最近、クラウド・オフィスによる省スペース化に熱心に取り組んだ結果、いろいろと見えてきたものがあります。
現代のように高度に発達した資本主義社会では、食料を作ったり、衣食住に必要なモノを生産するのはわずかな数の労働者でまかなえます。
そして多くの労働者はサービス産業に従事することになります。
またサービス産業の中でも、かなりの人数が金融やITやメディアのように情報を処理する仕事に従事するでしょう。
そういった知識労働者のスペースを占有していた本や書類などの物理的情報が、電子化、クラウド化されることによって、都市の貴重な土地というリソースに空きができることになります。
この空いたスペースは何で埋まるかと考えると、僕にはそれはさらなる人で埋まるという答えしか考えられないのです。
知識労働者が無限に広がるサイバー・スペースの中で互いにコミュニケーションを取りながら、新しい付加価値を次々と生み出していく一方で、物理的なスペースは今よりも必要無くなります。
要するに、都市住民は広い家に住む必要はなく、みんなもっと狭い家に快適に住めるようになるのです。

一人暮らしならワン・ルームで十分です。
本は電子化され、書類もクラウドの中で、多くの時間をサイバースペースで過ごすならベッドと机とPCがあればいいだけです。
人と会う時はわざわざ自宅に招く必要はなく、都会ならオシャレなカフェがそこら中にあります。
また、自宅で料理する必要もなく、今では電話一本であらゆる国の料理がすぐさまデリバリーされるし、世界一美味しくてリーズナブルなレストランが日本の都市には溢れかえっています。
もちろん車もいりません。
タクシーはいつでも捕まるし、公共の交通機関も高度に発達しています。
自宅にホームシアターなど買わなくても、映画館に行けば最新の設備がいつでも安価に利用可能です。

家族で住む場合も、簡素な寝室とリビングがあれば事足りるでしょう。
50平米もあれば夫婦と子供二人ぐらいならなんなく暮らせるでしょう。
自宅に書斎や勉強部屋がなくても、大規模マンションなら共有のビジネス・スペースがあるでしょうし、ちょっとした書類仕事に寛容なカフェも沢山あります。
時間単位で使える貸しオフィスや貸し会議室も充実していますし、子供の勉強部屋なら塾の自習室などを利用できます。

都会に住んでいれば、極めて狭い家で、信じられないほど豊かな生活を送ることができる時代なのです。
僕はこれをうさぎ小屋2.0と呼びたい。
うさぎ小屋なら掃除もとても簡単です。
むろん掃除はルンバのようなロボットがやっていることはいうまでもありません。
都市の高度な分業体制と、クラウド・コンピューティングにより、世界からバカにされた東京のうさぎ小屋は、これからの時代、最高にクールでスタイリッシュなライフ・スタイルになるでしょう。

大きな昔の携帯電話が馬鹿にされるように、自己顕示欲に満ち溢れた大きな住居が時代遅れでダサいものの象徴になるでしょう。
「今時、そんなでかい家に住んでるの? ダサーい」などという会話が聞こえてきそうです。

これからはうさぎ小屋2.0の時代です。
日本はもっと都市に人口を集積できます。