リビアでは、政府軍が市民の殺戮をはじめました。また市民に銃を向ける政府に反旗を翻す兵士も出てきて、リビアは内戦状態に突入しつつあります。リビアに限らず、第二次世界大戦後も世界で戦争は絶えません。アメリカだけでも、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争のような大きな戦争の他、ドミニカ共和国、カンボジア、ラオス、グレナダ、レバノン、リビア、ニカラグア、パナマ、ソマリア、ハイチ、スーダン、アフガニスタン、コソボ、リベリアなどで小規模な戦争をしています。また世界中で常に内戦が起こっています。このように人間というのは戦争が大好きな動物のようです。

しかし戦後、日本はずっと平和でした。日本に限らずに、世界の主要先進国の市民は、少なくとも本国ではずっと平和でした。これらの平和だった国にはひとつの共通点があります。それはみんな核武装しているか、同盟国の核の傘に入っているということです。アメリカとソ連はずっと冷戦をしていましたが、核保有国同士、あるいは核の傘に入っている国同士で、武力と武力がぶつかる戦争が起きたことは、今のところ一度もありません。

これは相互確証破壊といって、もし戦争をはじめてお互いに報復合戦になったら確実に両方共滅ぶということが予測できるために、核抑止が働いている国同士は戦争できなくなるという単純な理屈です。この理屈は今のところ正しかったわけです。

アメリカはちょくちょく他の非核保有国と戦争したり、中国やロシアも同様に他の非核保有国と戦争しています。また非核保有国同士の戦争や、内戦などはしょっちゅう起こっています。しかし核保有国同士では戦争は起こりませんでした。

また、自由貿易で経済の相互依存が強ければ強いほど戦争が起こりにくいことは統計的に確かめられています。やはりお互いに経済的に分業体制を築くことにより、戦争によって失うものが増やるからでしょう。もっとも厳密にいえば、戦争が起こらないような国家間で自由貿易が進むという可能性もあり、このような統計データだけでは、自由貿易が戦争を無くすという因果関係は証明できませんけど。

人間というのはどうも殺し合いが大好きなようで、放って置いても人は自然と戦争をはじめるのでしょう。世界はそういうもののようです。

日本として戦争に巻き込まれないために何をすればいいのでしょうか? 僕にはとても自明なことに思えます。日米同盟を大切にして、アメリカの核の傘に入る。それからグローバリゼーションを推進して、なるべく多くの国と経済の相互依存を深める。このふたつ以外は考えられません。

参考資料
戦争の経済学、ポール・ポースト、山形浩生(翻訳)
世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃、ジョセフ・E・スティグリッツ、リンダ・ビルムズ、楡井 浩一(翻訳)
グローバル資本主義だけが世界を平和にし、世界の貧困問題を解決できる ―米軍ヘリによる民間人誤射殺の映像から考えた事、金融日記
戦争って意外と簡単にはじまるかも、アゴラ