最近、海外の政治・経済のニュースの多くが欧州債務問題について、である。実際に金融市場、そして実体経済においても、欧州でただならぬことが起こっているのだ。

まずは、金融市場の10年物国債の利回りを見てみよう。ドイツ国債が安全資産として資金の逃避先になり、歴史的な低利回りとなる一方で、同じユーロ圏のギリシャやポルトガルなどのPIIGS諸国の国債利回りは暴騰している。最近ではスペインのような大国の国債の利回りも、毎日最高値を更新している。

ユーロ圏10年物国債利回り
出所: Eurostat

しかし、よく見ると、これらの南欧の国々は、ユーロ加盟前は、ドイツやフランスなどと比べてもリスクに見合った高い利回りになっていのだ。それが世界的な金融バブルと統一通貨ユーロという幻想で、収斂していただけ、だとも言える。

そして、このユーロの問題は、もちろん金融市場の中でのマネーゲームの話だけではない。実際の実体経済に深刻な影響を与えているのだ。下の図は、欧州諸国の若年層失業率の推移である。

ユーロ圏若年層失業率
出所: Eurostat

なんと、ギリシャやスペインの若年層失業率は50%を突破している。日本の大学生がなかなか内定を取れない就職氷河期どころの騒ぎではない。もちろん、これらの国は統計に現れない闇の労働市場も発達しているのだが、それにしても過去との違いを見れば、この失業率の急上昇はただならぬ事であることが分かる。

さて、明日の日曜日は注目のギリシャ再選挙です。そこで、今週の週刊金融日記では、この欧州債務危機問題を分かりやすく解説しようと思います。

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