よく民主党は成長戦略がまったくないと批判されますが、この成長戦略と聞いて何をイメージするでしょうか?
成長戦略という言葉の受け取り方は経済にくわしい人とそうでないない人でおおきな隔たりがあるようです。

おそらく成長戦略といわれて、多くの人がエコとかバイオとかの産業振興策のことを思い浮かべるのではないでしょうか?
優秀な政治家や官僚がこれからの成長産業に対するビジョンをしめして国を引っ張っていくのです。

しかしまともな経済の専門家でそんかアホなことを期待している人は誰もいません。
今時先進国でお役人に新しい産業を作って欲しいなんて思っている人は誰もいませんし、またそんなことをしてもうまくいかないのは過去の実績が雄弁に物語っています。
そいうことをするのは民間の優秀な起業家であり投資家の仕事なのです。

ふつう「成長戦略」というとそれは戦略的な規制緩和と税制改革のことです。
世界から優秀な人材や企業を呼び込むにはどういうふうに不必要な規制を撤廃して、税制を変えなければいけないのかを考えるのが成長戦略なのです。

税制では、さまざまな識者に指摘されているように、日本は法人税が高すぎるので多くの企業がアジアの拠点を香港やシンガポールにシフトしています。
また、所得税も高すぎるので有能な個人も海外に流出しています。
最近の金融業界ではこの動きはものすごく顕著で、おおくの外資系金融機関がアジアの拠点を香港に移しました。
これからの世界の成長センターは中国を中心とするアジアなのですが、そのアジアの成長を支える金融センターの地位を東京は完全に香港に奪われるてしまった感があります。

日本国政府は今すぐにでも法人税を20%程度までさげて、所得税も15%程度のフラット課税にするべきです。
そして主な税収を安定した消費税にするべきなのです。
今年の法人税収は税還付のためにマイナスですし、来年も赤字の繰り越しでほとんど期待できないので、ここは法人税を一気に半分にするチャンスです。
また所得税の最高税率の50%もすでにラッファーカーブの山を越えているので、引き下げることによりかなり税収増を期待できます。
ロシアなどの例を出すまでもなく、所得税のフラット化で税収が増えるのはよくあることです。
また不必要な規制や関税を撤廃して徹底的な自由貿易を推進しないといけません。

残念ながら日本から今、富の源泉がどんどん流出しています。
先進国で富を作り出すのは人であり企業です。
正直、このままでは日本は大変なことになってしまうのではないでしょうか。

結局、グローバル経済のなかでうまく立ち回って経済成長させないと、最もしわ寄せを受け、辛い状況に置かれるのは、一番経済的に弱い人たちなんですけどね。
その弱い人たちが日本の潜在成長率を棄損し続ける政権や政策を支持しているというのは、本当に皮肉としかいいようがありません。


参考資料
「改革」はどこへ行った?―民主党政権にチャンスはあるか―、竹中平蔵
法人税収1.3兆円マイナス 今年度上半期、還付かさむ、2009年11月2日、Asahi.com
ロシア・ショック、大前研一
Laffer cureve, Wikepedia
成長戦略の中心は中国とのポジショニングだ - 池田信夫