自民党や民主党が何をしようとしているのか、そしてその違いは何なのか未だによく分からない人も多いと思います。
このようなことを気にして自分はひょっとして政治や経済の知識が足りないのではないか? 自分はひょっとして頭が悪いのではないか?
自民党と民主党の政策を理解できないから、そんな風にして自分を責めてしまっている人もいるかもしれません。

しかし、大丈夫です。
僕もよく分かりません(笑い)。

このように民主主義の国では様々な人の利害が絡み合い、多くの国民は消費者であり同時に労働者であり、また年金などを通して実は同時に資本家でもあったりするので、政治の利害と言うのはなかなか複雑でよく分らないものなのです。

社会運動をしたりしている人も自分が何を言って何をしているのかよく分かっていなかったりします。
例えば、左翼系の人が労働者の搾取や貧困を救うために声高に叫んでいる政策はどれも絶望的に貧富や身分を固定化するものばかりなのは時に滑稽だったりします。

その点、独裁制の政治と言うのは非常に分かりやすい。
北朝鮮の権力者は学校教育や新聞やテレビを使って毎日国民を洗脳しています。
外から見れば明明白白なのですが、一部の権力者は国民を支配して搾取するためにこのようなことをしているわけです。
旧東ドイツの官僚は豊かな西側に逃げ出そうとする国民を縛り続けて支配するためにベルリンの壁を作りました。
大日本帝国では軍のエリートが「天皇陛下のために死ぬことは尊いこと」と国民を洗脳して、無実の若者を人間ミサイルにしたりやりたい放題でした。
独裁政治では、権力者が国民を洗脳したり暴力で強制したりしていかに都合よく支配するかと言うその一点において全く曇りがない。
本当に分かりやすい。

さて、前置きは長くなりましたが、僕はそろそろ文部省は日本人の英語無能化政策を解除する時ではないかと思っています。
支配する側の人間から見ると英語教育と言うのはやっかいなものです。
もし国民が自由に英語を喋れるようなったら世界最高税率の所得税や法人税を逃れるために優秀な日本人や日本の企業がどんどん海外に流出してしまうかもしれないからです。
さりとて欧米の技術を取り入れて国を発展させるためには国民に英語教育をせざるを得ないわけです。
日本の支配者は国民を縛りつけながら、且つ海外からの情報をどんどん収集したかったのです。

そこで、日本の優秀な官僚はこのふたつの相反する要求を満たすために世界にも例のない非常にすぐれた英語の教育システムを作り出したのです。

英文を日本語に機械的に置き換える非常に特殊な技巧を英語の義務教育の中心に添えました。
このような訓練を中学生の若い脳にくり返しくり返し強制することにより、見事に国民の英語のコミュニケーション能力を不能化することに成功したのです。
いちいち英語を前に行ったり後ろに行ったりしながら日本語に置き換えるために、この方法を教育された人は全く英語が話せなくなってしまうのです。
これは日本国の支配者にとっては非常に素晴らしいことでした。
英語のコミュニケーションができなくなるので日本人が海外に逃亡することを暴力を使わずに防ぐことができたからです。

そしてこの英語教育のすごいところは日本人は英語でコミュニケーションをとることができなくなるのに、英語の学術論文などは理解できるようになることです。

日本の官僚は日本人の英語のコミュニケーション能力を不能化させながらも、膨大な英語文献へのアクセスを可能としたのです。

この英語教育は戦後の日本の高度経済成長のカナメになりました。
世界中から英語の情報が日本に入ってくるのに、日本人は英語を読むことはできてもしゃべったり書いたりすることができないので、日本から海外へ情報が流出することがほとんど起きなかったのです。
この一方通行の情報の流れが戦後の日本の急速な工業化を可能にしたのです。

しかし、欧米先進国に追いついてしまい先進国病にかかってしまった日本では、この英語不能化政策はさまざまなほころびを見せはじめました。
やはり英語が得意ではないので外交力が非常に弱い。
また、文化の世界に対する発信がとても少ない。
さまざまな工業製品が世界の市場に対応できずにガラパゴス化してしまった。

とりわけ最も深刻な問題は世界一急速に進む日本の少子高齢化のために、ほとんどの企業は収縮していく日本のマーケットだけでは生き残れなくなってきていることです。
日本に閉じこもって世界から情報を輸入して、日本でモノを作ってそれを日本の市場で売っていればいいと言う時代ではなくなってしまったのです。

今や日本人や日本の企業は自ら世界に飛び出し、そこでどんどん自分たちの製品を売っていかなければダメなのです。
やはりそれには世界共通語である英語のコミュニケーション能力が必須なのです。

世界を見渡してみても、自国のマーケットだけではビジネスが成立しない小さい先進国の国民はほぼ例外なく英語ができます。
オランダやスウェーデンの中学生はみんなTOEFLで満点近い点数を取ります。

日本も自国のマーケットがどんどんシュリンクしていく時代になり、世界にどんどん飛び出していかなければやっていけなくなってきたのです。

やはりここはそろそろ文部省は日本人の英語不能化政策の解除を決断する時ではないでしょうか?