みなさん、こんにちは。
藤沢Kazuです。

外資系投資銀行の業界では、そろそろボーナスの支払いが終わり、ファームを様々な理由で去る人たちが行き交う季節になりました。

この厳しいジョブ・マーケットの中でも20%−50%アップのサラリーでヘッド・ハントされていく人材がいます。
そして、もちろんみなさんのご想像の通り多くの人が解雇されました。

自らの意思で去る者は、銀行口座にボーナスを振り込まれる瞬間を確認して、上司、会社のトップと人事に電子メールで辞表を一斉送信します。
当然、引継ぎもしません。
なぜなら、ボーナスを貰ったらその会社は用なしなので、一秒たりとも金よりも大切な時間を無駄にしたくないからです。

そもそも、我々プレイヤーは20%アップ程度のサラリーでは転職は割に合いません。
所得税は当然のように最高税率なので、20%アップのサラリーでは実際には手取りでは10%しか増えないと言うことです。
また、新たにいちから起ち上げる大変さを考えると、さらに割に合いません。

「給料が減ったけどやりがいのある仕事が出来て幸せ」などと言う謳い文句をたまに聞きますが、あれはなるべくたくさん人を動かして儲けなければいけない人材斡旋会社の創り出した虚構です。
一流の人材は会社を移るときに必ず給料が上がります。
給料が下がっていいのは、引退するときか、自分で何か始めるときだけです。

一流の人材に去られてしまった会社は、そのことを反省しないといけません。
一流の人材が会社を辞めると一旦決意してしまえばそれを覆すのは難しいのです。
辞表を出されてから給料を多少上げるなどと言ったところで、それは遅すぎるのです。
なぜ、最初から適正な給料を払わなかったのでしょうか?
端的に言って、"Too late. Too little."なのです。

しかし、今年度は、このように会社を去る人の数倍、あるいは10倍以上の人たちが不本意な形で、ファームを去ったと思います。
自らの意思で去る人はボーナスが振り込まれた直後に辞表を出しますが、逆に能力の劣る人材をカットしたい会社はボーナスの発表直前に解雇します。
基本給は1500万円程度とほとんどタダみたいなものなので、ボーナスの直前に首にすれば会社側とすればタダで人を使えるからです。

例えばこんな感じです。

明日がいよいよボーナスの発表日。
社員はみんな心躍らせながら会社に出勤してきます。
すると、昼休みに何人かの社員が人事に呼び出されました。
そして、突然、「あなたのポジションは明日からもうありません。自らここで辞表を提出していくばくかの割り増し退職金を受け取ってください。もし、辞表を提出しないようなら会社側から解雇して、割り増し退職金は一切支払いません」と言われます。
そして、セキュリティー・カードを取り上げられて、二度とデスクには戻れなくなっています。
機密情報に簡単にアクセス出来たり大きなポジションが簡単に取れる金融機関では、解雇通告した社員をデスクにもう一度戻らせることはセキュリティー上リスクが大きすぎて危険極まりなのです。
後日、解雇された(正確には自ら辞表を出した)社員には段ボール箱で私物が郵送されます。

また、今年は、入社前の新卒の内定を取り消した外資系金融機関もあるようです。
日本の場合、新卒採用は独特で、オファーを出してから実際に入社するまでに一年以上のタイムラグがあるのです。
だから、その間にマーケットが急変してしまうと、このような事態も時には避けられないのです。
確かにそういった新卒は可哀相だと思いますが、それだって僕はしょうがないんじゃないかと思います。

この業界の新入社員は、何も仕事が出来ないのに最初から600万円〜ボーナス込みで1000万円程度の年収が約束されます。
これは一般的な企業だったら中堅クラスのベテラン社員の給料よりも高いのです。
だったら、当然、こういったリスクもある得ると考えるべきではないでしょうか。
内定取り消しに対するいくらかの違約金も払われているでしょうし。


閑話休題


僕としては、マーケットのボラティリティも高まってきて、ようやく面白くなってきたなーと言う感触を持っています。
今までは、馬鹿でもアホでもこの業界にいれば首にならずに金を稼げたわけですが、これからは淘汰が進んでいくでしょう。
そして、誰が本物なのかが分かってくるはずです。
やっぱり、いつ首になってもおかしくないってぐらいじゃないとサラリーマンとして眠くてしょうがないですね♪
デスクも風通しがよくなってきて、正直、僕はうれしいです。

これからは誰が本当に証券ビジネスを愛しているのか。
誰が本当に相場を愛しているのか。
金融に対する本当の愛の深さを問われるのです。