年02月28日

Golden King

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・□□□ / Golden King

このブログが私の趣味と耳の遅さという点でどうしても所謂最新の音楽シーンなんていうものから遠ざかってしまうのは致し方ないにしろ、音楽に多少なりとも興味のある方の人間なので遅いなりにも新しいものとか、新しいことには興味があるんです。でもだからといってそれが今月でた新譜であることとは限らないし、単に僕が見逃していたor知らなかった昔の音楽が新鮮に感じるだけだったり。結局僕が先端の音響楽理の勉強を一切せず、単にテクスチュアとしての音の好みとか、文化人類学的観点を出発点とする大衆文化としてのポピュラーミュージックというものへの興味を持っている&固執していく限り、一生“先端の音楽”なんてものには辿り着けないのは自明の理。ただこういうポピュラーミュージックが流行ってそうだな、とかこういうのが巡りめぐって流行るんだろうな、というのはだらだら音楽を聴いているとなんとなく分かるというか見えてくるもんなんです。例えばアークティックモンキーズなんかが実はローリングストーンズみたいな曲の作り方をしているリフ・ロックなのに方法論とアレンジ次第であそこまで先鋭的に聴かせられて流行らせることが出来るとか、ね。そういう感じでポピュラーミュージックの範疇ながら思わず「あ〜これが今なんだ」と感心してしまった新譜がこれ、で御座います。□□□は今何かと世間を(ファンだけか?)騒がせているくるりのノイズマッカートニーレーベルの第一弾コンピレーションに収録された楽曲で注目を浴びた音楽ユニットであります。音はポストロックとフォーク歌謡を基本としてそれに音響っぽいサウンドトリートメント施して聴かせるタイプで売れたかは別として中々評判はよろしかったようです。そんな彼らの音も話題となっていた時期を過ぎてたまーにチェックする程度になっていましたが、このシングルは試聴した途端SUGEEE!!!と思ってしまった。これがメジャー第一弾という事らしいのですがいきなりかましてくれたなと思わずニヤリとしてしまった。ここには90年代に蓄積されたグルーヴというものを完全に消化して、尚且つJ-POP=日本独自の歌謡曲に仕立て上げた凄さがある。タイトル曲のトラック自体はヒップホップやハウス、テクノ、ドランベを換骨奪胎していながらも聴感はアッパーで明瞭なダンスチューン。そんなトラックだけでもグルーヴィーでおなか一杯なところにこれでもかと鮮やかで伸びやかなメロディーと青春歌謡的な歌詞ががっつり食いついて絡み合っているから素晴らしい。カップリングの出来も素晴らしく4 Heroの新譜との類似点も見受けられるけど、やっぱり仕上がりは爽やかな歌物。彼らが強いのは所謂こういう格好良さげなサウンドを取り入れてもどこか青臭かったりいなたかったりするところで、僕の様なお洒落とか図らずとも自分がお洒落なものに触れることに対して過剰で余計なコンプレックスを持っている人種にとってはこの“ダサい僕らが格好良い音楽をやっている感”的立ち位置とかスタイル(本人達が意図しているかどうかは別として)というのは非常に痛快であります。まぁこれは一時期のくるりにも言えたことですよね。やはり出自というか、“血”は否定できないってことなんでしょうかね。いずれにせよ中心人物の2人のみが固定の不定形ユニットとしてメジャーシーンを縦横無尽に荒らし回って欲しいですな。

kazemati822 at 21:15│Comments(0)

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