日本の食と農 危機の本質、神門善久
すばらしい本です。
なぜこのようなすばらしい本を今まで読んでなかったんだろうと後悔してしまいました。
農協や農業政策の暗部をこれでもかこれでもかと精緻に記述しています。
しかし、よくありがちな「悪玉の官僚と俗議員VS善玉の市民」と言う図式ではまったくありません。
日本のような民主主義国家ではそのような政治家や官僚を直接的、間接的に選んでいるのは国民ひとりひとりであり、また、実際の消費を通して商品を選別しているのもまた国民ひとりひとりであるからです。
いや、むしろ悪いのは市民ひとりひとりであると主張しています。
(僕は個人的には賞と言うものを高く評価していませんが)サントリー学芸賞、日経BP図書賞を受賞しているだけあって、非常にしっかりとした内容の本です。
日本の農業や食生活についてなんか語りたいなら、とりあえず本書を読んでからにした方がよいでしょう。
閑話休題。
バブルがはじけて不景気になると、いつも湧き出してくる議論に「自給率を上げろ」と言うものがあります。
僕は、いつもそう言った議論にほとほとあきれてしまいます。
日本こそグローバリゼーションや世界の自由貿易からもっとも恩恵を受けている国であり、このような世界の分業体制をみずから放棄することになんの国益も見いだせないからです。
日本のような国で自給率に固執して自給自足の生活を目指せば、それはアフリカやアジアの非常に貧しい国と同じような生活水準に国民を叩き落すことに他なりません。
自給自足を政策目標にしている北朝鮮の国民がどれほど貧しい暮らしをしているのかご存じないのでしょうか?
天候に怯えながら、家族総出でサツマイモを作ってくらしていく生活が本当にいいのでしょうか?
国防の観点からも自給率向上は意味がありません。
同盟国の国民が飢えに苦しんでいるときに、食料を与えないと言うのはどんでもなく緊迫した異常事態です。
日本はすでに石油をはじめ農業に必要な資源のほとんどを輸入に頼っているのです。
そのような非常に緊迫した局面になる前に石油などのほかの資源の輸入がストップして、そもそも農業など行えなくなっているはずです。
そもそも、他国を餓死させる必要があるような超異常な状況では、そんなまわりくどいことせずにミサイルを一発撃ち込めばいいのです。
日本としては戦争が起こったときのことを考えて自給率をあげようなんて小学生並みの発想で政策を決めるのではなく、今後も世界の分業体制から最大限に恩恵を受けられるように自由貿易の大切さを訴え世界に魅力的なハイテク製品を輸出して世界から最良の食材を輸入できるように、常に世界の国々と良好な関係を築くべきなのです。
すばらしい本です。
なぜこのようなすばらしい本を今まで読んでなかったんだろうと後悔してしまいました。
農協や農業政策の暗部をこれでもかこれでもかと精緻に記述しています。
しかし、よくありがちな「悪玉の官僚と俗議員VS善玉の市民」と言う図式ではまったくありません。
日本のような民主主義国家ではそのような政治家や官僚を直接的、間接的に選んでいるのは国民ひとりひとりであり、また、実際の消費を通して商品を選別しているのもまた国民ひとりひとりであるからです。
いや、むしろ悪いのは市民ひとりひとりであると主張しています。
(僕は個人的には賞と言うものを高く評価していませんが)サントリー学芸賞、日経BP図書賞を受賞しているだけあって、非常にしっかりとした内容の本です。
日本の農業や食生活についてなんか語りたいなら、とりあえず本書を読んでからにした方がよいでしょう。
閑話休題。
バブルがはじけて不景気になると、いつも湧き出してくる議論に「自給率を上げろ」と言うものがあります。
僕は、いつもそう言った議論にほとほとあきれてしまいます。
日本こそグローバリゼーションや世界の自由貿易からもっとも恩恵を受けている国であり、このような世界の分業体制をみずから放棄することになんの国益も見いだせないからです。
日本のような国で自給率に固執して自給自足の生活を目指せば、それはアフリカやアジアの非常に貧しい国と同じような生活水準に国民を叩き落すことに他なりません。
自給自足を政策目標にしている北朝鮮の国民がどれほど貧しい暮らしをしているのかご存じないのでしょうか?
天候に怯えながら、家族総出でサツマイモを作ってくらしていく生活が本当にいいのでしょうか?
国防の観点からも自給率向上は意味がありません。
同盟国の国民が飢えに苦しんでいるときに、食料を与えないと言うのはどんでもなく緊迫した異常事態です。
日本はすでに石油をはじめ農業に必要な資源のほとんどを輸入に頼っているのです。
そのような非常に緊迫した局面になる前に石油などのほかの資源の輸入がストップして、そもそも農業など行えなくなっているはずです。
そもそも、他国を餓死させる必要があるような超異常な状況では、そんなまわりくどいことせずにミサイルを一発撃ち込めばいいのです。
日本としては戦争が起こったときのことを考えて自給率をあげようなんて小学生並みの発想で政策を決めるのではなく、今後も世界の分業体制から最大限に恩恵を受けられるように自由貿易の大切さを訴え世界に魅力的なハイテク製品を輸出して世界から最良の食材を輸入できるように、常に世界の国々と良好な関係を築くべきなのです。