みなさん、こんにちは。
藤沢Kazuです。
昨夜は女友達とふたりでワインを2本も空けて、朝までパンパンしていました。
おかげさまで、少しずつですが鬱病が治りつつあります。

さて、今日は日本の競馬の勉強をしましょう。
丁半博打の期待リターンは-5%だったのですが、競馬の期待リターンは何%か分かりますか?
なんと-25%です。
1万円賭けると、平均的には7500円しか返ってこない計算です。

しかし、-25%と言う数字がどれほど強烈なものなのかピンと来ない人も多いと思います。
世界で最も成功した投資家で、資産が5兆円もあるウォーレン・バフェットの過去40年間の年平均リターンが20%ちょっとです。

ちなみに資産が5兆円もあると銀行の利子だけで、毎月自家用ジャンボジェット機が買えたりします(笑)。
日本のサラリーマンの生涯賃金が3億円だとすると、すでに日本のサラリーマン1万6千人が一生働いても稼ぎきれないようなお金を持っていると言うことになりますね。

複利の効果は強烈ですから、毎年20%のリターンと言うのは実はとてもすごいことなのです。

複利20%の効果

この図を見れば、元手を100万円で初めても、毎年20%増やせたら20年で40倍の4000万円弱になっていることが分かります。

ところで、この20%のリターンと言うのは1年間のリターンです。
しかし、JRAが開催する競馬は、たったの3分間のレースで-25%と言う強烈な負のリターンを実現してくれます。
今回は、世界一金持ちの投資家バフェットの平均リターンを逆さまに回すとどうなるのか、ちょっと考えて見ましょう。

渋谷の場外馬券発売場、通称ウインズ(←名前がギャグですね)とかに行けば、ニコチン中毒の将来に何の希望も見出せない小汚い親父が馬券を握り締めながらTV画面を食い入るように見つめている様子を観察することが出来ます。
このゲームの参加者はそれぞれ思い思いの馬にお金を賭けます。
例えば、どの馬が1等になるかを当てる単勝式馬券では、3番の馬が勝つと思えばその馬に好きなだけ賭けることが出来ます。
レースが始まる数分前に投票は締め切られオッズが計算されます。
JRAはどの馬が勝っても、集まった金額の75%が支払われるようにオッズを決めるのです。

例えば、3頭しか出走しないレースを考えて見ましょう。
計算を簡単にするため単勝式のみを考えます。
1番の単勝馬券に25億円、2番に5億円、3番に70億円集まったとしましょう。
それではこの場合オッズはどうなるのでしょうか?
JRAは75%を還元しなければいけないので、どの馬が勝っても75%の還元率になるようにオッズが決まるだけです。

1番が勝ったとしましょう。
このレースでJRAが集めた25+5+70=100億円の75%ですから、75億円を1番の単勝馬券を買った人に配当しなければいけません。
25億円が75億円になって返ってこればよいので、1番のオッズは75を25で割って3.0倍になります。
人気のない穴馬2番のオッズは75を5で割って15.0倍です。
大本命の3番は75を70で割って四捨五入すると1.1倍になります。

要するに、JRAは集めた金額の25%を毎回無リスクで、タダでさえ金がなくて困っている親父から収奪できるわけです。
丁半博打の場合、胴元は寺銭を貰えるので長期的に見ればほとんど確実に儲かりますが、それでも客がめちゃくちゃ運がよければ損する可能性も僅かにあります。
ところがJRAはどの馬にいくら賭けられているかを見てからオッズを決める「遅出しジャンケン」方式なので、絶対に損することがありません。
しかも、丁半博打の寺銭が実質5%なのに、その5倍の25%も強欲にもっていくのです。
これはものすごくおいしいビジネスです。

それでは、この25%のすごさを別の角度から見てみましょう。
簡単なシミュレーションをするために、状況を次のように簡略化します。
100人の親父がサラ金とかから調達した100万円を各自持って、朝早くウインズにやって来たとしましょう。
この親父たちは毎回、全ての金額を賭けるとします。
また、この親父たちは全員友達同士なので、スッテンテンになっても運良く勝っている親父から無利子でお金を貸してもらえるとします。
また、今日、競馬をやる人はこの100人だけだとしましょう。
今日は日曜日なので全部で12レースあります。

さあ、第1レースです。
100人の親父が所持金を全て賭けるので、合計1億円の金額がこのレースに賭けられたことになります。
運良く何人かの親父が的中させ、それ以外の親父がスッテンテンになります。
しかし、親父同士の友情でスッテンテンになった親父には無利子でたまたま勝っている親父からお金が貸し出されます。
結局、JRAは75%を配当するので、第1レースが終わった後にすべての親父の所持金を合計すると7500万円になっているはずです。

第2レースです。
スッテンテンになった親父も借金をしてまた全額を賭けます。
JRAは毎回75%を配当するので、第2レース終了後の親父の所持金を合計すると7500x0.75=5625万円になっているはずです。

以上を第12レースまで繰り返すと、100人の親父の所持金合計はいくらになっているのでしょうか?
答えはなんとたったの317万円です。
1億円もあった元本の97%をたった1日でJRAに収奪されてしまったのです!

しかし、競馬って言うのは、本当に良く出来たビジネス・モデルですね。
国家権力というのは、なんとも羨ましいものです。



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