現代の金融入門、池尾和人

ツイッターでつぶやいておられる経済学者の池尾氏の新しい本を買って読んでみた。
結論からいうと金融業全般に関して、その社会的意味や様々な制度の成り立ちを俯瞰するのに非常に役に立ついい本であった。

ひとことで金融業といっても、その職種は非常に多岐にわたる。
町の闇金から、不動産や生保の営業マン、ファンド・マネジャー、証券会社のトレーダー、日銀マン・・・
日本でも何らかの金融ビジネスにかかわっている人はおどろくほど多い。
そして金融業も他の業界と同じように現代社会が複雑になるにつれて、各職種がどんどん細分化、専門化してしまい、毎日の業務をこなすのに精一杯でなかなか全体像を把握するのがむずかしくなってきている。

もちろん、そんなことは気にせずに不動産の営業マンならとにかくたくさん不動産を売って手数料を稼ぐことだけ考えていればいいし、ファンドマネジャーなら安く買って高く売ることだけ考えていればいい。
自分たちがやっている仕事の社会的意義や、いったいそういう仕事が金融システム全体の中でどういう役割を担っているのかなんて考える必要もないのかもしれない。

しかし、たまにはちょっと立ち止まって、人間にとって洗練された金融システムがなぜ必要で、それが社会でどういう役割を演じているのか深く考えてみてはどうだろうか?
この本は、そんな読者の期待に答えてくれる。