僕は恋愛工学の研究のかたわら、副業で国際金融業もやっていて、最近、香港出張の機会があった。
その際に、恋愛工学のいくつかの重要な仮説を検証するべく、フィールド・ワークを行なってきた。

一般的に、高度な論理的思考力が要求されるような分野ほど女性が少なくなる。
大学では、就職がとりわけ有利とされる工学部や法学部などは男性比率が非常に高く、男子:女子は10:1、ひどいと20:1ぐらいになる。
これが文学部では反対になる。
また、偏差値の高い大学ほど女性が少なくなる傾向がある。
例えば、東京大学の場合、2011年の学生総数14,128人の内、女子学生は2,637人しかいない。
女性の比率はたったの18.7%で、なんと女子学生は5人に1人もいないのだ。

高学歴男子はモテる、とよくいわれるが、それは外部調達能力を有する一部の人材の話であり、多くの男子は、この凄まじいレッド・オーシャン(反対に言えば女子にとっては豊かなブルー・オーシャン)で、女王様のように振る舞う女子学生相手に、授業の代返をしたり、テスト前によくまとまったノートのコピーを用意したりと、まるで下僕のように扱われているのだ。
なんの見返りもないままに。
会社の業績が経営者の能力ではなく市場環境で大体決まるように、なんだかんだいって、個人のモテも、本人の資質というよりも環境で決まるのだ。

さらに大企業の重要な総合職なども、女性が非常に少ない。
数量的な能力が重要な、ファイナンスやエンジニアの分野は、とりわけ女性が少ない。
こういう学歴、職業の面でハイスペックな男性は、外部調達能力の有無が、恋愛市場でのパフォーマンスに甚大な影響を与えると言えるだろう。

さて、これが学校単位、会社の部署単位の話なら、外部調達能力を磨くことにより、男子はいかようにもやりようがあるのだが、地域単位となってくると、話は違ってくる。
恋愛市場の実務家の間ではよく知られた現象ではあるが、東京よりも地方の方が男子はモテるようになる。
大企業などで地方に転勤した男性の正社員は、地方ではかなりモテる。

東京には、大企業の本社機能、有名大学が集中しており、地方から、優秀なハイスペックな男性を集積する大きな力が働いている。
一方で、恋愛偏差値の高い女性を東京に集積する力は、ほとんど作用しない。
確かに、芸能人やファッション・モデルなどは東京に集中しているが、数的にあまりにも少なすぎて、恋愛市場にマクロな影響を与えることはないだろう。
要するに、このような経済的なドライビング・フォースにより、東京のような経済機能の集中する大都市の恋愛市場は、男性の方が競争が厳しくなりがちなのである。

さて、これが国単位になるとどうなるだろうか?
その答えを探るべく、金融日記恋愛工学研究所で、香港の恋愛市場の包括的なリサーチを実施してきた。
ヨーロッパは、週末などは若い男女がクラブやパブで朝まで飲んで踊る、というような、日本では警察に取り締まられている、パーティー文化がさかんで、そこで男女が出会うのだが、イギリス領であった香港もこういうパーティー文化を引き継いでいる。
香港の恋愛市場がいかに過酷なものか、論より証拠、百聞は一見に如かず、ということで筆者が撮影した、フライデーナイトのワンシーンを見ていただきたい。

香港のクラブシーン
香港のフライデーナイトのワンシーン。筆者撮影。

男性にとって、香港というのがどれほど過酷な環境なのか、一目瞭然だろう。
筆者は多くの国を訪れ、週末のクラブなどは多いに楽しんできたのだが、これほど悲惨なパーティーを見たことがない。
香港は、今やアジアの金融センターで、世界中からハイスペックな男性が集まってくる。
また、それに付随して多くのIT企業も集積しており、やはりインドやアジア各地から優秀な男性エンジニアが集まってくるのだ。
さらに中国が背後にあるという特殊事情もある。
中国は一人っ子政策の影響で、跡取りとして男の子を希望する親が多いため、(よく考えると恐ろしい話であるが)男児の方が女児よりも2割も多く生まれてくるのだ。
こうした影響から、香港の恋愛市場は、男性にとって極めて厳しいものになっている。
少々可愛い女子は、女王さま、トップアイドル並みの扱いを当然のごとく期待しており、実際にそれだけのことをやる男性は香港にはいくらでもいる。
日本でいうところの中の上程度の女性と交際するためには、家でも買わないといけないぐらいの雰囲気である。

確かに、香港は税金も安く、ビジネスをやる環境は充実している。
しかし、こういった恋愛市場の現実は知っておくべきだろう。
逆にいえば、日本の恋愛市場でのパフォーマンスが芳しくなかったり、劇的にパフォーマンスを改善したい日本人女性の場合、香港への移住はひとつのオプションとして真剣に考えた方がいいかもしれない。
肌の白い日本人女性は、南の方の途上国などに行けば大体モテるが、金持ちの男性にもモテモテになれる、という点ではおそらく香港以上の恋愛市場はないだろう。

さて、香港とマカオの観光情報などは、今週号か来週号のメルマガにでも書くので、興味のある方は購読して欲しい。

まぐまぐブロゴス夜間飛行