2010年02月26日
金融工学と経済学を勉強するためのベスト教科書セレクション(βバージョン)
将来、金融業界で働きたい学生や、すでに働いている真面目な人々もこのブログを読んでくれているようなので、今日はお勧めの教科書をいろいろ紹介したいと思います。
デリバティブ・プライシング理論 Derivatives Pricing Theory
Options, Futures, and Other Derivatives, JOHN C HULL
このハル本はこの分野のバイブルといわれており、デリバティブ関連の仕事をしている人やオプション理論を使っている人は、みんな一冊持っています。
デリバティブの分野では世界の標準テキストとしてNo.1の地位をゆるぎないものにしていますね。
確かに幅広い分野を網羅しているし、版を重ねるごとにクレジット・デリバティブやエネルギー・デリバティブなどの新しい話題を取り込み、どんどん洗練されていっています。
非常に丁寧な解説で間違いなくお勧めの一冊ですね。
しかし、この教授はこの本で一体いくら稼いだのでしょうか?
印税だけで億単位のお金を稼いでいることは間違いなさそうです。
うらやましいですね。
デリバティブの世界はもちろん英語なので、原著を読むことを強くお勧めしますが、日本語訳も出ています。
フィナンシャルエンジニアリング―デリバティブ取引とリスク管理の総体系、John C. Hull(原著)、三菱UFJ証券市場商品本部 (翻訳)
あと、日本語で軽く読める本として、次の本をお勧めしておきます。
多少エクイティにかたよっていますが、実際に現場ではどういう風に取引されているのかというのが背後の理論とともにわかりやすく解説されています。
デリバティブ・ビジネス入門―エクイティの現場ノウハウ、三田哉
→以前の書評
現代ポートフォリオ理論 Modern Portfolio Theory
この分野でこれはって教科書は残念ながら知らないですね。
Modern Portfolio Theory and Investment Analysis
なんかは標準的な教科書としていいとは思いますが、ポートフォリオ理論って教科書に載っているような形では実際にはまず使わないのですよね。
その辺の事情は拙著
でも書いたのですが。
僕としては、この分野はBarraとかのモデル・ベンダーの営業用の資料の方が教科書よりだいぶ役に立ちました。
いい教科書をみつけたら報告しようと思います。
企業価値評価 Corporate Valuation
この分野をまじめにやろうと思うと会計に詳しくならないといけないと思われますが、そこまで専門じゃなくてもやっぱりある程度わかっていないと恥ずかしいです。
多国籍企業のM&Aから町の中小企業の診断まで、守備範囲は広いので非常にたくさんのいい教科書が日本語でも英語でもでています。
僕は次の二冊が一番わかりやすかったと思います。
MBAバリュエーション、森生明
実践 コーポレート・ファイナンス―企業価値を高める戦略的財務、高橋文郎
もっと詳しく勉強したい人はさらに専門的な教科書に進んだ方がいいかもしれませんが、普通の人はこの二冊ぐらい読んでおけば十分でしょう。
経済学 Economics
正直いうと、経済学というのは一部の業務を除き、金融業界で働くのに直接は役に立ちません。
しかし、世の中の政治や経済の動きを理解するためには、知っておくといろいろ役に立つのではないかと思います。
ミクロ経済学の教科書としてはこの本がベストだと思います。
ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策、八田達夫
ミクロ経済学〈2〉効率化と格差是正、八田達夫
日本では、国民全体を幸せにする政策が、一部の既得権団体の一時的な不利益と対立してしまい、効率化政策をとるのが容易ではありません。
農産物の高い関税、正社員の過剰な保護、無駄な公共投資などなど。
この本では、ミクロ経済学の理論を、そういった日本の現状に当てはめてわかりやすく解説しています。
日本の問題点を浮き彫りにしつつミクロ経済学の理論を解説するという点に関して本書は傑出しています。
Macroeconomics, N. Gregory Mankiw
→以前の書評
マクロ経済学はGDPや失業率や金利などのマクロ変数の背後の深い関係を研究する学問です。
実際の仕事には直接には役に立たないのですが、ビジネスマンというのはとにかく床屋政談が大好きなので、マクロ経済学を知っていると床屋政談で一目置かれます。
またマクロ経済学を勉強すると、たとえば鳩山首相とかを上から目線で理路整然とdisることができます。
社会人として、GDPや貿易統計、国債金利のニュースが流れた時に、何か気のきいたことがいえないと、逆にみんなにdisられるので、社会的地位が低下してしまうかもしれません。
こういうことを考えればマクロ経済学を勉強しなければいけないことは明白でしょう。
僕の中ではマクロ経済学は今のところこのマンキューの最新版
がベストですね。
金融危機の後に書かれた教科書というのはかなりポイント高いです。
日本語で読みたい人は以前紹介したクルーグマンの教科書でも読むのがいいでしょう。
それではみなさんもたくさん勉強して人生を少しでも豊かなものにしましょう。
以上。
デリバティブ・プライシング理論 Derivatives Pricing Theory
Options, Futures, and Other Derivatives, JOHN C HULL
このハル本はこの分野のバイブルといわれており、デリバティブ関連の仕事をしている人やオプション理論を使っている人は、みんな一冊持っています。
デリバティブの分野では世界の標準テキストとしてNo.1の地位をゆるぎないものにしていますね。
確かに幅広い分野を網羅しているし、版を重ねるごとにクレジット・デリバティブやエネルギー・デリバティブなどの新しい話題を取り込み、どんどん洗練されていっています。
非常に丁寧な解説で間違いなくお勧めの一冊ですね。
しかし、この教授はこの本で一体いくら稼いだのでしょうか?
印税だけで億単位のお金を稼いでいることは間違いなさそうです。
うらやましいですね。
デリバティブの世界はもちろん英語なので、原著を読むことを強くお勧めしますが、日本語訳も出ています。
フィナンシャルエンジニアリング―デリバティブ取引とリスク管理の総体系、John C. Hull(原著)、三菱UFJ証券市場商品本部 (翻訳)
あと、日本語で軽く読める本として、次の本をお勧めしておきます。
多少エクイティにかたよっていますが、実際に現場ではどういう風に取引されているのかというのが背後の理論とともにわかりやすく解説されています。
デリバティブ・ビジネス入門―エクイティの現場ノウハウ、三田哉
→以前の書評
現代ポートフォリオ理論 Modern Portfolio Theory
この分野でこれはって教科書は残念ながら知らないですね。
Modern Portfolio Theory and Investment Analysis
その辺の事情は拙著
僕としては、この分野はBarraとかのモデル・ベンダーの営業用の資料の方が教科書よりだいぶ役に立ちました。
いい教科書をみつけたら報告しようと思います。
企業価値評価 Corporate Valuation
この分野をまじめにやろうと思うと会計に詳しくならないといけないと思われますが、そこまで専門じゃなくてもやっぱりある程度わかっていないと恥ずかしいです。
多国籍企業のM&Aから町の中小企業の診断まで、守備範囲は広いので非常にたくさんのいい教科書が日本語でも英語でもでています。
僕は次の二冊が一番わかりやすかったと思います。
MBAバリュエーション、森生明
実践 コーポレート・ファイナンス―企業価値を高める戦略的財務、高橋文郎
もっと詳しく勉強したい人はさらに専門的な教科書に進んだ方がいいかもしれませんが、普通の人はこの二冊ぐらい読んでおけば十分でしょう。
経済学 Economics
正直いうと、経済学というのは一部の業務を除き、金融業界で働くのに直接は役に立ちません。
しかし、世の中の政治や経済の動きを理解するためには、知っておくといろいろ役に立つのではないかと思います。
ミクロ経済学の教科書としてはこの本がベストだと思います。
ミクロ経済学〈1〉市場の失敗と政府の失敗への対策、八田達夫
ミクロ経済学〈2〉効率化と格差是正、八田達夫
日本では、国民全体を幸せにする政策が、一部の既得権団体の一時的な不利益と対立してしまい、効率化政策をとるのが容易ではありません。
農産物の高い関税、正社員の過剰な保護、無駄な公共投資などなど。
この本では、ミクロ経済学の理論を、そういった日本の現状に当てはめてわかりやすく解説しています。
日本の問題点を浮き彫りにしつつミクロ経済学の理論を解説するという点に関して本書は傑出しています。
Macroeconomics, N. Gregory Mankiw
→以前の書評
マクロ経済学はGDPや失業率や金利などのマクロ変数の背後の深い関係を研究する学問です。
実際の仕事には直接には役に立たないのですが、ビジネスマンというのはとにかく床屋政談が大好きなので、マクロ経済学を知っていると床屋政談で一目置かれます。
またマクロ経済学を勉強すると、たとえば鳩山首相とかを上から目線で理路整然とdisることができます。
社会人として、GDPや貿易統計、国債金利のニュースが流れた時に、何か気のきいたことがいえないと、逆にみんなにdisられるので、社会的地位が低下してしまうかもしれません。
こういうことを考えればマクロ経済学を勉強しなければいけないことは明白でしょう。
僕の中ではマクロ経済学は今のところこのマンキューの最新版
金融危機の後に書かれた教科書というのはかなりポイント高いです。
日本語で読みたい人は以前紹介したクルーグマンの教科書でも読むのがいいでしょう。
それではみなさんもたくさん勉強して人生を少しでも豊かなものにしましょう。
以上。
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1. 80年サイクル [ Just Another Day in the Life of KC ] 2010年02月28日 06:29
藤沢数希さんの Chikirinの日記 破壊の70年サイクルというツイートを読んで、20年近く前に自分も似たような研究をした事を思い出した。 以下は1991年私がまだ大学院生だった頃の研究の一部を抜粋し、ちょっと手を加えて日本語に訳したもの。
下の図でも明らかなように、日...
この記事へのコメント
1. Posted by ダースベイダー 2010年02月26日 00:46
2. Posted by トレーダーOB 2010年02月26日 01:00
君も結構いい所あるんだな。
3. Posted by 2010年02月26日 01:02
カズキ△
4. Posted by 4月から働く院生 2010年02月26日 01:31
kazuさんがいろいろ紹介してくれるので春休みは楽しく過ごせています。
5. Posted by tooltime 2010年02月26日 01:57
>それではみなさんもたくさん勉強して人生を少しでも豊かなものにしましょう。
すげー上から目線だw
やっぱかっけぇw
すげー上から目線だw
やっぱかっけぇw
6. Posted by ロブ 2010年02月26日 03:13
ゼヒとも参考にさせていただきます。どーでもいい話にすずなりになる連中も、もっと有効な時間とアタマの使い方ができないものか、とも思いますね。
7. Posted by 低学歴ニートくん 2010年02月26日 08:03
読んで納得して終わりではなく確実に進化を遂げてください。
ニートには時間だけはたっぷりあるのですから。
8. Posted by 千 2010年02月26日 09:16
9. Posted by おっぱいがすき 2010年02月26日 12:22
今日の感想:
「なんでいまさら」
「なんでいまさら」
10. Posted by 日本人 2010年02月26日 12:45

少し話が変わりますが、
男性差別についてどう思いますか。
Wikiでまとめられております。
ごらんください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B7%E6%80%A7%E5%B7%AE%E5%88%A5
11. Posted by 碁 2010年02月26日 13:04
>7
自虐はやめれ。
自虐はやめれ。
12. Posted by gh 2010年02月26日 13:56
なんんで金持ちの金融マンがアフィってるの?
13. Posted by まほろ 2010年02月26日 20:28
あいわらず、増長してんなー。
14. Posted by k777 2010年02月26日 22:07
かずきたんが「わぁい」なBL本を出したい
15. Posted by I Don't Give A Fuck !! 2010年02月26日 23:25
>無駄な公共投資
「公共投資減らせとか言ってるやつって
マジでShitだよねwwww」
http://www.youtube.com/watch?v=pimoehjT-8g
絶対に許せない!!!
「公共投資減らせとか言ってるやつって
マジでShitだよねwwww」
http://www.youtube.com/watch?v=pimoehjT-8g
絶対に許せない!!!
16. Posted by くま 2010年02月26日 23:30
17. Posted by リストラ候補 2010年02月27日 00:27
馬鹿馬鹿しくて大変失礼な質問かと存じますがご容赦下さい。
私は大変無学な馬鹿なのですが、世の中には勉強(趣味ではないもの)をするに遅い事はないという方々がいらっしゃいます。これについて藤沢氏はどうお考えでしょう?
もし勉強を始めるに遅い時期があるとすればそれはどのくらいからとお思いでしょう?
何かの折にでも触れられれば幸いでございます。
18. Posted by リス顔 2010年02月27日 09:21
アフィじゃなくて純粋に良い本教えてくれとるだけやん。
19. Posted by timpo 2010年02月27日 13:56
17
自分で答えを考えれない奴はいつからでもダメだ
根本的に君は間違っている
自分で答えを考えれない奴はいつからでもダメだ
根本的に君は間違っている
20. Posted by 蝶野正洋 2010年02月28日 00:05
俺が正義だガッチャメラオラエー!
21. Posted by ウヨ 2010年02月28日 13:56
>17
こうなる前に勉強してくれ
http://www.youtube.com/watch?v=ujM691509x0
こうなる前に勉強してくれ
http://www.youtube.com/watch?v=ujM691509x0
22. Posted by tadao 2010年02月28日 20:09
今度は数学の推薦図書を掲載欲しいです。
23. Posted by BI論者の負けじゃね? 2010年03月01日 01:04
最近またまたBIの話が蒸し返されているようだ。
なぜこんな机上の空論の社会主義政策が上手くいくと勘違いする人が多いのか不思議でならない。
とりあえず日本国民に月8万円払うという堀江の考えを前提に書かせてもらう。(一部抜粋)
http://blog.livedoor.jp/nnnhhhkkk/archives/65371888.html?1267372627#comment-form
なぜこんな机上の空論の社会主義政策が上手くいくと勘違いする人が多いのか不思議でならない。
とりあえず日本国民に月8万円払うという堀江の考えを前提に書かせてもらう。(一部抜粋)
http://blog.livedoor.jp/nnnhhhkkk/archives/65371888.html?1267372627#comment-form
24. Posted by 2010年03月01日 06:59
投資銀行はハイエナ
25. Posted by ららら 2010年03月01日 11:46
>23.
お前だって大した根拠あること言ってねーじゃねーか
お前だって大した根拠あること言ってねーじゃねーか
26. Posted by お金の仕組み 2010年03月01日 17:50
Money As Debt
http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771&hl=en#
経済学を学ぶ前にお金の仕組みと銀行家が何を行ってきたかを学ぶことが必用だと思います。
お金の仕組みを学ぶことで世の中にある多くの違和感の原因を知ることが出来ると思います。
http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771&hl=en#
経済学を学ぶ前にお金の仕組みと銀行家が何を行ってきたかを学ぶことが必用だと思います。
お金の仕組みを学ぶことで世の中にある多くの違和感の原因を知ることが出来ると思います。
27. Posted by 23 2010年03月01日 21:32
>25
もちろんおれは言ってない。
もちろんおれは言ってない。
28. Posted by 89 2010年03月01日 23:23
藤沢さん
名著が無いとお嘆きなら
ご自身で書かれてはいかがですか?
批判するだけなら、だれにでもできます
名著が無いとお嘆きなら
ご自身で書かれてはいかがですか?
批判するだけなら、だれにでもできます
29. Posted by 犬好き 2010年03月02日 22:40
>それではみなさんもたくさん勉強して人生を少しでも豊かなものにしましょう
たしかに知識というのは人生を豊かにしてくれますね。
よし俺もがんばるぞ!
http://www.policejapan.com/contents/muranishi/20090227/
たしかに知識というのは人生を豊かにしてくれますね。
よし俺もがんばるぞ!
http://www.policejapan.com/contents/muranishi/20090227/
30. Posted by unknown 2010年03月13日 00:28
こんにちわ。
ついでですが、デリバティブに関しては、以下の本が初心者に役に立ちます(橘玲さんが一部執筆)。
「ゴミ投資家のためのインターネット株式投資入門 デリバティブ編 (オルタブックス)」
金融関係者じゃないけど知識として覚えておきたい方にはいいと思います。ただし絶版なので、見る場合はオークションなどの中古で買うか図書館で借りてください。
最近の金融商品はデリバティブが絡んでいる場合が多いし、やっぱり書いてあるような本とか少しでも読んで知識として多少なりとももっておいた方がきっと豊かにする確率は高めると思います。
