僕は個人的にホリエモンが好きである。
彼の物言いは時に人々の反感を買ったがうなずける部分も多々あった。
特に彼が言った「金で買えないモノはない」と言う言葉はその部分だけが切り取られ曲解され猛烈なホリエモン・バッシングに使われてしまった。
しかし、ホリエモンが本当に言いたかったことはお金と言うモノサシはフェアだと言うことである。
自由な市場経済は人間の醜い差別を克服する力を持っていると言うことである。
江戸時代の日本には士農工商と言って生まれながらに身分を固定する制度があった。
欧米にも肌の色や出自で将来が決まってしまう時代があった。
しかし、自由市場経済では誰にでもチャンスが与えられ、ルールを守って成功した者は巨万の富を得ることができる。
このことをホリエモンはすばらしいと言ったのである。
僕も全くの同感だ。


閑話休題。


ライブドア・ショックは改めて振り返ってみても(ホリエモンをはじめとする当事者の方々には非常に不謹慎な言い方だけど)めちゃくちゃ面白いドラマだ。
今まで読んだどんな経済小説よりもはるかに面白い。

株式交換による企業買収、トリッキーなファンド・スキーム、MSCBによる資金調達と言った様々な金融の仕組みが次々と登場する。
どんなに金融に詳しい作家でもこんなにたくさんの仕組みを思いつくなんて不可能だろう。
まさに現実は小説よりも奇なりである。

そして、そこには当然、会社を買う側買われる側の戦いがある。
ファンドによって一夜にして億万長者になってしまう良くも悪くも世界の金融バブルの一面を見ることもできる。
MSCBによって200億円もの金をわずか数週間で稼いでしまう外資系投資銀行。

そしてライブドア内部でも、仲間同士が信頼し合い、励ましあい、ひとつの目標に向かってつき進むが、最後には牢屋に入るかもしれないと言う極限状態で裏切りあうと言う本当にドラマチックな展開がある。

公認会計士の仕事の矛盾点も浮き彫りにする。
国家権力との戦いも見ものである。

以下の2冊は(ホリエモンにやや不利な内容で、少しでも責任を逃れたいと言う著者のポジショントークの部分をかなり割り引かないといけないが)本当に起こったドラマを赤裸々に僕たちに教えてくれる。
(本当に当事者の人達には申し訳ないが)ライブドア事件は経済小説としてはむちゃくちゃ面白い。

ライブドア監査人の告白、田中慎一
虚構―堀江と私とライブドア、宮内亮治

ホリエモンの日本経済の発展や日本の証券市場の成熟への貢献はいい意味でも悪い意味でも計り知れないほど大きかった。

結果はどうあれ本気でGoogleに勝とうとする起業家が今の日本にいるだろうか?
巨大な既得権益や国家権力に真正面から本気で立ち向かう勇気のある人は今の日本にいるだろうか?

最後まで国家権力に徹底抗戦とはホリエモンは本当の大物だ。
その辺、田中さん宮内さんは凄く優秀だけど普通の人だ。
でもホリエモンと言う人は本当に死ぬまで懲りない(笑い)。
いやー、こう言うホリエモン、個人的には好きだなー。

ライブドア劇場を理解するには、この2冊は必読の書である。
(ただし、田中さん宮内さんのポジショントークは割り引くべし)


PS:
しかしアレが検察の主張するように資本取引だったら、当然法人税はかからない訳で、修正申告したらライブドアは10億円以上の税金が戻ってくるわけですね。
そのとき国税はどう答えるのでしょうか?
国税の親分の財務省と東京地検特捜部の親分の法務省の間で見解の相違が見られたら本当にビッグジョークですね(ブラックすぎだなーwww)。