どうも原発だのソーラーだの騒いでいる人たちは、エネルギーの全体像が見えていない気がします。日本のエネルギー・フローを簡単に説明しましょう。

エネルギー・フロー概要
出所:エネルギー白書2010

まず我々が使う電気やガソリンなどを作るために必要なエネルギー源を一次エネルギーといいます。原子力、水力、石炭、天然ガスです。ソーラーや風力は微小で誤差の範囲なので無視してけっこうです。日本の電力消費の中で30%ほどを占める原子力ですが、一次エネルギーの中では10%程度です。石油がダントツで42%ほどです。しかし石油は高価なので、自動車のガソリンなどに利用され、発電にはほとんど利用されません。原子力と水力は100%発電に使われます。

電力やガソリンなどは、一次エネルギーをすぐに使えるように転換した後の二次エネルギーです。最終的なエネルギーの消費では、これらの二次エネルギーと、ガスや石炭などの一次エネルギーをそのまま使う場合があります。ここで最終消費エネルギーの内、電力というのは実は25%しかありません。電気というのは我々が使っているエネルギーの4分の1に過ぎないのです。

しかしこの最終消費エネルギーの4分の1しかない電気を作るために、一次エネルギーの45%を使ってしまいます。発電の過程で、3分の2ほどのエネルギーが失われてしまうからです。発電効率というのはせいぜい3割程度なのです。

日本が輸入する莫大な化石燃料のうちの3割程度が火力発電所で燃やされます。残りはガソリンになったり製造業で使われます。

電力消費量の内、家庭で使われるのは3分の1程度です。つまり家庭というのは、最終エネルギー消費で電力が占める25%の中のさらに3分の1の話なのです。エネルギーの多くが自動車と製造業で使われます。節電といっても、家庭でできることなどたかが知れているのです。

僕は、大気汚染地球温暖化などを考慮すると、一次エネルギーの原子力比率を積極的に高め、電気自動車の普及に努めるべきだと考えていますが、それについてはまた次回。

一次エネルギーと二次エネルギー
出所: エネルギー白書2010より筆者作成

参考資料
エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う、石井彰