最近、民主党政権のせいでずいぶんと日本の将来に悲観的なことをいろいろと書いていましたが、僕は実は日本の将来をすごく楽観的にみています。
日本のポテンシャルは非常に高いと思っているからです。

日本は香港やシンガポールに抜かれてアジアの中でどんどん落ちぶれていくようなことがいわれていますが、それは半分本当で半分嘘です。
半分本当だというのは、今の民主党政権のようなデタラメな経済政策で、支持団体への利益誘導や一部の党幹部の権力掌握ばかり考えているようだと、確かに日本は落ちぶれていくでしょうし、下手したら北朝鮮のような社会主義国家になる恐れさえあります。
しかし、日本の政治がまともになれば、また簡単にアジアの先頭を突っ走ることもできるでしょう。
これからの世界の成長センターはアジアなので、そこの先頭ということは、また世界でもっとも豊かな国になれるということです。

ところで香港やシンガポールはなぜあれほど豊かになったのでしょうか?
どんな成長戦略を実行したのでしょうか?
おどろくかもしれませんが、香港やシンガポールは実は何もしていないのです。
そのことを順をおって説明しましょう。

まず、香港やシンガポールは法治国家としてはそれなりに形になっていました。
法治国家というのは、法により国家権力を制限し個人の自由や権利が保護されている国家です。
実は市場経済というのは質の高い法律がしっかりと運用されていないところでは成立しません。
人のモノを盗んだり、契約を破棄したりしても、何の罰も科されないのだったら対等な取引が成立しないでしょう。
法が支配しない世界では、権力を持っている一部の者に服従する他なく、独裁国家になるか、マフィア経済になるかのどちらかでしょう。
そういう意味で、経済が発展する第一の必要条件はしっかりとした法治国家であるということです。

さて、それでは香港やシンガポールはどうやって経済を発展させたのでしょうか?
それは民間の経済活動を邪魔しないことを徹底したのです。
香港やシンガポールは自由貿易と自由な資本の移動を徹底的に推進しました。
シンガポールの食料自給率はほとんどゼロですし、香港の食料自給率も非常に低いです。
自由貿易で世界中の一番いい食材を一番安く買えばいいのです。
農家はどこの先進国でもたいてい政治力が強いので補助金入りの食料を世界中からどれだけでも買えます。
食料を買うたびにそれぞれの国の納税者のお金を貰えるようなものです。
今時、食料ほどあまっているモノはないのです。
また、金融取引を徹底的に自由化してアジアのお金の流れの中心になろうとしています。
非常に安い法人税などで、世界の金融機関をどんどん誘致しています。
マネーは完全にIT化、グローバル化しているので、金融機関がどこの国にあろうとやることはいっしょなのですが、たまたま金融機関がある国にたくさん税金が払われるので、金融機関をたくさん誘致すればするほど得なのです。
シンガポールなどは政府がみずから世界的な資産家や事業家、優秀な科学者などに手紙をだして移住してくれるように勧誘しています。
香港やシンガポールというのは、税金を安くして、世界からお金持ちやお金をたくさん稼げる会社や、お金をたくさん動かせる金融機関にどんどん来てもらっているだけなのです。
あんなにまったく資源がなくて、気候もたいしてよくないのに、そういう当たり前のことをするだけであれだけ豊かになれるのです。

それではこういったことを日本がやったらどうなるでしょうか?
法人税を15%フラット、所得税を10%フラットにして、あらゆる余分な規制を取り払います。
日本というのは、香港やシンガポールなんかよりも社会インフラがはるかに充実しています。
全国津々浦々まで新幹線が走っていますし、ご飯はおいしいし、治安もいいです。
また文化でも世界中の子どもがドラゴンボールをみていたり、黒澤映画が人気だったり、Nintendoのマリオもいたりして、香港やシンガポールなんかより圧倒的な存在感があります。
香港やシンガポールより税金が安かったら、世界中の多国籍企業が間違いなく東京にアジア拠点を置きますし、億万長者のヘッジファンドもみんな東京のオフィスからアジアに投資するでしょう。
ようするに日本は香港とかシンガポールと同じことをするだけで、簡単に圧倒的にアジアで独り勝ちできるのです。
軍事力だって圧倒的に日本の方があるのですから、外交で香港やシンガポールに負けることはありません。
つい最近も税金逃れのためにスイスに口座をもっていた多数のアメリカ人富裕層の情報を教えろと、アメリカはスイスに圧力をかけました。
スイスの法律では顧客の情報は絶対に漏らすことができません。
スイスではそういった顧客の利益に反することをすると牢屋に入るほどの犯罪になります。
しかしアメリカが執拗に政治的圧力をかけたので、最後はスイスの銀行も情報を開示せざるを得ませんでした。
このように小国には小国の悩みというのがあるのです。

日本の財政だって、もうすぐ政府債務が1000兆円にとどきそうですが、日本国政府は資産をたくさんもっているので、それを相殺するとおそらく国の借金は500兆円もないでしょう。
個人金融資産が1500兆円もあるのだから、日本人が財産の3分の1がなくなっちゃったとあきらめれば実はそれで済む話なのです。

また日本のメーカーは最近は台湾や韓国のメーカーにぼろ負けしていますが、それだって技術で負けているわけではありません。
日本のメーカーには莫大な特許収入がありますし、依然として世界最高水準の技術を持っています。
日本のメーカーが最近負けているのは、世界市場でのマーケティングがダメなだけなのです。
これだって今の無能な経営者に退場してもらって、アメリカ人の優秀な経営者を年収2、3億円払って連れてこればそれで済む話なのです。

もう一度いうと、税金を香港とシンガポール並みにして、関税を全部ゼロにして農業の保護をやめて、資本市場の規制を徹底的になくしてダメな経営者がM&Aなどで退場させられる仕組みを作って、へんな補助金とか一部の業界への参入規制とかを全部とっぱらうだけでいいのです。
そうするだけで日本はまた圧倒的にアジアで独り勝ちできるようになります。
今、民主党政権は政策のための財源がないと四苦八苦していますが、おどろくことに今いった政策を実行するのに財源はまったくいらないのです。
自由な経済活動を邪魔しているものを取り除くだけでいいからです。
経済が成長して国がどんどんリッチになっていけば、世界からどんどん移民がやってくるでしょう。
そういう優秀な移民をどんどん受け入れていけば、日本の少子高齢化問題もすぐに解決します。

しかし、こういうことが起こらないように必死で頑張っているのが、さまざまな利権団体の皆さんです。
そういう利権団体が選んだ政治家が経済成長を阻むヘンなことをいっぱいするのです。
そういう意味で、国民の一番の敵は実は政治家でも官僚でもなくて、その背後にいる国民なのです。

利権団体でも一番大きいところでせいぜい数百万人程度です。
どこの利権団体にも属していない国民の方が圧倒的に多いのです。
だからサイレント・マジョリティの人たちが正しく情報を共有して、どの政治家やどの政党が国益を犠牲にして一部の既得権者の利益を守ろうとしているのかを監視して、ネットなどのメディアでそういった政治家を徹底的に排撃していけばいいのです。
インターネットのメディアもどんどん成長していますし、そういうことはどんどん可能になっていくでしょう。

だから僕は日本の将来を楽観的にみています。