2009年11月21日

成長戦略って何だ?

よく民主党は成長戦略がまったくないと批判されますが、この成長戦略と聞いて何をイメージするでしょうか?
おそらく成長戦略という言葉の受け取り方は経済にくわしい人とそうでないない人でおおきな隔たりがあります。

成長戦略といわれて、多くの人がエコとかバイトとかの産業振興策のことを思い浮かべるのではないでしょうか?
優秀な政治家や官僚がこれからの成長産業に対するビジョンをしめして国を引っ張っていくのです。

しかしまともな経済の専門家でそんかアホなことを期待している人は誰もいません。
今時先進国でお役人に新しい産業を作って欲しいなんて思っている人は誰もいませんし、またそんなことをしてもうまくいかないのは過去の実績が雄弁に物語っています。
そいうことをするのは民間の優秀な起業家であり投資家の仕事なのです。

ふつう「成長戦略」というとそれは戦略的な規制緩和と税制改革のことです。
世界から優秀な人材や企業を呼び込むにはどういうふうに不必要な規制を撤廃して、税制を変えなければいけないのかを考えるのが成長戦略なのです。

税制では、さまざまな識者に指摘されているように、日本は法人税が高すぎるので多くの企業がアジアの拠点を香港やシンガポールにシフトしています。
また、所得税も高すぎるので有能な個人も海外に流出しています。
最近の金融業界ではこの動きはものすごく顕著で、おおくの外資系金融機関がアジアの拠点を香港に移しました。
これからの世界の成長センターは中国を中心とするアジアなのですが、そのアジアの成長を支える金融センターの地位を東京は完全に香港に奪われるてしまった感があります。

日本国政府は今すぐにでも法人税を20%程度までさげて、所得税も15%程度のフラット課税にするべきです。
そして主な税収を安定した消費税にするべきなのです。
今年の法人税収は税還付のためにマイナスですし、来年も赤字の繰り越しでほとんど期待できないので、ここは法人税を一気に半分にするチャンスです。
また所得税の最高税率の50%もすでにラッファーカーブの山を越えているので、引き下げることによりかなり税収増を期待できます。
ロシアなどの例を出すまでもなく、所得税のフラット化で税収が増えるのはよくあることです。
また不必要な規制や関税を撤廃して徹底的な自由貿易を推進しないといけません。

残念ながら日本から今、富の源泉がどんどん流出しています。
先進国で富を作り出すのは人であり企業です。
正直、このままでは日本は大変なことになってしまうのではないでしょうか。

結局、グローバル経済のなかでうまく立ち回って経済成長させないと、最もしわ寄せを受け、辛い状況に置かれるのは、一番経済的に弱い人たちなんですけどね。
その弱い人たちが日本の潜在成長率を棄損し続ける政権や政策を支持しているというのは、本当に皮肉としかいいようがありません。


参考資料
「改革」はどこへ行った?―民主党政権にチャンスはあるか―、竹中平蔵
法人税収1.3兆円マイナス 今年度上半期、還付かさむ、2009年11月2日、Asahi.com
Laffer cureve, Wikepedia
成長戦略の中心は中国とのポジショニングだ - 池田信夫

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2009年11月20日

景気が悪くて需要が足りないから財政出動するという考えが日本経済をボロボロにした

みなさんも経済評論家なんかが「今の日本はものすごい供給能力があってモノをたくさん作れるのに景気が悪くて需要がすくないのだから政府が財政出動しなければいけない」というような話をするのを何度も聞いたことがあるでしょう。
また「今は失業者がいっぱいいるから生産性をあげて供給側をよくしても意味がないから財政出動して需要を作り出さないといけない」とかいわれることもあります。
こういう考えをケインズ政策といいます。

しかしこれはどういうことなのでしょうか?
身近なことに落とし込んで考えてみましょう。

株のはなしでもしますか。
たとえば東証二部とかの小さい会社でぜんぜん取引されていない板のものすごくうすい株をあなたがもうすこししたら値上がりすると思って1株10万円で買ったとしましょう。
小規模の土建屋の株です。
あなたはこの会社の株は15万円の価値があると思っているのでいつも15万円のところで売りの指値注文をいれているとします。
しかし、この板がすかすかの株はぜんぜん取引されませんし、取引が成立しても9万円とか9万5千円であなたの目標の15万円にはぜんぜんとどきません。
それでも来る日も来る日も15万円で指値をいれつづけました。
でもぜんぜん売れないしむしろ株価が下がっていくようです。
さてどうしたものでしょうか?

1.こんなボロ株そんな高値で売れるかボケ、早く損切りしろ。
2.うーん、こんな素晴らしい会社がこんな株価なのは何かが間違っている。そうだきっと社会が間違っているにちがいないから、政府は責任をもって税金を使って何かこの土建屋に公共事業を発注して業績を押し上げなければいけない。
3.こんな素晴らしい会社の株価があがらないのはきっと日銀が金融を引き締めているからにちがいない。だったら日銀は非伝統的金融政策を実施してこのような株を買い上げなければいけない。

もちろん答えは1で、良識ある経済学者の見識です。
2.は政治家や官僚と癒着している業界と御用学者が大好きなケインズ政策です。
ちなみに3.が最近なぜか復活してきたリフレ派の人の答えです。

3.のリフレ派の人はそのオメデタイ考え方には困ったものですが実際の政策にはまったく影響力がないので放置プレイでいいのですが、問題は日本の政策担当者がどっぷりと2.の考え方に染まってしまっていることです。
考えてみたら当然で、国民のお金を政府の権限でばら撒くことを正当化するケインズ理論は、政治家も官僚も大好きなのです。

政府が景気対策で財政出動XX兆円などとニュースで報道されると何か政府がいいことをしてくれていると勘違いしている人もいるかもしれませんが、このような日本国政府の考えが今の日本の苦境の原因だということを肝に銘じておく必要があるでしょう。

これからの日本は税金が上がって福祉がカットされていきます。
しかしこれはとてもおかしなことではないでしょうか?
ふつうなら税金はたくさん払うけど政府からのサービスもたくさんうけられる高負担・高福祉の国か、税金は安いけど政府からのサービスは少ない低負担・低福祉の国かの選択のはずです。
しかし日本には高負担・低福祉の選択肢しか残されていないのです。
なぜこんなことになってしまったのでしょうか?
それは1000兆円にせまる勢いの国の借金の利払いと返済のためにこれからの労働者は重税に耐えなければいけないからです。

政府の財政出動による需要の創出というのは、赤字国債を発行して将来の税金を前借りして、人工的に一時的な需要を作っているだけなのです。
赤字国債は将来の税金で、税金を下げれば景気がよくなるし、税金を上げれば景気が悪くなるのだから、財政出動というのは将来の需要の先食い以外の何物でもないのです。
しかしそれでもケインズ的な財政出動が有効な可能性もまったくゼロとはいえません。
なんらかの一時的なショックで需要が落ち込んでいるのならそこで財政出動して、将来の景気が過熱気味の時に増税して借金を返せば景気の変動を和らげる効果があるからです。
つまり政府が景気の谷と山をどんぴしゃりと正確に予測して極めてタイミングよく財政出動ができれば経済の変動の安定化だけはできます。
ところが実際には政府は景気の動向を正確に予測できませんし、予測できたとしても財政出動のために国会で長々と議論してから実行されるのでタイミングを合わせることもほとんど不可能なのです。
要するに財政出動というのは理屈の上では経済を安定化させる効果があるかもしれないのですが、現実的には多くの場合より不安定にするのです。

さらに財政出動には致命的な問題点があります。
それは政府が需要を作り出してもう国民には必要のない会社まで税金で救済してしまうために、新しい高成長の分野への産業構造の変化を妨げてしまうのです。
その結果、旧態依然とした構造が政治力だけ強めてゾンビのように生き延びてしまい、日本経済の発展を妨げるのです。
すでに日本はGDPがほとんど成長しない失われた20年を過ごしましたが、この20年の間に政府は狂ったようにケインズ政策を実行して、途方もない赤字国債を発行しました。
これはとつてもない負担となってこれから日本の労働者にのしかかっていくことでしょう。
しかしこんなことを20年続けて経済がまったく成長しなかったのにまだケインズ政策にしがみついるのを見ると、これはたんに既得権益層との癒着などという世俗的なのものではなくもはや危険な思想といってもいいかもしれません。
「長期的に危険なのは既得権益ではなく思想だ」という名言を残したのがケインズだというのもいかにも皮肉ですね。

もう一度いいます。
今、モノが売れないのは、需要に対して供給がありすぎるからではありません。
ただ単に僕たちが欲しいモノやサービスを日本企業が供給できていないだけなのです。
僕たちが買いたいような心躍るようなモノがないのです。
それは供給側の失敗であり、日本企業の努力が足りないだけなのです。
そしてそんな企業を赤字国債を発行しながら延命させてきた日本国政府の問題なのです。

また需要が足りなくて供給が過剰だから失業者がいるというのも完全に間違っています。
失業者がいるのは、今世界が必要としている高付加価値のモノやサービスを生み出すためのスキルを持っていないから、会社が雇わないだけなのです。
そのようなスキルを身につけるために日々努力することを怠る堕落しきった人間が失業しているだけなのです。
そして政府の役割は赤字国債を発行して無理やり需要を作り出して失業者に職を与えるのではなく、失業者が社会が必要としている成長産業にスムースに移れるように手助けしてあげることなのです。

今こそ僕たちは創造的破壊を実行する時ではないでしょうか?
資本主義社会は不況のたびにどんどん生まれ変わって強くなっていったのです。
日本に必要なことは将来負担と引き換えの一時的な景気刺激ではなく、恒常的にイノベーションが起こる競争的な社会をつくることなのです。
総需要と総供給なんて単純化された机上の理論を振りかざして、時間の矢の中でダイナミックに変化していく社会を見ることができない無能な経済学者のいうことに耳を傾けてはいけません。



経済学者や政治哲学者の思想は、それが正しい場合にも間違っている場合にも、一般に考えられているより遥かに強力である。事実、世界を支配するものはそれ以外にはないのである。どのような知的影響とも無縁であると自ら信じている実際家たちも、過去のある経済学者の奴隷であるのが普通である。権力の座にあって天声を聞くと称する狂人たちも、数年前のある三文学者から彼らの気違いじみた考えを引き出しているのである。私は、既得権益の力は思想の漸次的な浸透に比べて著しく誇張されていると思う。もちろん、思想の浸透はただちにではなく、ある時間をおいた後に行なわれるものである。なぜなら、経済哲学および政治哲学の分野では、25歳ないし30歳以後になって新しい理論の影響を受ける人は多くなく、したがって官僚や政治家やさらには煽動家でさえも、現在の事態に適用する思想はおそらく最新のものではないからである。しかし、遅かれ早かれ、良かれ悪しかれ危険なものは、既得権益ではなくて思想である。

雇用・利子および貨幣の一般理論、J.M. Keynes(原著)、塩野谷祐一 (翻訳)



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2009年11月17日

日本の財政破綻は国際社会が許してくれない件に関して

日本国政府の財政赤字はマスコミでいつも報道されているようにどんどんふくらんでいます。
これをまともな方法で解決するには福祉カットと増税をどんどんやっていくしかないわけだけど、消費税を2%上げるだけで内閣が倒れる日本で、そういう選択肢は取られそうにないのじゃないかとずっと思っていました。

そうすると池田センセイもいっているとおり次のふたつの選択肢しかないわけです。

1.デフォルト(国による借金踏み倒し)
2.ハイパーインフレ(国の借金といっしょに国民の金融資産もぶっとばしてチャラ)

たしかに日本国債のほとんど(95%以上)を日本国民が持っているから、借金を踏み倒しても内政問題だということも可能でしょう。
その場合はコツコツお金をためていた日本のお年寄りが泣くわけだね。

しかしこのエントリーとか竹中さんの本とか読んでてやっぱりそうだよねーとか思ったんだけど、日本国政府の事実上の財政破綻はどうも許してもらえそうにないんだよね。

ちょっとよく考えてみてよ。
アメリカの証券会社がひとつつぶれただけで世界中の金融システムに激震が走ったわけだよ。
だからアメリカ政府は政治家にとっては不人気極まりない公的資金による金融システム救済なんてことをやらされるハメになったわけ。

確かにさー、日本国債自体は日本の内政問題だけどアメリカ、中国についで世界第3位の経済大国の国債がデフォルトしたら世界の金融システムに与えるショックはリーマンショックどころの騒ぎじゃないわけだよ。
世界で一番たくさん取引されてるデリバティブ商品は金利スワップなんだけど、日本円の金利が爆発したら、それこそ世界中の金融機関にとてつもないことがおこるよ。
どさくさにまぎれてめちゃくちゃもうけるところもたくさんあるとおもうけど。

それより何よりさー、まず日本国債が暴落するわけじゃない。
そうすると日本国債一番もってる日本のメガバンクと郵貯がつぶれるでしょ。
世界最大級の銀行が同時にそんなにつぶれたらやばいでしょ、どう考えても。

だとしたらだよ。
考えられる選択肢は一つしかないんだよね。
重税と福祉大幅カットで日本の財政赤字の発散を止めるという選択肢だよ。

あー、このままいったらあと数年でやばいなって段階になったら国際社会から猛烈なプレッシャーがかかると思うんだよね。

だってさー、日本の労働者が重税で苦しむのは内政問題だけど、世界の金融システムが崩壊するのは国際問題でしょ。
日本の世代間格差がどんどん開くのは内政問題だけど、世界の金融システムが崩壊するのは国際問題でしょ。
日本が不景気でたくさん日本人が自殺するのは内政問題だけど、世界の金融システムが崩壊するのは国際問題だよ。
日本の若者が重税で福祉なしなのは内政問題だけど、世界の金融システムが崩壊するのは国際問題だよねー。

人間は社会のなかでしか生きられないように、資源のない日本は国際社会のなかでしか生きられないわけ。

だから財政赤字が発散しそうになったらIMFとかアメリカ政府とか世界中の首脳からものすごい外圧をうけるわけだよ。
つまり、大幅な増税(消費税30%-40%)と大幅な福祉カットのセットをすぐに実行するように強制されるわけだね。

しかも、日本の国内的にも国から日本円でお金をもらっている政治家や官僚や公務員はとうぜんみんなハイパーインフレで自分の給料ゼロにしたくないでしょ。
それと民主党とべったりの学校の先生もとうぜんインフレ反対だよね。
もちろんたくさんお金を持っているお年寄りもぜったいハイパーインフレ阻止しようとするでしょ。
そうすると内からも外からも増税と福祉カットの政策は支持されるわけだよ。
それに内閣が倒れるといっても、それは増税した後の次の選挙で倒れるのであって、増税ができないというわけでもないしね。
当たり前だったんだけど、赤字国債って未来の税金の先食いでしかないんだよね。

やっぱり日本の若者完全に終わったなー。
重税に耐えながら、お金持ちの老人の介護の仕事ぐらいしかないかもしれない。
まー、みんながんばってくれよ。
僕もがんばるからさー。Orz

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2009年11月13日

日本の経済問題をいっぺんに解決するたったひとつの冴えたやり方 ―貨幣廃止―

実は日本のマクロ経済問題を解決するパーフェクトな方法があります。
だいたいこういうものは既得権益層からつぶされるのですが、今回のものにかぎってはそういう問題もいっさいありません。
それどころか政治家も官僚も大企業もベンチャー企業も国民もみんなが幸せになれる方法です。
またこの方法が実行されれば、日本は世界最先端の金融IT立国として世界中から尊敬されます。
技術的にもまったく実現可能です。
そのうえ日本の犯罪をいっきに撲滅することさえ可能なのです。

その方法とは物理的な日本のお金をすべて廃止して、完全に電子マネーに移行することです。

慢性的な日本経済の停滞に長引くデフレに膨れ上がる政府債務。
これらの経済問題の根本的な原因は日本の成長率が低いことであると説明しました。
ところが成長率をあげるのはそんなに簡単ではありません。
そして成長率が低いがためにゼロ金利になってしまったので、日本経済は有効な金融政策をなくし長期デフレに蝕まれています。
マクロ経済学的にはこの場合は金利をマイナスにできればいいわけです。
金利がマイナスになれば銀行にお金を預けておいたらどんどんすくなくなっていくので、人々はどんどん消費しますし、経営者も会社に余っているお金を使ったり銀行からお金を借りてどんどん新しい事業をはじめるでしょう。
投資家も銀行にお金を預けておくとどんどんお金がへっていくので株を買ったり不動産を買ったりするでしょうし、ベンチャー企業もどんどんあらわれるでしょう。
金利がマイナスになれば日本国政府の利払い負担もほとんどなくなりますし、むしろ毎年毎年何もしなくても借金が減っていきます。
こうして景気がよくなって物価もあがって政府の債務もへっていくのです。
過剰貯蓄、不景気、デフレの今の日本の状況では、もし金利をマイナスにできたら問題が解決するということに関しては経済学者はみな賛成するでしょう。

問題は現ナマのお金の金利は常にゼロでマイナスにはできないということです。
1万円札は来年になっても1万円札なのです。
しかし部分的にはマイナス金利にすることは可能です。
人々の資産に課税することです。
大前研一などは昔から資産課税を主張してきました。
問題はそうすると現ナマで資産をたくさん隠していたり、海外に資産を持っている人が簡単に脱税できてしまいフェアーではないことです。
現ナマでお金をたくさん持っていたり、海外の口座にお金をたくさん持っている人はどういう人たちかというと、裏の世界の方々なわけで、これはこれでなかなかこまったことになります。

でもよく考えたら、現金は今の社会にぜったい必要なものかと聞かれれば、実はそうでもないのではないでしょうか?
日本はこの分野ではすでに最先端でSuicaとかおさいふケータイとかかなり実用化されていますし、クレジットカードで大体のものは買えるでしょう。
現金が完全に廃止されてもそれほど困ることはなさそうです。
だったら毎秒毎秒あらかじめ決めれらたマイナス金利で減価していく電子マネーをつくることも可能でしょう。
海外に円資産を持っている人にもまったく問題なくマイナス金利を実現できます。
政策金利がマイナスになったら民間の銀行もマイナス金利にしなければ逆ザヤになってしまうからです。

物理的なお金を完全に廃止すれば、日本でマクロ経済政策のブレークスルーが起こるのです。
そして電子マネーにかかわる決済システムなどの開発は大規模な国家プロジェクトとして政治家や官僚も公共事業をできますし天下り先もたくさん作れます。
開発にかかわる日本のメーカーももうかりますし、金融やIT関連の多数のベンチャー企業も生まれるでしょう。
つまり雇用が生まれるのです。

また犯罪にかかわるお金や脱税のお金というのはだいたい現金なので、電子マネーにすれば犯罪集団の資金源をなくすことができます。

このように物理的なお金をすべて廃止して、完全に電子マネーに移行してマイナス金利も含む金融政策を実行できれば、日本経済は確実によくなりますし、へんてこなリフレ理論のような悪い副作用もまったくありません。
どんな政策でも得する人もいれば損する人もいるわけで、そこがなかなか難しいのですが、電子マネーに関しては、犯罪集団と脱税をしている人たち以外ほぼすべての国民がハッピーのすばらしい政策なのです。

さっそく国民を説得しましょう。

「お札とコインをすべて廃止して、これからはすべて電子マネーにしましょう!」
「そうするとどんなすばらしいことがあるのですか?」
「とてもすばらしいですよ。あなたのお金が毎年毎年すこしずつ減るんです!」


参考資料
「マイナス金利」政策はいかが? - 磯崎 哲也、アゴラ
デフレとマイナス金利、池田信夫ブログ
To fight deflation, abolish cash. Could Japan make reality of science fiction?, Leo Lewis, Times Online
貨幣の経済学―インフレ、デフレ、そして貨幣の未来、岩村充

kazu_fujisawa at 19:15|PermalinkComments(74)TrackBack(3)この記事をクリップ!ファイナンス原論 

2009年11月11日

インフレ待望論は赤木智弘の金融バージョンだ

戦争は悲惨だ。
しかし、その悲惨さは「持つ者が何かを失う」から悲惨なのであって、「何も持っていない」私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。
もちろん、戦時においては前線や銃後を問わず、死と隣り合わせではあるものの、それは国民のほぼすべてが同様である。
国民全体に降り注ぐ生と死のギャンブルである戦争状態と、一部の弱者だけが屈辱を味わう平和。
そのどちらが弱者にとって望ましいかなど、考えるまでもない。
持つ者は戦争によってそれを失うことにおびえを抱くが、持たざる者は戦争によって何かを得ることを望む。
持つ者と持たざる者がハッキリと分かれ、そこに流動性が存在しない格差社会においては、もはや戦争はタブーではない。
それどころか、反戦平和というスローガンこそが、我々を一生貧困の中に押しとどめる「持つ者」の傲慢であると受け止められるのである。

若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か、赤木智弘




通貨を無限に発行していけばインフレーションが起きるのは間違いない。
しかし、そのインフレーションは制御できないものであり、個人でも会社でも国家でも一度失った信用は取り戻すことができない。
無責任なインフレーションの社会的コストは甚大だ。

そんな簡単なことがなぜわからないのかと多くの経済学者や政策担当者は一部のリフレ派を説得しようとする。
そして、彼らは様々な反論をする。
コントロール可能だ。
日本はモノが余っているのだからそこまでインフレになることはない。
インフレになったら通貨の発行をやめればいい。

しかし、僕は思うのだが彼らにとってインフレーションがコントロールできるかどうかなんて実はどうでもいいんじゃないか?
むしろコントロールできないことを望んでいるのかもしれない。
ハイパーインフレーションとは国の通貨の価値がなくなることだ。
それは持てる者と持たざる者の財産を強制的にリセットする。

確かに今の日本では多くの金融資産が高齢者に偏在している。
そして無責任な政治家と官僚が高々と積み上げた政府の債務のツケはこれからの若者が重税という形で負担していくことになる。
だとしたら彼らがハイパーインフレーションで日本経済を焼け野原にして一からやり直したいと思うのも無理はないのかもしれない。

そしてネットの世界でインフレ政策を支持するのは何も持たない若者だ。
日本経済が崩壊しても何も失うものがない。
そんな若者を先導する一部の経済学者はすでに財産を海外に移転済みだ。

このような不純な動機が背後にあるのだとしたら、僕たちはハッキリとノーと言わなければいけない。
一国の経済を崩壊させることによって自分の惨めな状況を変えたいと願っている人間がいるとしたら、僕たちはそれは間違っていると教えてあげなければいけない。
たとえこの国には絶望しか残されていないとしてもだ。

kazu_fujisawa at 23:00|PermalinkComments(101)TrackBack(3)この記事をクリップ!徒然草 

2009年11月09日

勝間さんのインフレ政策を実行するとどうなるのか?

勝間さんが菅さんにしたプレゼンテーションが話題になっています。
実はこれは今必要な経済学の勉強にとてもいい題材なのでくわしく解説したいと思います。

その後の意見交換で、「具体的にどうすればいいのか」と聞く菅担当相に対して、勝間さんは「通貨発行量をふやすのがいちばん簡単」「要は中央銀行のお金を大量に刷って、それを借金として政府がばらまく」と回答。菅担当相が「簡単に言えば、国債を50兆なり70兆なり出して、日銀に買い取らせるということか」と聞くと、勝間さんは「そういうことです」と答え、「国債の発行が悪いことのように国民は教育されているが、将来への投資と考えるべき」と主張した。
勝間和代さんのデフレ退治策、菅直人副総理は納得せず、毎日新聞、勝間和代のクロストーク

このことに対して否定的な意見の代表例は「そんなことしたらコントロールできないハイパーインフレになる」です。
しかし、勝間さんもこういうハイパーインフレ論も少なくとも短期、そしておそらく数年ぐらいの中期でみても両方とも間違っています。
驚くべきことですけど正しい答えは「勝間さんのインフレ政策を実行するともっとデフレになる」です。

政治家や官僚が経済学をぜんぜん勉強していないとなげく経済評論家はいっぱいいます。
僕もそう思います。
ところが現在の日本の状況はグローバリゼーションが急速に進行する中でのゼロ金利という今までに世界が経験したことがない状況になっているので、4年生大学の経済学部程度の表面的な理解では、まったくまちがったとんちんかんな政策がみちびかれてしまうことがよくあります。

勝間さんのインフレ政策(というよりも日本の故リフレ派という一部の少数集団)はその典型で、うすっぺらいマクロ経済学の理解では日本経済をさらなる停滞に追い込む(つまり国民を不幸にする)有害な結果をもたらしてしまうひとつの例です。

さて、多くの人が日銀は金融を引き締めすぎているからデフレになると批判しています。
これは半分正しくて、半分間違っています。
日本の金融政策は引き締めになっているのは事実ですが、それは日銀が悪いわけではありません。
日銀は中央銀行としてまずまずの仕事をしていますし、実は超低金利の環境での金融政策という点に関しては世界の最先端にあり、アメリカのFRBやヨーロッパのECBは日銀からいろいろなことを学んでいます。

なぜ日本はゼロ金利なのに金融引き締めなのでしょうか?
中途半端に経済を勉強した人は、金利を下げることが金融緩和で、金利を上げることが金融引き締めであるとか、貨幣供給を増やすのが金融緩和で、貨幣供給を減らすことが金融引き締めだと覚えているかもしれません。
テスト勉強ならこれでもいいかもしれません。
しかし、こういう定義はまったく間違っています。
金融緩和とはGDPの潜在成長率より金利を下げることで、金融引き締めとはGDPの潜在成長率より金利を上げることです。
GDPの成長率とは国内で生産される付加価値の合計が年率何%増えるかです。
「潜在」とついているのは、その経済が本来持っている実力です。
なので実際に実現される成長率は、この潜在成長率より高かったり低かったりしますし、潜在成長率を直接みることはできません。
42キロをだいたい2時間30分で走れるマラソン選手でも、途中でつまづいたりしたらちょっと遅れるだろうし、追い風が吹いたりしたらちょっと速くなるかもしれません。
この2時間30分というのがこの選手の「潜在的な」実力です。
ふつうの状況なら経済は何%成長できるかというのが潜在成長率の意味です。

つまり潜在成長率>金利の世界では、銀行からお金を借りて事業を起こしたり投資をすると損することもあるし、得することもあるけど、平均的にはもうかる確率の方が高いという状況です。
逆に潜在成長率<金利の世界では、銀行からお金を借りてなんかすると損する確率の方が高くなってしまいます。
だから中央銀行は景気が悪くなって物価も下がり気味だと金利を経済成長率より下げて投資意欲を後押ししますし、逆にバブル気味で資産価格がどんどんあがっているような状況では金利を上げるのです。

さて、ところでこの潜在成長率は何で決まるのでしょうか?
これは簡単で労働力の質と量をかけたものです。
労働者一人一人の生産性は同じでも、労働者がどんどん増えていくような状況では経済は成長します。
また労働者一人あたりが効率的にモノやサービスを生産したり、新しいモノやサービスをどんどん生み出せば、労働者が増えなくても経済は成長します。
生産性をあげるのは民間企業の創意工夫によるイノベーションしかありません。
当たり前ですが、官僚や公務員がiPhoneを作ったりGoogleのようなサービスをはじめることはないでしょう。
また公共の交通機関が発達していたり、光ファイバーなどの通信網が張り巡らされていたり、さまざまな教育や訓練の機会があったりと、よい社会インフレストラクチャーが整備されていたら、国民はより効率的にモノやサービスを生産できるでしょう。
しかし技術の先端にある先進国では、すでにこっちの労働生産性はかなり高いですしインフラも整備されているので、それほど高めることはできません。
そして日本の場合は少子高齢化でどんどん労働者が減っていってしまいます。
つまり日本の潜在成長率はどうしても世界の他の国々より低いのです。
ということは日本は世界の他の国々よりも低い金利になるのは当たり前なのです。
中央銀行が金利を決める(短期金利だけですけど)わけで、その金利は潜在成長率のあたりで上げたり下げたりするはずです。

ここでグローバリゼーションを考えましょう。
グローバリゼーションとはヒト・モノ・カネが国境を越えて自由に動き回ることです。
それでこのみっつのうちでカネが真っ先に完全にグローバル化されています。
今ではどこの国にいても世界中の株や債券を簡単に取引できます。

ということは世界の中で日本の株や債券に投資する人も、ブラジルや中国の株や債券に投資する人も同じ人なのです。
彼らは日本のほうが成長率が低いといっても、日本の株や債券のリターンが、ブラジルや中国のような新興国の株や債券のリターンよりも低いことを許してくれません。
たとえばブラジルの株を買えば一年で10%のリターンが見込めるのに、日本の株の一年3%のリターンに満足することはありえないのです。
なぜなら日本株の3%のリターンは、ブラジル株に投資すれば得られたはずの10%のリターンをあきらめて得られるものだからです。
つまりこの場合は、日本株の値段が下がりきって(底まで下がれば後は上がるだけなのでリターンはあがる)、ブラジルの株が上がりきる(上がりすぎると次は下がる確率が高くなるのでリターンは下がる)まで、日本株が売り込まれて、ブラジルの株が買われることがわかります。
同じようなリスクの金融商品なら地球でただひとつの期待リターンがすべての国で要求されてしまうわけです。
グローバル化された資本市場では株式だけではなく、債券や商品などあらゆる資産に対するリスクとリターンが瞬時に世界中で比較され価格が決定されていくのです。
日本の大企業の経営者は高い賃金を日本人社員に払いながらブラジルや中国の会社と同じようなリターン、つまり配当を含んだ利益を常に要求されるのです。

次にアメリカの長期国債と日本の長期国債のリターンを考えましょう。
国債の実質的なリターンは金利からインフレ率を引いたものです。
これは実質金利と呼ばれます。
物価が下がっているとお金の価値は上がるのでたとえ金利がゼロでも国債は高いリターンを出しているのと同じです。
ここでアメリカ国債の実質金利をR(a)、日本国債の実質金利をR(j)、それぞれの名目金利ををI(a)、I(j)、それぞれの期待インフレ率をP(a)、P(j)としましょう。
期待インフレ率とは人々が予測するインフレ率です。

 R(a) = I(a) - P(a)
 R(j) = I(j) - P(j)

しかし、ここでカネだけは完全にグローバル化していますから、両国の国債の期待リターン、つまり実質金利も同じぐらいになるはずです。
そうなるまでリターンの低い方が売られて、リターンの高い方が買われます。
期待リターンと実現リターンを混同するのはよくありませんが、過去10年ぐらいのアメリカ国債の長期金利の平均は4%ぐらいでインフレ率は2%ぐらいでしたし、日本の長期金利の平均は1.5%ぐらいでインフレ率はマイナス0.5%ぐらいだったので、実現した実質金利は両方ともぴったり2%ぐらいで一致しています。

ところで投資家からみればこれはリターンですが、お金を借りて事業を興したり投資をする人からみればこれは負債コストです。
債券の投資家のリターンである金利と経営者が支払う負債コストはコインの裏と表です。
さて、ここでアメリカと日本の実質潜在成長率をG(a)、G(j)としましょう。
金融引き締めでも金融緩和でもない中立な金融政策とはこの金利と潜在成長率を同じぐらいになるように誘導することです。
中立な金融政策では実質長期金利と実質潜在成長率が等しくなればいいでしょう。

 G(a) = Rn(a) = In(a) - Pn(a)
 G(j) = Rn(j) = In(j) - Pn(j)

しかしマーケットで債券の投資家に求められているリターンは両方とも同じでR(a) = R(j)でないといけません。
ところが人口の減っていく老いぼれ国家の日本とアメリカのような人口も増えてどんどんイノベーションを生み出す国では成長率は違いますから当然、次のような不等式が成り立ちます。

 G(a) > G(j)

またここで元に戻りますけどR(a) = R(j)になるように市場の投資家から常に圧力を受けるわけです。
つまり、現実には次のような関係になるわけです。

 G(a) > R(a)
 G(j) < R(j)

要するにアメリカでは常に成長率>金利の世界で、日本は常に成長率<金利の世界なのです。
これは日本には慢性的な金融引き締め圧力で、アメリカには慢性的な金融緩和の圧力がかかることを意味します。
アメリカや新興国がずっとバブル気味だった時に、日本はずっとデフレだったのはうなずけますね。

潜在成長率の相対的に低い国にはカネのグローバル化から常に金融的なデフレ圧力がかかりつづけるのです。

アメリカと日本では人口増加率が2%ぐらい開いていますし、アメリカにはシリコンバレーのようにイノベーションが起こる仕組みがたくさんあります。
そしてニューヨークには世界最高の金融センターがありますし、ハイリスクなベンチャー企業に投資をするスーパーリッチな人がたくさんいます。
生産性を高める力も1%ぐらいは開いていてもおかしくないでしょう。
つまり、人口と生産性で、アメリカと日本の潜在成長率のちがいはどんぶり勘定で3%もあるのです。
中立から1%金利を引き締めると大体物価は1%下がりますし、逆に1%金利を下げると大体物価が1%あがります。
アメリカと日本の実質長期金利が同じだとすると、相対的な金融緩和と金融引き締めの格差によりインフレ率に3%も差がでることがわかります。
ということはアメリカのインフレ率がプラス2%だと、日本のインフレ率はマイナス1%ぐらいになってしまいます。
今はアメリカも超低金利に突入していますしデフレ気味なので、それより3%デフレ気味になると考えると日本はさらなるデフレに突入していくことはほぼ確実なような気がします。

金融政策というのは常に金利が主役でマネーサプライなどは金利が決まったあとに自動的に需給で決まる従属的な変数にすぎません。
しかし、日銀はゼロ金利に突入してにっちもさっちも行かなくなり、量的緩和というマネーサプライそのものを目標にお札をすりまくるという政策をとりましたが、やはり流動性トラップが予言するとおりにほとんど意味がありませんでした。

そういう意味で日本の慢性的な経済の停滞を解決したいならばボーリングの一番ピンはデフレをなおすことではなく潜在成長率をあげることなのです。
デフレは経済の停滞の原因ではなく結果なのです。
デフレからの脱却はボーリングでいえば最後に倒れるピンです。

ヒト・モノ・カネの中でカネだけが完全にグローバル化していますし、モノも日本は資源のない貿易立国なので農産物のような政治力が強いところ以外はかなりグローバル化しています。
ところがヒトだけはまだぜんぜんグローバル化していないわけです。
ヒトは簡単に住む国を変えないからです。
思考実験ですけど、ヒト・モノ・カネが完全にグローバル化するとそれは国の区別が完全になくなることといっしょなので、潜在成長率の差も消滅して、デフレもなおります。

ところでどうやって潜在成長率を上げればいいでしょうか?
人口が同じだったら生産性をあげるしかありません。
生産性をあげるには不必要な規制を撤廃して民間企業がどんどん自由な競争をするしかありません。
お役所の公務員が切磋琢磨してイノベーションが生まれることはありえないというのはちょっと想像力を働かせればすぐにわかるでしょう。
先進国でさらにテクノロジーのフロンティアを切り開いていくのは、優秀な起業家であり、そういう起業家を育てる洗練された金融システムなのです。
ところが日本では、成功したベンチャー企業の経営者を格差格差と騒いでつぶしたり、ヘッジファンドや投資銀行をマネーゲームだハゲタカだといって追い出そうとしたりで、むしろみずから潜在成長率をさげるようなことばかりやっているのです。

また現在の農業や医療や教育のように規制と既得権益でガチガチにしばられている分野は、すこし規制緩和してどんどん企業が入ってこれるようにするだけでいっぺんに生産性が向上するでしょう。
イノベーションは最先端のハイテク分野だけのはなしではありません。

さて、ここまで読めばなぜ勝間さんのインフレ政策が逆にデフレを招くのかを理解できたでしょう。
勝間さんのインフレ政策は国債を大量発行して、それを日銀が買って、国民にばら撒くというものでした。
気づいたと思いますが、これは日本の失われた10年の間に、亀井さんみたいな自民党のコテコテの古い政治家がずっとやっていたこととそっくりです。
その結果どうなったでしょうか?
物価はデフレで経済はまったく成長しませんでした。
そして途方もない国の借金がつみあがっただけです。
ゼロ金利ではいくらばら撒いてもデフレは止まらないのです。
そしてばら撒きとは古い生産性の低い既得権益層を温存して、新しい高成長分野の目を摘み取ることに他ならないので、人口が増えない限りは潜在成長率が毀損され続けるわけです。

最後にバーナンキの背理法に関して説明しましょう。
これはインフレのまったくちがうふたつのメカニズムを混合している間違いです。
物価というのはモノやサービスの総量とお金の総量の需給で決まります。
この需給を調節して物価を安定させるのが中央銀行の仕事です。
中央銀行は短期金利を調節してモノとマネーの需給を調節して物価を安定させるのはものすごく得意です。
しかし、これは金利がゼロまで下がったらもうどうしようもありません。
日本は潜在成長率が低いので金利がゼロでも金融引き締めなので物価はどうしても下落気味になってしまいます。

しかしこういうモノとマネーの需給とはまったく別のインフレのメカニズムがあります。
信用です。
インフレ政策の間違いはこのふたつを混合していることです。
ジンバブエみたいに独裁者が勝手にお札をすりまくって自分の好きなように使っているところでは誰もお金を信用しなくなります。
しかし、世界の先進国でまさかジンバブエみたいなことは起きないとみんな思っているわけです。
いくらなんでもアメリカ、中国につぐ世界第3位の経済をほこる先進国でジンバブエみたいな財政破綻は起こらないだろうと今のところはみんな思っています。
先進国の国債というのは基本的には安全資産なのでデフォルトリスクというのはよっぽどのことがない限り織り込まれません。
そういう意味で政府と中央銀行に信用がある限りは無税国家をつくることは可能ですし、今の日本が実際に半分ぐらいそうなっています。
しかしこれは無税国家でもなんでもありません。
将来の税金を今先に使っているだけです。

しかし財政赤字も臨界点に達すると、政府の借金を返すために借金して、その借金を返すためにまた借金して、しかも信用がなくなっているから金利もどんどん上がっていくので、借金が指数関数的に発散してしまいます。
こうなると日銀はほとんど貨幣をコントロールできなくなるので、おそろしいインフレになるでしょう。
制御工学の言葉でいうと、ふつうの金融政策はネガティブフィードバック回路の制御で、信用崩壊の中での金融政策はポジティブフィードバック回路の制御です。
物理学の言葉でいば相転移です。
数学の言葉でいえば発散です。
金融の言葉でいえば日本国債バブル崩壊です。
経済の言葉でいえばハイパーインフレーションです。
まったくちがうメカニズムなのです。
おそらく次のようなパスを描くはずです。

勝間インフレ政策による物価水準の予測

マスコミは政府の借金が増えて財政破綻、財政破綻と騒ぎますが、実際のところそこまで危機的な状況ではありません。
日本国政府は借金もたくさんありますが、いろいろな資産をたくさんもっています。
それに日本国民も莫大な貯金を持っているので、政府はまだまだ赤字国債を発行できます。
民主党は無駄を省いて赤字国債を減らすといっていましたが、あっさりと公約を破って過去最大級の赤字国債の発行になりそうです。
でもこの調子で赤字国債を毎年50兆円ぐらい発行しても、あと5、6年は全く平気だと思います。
消費税を30%ぐらいにすればプラマリーバランスを黒字にすることも不可能ではありません。
しかしそれでもこんなことをずっと続けていてはいつかは国債を発行できなくなるわけですから、民主党の現在の政策は将来の重税を決定づけ、将来の国民の選択肢をなくしていることだけは確かです。

つまり勝間さんのインフレ政策は、日本経済をさらなるデフレと停滞に突き落とし、万が一インフレになったときはすでにコントロール不可能な貨幣の信用が揺らぐタイプの信用破壊プロセスが始まっているという、どこにもまったくいいところがない最低の政策なのです。

日本の経済の停滞を救うには潜在成長率を高めることしかありません。
それができなければグローバリゼーションにより日本の多くの単純労働者の賃金が中国などの途上国にサヤ寄せされていくだけです。
そして物価もそれぐらいの給料で生活できるぐらいになるまで下がるでしょう。
究極的にはこのままほっといていてもそこまで物価も賃金も下がれば日本のデフレは止まります。
政治的に移民政策は難しいでしょうし、日本の高齢者の社会保障費を負担するために日本に移住したいという奇特な外国人はあまりいないでしょう。
ということは日本の労働人口は今後も減り続けるわけです。
つまり成長率を上げるには生産性を上げるしかないということです。
そのためには民間企業が創意工夫をして新しいモノやサービスを生み出していかなければいけません。
国民一人一人が起業家精神を持ち切磋琢磨しないといけないのです。
それはなにかあるとすぐに補助金をたかったり、規制を作って新規参入者をつぶしたりするような堕落した経営者の精神とは相反するものです。
すぐに格差是正などと叫び国に再分配を求める堕落した国民と、そういった国民に阿る堕落した民主党政権とも相反するものです。


参考資料
経済を動かす単純な論理、櫻川昌哉
なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか―企業と家計に、いま必要な金融力、北野一


PS: 数式の展開のところをちょっと直しました。
誤字脱字も直しました。

kazu_fujisawa at 15:26|PermalinkComments(163)TrackBack(16)この記事をクリップ!ファイナンス原論 

2009年11月06日

日銀がお金をたくさん刷れば問題が解決すると思っているオメデタイ人々を救済するエントリー

どうも日銀がお金をどんどん刷ればデフレが解決して日本経済も好転すると思っているひとがネットだけじゃなくて大学教授とかにもかなりいるみたいなんですけど、そんなことは全くありません。
もちろん僕も年率3%ぐらいのインフレを起こすことができれば日本経済が抱えているかなりの問題がよくなると思っていますが、日銀がそんなことを実現する手段を持っているかといえば答えは残念ながらノーです。

日銀がお金をたくさん刷ればすべての問題が解決すると一部の人はいっていますが、そもそもお金を刷るとはどういうことでしょうか?
おそらくそれは日銀に満期が10年とかの長期国債をもっとバンバン買えといっているのでしょう。

じゃー、日銀がそういう人たちの念願どおり長期国債を民間の金融機関からドンドン買ったらどうなるのでしょうか?
長期国債を日銀が買うとその分の現金が金融機関に渡るのでもちろんマネタリーベースは増えるし、信用創造でマネーサプライも増えるでしょう。
ちなみにマネタリーベースは日銀が直接供給するお金で、世の中に存在する現ナマのお金と民間の銀行が日銀に預けている貯金(日銀当座預金)です。
マネーサプライはマネタリーベースに民間の銀行に預けれらている貯金を全部足したものです。
日銀が長期国債をどんどん買えば長期国債の価格が上がる(つまり金利が下がる)ので長期国債をたくさん抱えているメガバンクや郵貯はもうかるのでウハウハでしょう。

それではこうやってお金がたくさん供給された金融機関はそのお金をどんどん貸し出すでしょうか?
そんなことはありません。
すでに民間の金融機関では貸し出す現金があまりまくっているので何の変化もありません。
今の金融機関が貸したい企業というのもすでに借りる必要がありませんし、だからといってつぶれそうなへんな会社に貸すわけにもいきません。

ゼロ金利では現金をそのままドカッとおいておく機会コストはゼロなので(つまり無理して運用先を探す必要がない)、日銀がいくら長期国債を買ったところで、現金が民間の金融機関に積み上がっていくだけなのです。

しかし、日銀が最終的に長期国債もバカバカ買ってくれるなら、日本国政府はもっと簡単に国債を発行できるでしょう。
そうすると公共事業をやって土建屋をもうけさせたり、官僚の天下り法人をたくさん作ったりできるかもしれません。
民主党の子供手当にしてもいいし、定額給付金にしてもいいでしょう。
そうするとなんかいいことがありそうです。

ところが日銀が持っている国債でも当然、満期がこれば政府が日銀に借りたお金を金利をつけて返さないといけません。
このお金は未来の税金です。
つまりいくら国債でお金をばら撒いてもらっても、国民はそれは将来の増税だということを知っているのです。
だったらばら撒かれたお金を使わずに将来の増税にそなえて貯金することになるでしょう。
要するに国民にばら撒いてもあまり意味がないのです。
国債によるばら撒き=将来の増税というのはあまりにも明白だからです。
公共事業などにどんどんばら撒いてもいっこうに経済が回復しなかったのはこの失われた20年に自民党政権が嫌というほど実証してくれました。

ということで日銀がいくらお金を刷ってもゼロ金利の環境ではデフレはまったく治らないことが分かったでしょう。

ところで日銀がお金を刷ればすべて物事が解決すると思っているおめでたい人たちは、インフレターゲット政策というものが日本経済を救う救世主だといっていました。
インフレターゲットというのは日銀がお金をたくさん刷ってもあまり意味がないことをみとめつつ、ひとびとのインフレ期待、つまり心に直接はたらきかければいいという政策です。
具体的には日銀に「インフレ率を年2%にする」と数値目標を宣言させればすべてが解決すると主張したのです。

そうすると人々は日銀が2%のインフレを実現すると信じるので、たとえば将来の値上がりを予想して今モノを買ったりするので、景気がよくなって、実際に日銀の宣言通りのインフレが実現するはずだと思ったのです。

しかしそもそもゼロ金利の経済環境では日銀は物価を上げる方法がないのだから、どこの大バカ者が日銀のそんな宣言を信じるのでしょうか?
もうインフレターゲット政策でデフレ脱却というのはまったくもって支離滅裂で論理的におかしいのです。

そもそも日銀がお金を刷ればなんでもうまくいくと思っているおめでたい人たちの心のよりどころの貨幣数量理論はこの失われた20年のゼロ金利の世界ではまったく機能しないということが実証されました。
このチャートをみれば一目瞭然です。

金利とマネーサプライと物価の関係
出所:日銀、総務省、内閣府のウェブサイトから著者作成

日銀は実際にはすでにお金をどんどん刷っているのです。
マネタリーベースは2000年ごろから狂ったように増えていますし、マネーサプライも順調にどんどん増えています。
ところが物価はぜんぜん上がらないし、欧米やアジアなどの新興国が高い経済成長を実現していた時期に、日本の経済は全然成長せずに名目GDPもずっと横ばいでした。
しかもリーマンショック以降は震源地のアメリカよりもぜんぜんGDPが落ちているのには笑わせてもらいました。

たしかに日銀が一万円札をヘリコプターで毎日何千億円もばら撒けばインフレが起きるでしょうが、その時は貨幣の価値が根本から揺らぐときなので、年率3%のマイルドなインフレなんて呑気なことはいっていられないでしょう。
それに日銀の職員がお札を勝手に持ち出したら警察に捕まって牢屋にぶち込まれます。
本当にヘリコプターで空からまきたいなら、日銀に文句をいう前に、まず民主党の馬鹿議員にいって、ヘリコプターで日銀がお金を直接まいてもいいように法律を作ってもらうのが先でしょう。(笑ひ)

ざんねんながら日本経済を救うウルトラCなんて何も存在しません。
これからは日本国政府が高々と積み上げた赤字国債という名前の将来の重税を支払うために労働者はより過酷な環境ではたらき続けなければいけません。
当然ですが、社会福祉なんて無駄遣いはどんどんカットしていかないといけないでしょう。
そんなのは経済が成長していてひとりあたりのGDPが高い国がすることです。
日本はもはやそのかぎりではありません。
もうみんなにわけ与えるパイはないのです。

高齢者の医療費自己負担率アップ
医療費カット
年金カット
公教育の授業料アップ
高速道路などの公共インフラの利用料アップ
失業給付金の給付期間短縮、もしくは失業保険の廃止
生活保護制度の廃止
子供手当中止

こういった歳出削減には今すぐにでも取り組むべきでしょう。
わざわざ日比谷公園のような一等地でのんきに派遣村ごっこなんてしているひとに生活保護を支給するなんて狂気の沙汰としか思えません。
納税者の気持ちを踏みにじる許し難い行為です。

それでも僕は社会福祉をするのも大切だと思っていますから、障害者や不慮の事故にあって働けなくなってしまった人には最低限の生活保障をしてもいいと思います。
当たり前ですが、健常な大人に税金からなんらかのお金を出すなんていうのはあり得ません。
健常な大人が自分の生活のためのお金を自分で稼ぐのは義務であり、それができないとしたらただの甘えです。
そういう大人に一円でもお金を渡すのは、さらに人間を堕落させるだけです。

消費税も今すぐ上げる必要があるでしょう。
とりあえず15%ぐらいからはじめるのがいいと思います。

歳出削減のためには政治家や官僚や公務員の数を減らしたいのはやまやまですが、それは難しいでしょう。
彼らは政治力を持っているからです。
彼らのコストをおぎなって、なおかつ過去に積み上げられた1000兆円近い借金の返済のためにもっと一生懸命働くのが我々民間の労働者の仕事です。
そしてこれから労働者になる人たちはもっとたくさん働いて重税に耐えていかないといけないでしょう。
それが運命なのです。

正直、自分の住宅ローンがなくなればいいのになんて下心があるしょっぼいエコノミストとか経済評論家のいんちきアイデアでヘリコプターからお金がまかれて、日本では外貨しか通用しなくなったり、金本位制に逆戻りしたり、下手したら物々交換の世界になるなんてたまったもんじゃないね。
だいたいなんだよリフレって?
インフレのことなのかな? 僕はてっきり足の裏マッサージのことかと思っていたよ。

そろそろみんな現実に気づくべきだよ。


「地獄だね、日本は。生温い地獄だよ」――『ハゲタカ』


参考資料
ゼロ金利との闘い―日銀の金融政策を総括する、植田和男
映画 ハゲタカ(2枚組) [DVD]

kazu_fujisawa at 01:02|PermalinkComments(123)TrackBack(4)この記事をクリップ!ファイナンス原論 

2009年11月05日

サルでも分かる日銀の苦悩と流動性トラップ

日銀の白川方明総裁は3日都内で講演し、「国債という借金の実質的な価値を目減りさせるためインフレ的な政策を採れば、さまざまな問題が起こる」と指摘。その上で「そうしたことは中央銀行は決して行わない」と強調した。
時事ドットコム:インフレ的政策は採用せず=日銀の白川総裁

今日はネットではこの話で少しばかり盛り上がっているようですね。
日銀がインフレを絶対に起こさないというのであれば、政治家と官僚が田舎に誰も使わない空港をたくさん作ったり、さまざまな官僚の天下り企業にばら撒いたりするために、日本国政府が築き上げた途方もない借金を返していくのは、そんな政治に全く関わっていなかった若年層の労働者であり、これから働き始める子供達です。
確かにインフレを起こすのは中央銀行にとっては禁じ手で決して筋のいいものではありませんが、だからと言って全く政治に関わっていなかった若者や未来の子供たちに借金を押し付けるのはそれ以上に問題でしょう。
日銀は政府の失敗を自分たちに押し付けられてはたまらないと思っているのでしょう。
もちろんインフレは借金を消す魔法ではありません。
国債の発行は未来の徴税の何物でもなく、ふつうは所得税やら法人税やら消費税で未来の労働者が払うのですが、インフレというのは現金や国債をたくさん持っている人が資産課税という形でまったく民主主義的なプロセスを踏まずに無理やり払わされるだけです。
しかし、日本の莫大な借金は通常の徴税プロセスだけでは返せないしそうするべきでないのも明白で、ちょっとずつインフレ課税もかけていくのが実現できればベストだと僕も思っています。

とは言え、日銀がインフレを起こすのは一部の経済学者が思っているほど簡単ではないのも事実です。

なぜ日銀はこれほど日本経済を蝕んでいるデフレという病を治せないのでしょうか?
この前の貨幣数量理論を読めば、日銀がもっとお金を刷ればかんたんにデフレなど解決するじゃないかと思った人も多いことでしょう。
実際にそのように主張する経済学者もたくさんいます。
しかし、現在のような状況では日銀ができることは実はあまりないのです。
日本経済は10年以上も「流動性トラップ」というやっかいなものにはまりこんでいるからです。

通常の金融政策では景気が悪くなったり物価が下がって来たら金融緩和をします。
通常の金融緩和とは中央銀行が短期金利を下げることです。
中央銀行が金利を下げると市場に出回るお金の総量が増えるます。
この辺をもう少しくわしく書くと、中央銀行では定期的にえらい人が集まって経済状況を話し合って最後は鉛筆を舐めながら目標の短期金利を決めます。
日銀の場合、この会合を金融政策決定会合といいます。
そして具体的には「短期金融市場のオーバーナイト金利をX%にするように施す」というように決まります。
短期金融市場というのは非常に信用の高い大手金融機関が資金を貸し借りするところでオーバーナイト金利とは一日だけ貸したり借りたりするときの金利です。
大手金融機関というのはこのように毎日資金を融通し合っているのです。

ちなみにリーマンブラザーズが破たんした時は、世界的な大手金融機関といえどもつぶれることがあると分かり、他の金融機関が連鎖倒産するかもしれないとみんなビビったので、この短期金融市場まで凍りつきました。
このとき世界の中央銀行は各国の短期金融市場で事実上すべての取引に国の補償をつけることにより短期金融市場の崩壊を食い止めました。
まさに世界経済の血液が止まる直前までおい込まれたのでした。

さて話は戻りますが、日銀はこのオーバーナイト金利を目標になるまでさまざまな方法を使って誘導させていくのです。
たとえば満期の短い国債を金融機関から目標金利になるまで買います。
金利が決まれば債券の値段は決まるし逆に債券の値段が決まれば金利が決まります。
金利を低くしたかったら債券をより高い値段で買ってあげればいいのです。
すると金融機関は短期金融市場で借りるより、手元の短期国債を日銀に売って現金を確保した方が得だったらそうするでしょう。
やがてオーバーナイト金利も短期国債の金利もどっちが有利とも不利ともいえない金利に落ち着くでしょう。
逆に金利を上げたかったら短期国債を売ったりします。
結局、金融政策で金利を下げると、短期の国債を日銀が民間の銀行から買ってその見返りに現金を渡すことになるのでお金の供給量が増えます。
だからこのように金利を下げることを金融緩和というのです。
逆に金利を上げると、日銀は民間の銀行からお金を吸収することになるので、金融引き締めといいます。

ところで日銀や世界の中央銀行は、なぜ政策金利の誘導目標をこんな一日だけの大手金融機関同士の貸し借りのような極めて限られた市場の金利にしているのでしょうか?
それは市場原理を最大限に働かせるためです。
満期まで10年以上もある国債や、倒産してしまうリスクのある社債は、民間の金融機関のトレーダーが少しでもリスクを減らして少しでもたくさん儲けようと激しく競争して決まっていくべきなのです。
そのようにさまざまな経済情勢を織り込みながら金融商品の値段は決まっていかないといけません。
そこで他の参加者よりうまく分析して将来をより正確に予測できたトレーダーは大きな利益を得るのです。
日銀も世界の中央銀行も市場原理を極めて重視しています。
もちろん中長期的な経済の成長に合わせて日銀は長期国債を買っていますがこれは純粋に経済の規模に合わせて必要な貨幣を供給するという目的であり、長期金利を誘導しようという意図はないものです。
中央銀行が株式や社債などの短期金利以外の金融商品を売買するのはよほどの緊急事態で、非伝統的金融政策と呼ばれます。
こういう政策は市場原理を歪めるので本当に緊急の時以外はできるだけ避けたいのです。

さて、金利が低くなると、安く資金を調達できるので、銀行からお金を借りて新しく事業を始めようとする民間の企業もたくさんでてきますし、安くお金を調達して新しい事業を起こしたり、もっと利回りのよさそうな株や不動産に回ったり、モノやサービスを買ったりするのに使われて、景気もよくなって物価もじわじわと上がっていくことでしょう。
逆に景気が過熱しすぎて物価がどんどん上がってきたら、中央銀行は金利を上げてこの逆をすればいいいわけです。
日本経済はそんな状況をもう20年近く経験していないので、金利を上げるなんてことはすっかり忘れてしまってしまったかもしれませんが。

さて、この金融政策ですが金利はゼロより下げられないから、日本のように長い期間にわたって不況が続き、物価が下落し続ける状況では金利がゼロに張り付いてしまっています。
だから金利を上げ下げするふつうの金融政策はもう効かないのです。

しかも、このゼロ金利の世界というのは、現金を持っている機会コストがゼロになるという際立った現象が起こります。
このことによっていくらマネーサプライを増やしても物価が上がらないという非常に奇妙な罠にはまりこんでしまいます。
これが流動性トラップです。

現金を持つコストを思い出しましょう。
それは金利でした。
国債を買えば金利を得られるのに、現金で持っていたり、ほとんど金利のつかないいつでも引き出せる銀行貯金にしていたりすると金利を稼げません。
現金を持っているとこの金利の分をいつも損をするのです。
それでは現金を持つメリットは何でしょうか?
それは流動性です。
流動性というのはいつでも使いたいときにお金を使えることです。
現金を持っていたら何か欲しいモノがあればすぐに買えます。
割安な株や不動産を見つけたらすぐに投資することができます。
しかし、国債を買っていたら現金に換えるのがかなり面倒ですし、満期まで持たずに売ると何らかのペナルティーがついたりします。
つまり、現金やいつでも引き出せる貯金というのは、国債を買っていたらもらえるであろう金利をあきらめて、便利さという流動性を手にいれることなのです。

よって、中央銀行が金融政策で金利をどんどん下げていけば、現金を持つことの機会コストを下げますから、現金を持つことの便利さというメリットだけがでてくることになります。
個人も企業も国債なんて買わずに現金をたくさん持つことでしょう。
そして、この現金は様々な経済活動に使われることになります。

日銀は1990年の土地バブル崩壊以降の景気後退とデフレを止めるために金利をどんどん下げていったのですが2000年ごろには、とうとう金利がゼロになってしまいました。
その後も金利をゼロにしてなんとか不景気とデフレと闘っています。
これがゼロ金利政策です。
しかし、このゼロ金利政策もぜんぜん日本のデフレには打ち勝てずに日銀は次の手段にでます。
それが量的緩和政策です。
量的緩和政策では今度は金利はゼロでもう下げられないから貨幣供給そのものを直接増やすことを目標としました。
具体的には、国債や手形の毎月の購入額を増やしてお金を市中に供給したり、民間の銀行に無利子で大量のお金を貸し出したりしたのです。
民間の銀行は無利子の大量の現金を抱え込めば、それを住宅ローンなどで貸し出したり、企業に貸し出したりするので、世の中にお金がどんどん出回りデフレも克服できるだろうと考えたのです。

しかし、ゼロ金利だとどうなるでしょうか?
この場合、国債を買っても金利がほとんどゼロなので、現金をたくさん持っている機会コストもゼロになります。
だったら流動性があって便利な現金をそのままタンスの中や銀行に寝かしておいても何の問題もありません。
どうせ国債で運用しても金利がほとんどゼロですし、景気が悪くてデフレでは株や不動産で運用してもリスクの割にいい利回りは期待できそうもないからです。
また、デフレということはモノやサービスの値段がどんどん下がっていき、逆にお金の価値がどんどん上がるので、無理して投資したり事業を起こすよりも、現金をタンスにでも眠らせておいた方が得です。

つまり、中央銀行がいくらお金を刷ってお金の量をどんどん増やしても、それは銀行口座やタンスの中に積み上がっていくだけで、まったく世の中でぐるぐる回らず、物価を上げないし、景気もよくしないのです。
日本経済はこの流動性の罠に長年はまりこんでしまいなかなか抜け出せないのです。

また、金利がゼロでも実質的な金利は実はかなり高いということもいえます。
金利がゼロでもたとえば毎年物価が2%さがれば、それは実質2%の金利がついていることと同じだといえます。
物価の変動率、つまりインフレ率は日本ではずっとマイナスなので、ゼロ金利政策は金融緩和のようにみえて、実際には金融引き締めだといえます。
しかし、金利はゼロより下げられないので、日銀としてはなんともできないのです。

それでは次回はバーナンキの背理法でも勉強しましょう。

「もし、日銀が国債をいくら購入したとしてもインフレにはならない」と仮定する。
すると、市中の国債や政府発行の新規発行国債を日銀がすべて買い取ったとしてもインフレが起きないことになる。
そうなれば、政府は物価・金利の上昇を全く気にすることなく無限に国債発行を続けることが可能となり、財政支出をすべて国債発行でまかなうことができるようになる。
つまり、これは無税国家の誕生である。
しかし、現実にはそのような無税国家の存在はありえない。
ということは背理法により最初の仮定が間違っていたことになり、日銀が国債を購入し続ければいつかは必ずインフレを招来できるはずである。

バーナンキの背理法


追伸
ガジェット通信に寄稿しました。
日本国政府がどれだけ借金しても絶対に日本は倒産しないと言うことのサルでも分かる説明

kazu_fujisawa at 00:29|PermalinkComments(12)TrackBack(2)この記事をクリップ!ファイナンス原論 

2009年11月03日

M&A新世紀 ターゲットはトヨタか、新日鐵か? 岩崎日出俊

M&A新世紀 ターゲットはトヨタか、新日鐵か? 岩崎日出俊

こんにちは。
今日は何か月も温めていた日本社会の病巣を鋭くえぐるとっておきのネタをアップしようと思っていたのですが、さっき読み終わった本が思いのほか面白かったので書評でも書くことにしました。

この本はM&Aの本です。
著者の岩崎さんはM&Aを手がける投資銀行マンを何年もやってきており、M&Aはまさに岩崎さんの専門分野なので、当然、とても面白いです。
専門家が専門分野について書くと、いろいろな専門用語や業界の慣習が特に説明もなく出てきたりして、普通の人が読む本としてはぜんぜん使えなかったりしますが(そういう本は専門家が読んでも大体つまらない)、この本は違います。
平易で誰にでも分かりやすい言葉で書かれており、それでいてマスコミなどの報道では分からない本質的な問題が次々と明らかになっていきます。

ブルドックソースの株主に多大な犠牲を払わせた買収防衛、アデランスをめぐるスティールパートナーズとユニゾンの攻防、裁判沙汰になった牛角のMBO、1兆6000億円も大損ぶっこいたNTTドコモの海外M&A戦略、キリンとサントリーの統合の意味などなど、最近の国内の主要なM&Aがらみの事案に関して非常に的を得た分析と正論が展開されます。

また、世界のM&Aに関しての記述もとても面白いです。
インドの実業家ラクシュミー・ミタルが立ち上げた鉄鋼メーカーのミタルが、当時売り上げでは世界一だったフランス、ルクセンブルグ、スペインの合弁企業のアルセロールを敵対的買収するのですが、これがなかなかすごい。
これらの国々の首相はこんな買収を許していはいけないなどと偏屈な愛国心をあおったりして猛烈に反対するのですが、資本の論理で買収金額3.3兆円という巨富を投入して敵対的買収を成功させてしまいました。
ちなみにこれを見てビビった日本の新日鉄はあらゆる買収防衛策を導入するのですが、結局のところ大きく株価が低迷してしまい、ますます買収されやすくなってしまいましたし、何より過大な買収防衛策の導入によって自社の株主に大きな損をさせてしまいました。
結局のところ最良で唯一の買収防衛策はいい経営をして株価を上げることだけなのです。
小手先の買収防衛策など、法律事務所と証券会社を儲けさせて、自社の株主に損させるだけでしょう。

他にもH&Mとユニクロの話とか、マイクロソフトと任天堂の話とか、いろいろ面白いです。

しかし、この本のいいところはM&Aを題材にしつつ実は良質なビジネス書でもあり、また世界経済の本にもなっていることです。

なかなかお勧めです。


本来、グローバル資本主義の言わんとしていることは、資本主義というルールの下で、オープンでフェアな競争をしようということだ。世界のどんな貧しいところで生まれた人にもチャンスを与えようということである。それは各国が保護主義や閉鎖主義、ブロック主義に走ることと相容れない考えだ。   岩崎日出俊

kazu_fujisawa at 00:16|PermalinkComments(71)TrackBack(1)この記事をクリップ!読書&映画感想文 | ファイナンス原論

2009年10月26日

政権交代バブル―重税国家への道、竹中平蔵

政権交代バブル―重税国家への道、竹中平蔵

都内の書店ではひと足はやく売り出されていました。
思わず買って読みましたが、なかなかすばらしい本です。
タイトルを見ると民主党バッシングの本かと思いますが、そうではありません。

民主党のやろうとしている政策のいいところと悪いところをわかりやすく解説しています。
そしていい部分についてはどうやったら官僚をうまく使って実行できるのかと民主党にアドバイスしています。

なんでもかんでも「小泉・竹中の構造改革で荒廃した日本の・・・」とかいっているアホな民主党の政治家と、竹中さんでは、政策担当者としてはやっぱり大人と子供ぐらいの実力差があることが明らかですね。

しかし、今の日本にはまっとうな経済学にもとづいたふつうの政策を実行できる政党がぜんぜんないというのは、本当に悲しいことですね・・・

とは言え、僕はいつも思うのですが、これだけ政治家と官僚がダメで、他国と比べて大きなハンディキャップを背負いながらも、それでもまだこれだけの経済力を保っている日本の民間の力というのは驚異的ですね。
実際、ちょいとばかりまともな政策が実行されていた小泉・竹中政権の時は、株価は上がるし、赤字国債の発行はどんどんすくなくなるし、失業者がへって新卒もどんどん採用されたおかげで格差もどんどんなくなったしで、日本経済の力は捨てたもんじゃないことが証明されましたしね。

kazu_fujisawa at 23:21|PermalinkComments(115)TrackBack(1)この記事をクリップ!読書&映画感想文 

2009年10月22日

郵政国営化、そして人類史上最大の金融詐欺がはじまる

史上最大の詐欺と言えば、元ナスダック会長のバーナード・マドフによる金融詐欺だ。
なんと被害総額は6兆円以上という空前絶後の規模だ。
6兆円といったら民主党の子供手当に必要な財源より大きい。
マドフは現在懲役150年の刑を受けて投獄されている。

それでは彼がどうやって6兆円以上もだまし取ったか説明しよう。
実はその仕組みはおそろしく単純だ。
この見かけは誠実で知的な紳士そのもののマドフはヘッジファンドを立ち上げた。
そして、たとえば最初は100億円の資金を集めたとしよう。
このファンドに投資した人は、毎年毎年、高額な配当を手にした。
たとえば10億円投資した人は、毎年、2、3億円の配当を受け取ったのだ。
これはリターンにしたら20%−30%でかなり優秀なファンドになる。
それではマドフは実際に資金を運用してこの配当を払っていたのだろうか?
実は、マドフは投資家から集めた資金をそのまま配当として払っていたのだ。
たとえば10億円投資した人に毎年2億円払えば途中で解約されなれば5年間いんちきの20%のリターンを届けることができる。
そして、マドフは非常に知的な人物だったし、実際にみんなすごいリターンを見せられていたので、誰も解約しなかった。
つまり、この仕組みはファンドに資金が集まり続ける限りバレないのだ。
実際、マドフのファンドは必ず配当が払われるのでどんどん資金をあつまった。
この配当が自分の払ったお金から来ていることなんて長年誰も気づかなかったのだ。
そして、このネズミ講も他のネズミ講と同じように、もう維持できないところまで規模が膨らんだところで破滅した。

しかし、よく考えたら日本国政府がやっていることもマドフがやっていることとほとんど同じことに気づくだろう。
多くの日本人は将来にそなえてこつこつと貯金したり、保険に入ったりしている。
こうやって金融機関に集められた国民のお金は、日本国債に投資される。
そして、日本国債という証書と引き換えに政府は国民のお金を手に入れる。
このお金は国民の将来のための有用なインフラストラクチャーのようなさまざまな資産になっていればいい。
しかし、実際は政治家や官僚がさまざまな方法を使って自分たちの利権団体や天下り法人にばら撒いているだけだ。
国民経済のために効率的に投資されていないから、国債で集められたお金は経済の成長につながらず、その結果、将来の税収にもつながらない。
政治家や官僚とそれにむらがる利権団体が自分たちの私利私欲のためにやりたい放題やっているから当たり前だ。
要するに、国債に化けた国民のお金は、実際にはもうなくなっているのだよ。
しかし、マドフのファンドに投資した人たちも破綻するまで毎年大きな利回りを得られていたように、日本国債を買っている人たちも毎年利子を払ってもらえる。
そして、マドフのファンドと同じように、その利子は将来が心配で毎月毎月がんばって貯金している人たちのお金が回ってきているにすぎないのだ。

しかし、民間の銀行が日本国債を買って、その結果失敗してしまうならまだ理解できる。
そんな銀行に貯金をした自分を責めることができるからだ。
とこらが、これが国営の金融機関だったらどうなる?
日本郵政に集められた貯金と保険料の350兆円が、政治家の利権団体や官僚の天下り法人に複雑なプロセスを経てばら撒かれる。
そして、そのバラマキの権限を握るのが鳩山由紀夫率いる民主党だ。
ばら撒かれた人々は、自分の貯金がいろんなところで抜かれた後に、めぐりめぐって自分のところに還流してきているだけだ。
しかし、このような複雑なプロセスを経ているので、ほとんどの人たちはそのお金がどこから来たのか理解できないだろう。
そして、そのバラマキを民主党が実現した社会福祉だと勘違いして、民主党をさらに支持するようになる。
破綻するまでマドフのファンドの投資家は、マドフは自分たちの財産を増やしてくれる天才ファンドマネジャーだと心酔していたように、国営化された日本郵政を通って自分のお金が回ってきていることを社会福祉だと思い込み民主党をすばらしい政権だと思い込むのだ。
郵政国営化とはそういうことなんだよ。
そして、この金融詐欺の規模はマドフのファンドと比べ物にならないぐらい大きいものになるだろう。
まさにマドフを抜き、人類史上最大のネズミ講スキームがここに完成するわけだ。

鳩山由紀夫のあの反資本主義論文は決して国内向けの人気取りなんかじゃない。
鳩山由紀夫の本心であり、彼の社会主義思想そのものなんだよ。

郵政国営化、郵便貯金を使って国営ファンド、道路公団国営化、日本航空国営化、高校教育国営化、労働組合員の権利強化、公務員の権利強化、消費税の増税、所得税の増税・・・
気づいてみたら、これだけの社会主義政策が民主党により実行に移されようとしているんだ・・・

そして、こういった巨大国営事業は誰が運営するのだ?
鳩山由紀夫とそのとりまき連中、そして彼らに従順な官僚じゃないか・・・
まさにかつてのヒトラーやレーニンが手にしたような絶対権力を自分達が握るつもりだ。

みんな社会主義思想をあまく見ない方がいい。
何百万人、何千万人という市民を虐殺したドイツのヒトラー、ロシアのレーニンにスターリン、カンボジアのポルポトといった社会主義国家の指導者たちも、最初はみんな市民の支持により生み出されたのだよ。

今の民主党の社会主義政策もやばい方に走り出したらどこまで暴走するかわからない。

なんであんな夕方の4時にしまる郵便局が地方にあると小泉政権によってもたらされた格差が是正されるんだ?
なんで脱官僚の民主党が民間人の首を切って、いきなり大蔵省のOBに郵政の社長を任せるんだ?
なんで無駄をなくすと言っていたのに史上最大の概算要求になっているんだ?
なんで・・・

子供手当とか高速道路無料とかに浮かれてないで、いいかげんみんな目を覚ますんだ。


参考資料
空前の詐欺事件、ウォールストリート日記
マドフ事件:世紀の大ペテン、JBPress

kazu_fujisawa at 23:58|PermalinkComments(102)TrackBack(11)この記事をクリップ!徒然草 

みんな鳩山兄弟を甘く見ない方がいい

郵政民営化のために尽力してきた西川善文社長が辞任に追い込まれ、後任には元大蔵次官の斎藤次郎氏が就任することに決まった。
そして、マスコミの批判はせいぜい「民主党の旗印の脱官僚と矛盾するじゃないか」と言ったものだ。

今回の西川社長辞任劇の最初のきっかけは鳩山由紀夫首相の弟である鳩山邦夫元総務大臣が日本郵政がかんぽの宿をオリックス不動産に売却した件に関して出来レースだと西川氏を執拗に攻撃し、民主党の現総務大臣である原口一博らが西川氏を特別背任未遂容疑で刑事告訴したことが発端である。
しかし、かんぽの宿売却は不動産ビジネスの商慣習に明るい者からみれば何一つ悪いことはなかった。
むしろ、鳩山邦夫の横やりで一刻もはやく処理したかった国民の不良債権を高値で売り払う千載一遇のチャンスを逃してしまったというのが大方の見方だ。
その証拠に、未だにかんぽの宿をオリックス不動産より高い値段で買い取りたいという不動産会社も不動産ファンドも現れない。
そして、毎月毎月、国民の財産から赤字を垂れ流し続けている。
しかし、なぜかマスコミは鳩山邦夫の茶番劇を応援して、世論を巧みに誘導した。

ところで、鳩山邦夫と鳩山由紀夫は仲が悪いことで有名だ。
鳩山邦夫は雑誌のインタビューなどがあると兄の悪口を言うことを決して忘れない。

「遺産相続のときは兄に勝手にやらしたら、自分の分は湿地ばっかのへんな土地になっていて大変だった。本当に薄汚い人間だ」
「兄は小沢一郎のロボット」
「兄の政界遊泳術だけはすごい」

あらゆる機会を利用してまるでいかに仲が悪いかをアピールしているようでさえある。

かんぽの宿問題では、自民党内の様々な有力議員が鳩山邦夫の暴走を止めようとしたが、これが国民には自民党の内部分裂と思われてしまった。
そして、マスコミが西川バッシングをしている間に、当時の麻生太郎首相が盟友の鳩山邦夫を更迭するわけだが、これがブレる麻生を国民に印象付け、結果として自民党政権にとって致命傷となってしまった。

結果的に、鳩山邦夫は、前回の衆院選での民主党の大躍進に多大な貢献をすることになったのである。

さて、今回、西川社長の首を切って、元大蔵次官の斎藤氏を後任にあてた亀井静香郵政・金融担当相だが、つい最近まで中小企業の徳政令法案でマスメディアを大いににぎわし、日本の銀行界を震撼させていた。
当時は日本の銀行株が世界中の投資家から売り浴びせられ暴落した。
しかし、この徳政令法案はふたをあけてみれば業界の努力目標を述べるだけの何の実効性もない骨抜き法案となりそうだ。
まるで最初から中小企業の救済などどうでもよかったかのようだ。
そして、徳政令騒動の裏で、亀井大臣はいつのまにか郵政国営化をいっきに進める布石を打っていて、今回の電撃人事となった。



そうか、そういうことだったのか・・・
じっちゃん、なぞはすべてとけたよ。


鳩山邦夫と鳩山由紀夫は仲が悪いように見せかけているのはすべて国民を欺く演技だったんだ。
このふたりは裏で完全につながっている。
あのかんぽの宿問題こそ自民党を内部から破壊して、兄のいる民主党に大勝利させるために鳩山兄弟が仕組んだ出来レースだったんだ。
そして、鳩山由紀夫は首相になった。
民主党の脱官僚も鳩山兄弟の不仲と同じでただの茶番劇だ。

政権を掌握した民主党が国民に甘い言葉をかけてバラマキを続けるには、税金を上げるか、赤字国債を大量に発行するしかない。
どんなきれいごとをいっても金は正直なのだ。
しかし、このふたつはどちらも不人気で、それでは次の参院選に勝つことはできない。
そこで鳩山由紀夫が目をつけたのが日本郵政にねむる200兆円の郵便貯金だ。
このまま日本郵政が民営化されて上場されてしまえば、この200兆円は資本主義の論理で動くことになる。
預金者つまり国民と株主の利益のために市場原理の中で粛々と運用されるのだ。
それが、官僚の天下り団体や政治家の利権団体などへ国債を通して流れていた郵貯のどす黒い金の流れを浄化するための民営化の目的だった。
この流れを元にもどして自分たちの都合のいいように国民の財産を使おうというのが、鳩山兄弟と亀井静香の狙いなんだ。
この郵便貯金は返ってくる当てのない官僚の天下り団体などへ貸し出され、そう言った団体が民主党の集票団体に金をばらまく。
こうすれば増税もせず、赤字国債も発行せずに、バラマキ続けることができる。

しかし、これは民家からお金を盗んで、翌朝にお金を盗まれて困っている人に、いくらかの金銭を施すようなものだ。
多くの国民は、お金を盗んでいる人と、自分を助けてくれている人が実は同じ人物だとは思わないだろう。
まったくもってすごいことを考える人たちだ。
鳩山由紀夫率いる民主党は、増税もせず、赤字国債も発行せずに、ほぼ無限にばらまける魔法の財源を手にするのだ。
これはマジックといっていい。
ひとの財布に手を突っ込んで、その金を渡してやれば人気がでるんだから。

もちろん、こんなことを続けていけばいつかは破たんするが、そのときはすでに来年の参院選で民主党が圧勝した後だからまったく問題がない。

そして、民衆がこの手品の仕掛けに気づいたとき。
そう、ハイパーインフレーションがはじまるのだ。
日本円という通貨が完全に紙切れとなり、市場経済が崩壊する。
しかし、それこそ鳩山兄弟と亀井静香、そして一部の官僚の計画通りなんだ。
「現代社会の基礎を覆すのに、通貨を混乱させることほど、巧妙で確実な手段はない」とケインズが言っていたが、それが21世紀の世界第2位の経済大国で実行されちまうんだ。

そのころには日本を社会主義化して自分たちがすべての権力を掌握するためのさまざまな法案が成立済みだろう。
亀井静香が統制する秘密警察によって資本主義にかかわる言論はすべて抹殺されることになる。
そして、民主党の支持基盤である日教組が鳩山兄弟を神のごとく崇めるための洗脳教育を子供たちに施すのだ。
通貨が機能しない世界になっているので、経済は鳩山兄弟と亀井静香と忠実な官僚が全てを計画することになる。
彼らの許可がないと食料さえ手に入らない統制経済の完成である。
鳩山兄弟と亀井静香は絶対権力を握るのだ。

くそ、なんてこった。
来年の参院選で民主党が過半数を取ったら、たいへんなことになっちまう。
いったい俺たちはどうすればいいんだ!

kazu_fujisawa at 01:06|PermalinkComments(57)TrackBack(2)この記事をクリップ!徒然草 

2009年10月19日

人工妊娠中絶が合法なら姥捨て山も合法にしてみたらどうだろうか?

こんにちは。藤沢数希です。
核兵器の話やテロや新型インフルエンザや殺人事件などはテレビで大々的に報道され、人々も大いに関心を持っているようです。
しかし、物事を科学的に分析して客観的に解釈することをサイエンティストして長年訓練されてきた僕のような人にとって、なぜこんな些細なことをみんな気にするのかさっぱり理解できません。
僕たちのような先進国の住人にとって、客観的にみればこんなことは取るに足らない極めて小さいリスクにすぎないからです。
毎日毎日、交通事故で何十人という人が日本で死んでいますし、それよりはるかに多くの人が植物状態になったり、重い後遺症を負う大けがをしています。
そして、万引きすらしたことがない善良な市民が、ある日突然殺人者になってしまうのです。
交通事故のリスクにくらべたら、メディアで大々的に報道されるほとんどのセンセーショナルな事件は非常に小さなリスクなのです。
大衆というのはこういうリスクを定量的に正しく捉えることが本当に苦手のようです。

さて、今日お話ししたいことは、先進国で大々的に行われている合法的な殺人である人工妊娠中絶についてです。
厚生労働省に報告されているだけで30万件弱の中絶手術が毎年行われています。

毎年日本で生まれてくる子供は100万人程度なので、実に30%近くの妊娠が人工中絶されていることが分かります。
これは実に膨大な数です。
また、数年の間に何回も中絶する女性はあまりいないでしょうから、たとえば過去5年の間に中絶した女性の延べ人数は30x5=150万人で、このうちひとりで複数回の中絶した女性の重複分をとりのぞいても、おそらく100万人ぐらいの女性が中絶を経験したことがわかります。
10代の後半から30代の後半ぐらいの女性の人口は1500万人ぐらいなので、実に15人にひとりぐらいの割合で中絶を経験していることがわかります。
これは女子が30人のクラスだったら2人ぐらいが中絶をしているというかなりの数です。

昔の日本の貧しい農村では間引きというのが行われていました。
食料が不足して育てていけそうにない赤ちゃんを、産婆が殺したり、母親が田畑に埋めたりして、人口を制限していたのです。
現代人はそういうのを聞いて恐ろしいことだと思うかもしれませんが、現代は胎児の3割弱が殺されるのですから、昔より間引きははるかに多く実施されていることがわかります。
昔の間引きが悪で、現代の中絶はいいことだというのは、どこをどう考えても科学的なロジックとして破たんしています。
それこそクジラを殺して食べるのはかわいそうだけど、牛や豚を食べるのはいいというのと同じレベルでしょう。
親がいなくてもとりあえず生まれてこれば、孤児院でもいって楽しい人生を送れたかもしれないのに、社会や親の都合でこんなに多くの胎児が人工的に殺されているわけです。
また、同じ殺人でもやくざ同士の殺し合いよりも、抵抗できない子供を殺めるような殺人のほうがはるかに重い刑罰が下るのがふつうです。
そういう意味でも中絶というのは全く抵抗できなもっとも弱い命を途絶えさせる殺人といえるのかもしれません。

アメリカではキリスト教原理主義者が中絶手術をする病院の医者をたまに爆弾や銃で殺したりしますが、僕自身は人工妊娠中絶手術に反対でも賛成でもありません。
ただ、客観的に考えて、それは昔の赤子殺しと全く一緒のことで、少々現代的に洗練されているだけだと思うのです。

また、昔の日本の貧しい農村には姥捨て山というのがありました。
村で作れる食料は限られていたので、次の将来を担う若者を育てるために、食いぶちを減らすために年老いた人たちは自らが犠牲になったのです。
村の掟に従うために、自分の親を断腸の思いで姥捨て山においてくる若者もいました。
また、子供たちの貴重な食料を、自分のような先の短い人間が食べてはいけないと思い、自ら姥捨て山に行く誇り高い老人もたくさんいました。
これからの未来を背負う子供たちと、あとは老いて死んでいくだけの老人では、どちらの命を優先させなければいけないかは火を見るより明らかだったからです。

昔の風習の間引きや赤子殺しは現代では非常に洗練された方法で大々的に実施されているのに、どうして姥捨て山の方だけは廃止されてしまったのでしょうか。
それどころか老人の権利は最近ますます強くなり、今では国のきちょうな資源をどんどん食い尽くして、さらにそれでも足りないといわんばかりにさまざまな政策が実行されています。

藤原正彦の国家の品格がベストセラーになっとき、このままでは国がもたないから、昔の日本の農村で若者を助けるために自分から姥捨て山に行った品格のある老人の話でも書いてあるのかと思ったら、さらに若者を虐げて、大きな既得権益を手にした自分たちのような老人をもっと尊敬しろというような内容だったので、思わず顔をしかめました。

間引きが現代医学により高度に洗練されたように、今こそ姥捨て山の現代版を復活させる時ではないでしょうか?


kazu_fujisawa at 23:39|PermalinkComments(100)TrackBack(7)この記事をクリップ!徒然草 

2009年10月18日

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学、池田信夫

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学、池田信夫

池田先生が本を出しました。
この本は氏がブログで主張してきた内容をまとめたものです。
日本経済の問題点がとても分かりやすく網羅されています。

僕も池田先生や城氏と同様に、日本の終身雇用と年功序列の硬直しきった雇用慣行が日本の経済成長を阻んでいると思っています。

池田さんはNHKで、城さんは富士通で、そのダメな仕組みをまざまざと見てきたわけですが、僕も日本の大学の腐りきった人事をいろいろと見てきました。

しかし、現在の民主党政権はこの雇用慣行をさらに硬直的にすることはあっても、よりよい方向に改善することは絶対にありえません。
なぜなら民主党の支持母体は労働組合だからです。

民主党は、岡田外務大臣が記者クラブをぶっこわしたり、前原国交大臣が無駄な大型公共事業を地方の政治家や住民の反対を無視して強引にストップしたり暗黙の約束をいきなり反故にして羽田空港国際化を明言したり、鳩山総理は意外とリーダーシップがあって環境産業の目標を思い切って明言したりと、いいこともいっぱいしていると思います。
まあ、民主党は自民憎しで自民党の利権構造をどんどんぶっ壊して、そこに回っていた税金を子供手当てなどのベーシックインカム的な(つまり国全体の足を引っ張る利権団体をつくらない)富の再分配にまわして欲しいですね。

日本の労働慣行の改革ができるとしたら、民主党と自民党の構造改革派がいっしょに小さな政府を目指す第三の政党を作ってある程度の議席数を取った時でしょうね。
しかし、ずいぶん先の話だし、そもそも実現する可能性も低いですね。

そう言う意味では、やっぱりもっともっと経済が悪くなって日経平均が5000円ぐらいになって失業率が15%ぐらいになって、国債の買い手もいなくなって国がファイナンスできなくなるぐらいの絶望を味わわないと、大きな改革はできないでしょうね。

まあ、ゆっくり衰退していくのでしょう。

と言うわけで、おススメの一冊です。


PS
みんな亀井静香を甘く見ない方がいい」をガジェット通信に寄稿しました。

kazu_fujisawa at 10:18|PermalinkComments(39)TrackBack(1)この記事をクリップ!読書&映画感想文 

2009年10月11日

日本国政府がどれだけ借金しても絶対に日本は倒産しないと言うことのサルでも分かる説明

赤字国債を発行して政府が借金を増やすとすぐに財政破綻、財政破綻と騒ぐ人がいますが、自国通貨による国債発行では国が倒産することは絶対にありません。
国債と言うのを借金だと考えると、これが増えすぎて返せなくなると会社と同じように倒産しそうな感じがします。
しかし、国債と言うのは確かに期日が決まっていて国が借りたお金を金利と一緒に返すので形式的には借金そのものですが、国は返すお金を自分で発行することができますから根本的に普通の借金とは違います。
このことを考えると、国債と言うのは借金ではなくて、実は国が発行する株式だと言うことが分かります。

それでは、たとえば日本国政府が1000兆円の国債を発行している場合を考えましょう。
この1000兆円のうち、民間が900兆円持っていて、日銀が100兆円持っているとしましょう。
現在では、中央銀行がお金を刷って市場に流通するお金の量を増やす主な手段は、市場に出回っている国債を買うことです。
政府が発行する国債を直接日銀が買うことはあまりにも財政規律を損なうと言うことで、法律で禁止されていますが、民間の銀行などに出回っている国債を買うことは全く問題ありません。
民間から国債を買うと、その対価として民間に現金が渡されます。
つまり、お金が刷られて世の中のお金の量が増えます。

と言うことは、日銀のバランスシートを見ると、この場合は負債の側に100兆円の日銀券、つまりお金があり、資産の側に100兆円分の国債があることがわかります。
日銀の発行するお金、つまり日銀券は会計上は日銀の借金と言うことになります。
そして、その借金で買ったものが資産になっていて、金本位制の時代でしたら金の延べ棒がそうでしたし、現在のようなお金はどこまで言ってもただの紙切れでお金はお金ゆえにお金であると言う論法に支えられている仕組みでは、日銀が借金して買ったものは主に国債と言うことになります。
つまり、日銀券の価値と日本国債の価値はここでリンクしているのです。
もっと言うと日銀券の価値は、国債の価値そのものなのです。
この簡単な想定では、日銀券100兆円分の価値=日本国債100兆円分の価値です。

国のバランスシートはどうなっているかと言うと、負債の側に国債1000兆円があります。
今の簡単な想定では、このうちの100兆円を日銀が持っていて、900兆円を民間が持っていますね。
それでは国の資産とはなんでしょうか?

その前に会社のバランスシートを考えましょう。
会社のバランスシートは負債が社債などの借金で、資本が株主からもらったお金です。
株主は資本金を提供して、将来の利益の見返りをもらう権利証書である株券をもらいますね。
会社は借金と株主のお金を使って事業をして、儲かったお金で借金した人に金利を払って、残ったお金を全部株主に分配する、と言うのが株式会社の仕組みですね。
会社のバランスシートの資産はお金を儲けるために買ったものです。
それは工場のような目に見えるものから、特許のようなものまでいろいろあるでしょう。
こう言った会社の資産から生み出される売上げと資産を維持するのにかかるコストの差が利益で、この利益に株券の価値がリンクされているのです。
会社の事業が儲かりそうだったら、とうぜん株主にたくさん利益が分配されますから、その分配請求証書である株券の価格、つまり株価もどんどんあがります。
逆に、事業がもうだめでつぶれそうだったら、株価もただ同然になります。

さて、国の資産はなんでしょうか?
それは一言で言えば徴税権です。
国家権力で税金を納めない人間から無理やり金を奪い取ることができます。
国は徴税権を使って、会社と同じように利益を稼ぎ出します。
将来の税収から公共事業費や国防費や社会福祉費用などの支出を引いた国の利益みたいなものが、国債の価値を担保しているのです。
税収からこう言った国のコストを引いたものをプライマリーサープラスと言います。
このプライマリーサープラスをトヨタ自動車みたいな会社の利益と考えれば、国債はまさに国が発行する株式ですね。

しかし、この国債の価値とお金の価値は、中央銀行のバランスシートを通じてお互いに完全につながっていますから、プライマリーサープラスの将来予測が暗くなれば、国債の価値が下がるので、つまりお金の価値もいっしょに下がることが分かります。
さて、ここでモノやサービスなどの実態経済を基準にしてものごとを考えましょう。
たとえばビッグマックという単位を考えてもいい。
高給メロン1個は10ビッグマックです。
福沢諭吉が印刷してある日銀が刷った紙切れ1枚の価値は30ビッグマックです。
ビッグマックから見れば、プライマリーサープラスの将来予測によって国債の価値はまるで株価のように上がったり下がったりすることが分かるでしょう。
ビッグマックから見れば国債はまさに株式です。
株式なら、いくらたくさん発行しても会社がつぶれることはありませんね。

日本国政府がどんどん国債を発行して、将来の国の財政にみんなが悲観的になれば、株価のように国債の価格が暴落して、日本円の価値も暴落するだけです。
苦し紛れに増資しまくる会社の株価がどんどん下がるように、国債を日銀がじゃんじゃん買って日銀券をどんどん刷れば、同じように国債の価格もビッグマック単位でみれば暴落していくのです。
そして、日本円が紙くず同然になれば、日本国政府の借金も紙くず同然になるので簡単に借金を返せますし、そもそも新しく国債と言う名前の日本の株式を日銀にハメこんでしまえばいいので借金を返す必要もありません。
そう言う意味で、日本がどれだけ国債を発行しても、会社が借金を返せなくて倒産すると言うことは起きないのです。
ダメ経営でも借金のない会社は、株価が低迷してもつぶれないのと一緒です。

もし、外国通貨で日本が借金をしていれば、会社が倒産するのと同じように、国も倒産してしまいます。
なぜなら税収の見通しが立たずに自国通貨が下落してくと、外国通貨建ての借金はどんどん膨らんでしまうからです。
自国通貨の価値が下落すると、それにともない借金も軽くなっていく自国通貨建ての国債とは全く違います。
南米の国がたまにデフォルトしたりしますよね。
そうやって借金を踏み倒すと、踏み倒された国が軍艦を送って植民地にするのがちょっと前では普通でしたが、最近ではIMFが乗り込んできて紳士的に解決します。
ちょっとばかり返済期限を延ばしたり、社会福祉などの無駄遣いをカットして、すこしでも借金返済に当てるようにIMFが指導します。
つまり、外国通貨建ての国債は会社で言えば社債で、自国通貨建ての国債が会社で言えば株式だということです。
日本の場合はほぼ全てが自国通貨建てなので倒産することはありえないわけです。
そのかわり今は福沢諭吉が印刷してある日銀券が30ビックマックだけど、これが5ビッグマックとかに暴落するだけです。

ところで、こう言う形で国債が暴落すると、誰が大損ぶっこくのでしょうか?
それは当然、国債を持っている人であり、国債と一蓮托生の運命にある日銀券、つまり日本のお金をたくさん持っている人達です。
まさに文字通りのお金持ちの人たちです。
へんちくりんな会社の株を買った人が大損ぶっこくのとまったく同じではないでしょうか?

逆に企業が利益を出すためにどんどん努力すれば株価が回復するように、日本国政府がどんどん努力したらどうなるでしょうか?
つまり売上げを増やして、コストを減らすことです。
国の売上げとはつまり税金をアップすると言うことです。
コストを減らすとは社会福祉などの支出を減らすことです。
正直、国民としてはたまったものではありませんね。
日本の借金が大変だ大変だと騒いでいる人は、この不景気にそんなことをやろうとしているわけです。
とんでもない話ですね。

我々の日本国政府は田舎にへんちくりんな空港を作ったり、官僚の天下り先や政治家の利権のための半官半民のヌエみたいなへんちくりんな会社をたくさん作ったりして、莫大な無駄遣いをしていますから、それを削減してちょっとでも将来の財政を明るいものにすることが大切なことは言うまでもありませんが、財政を立て直すための増税と言うのは絶対に納得できませんね。
そんなことしたら子や孫の代まで、ふつうの労働者は、公務員や政治家に官僚、そして日銀券をたくさん持っている老人の資産家のために奴隷になれと言っているようなものです。
増税するぐらいなら国債増発して、株式の希薄化みたいなことをした方が何百倍もマシです。

こんなに財政状況を悪化させたつけを、若者や現役の労働者に押し付けないで欲しい。
ダメ会社の株価が暴落するように、こんなダメ会社の株券、つまり日銀券をたくさん抱えたお金持ちが財産をぶっ飛ばして、自分のケツは自分でふいて欲しいと思うのは僕だけでしょうか?
老人の社会福祉の負担は、他の老人の溜め込んだ日銀券で面倒をみればいいわけです。

しかし、日銀も財務省も金持ち優遇ばっかりで、必死で日銀券の価値を支えているんですよ。
トホホ。

日本国政府と日銀のバランスシート

参考資料
貨幣の経済学―インフレ、デフレ、そして貨幣の未来、岩村充
貨幣論、岩井克人


kazu_fujisawa at 13:09|PermalinkComments(170)TrackBack(13)この記事をクリップ!ファイナンス原論