金融日記

藤沢数希が運営するブログ。
金融・経済、Web関連ビジネス、書評、科学、恋愛工学などについて。

TOPIX: 2255.65, -2.3% (1w), +19.2% (YTD)
Nikkei225: 31259.36, -3.3% (1w), +19.8% (YTD)
S&P500: 4224.16, -2.4% (1w), +10.0% (YTD)
USD/JPY: 149.80, +0.0% (1w), +14.2% (YTD)
EUR/JPY: 158.55, +0.5% (1w), +13.0% (YTD)
Oil(WTI Futures): 88.75, +1.2% (1w), +10.6% (YTD)

 依然として米国債の下落(金利の上昇)が止まらない。米長期金利は5%台に乗っており、株式や不動産などのリスク資産の上値を抑え続けている。これが下落の主な原因ではないだろうが、中国政府なども米国債を売っているようだ。FRBの利上げはほぼ最終局面に達しており、インフレは収まりつつあるというのが市場のコンセンサスなのだが、イールドカーブはこの高い金利がずっと続くことを示唆している。あるいは、何らかのテクニカルな需給要因で米国債が売られすぎているだけなのだろうか。

●アングル:米長期金利5%乗せ、株式から不動産まで各市場に広がる動揺
https://www.reuters.com/article/usa-markets-yields-idJPKBN31K07Q

●中国の米証券売却が4年で最大−人民元買い支え資金確保との観測も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-19/S2R7QZT1UM0W01

 米国では主要企業の決算発表が続いているが、ネットフリックスとテスラで明暗を分けた。ネットフリックスは、アカウントの使い回しなどを厳しく取り締まり値上げも行ったが、予想を上回る契約者数を記録し株価が大きく上昇した。一方、テスラの方は高すぎる期待を決算で超えることができなかった。テスラは依然としてアメリカを代表する有望なテック企業であることは間違いないが、中国のBYDなどの電気自動車が安価に販売される中で、テスラもすでに大衆車のようになっており、現在のあまりに高すぎるバリュエーションが維持できなくなってきている。

●ネットフリックス、四半期契約者が予想上回る900万人増 米英仏で値上げ
https://jp.reuters.com/business/6YXAGUZI55OKDORLO2DDSXB5BI-2023-10-18/

●テスラ株一時11%下落 減益決算と新型車立ち上げ懸念で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19E6Y0Z11C23A0000000/

★イスラエル軍に電気を止められているガザ地区の惨状も電気自動車メーカーにとってはネガティブな影響もありそうだ。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1712348742136086627

 ハマスの奇襲攻撃を受けたイスラエルであるが、ハマス殲滅を目的にしたガザ地区への地上侵攻は、まだこの原稿を書いている時点でははじまっていない。親パレスチナのデモが欧米で吹き荒れる中、当初はガザ地区のパレスチナ人はもちろん、人質の救出もさほど優先しなくて良い、という雰囲気だったアメリカやEUが、民間人の犠牲を少なくするようにと注文をつけはじめている。
 すでにイランのプロキシと考えられているレバノンの武装勢力ヒズボラと局所的な交戦が始まっており、中東で反イスラエル感情が高まる中、この戦争がイスラエル内に収まるかどうか見極める必要があろう。

●週刊金融日記 第595号 読めば5分でわかるガザ地区を統治するハマスのイスラエル奇襲作戦の背景と今後の戦争の展望、他
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52224032.html

●週刊金融日記 第596号 10分でわかるハマス奇襲攻撃に至る歴史的経緯と今後のイスラエル軍のガザ地区大規模地上侵攻について、他
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52224318.html

米個別銘柄の週間パフォーマンス(2023/10/13-2023/10/20)
米個別銘柄の週間パフォーマンス
出所: Google Finance, Yahoo!Finance

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日本株
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
出所: 日経新聞社

サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス(2023/10/13-2023/10/20)
サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス
出所: 東証、日経新聞社、セクター指数はTOPIX17業種

個別銘柄の週間パフォーマンス(2023/10/13-2023/10/20)
個別銘柄の週間パフォーマンス
出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス

直近1年のドル円とユーロ円の推移
直近1年のドル円とユーロ円の推移
出所: セントラル短資

イールドカーブ(2023/10/20)
イールドカーブ
出所: Bloomberg.com

主要通貨の週間パフォーマンス(2023/10/13-2023/10/20)
主要通貨の週間パフォーマンス
出所: セントラル短資

外国株とコモディティ
外国株とコモディティ
出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com

地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD](2023/10/13-2023/10/20)
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD]
出所: iShares: MSCI Japan (EWJ), MSCI Kokusai (TOK)、MSCI Core Europe (IEUR), MSCI All Country Asia Pacific ex Japan (AAXJ), MSCI Emerging Markets (EEM), GLOBAL REIT ETF (REET). Bloomberg.com: Oil WTI Futures (CL1), Gold Futures (GC1)

今週のマーケット・イベント

10月23日(月)
岸田首相所信表明演説
休場:香港(重陽節)

10月24日(火)
米10月S&Pグローバル製造業PMI
ユーロ圏10月製造業・非製造業PMI
決算:米Alphabet、米Microsoft、米Visa、米General Electric、米Coca-Cola、他

10月25日(水)
米9月新築住宅販売
独10月Ifo景況感指数
決算:米Meta、米Boeing、米IBM、他

10月26日(木)
米7-9月期GDP(速報)
米9月耐久財受注
ECB定例理事会(ラガルド総裁会見)
EU首脳会議(ブリュッセル、-10/27)
決算:武田、キヤノン、富士通、米Amazon、米Intel、米Mastercard、他

10月27日(金)
日10月都区部消費者物価指数
米9月個人消費支出・個人所得
決算:キーエンス、信越化、日立、コマツ、野村、中部電、米Exxon Mobil、他

10月28日(土)

10月29日(日)

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第596号の目次です。

●週刊金融日記 重要バックナンバー(夜間飛行)
http://yakan-hiko.com/PU14

●週刊金融日記 重要バックナンバー(まぐまぐ)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52160749.html

●週刊金融日記 重要バックナンバー(note)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52021876.html

==============================
// 週刊金融日記
// 2023年10月17日 第596号
// 10分でわかるハマス奇襲攻撃に至る歴史的経緯と今後のイスラエル軍のガザ地区大規模地上侵攻について
// 世界中で親パレスチナのデモが吹き荒れる
// 香港の美味しい中東料理のレストラン
// 30代月収10万円ですが結婚できますか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 この一週間は、イスラエルの戦争やパレスチナ問題について、膨大なニュースを追いながら、いろいろ勉強していて大変でした。
 しかし、おかげで、Al Jazeera、BBC、CNNなどが、どうやってこういう問題を報じるのかよくわかり、一気にメディアリテラシーが高まったように思います。また、アメリカ人、ヨーロッパ人(大きすぎるくくりで怒られそうですが)、中東の人たちが、こうした重大問題に、どう反応するのかの理解もかなり進んだように思います。
 この中では、当然ですが、CNNが一番イスラエル側の立場で報道しており、BBCがやや中立的で(もちろん大きなくくりでは当たり前ですがイスラエル側です)、AlJazeelaがパレスチナ問題に焦点を当てていました。

★アメリカのCNNによる世論調査では、年齢によって、大きな差が出ています。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1713817272320655454

 冒頭のコラムには、今回のハマスvsイスラエル戦争の背景知識についてまとめました。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 銀行の定期預金金利が上がるニュースを見ました
- 法人口座に残ってしまう円資産はどうしたら良いでしょうか
- 独立して30代月収10万円ですが恋愛工学を使えば結婚できますか

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.10分でわかるハマス奇襲攻撃に至る歴史的経緯と今後のイスラエル軍のガザ地区大規模地上侵攻について

 先週、僕はたまたまイスラエルに土地勘があって、メルマガの配信日のタイミングがちょうど良かったこともあり、他のメディアよりも早く、まとまったハマスの奇襲テロの記事を配信できました。いま読むと、背景の説明が足りないし、いろいろ踏み込めていないですね。個人的にイスラエルに悪い印象がなかったので、すこしイスラエル寄りだったようにも思います。十分な記事ではなかったのですが、7日に起きたこの重大なテロ事件のその後のニュースを追っていくための基礎知識としてはかなり役に立ったと思います。
 金融のニュースもそうですが、こういう紛争のニュースも、いまでは一番最初にXに情報が上がってきます。その後、通信社などが配信し、それからBBCやAl Jazeeraなどのメディアで放送され、まとまった記事が掲載されます。残念ながら日本のメディアはこうした国外の重大事件についてあまり取材力がありませんから、海外のメディアの情報をまとめて、最後に日本のメディアで放送や記事になる、というのが一般的な流れです。今回のイスラエルへのハマス奇襲を見たらわかると思いますが、イスラエル軍の現場の指揮官とかがメディアに何か言う前に、もう最初にXに何か書いちゃったりするわけですから、Xに最初に情報が出てくるのは当たり前なんですよね。
 というわけで、僕のXは、イスラエル情勢については、これまでほぼ最速で次々と起こる出来事をキュレートできていたわけです。

『週刊金融日記 第595号 読めば5分でわかるガザ地区を統治するハマスのイスラエル奇襲作戦の背景と今後の戦争の展望』

 イスラエルとパレスチナの問題は、日本やアメリカのような現代の先進国で生きる人々まで関係ある人類の歴史の中で、最も深刻にいろいろ煮詰まっている問題で、ある意味で、アメリカが中心にある西側諸国(日本もこちらに入っています)の身の毛がよだつほど恐ろしい暗部であります。暗部と言っても、隠されているわけもでなく、公然のもので、国連などの国際機関で働く人たちや、民族紛争や難民問題などにくわしい研究者やジャーナリストなどが、問題の解決を訴えてきましたが、僕も含めて、ふつうの人はふだんは無関心なわけです。皮肉なことに、この西側諸国の最も暗い部分に、許されないハマスのテロによって光が照らされることになってしまいました。
 このように、パレスチナ問題は、一般人の無関心さとある種の西側メディアのバイアスによって黙認され続けてきたわけですが、すでに、教科書、ブログ、YouTubeなど、いろいなところに良質なアーカイブがあります。僕が出来の悪いものを作るよりは、この一週間で見つけた良質なコンテンツをいくつか紹介したほうがいいでしょう。
 今週号では、パレスチナ問題のまとめ動画で、まずは5分ほど(2倍速以上を想定)で歴史の復習をしたあとに、ナチスが行ったジェノサイド(民族・人種集団を計画的に根絶しようと虐殺すること)を振り返りたいと思います。これが恐ろしいほどいまのイスラエルでも示唆的です。最後に、イスラエル軍の地上戦突入の短期予測と、これから起こるであろう悲劇的な事件後の世界への影響について考えたいと思います。

●ナチス、ジェノサイドへの道 "The Path to Nazi Genocide"
https://www.youtube.com/watch?v=_hL9fVT1Vas

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2.今週のマーケット

●イスラエル軍のガザ地区大規模地上侵攻カウントダウン、世界中で親パレスチナのデモが吹き荒れる(金融日記 Weekly 2023/10/6-2023/10/13)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52224265.html

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3.ブログではいえないお店

- 香港の美味しい中東料理のレストラン

 香港は移民の都市なので、いろんな国の美味しい料理が食べられます。日本でも美味しいタイ料理なんかはたくさんあるのですが、残念なのは、日本はベトナム料理が少ないことですね。ベトナム料理って野菜がとにかくたくさんですし、味付けも西洋料理や中華料理と違って、油や脂をほとんど使わないんで、とにかくヘルシーなんですよね。『美味しんぼ』で読みましたが、昔、ベトナムの情勢が不安定なときにボートピープルとして香港にベトナムから難民がたくさん来て、それでベトナム料理が多いんでしょうか。

★ベトナムのバインミーというサンドイッチは、フランスの植民地にされていた歴史で、フランスパンで野菜と肉を挟むんですがとても美味しいです。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1709817892941054321

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4.藤沢数希の身もフタもない人生相談

- 銀行の定期預金金利が上がるニュースを見ました

最近の債券投資について質問です。
けっこう債券ETFを買っていましたが、最近、いくつかの銀行が米ドル定期預金金利を5-6%に上げるニュースを見ました。

●ドル定期預金で高金利競争 SBI新生銀、年6%に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75015630U3A001C2EE9000/

これでしばらく高止まりするなら、もうノーリスクの定期預金で充分良いように感じます。
米国国債すらみんな買わなくなる、しばらくは買わない方が良いように思うのですがいかがでしょうか。・・・

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TOPIX: 2308.75, +2.0% (1w), +22.0% (YTD)
Nikkei225: 32315.99, +4.3% (1w), +23.8% (YTD)
S&P500: 4327.78, +0.4% (1w), +12.7% (YTD)
USD/JPY: 149.79, +0.9% (1w), +14.2% (YTD)
EUR/JPY: 157.81, +0.8% (1w), +12.4% (YTD)
Oil(WTI Futures): 87.69, +5.9% (1w), +9.3% (YTD)

 7日、イスラエルがガザ地区を統治するイスラム系武装勢力ハマスに奇襲攻撃を仕掛けられ、1000人規模の中東戦争でも見なかった数の犠牲者を出し、テロとの戦争がはじまってしまった。刻一刻と状況が変化しており、日に日に緊迫感が高まっている。この戦争についての詳細は今週のメルマガに書くが、マーケットへの影響としては、いまのところ大きくはないようだ。
 天井のない監獄と言われるガザ地区に住む230万人のパレスチナ人に対する壮絶な人権侵害などの矛盾を抱えつつも、イスラエル自体は富裕で安全な国であり、テック系の企業が多く上場されている。しかし、資源があるわけでもなく、イスラエル経済自体は世界経済の中では大きくない。この紛争がイスラエル内に留まる限り、人道的に極めて重大な問題である一方、マーケットへの影響は軽微なはずだ。イランなどにも戦火が広がると、まったく違った話になるが、それも確率的にはテイルリスクのひとつ程度であろう。いまのところ、中東での地政学リスクの上昇で、原油価格と金価格が上がった程度である。
 イスラエル軍はガザ地区の水と電気と食料の供給を数日前から止めており、多大な民間人を巻き込みながらもハマス殲滅を目指し、大規模な地上戦を繰り広げると見られている。月曜か火曜には空爆だけではなく、ガザ地区への地上侵攻が始まっていそうだ。

●NY原油先物価格 一時1バレル=87ドル台に 中東情勢への懸念で
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231014/k10014225211000.html

●【随時更新】イスラエル首相 ガザ地区大規模地上侵攻 強く示唆
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231016/k10014226221000.html

★ロンドン、ニューヨーク、パリ、ミラノ、シドニーなどで、イスラエル軍によるパレスチナ人の虐殺を止めようとする大規模なデモが起こっている。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1713171700735770696

★外交や国際政治、紛争の専門家たちは、従来どおりに地政学的な見地からイスラエルの戦争を見ているが、世界各地で吹き荒れるパレスチナ支持の大規模デモの政治へに影響の方が、いろいろと興味深い変化をもたらすのではないか、というのが筆者の見立てだ。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1713515432957870527

米個別銘柄の週間パフォーマンス(2023/10/06-2023/10/13)
米個別銘柄の週間パフォーマンス
出所: Google Finance, Yahoo!Finance

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日本株
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
出所: 日経新聞社

サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス(2023/10/06-2023/10/13)
サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス
出所: 東証、日経新聞社、セクター指数はTOPIX17業種

個別銘柄の週間パフォーマンス(2023/10/06-2023/10/13)
個別銘柄の週間パフォーマンス
出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス

直近1年のドル円とユーロ円の推移
直近1年のドル円とユーロ円の推移
出所: セントラル短資

イールドカーブ(2023/10/13)
イールドカーブ
出所: Bloomberg.com

主要通貨の週間パフォーマンス(2023/10/06-2023/10/13)
主要通貨の週間パフォーマンス
出所: セントラル短資

外国株とコモディティ
外国株とコモディティ
出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com

地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD](2023/10/06-2023/10/13)
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD]
出所: iShares: MSCI Japan (EWJ), MSCI Kokusai (TOK)、MSCI Core Europe (IEUR), MSCI All Country Asia Pacific ex Japan (AAXJ), MSCI Emerging Markets (EEM), GLOBAL REIT ETF (REET). Bloomberg.com: Oil WTI Futures (CL1), Gold Futures (GC1)

今週のマーケット・イベント

10月16日(月)
米10月ニューヨーク連銀景気指数

10月17日(火)
米9月小売売上高
米9月鉱工業生産
米8月対米証券投資
決算:米Goldman Sachs、米Bank of America、米Johnson & Johnson、米Lockheed Martin、他

10月18日(水)
日9月首都圏マンション発売
日9月訪日外国人客数
米9月住宅着工件数
米ベージュブック(米地区連銀経済報告)
中国7-9月期GDP
中国9月鉱工業生産
中国9月小売売上高
決算:米Tesla、米Morgan Stanley、米Netflix、他

10月19日(木)
日9月貿易収支
米10月フィラデルフィア連銀景気指数
米9月中古住宅販売
決算:台湾TSMC、他

10月20日(金)
日9月全国消費者物価指数
日臨時国会召集
中国10月の最優遇貸出金利

10月21日(土)

10月22日(日)

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第595号の目次です。

●週刊金融日記 重要バックナンバー(夜間飛行)
http://yakan-hiko.com/PU14

●週刊金融日記 重要バックナンバー(まぐまぐ)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52160749.html

●週刊金融日記 重要バックナンバー(note)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52021876.html

==============================
// 週刊金融日記
// 2023年10月9日 第595号
// 読めば5分でわかるガザ地区を統治するハマスのイスラエル奇襲作戦の背景と今後の戦争の展望
// イスラエルで戦争がはじまった
// 深センの電気街である華強北に行ってきました
// 大久保公園の立ちんぼはなぜ逮捕されたのか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 香港は本日は台風が来ていて、僕は家に籠もって、このメルマガ原稿を書いていました。香港国際空港には、次から次に飛行機が到着するんですが、バスや電車が止まっており、空港内に人がどんどん溜まって、大変なようですね。

●Typhoon Koinu strands hundreds at Hong Kong airport as storm pummels city with gale-force winds, injuring 22
https://www.scmp.com/news/hong-kong/health-environment/article/3237198/typhoon-koinu-hong-kong-issues-t8-signal-suspends-flights-some-public-transport-and-closes-schools

 週末にXの僕のTLを見ていたら、イスラエルが攻撃されている様子が流れてきて、あれよあれよという間に、また、戦争がはじまってしまいました。

★ガザ地区を統治するハマスは、イスラエル正規軍と比べて圧倒的に劣勢な軍備ですが、数千発のミサイル攻撃と共に、陸海空からイスラエル領域に戦闘員を侵入させ、大規模な奇襲攻撃を成功させました。イスラエル政府はすぐさま報復に動き、瞬く間に戦争状態に突入です。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1710573488782893183

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- インボイス制度とは何かとなぜ揉めているかをご教示ください
- 新NISAで「貯蓄から投資」になると米国株の方が人気でドルを買うために円が売られるのでは
- 大久保公園の立ちんぼが逮捕されたのはどういう罪状ですか

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.読めば5分でわかるガザ地区を統治するハマスのイスラエル奇襲作戦の背景と今後の戦争の展望

 僕は諸事情でイスラエルは割と身近な国です。というのも、イスラエルって物理学の研究と金融産業でめちゃくちゃ強いんですわ。僕は最初は物理の研究者をしていて、そのあとずっと金融業で働いていましたから、イスラエル出身の人とは何かと接点がありました。PhDを取った後、外資系金融機関からいいオファーがもらえなかったら研究者を続けようと思っていて、その時に、オファーをもらえそうで、行こうとしていたのがアメリカの国立研究所で、そこの物理シミュレーションのラボのボスがイスラエル人でした。イスラエルは兵役がありますから、実際にイスラエル軍で銃を持って戦線に出ていた人でした。その人は気性が荒いらしく、あそこは行かないほうがいい、と共同研究していた人に忠告されましたが、僕は面白そうじゃん!と思っていました。証券会社からいいオファーがもらえなかったら、イスラエル軍上がりの物理学者のところで、研究を続けていたかもしれません。
 また、『ヴェニスの商人』を持ち出すまでもなく、昔は金融業は売春業などと同様に差別される産業だったので、歴史的にユダヤ人たちが担っていて、そして、力を持っていました。いまでも、世界的な金融機関で働いている人は、ユダヤ系が多いように思います。実際に僕が証券会社で働いていた時も、イスラエル人の同僚はけっこういましたし、ユダヤ教の帽子=キッパーをかぶっている人も海外のオフィスではよく見かけました。
 先日、マンハッタン計画のリーダーだった物理学者のオッペンハイマーの映画を見ましたが(なぜか日本では上映されていません)、オッペンハイマー自身がまずユダヤ系です。当時、ナチスのドイツがユダヤ人の絶滅政策を行っていたので、欧州からアメリカに逃げてきた優秀なユダヤ系の科学者たちが、アメリカで原子爆弾を作るプロジェクトに加わりました。

●映画『オッペンハイマー』
https://eiga.com/movie/99887/

 このようにユダヤ人たちは、現代社会にとって極めて重要な軍事と科学と金融の世界で活躍しております。さらに、最近はIT分野で強いです。ユダヤ教の宗教的信念と、遺伝的な優秀さや教育熱心な文化が彼らの強みだと思うのですが、その強さゆえに、他の民族からは脅威と見なされ、歴史的に迫害されてきたのかもしれません。
 祖国を追われ、世界に離散し、科学や金融という重要な分野で活躍していたユダヤ人たちが、悲願の自らの国を再び作ろう、と中東のパレスチナの地で、1948年にイスラエル独立宣言をして、イスラエルという国ができました。パレスチナの地にあるエルサレムには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、それぞれの聖地があります。こうして、とうとうユダヤ人の国ができたのです!
 めだたし、めでたし。

 いまのイスラエルがどういう国かというと、2.2万平方キロメートル(日本の四国程度)のところに、約950万人が暮らしています。ユダヤ人(約74%)、アラブ人(約21%)、その他(約5%)、という民族構成です。一人当たりGDPは約5.5万USD(約800万円)で日本人よりだいぶ金持ちです。さらに出生率は約3.0で、先進国の中でこれほど高いのはイスラエルだけです。人口ピラミッドも非常に若いです。
 面白いのがヘブライ語という言語で、旧約聖書なんかがヘブライ語で書かれていたのですが、この古典語は口語としては滅亡したのですが、なんと19世紀末ぐらいにユダヤ文化復興運動の中で、再び口語として復活を遂げました。一度滅亡したのに復活した唯一の言語であり、これがイスラエルの公用語です。イスラエルは移民の国ですので、多くの国民が英語も話しますし、大学教育は英語とヘブライ語で行われますが、このヘブライ語がイスラエル人たちの第一言語なのです。・・・

・・・

 さて、このようにイスラエルは、かなり上手くいっている先進国で、金持ちで、安全で、出生率も高いのですが、問題がないわけではありません。ふつうに考えればわかると思いますが、ユダヤ人が、中東に勝手に国を作ったら、元々パレスチナの地に住んでいた人たちや、こういうことを快く思っていない周辺のイスラム教のアラブ諸国がどう思うか、と。もちろん、とてつもなく大変なことになるわけです。

・・・

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2.今週のマーケット

●米国債ロングvs米国株ショートは大股割き、ハマス奇襲!イスラエルで戦争勃発(金融日記 Weekly 2023/9/29-2023/10/6)
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52224001.html

・・・

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3.ブログではいえないお店

- 深センの電気街である華強北に行ってきました

 先日は、中秋節-国慶節の中国の大型連休で、さらに国慶節は香港のビクトリアハーバーですごい花火大会があるというので、中国から香港に大量に観光客が来ますので、旅行は基本的に逆張り戦略が正しいので、僕は逆に久しぶりに深センに旅行に行ってきました。

週刊金融日記 第576号 AlipayHKをインストールして深センに行ったら新世界への扉が開いた

 前回の復習をしておくと、香港のSIMだとデータローミングで中国の金盾関係なくなるので、なんでも使えます。あと、いまはAlipayHKが海外のクレジットカードでもチャージ出来て、これが中国国内でも使えるので、キャッシュレスの中国本土でも快適です。この辺の話は、バックナンバーに書きました。
 そして、いま日中関係が悪くなって、日本人の中国本土入国ビザ免除が停止されているので、ふつうに2週間以上前にビザを申請して…、と大変なんですが、皇崗口岸(Huanggang Kouan)というバスで行く香港-中国のボーダーで、On-the-spot visa(その場で発行してもらえるビザ)が発行してもらえて、これで中国本土に入れるという裏ルートがあります。これもバックナンバーに書いてあります。

★日本人は275人民元(約5500円)でビザを発行してもらえます。国によって値段が違うんですけど、これは基本的に中国人がその国に行く時に必要なビザ費用にマッチさせているとのことです。
https://twitter.com/kazu_fujisawa/status/1708362125993972116

・・・

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4.藤沢数希の身もフタもない人生相談

- インボイス制度とは何かとなぜ揉めているかをご教示ください

藤沢所長、いつもメルマガ楽しく読んでおります。
次郎と申します。
ツイッターを見ていると、消費税のインボイスというものの導入で喧々諤々と議論されており、どうやらそれが10月から実施されたようです。
恥ずかしながら、すっかりこの話題をフォローしておりません。
「ググれ、カス!」と言われても仕方ない質問で恐縮ですが、藤沢所長のとてもわかりやすい語り口で、インボイスとは何か、何で揉めているのか解説してもらえないでしょうか。
なにとぞよろしくお願いいたします。

- 藤沢数希の回答

消費税というのは、基本的に欧州なんかの付加価値税(Value-Added Tax、VAT)を取り入れたもので、みんな買った分の10%と思っているんですが、そうではなくて・・・

・・・

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