借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記、金森重樹

著者は地方出身で東大に入り平凡な学生生活を送っていた。
しかし、先物業者や悪い大人に騙されて、1億円を超える借金を背負いこんでしまう。
しかも、借金の理由が先物取引による「投機」と裁判所に判断され、自己破産することすら許されなかった。
とうとう田舎の両親の家にまでやくざの取り立てが来るのである。

このようにもともと頭がよくてもファイナンシャル・リテラシーがなかったがために著者はどん底までたたき落とされてしまうのである。

しかし、そこから会計やマーケティングの猛勉強をして、借金を返済するために債権者に紹介された不動産会社で死ぬ気で働き、そこで株式上場に関わるなどして、少しずつ這い上がっていく。

取り立て屋との戦い方、債権者との裁判、不動産の相場の読み方、会社の起ち上げ。
こう言ったことが非常に分り易く論理的に綴られている。
これを読めば、どん底から這い上がりひと財産築いた著者がただ単に運に助けられたのではないことがよく分る。

現代社会でお金に関して無知であると言うことはもはや犯罪なのである。

文章が平易なので最後までスラスラ読める。

なかなかいい本だ。